背中にできるニキビの原因は? 気になるブツブツの対処法
こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。
女性はいくつになっても、滑らかなで健康的なお肌に憧れますよね。しかし、年齢を重ねるごとに肌トラブルは増えてくるもの。
私自身も、鏡をのぞいた時に「いつの間にか、こんな部分にニキビができている…!」と、ショックを受けた経験があります。
ニキビや吹き出物ができると、「若い頃に比べて治りは遅いし、このまま放置して跡が残ってしまったらどうしよう…」なんて、ついつい気持ちも落ち込み気味になります。
特に背中にできる背中ニキビは、見つかるまでに時間がかかる上に手が届きにくい場所にあるので、ケアがしづらく放っておいたら悪化している…なんてことにもなりかねません。
今回は、背中ニキビが起こる原因、悪化させないためのセルフケアのポイントをご紹介します。
目次
1.ニキビは90%以上の人が経験する
ニキビとは「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる皮膚の毛穴にできる病気です。
性別を問わず、約90%以上の日本人が経験すると言われています。
「ニキビ」というと、つい顔にできる皮膚トラブルだと想像してしまいがちですが、実は背中もニキビができやすい部位の一つです。 まずはニキビとは一体どういうものなのかをご紹介します。
1-1.ニキビのできるメカニズム
ニキビは、洗浄不足や皮脂の分泌が多すぎることなどから毛穴の出口が詰まることにより、毛包内に皮脂が溜まった状態からはじまります。これが一般的に白ニキビ、黒ニキビ(コメド)と呼ばれるものです。
皮脂が溜まった毛穴の中で皮脂が大好物な「アクネ菌」が増殖すると、炎症が起こり、赤くなります(赤ニキビ)。
さらに炎症がすすむと、広がった毛穴の壁が破れ、周りの組織にまで炎症が広がり、黄色い膿(うみ)をもつようになります(黄色(化膿)ニキビ)。
悪者のようなイメージのアクネ菌ですが、健康な皮膚の常在菌の一種でもあります。皮脂を分解して保湿成分を作る働きがある一方で、増え過ぎることで炎症を起こすこともあります。
1-2.ニキビができやすい部位
ニキビができやすい部位は体の皮脂腺が発達している場所です。そのため顔やデコルテ部分、背中(上部)はとくにニキビができやすい部位と言われています。
ニキビは性ホルモンの分泌が活発になり、皮脂の分泌が高まる思春期に好発しますが、女性は大人になってから発症することもあり、「大人ニキビ」と呼ばれます。また、「背中ニキビ」はその名のとおり背中にできたニキビのことをさします。
1-3.ニキビが悪化する原因
ニキビが悪化する原因の一つに皮脂の分泌の増加があります。
菌は高温多湿の場所を好むため、特に春~夏場にかけて症状は悪化しやすいと言われています。また、スポーツや高温の職場で働く人は夏場以外でも症状が出ることがあります。
逆に冬場であっても、乾燥によって皮脂分泌がアンバランスになったり、皮膚のターンオーバーに異常をきたし、角質がつまることでニキビが出ることもあります。
特に女性の大人ニキビは、睡眠不足や便秘、乾燥肌(ドライスキン)、不規則な生活習慣、不適切なスキンケア、ストレスや月経前によるホルモンバランスの乱れなどが原因と考えられています。
2.毛包炎(毛のう炎)
背中ニキビの中には、アクネ菌(顔に出来るニキビの原因菌)とは別に毛包炎(毛のう炎)と呼ばれる皮膚の病気があります。
毛包とは毛穴の奥の毛根を包み込む組織のことで、その毛包内に細菌が入り込み、炎症を起こし、赤いブツブツした症状ができたものを毛包炎と呼びます。
原因菌として、健常な人の皮膚にも存在する「黄色ブドウ球菌」や「表皮ブドウ球菌」などがあります。
また、近年背中ニキビの原因として注目されているのが「マラセチア(真菌)」です。マラセチアも毛包内で炎症を起こし、赤くポツポツした症状をおこします。マラセチア毛包炎は背中にできやすく、見た目はニキビと見分けがつきにくいことが特徴です。
2-1.マラセチア毛包炎とは
マラチセアはいわゆるカビ(真菌)の一種です。
マラセチアも常在菌なので、健康な人の皮膚表面にも存在します。マラセチアは、アクネ菌と同様に毛穴の皮脂分泌がさかんな場所を好みます。
そのため、毛穴に皮脂が増えるとマラセチアが増殖し、その結果、炎症が起こり毛包炎などブツブツした症状が現れます。
2-2.マラセチア菌による毛包炎の特徴
マラセチア菌が原因の毛包炎は、小さな赤くポツポツした症状で、かゆみを伴います。症状が軽い場合は赤いブツブツがわずかにできる程度ですが、悪化するとブツブツの数も増え、白い膿をもってきます。
マラセチア菌は顔よりは胸や背中に多いと言われているため、顔にポツポツした症状がなく、胸や背中だけに現れる場合はマラセチア毛包炎による可能性があります。
ニキビに比べると、全体に同じようなブツブツが均一に拡がったように見えることが多いものの、ニキビとの区別が難しいと言われています。そのため、「ニキビだと思って、市販のニキビの治療薬を使ったけど良くならなかった」ということも少なくありません。
3.背中ニキビの治療
背中ニキビの治療では一人ひとりの原因菌とできた部位、症状に合った適切な治療が行われます。薬の種類もさまざまです。
アクネ菌によるニキビ治療の場合は、毛穴の出口の閉塞を防ぐアダパレンという成分を配合した外用薬や、抗菌外用薬、抗菌内服薬、ビタミン剤、漢方薬、ホルモン薬、イオウ製剤などが使われます。一部、ニキビの市販薬としてドラッグストアなどで購入することができます。
一方でマラセチア毛包炎の場合は、ニキビの市販薬で治療しても治ることはありません。
この場合は、マラセチア毛包炎の可能性もあるため、皮膚科受診をして専門家に診断をしてもらいましょう。マラセチア毛包炎の場合は、細菌ではなく、真菌(カビ)が原因のため、カビに効く塗り薬(抗真菌剤)を使用しなければ効果がありません。また、症状の程度により飲み薬が使用されることもあります。
治療効果があらわれる期間は人それぞれ異なり、数週間~数か月かかることもあります。
4.悪化させないためのセルフケアのポイント
日常生活の中でも、背中ニキビを悪化させないためにできることがいくつかあります。
背中ニキビを予防・悪化させないためのセルフケアのポイントについてご紹介します。
4-1.衣類や寝具は清潔に保つ
背中は常に衣類と接しています。
ナイロンやポリエステルなどの化学繊維の衣類は、通気性が悪い上に摩擦が起こることで過度に肌を刺激するため、皮脂分泌が増え、ニキビの悪化の原因になることがあります。
そのため、素材は綿やシルクなど比較的肌への負担が少ないような素材を選ぶと良いでしょう。
綿やシルクは通気性もよく、汗を吸い取る効果もあるため、肌を清潔に保ちやすくなります。汗をかいたらこまめに拭き取り、着替えることもおすすめです。
寝具に関しても衣類と同じように、直接肌に触れるものであり、夜中にかいた汗を吸い取るため蒸れやすく、菌の増殖の温床になりやすいです。そのため、こまめに洗濯をして清潔に保つことが大切です。
4-2.すすぎ残しがないようシャワーをする
毎日の入浴やシャワーで肌を清潔に保つことを心がけましょう。とくにシャンプーやリンスなどの石鹸が背中に残らないように、洗い流しましょう。
この時にナイロン製のタオルを使用するのではなく、摩擦の少ない綿のタオルなどを使用しましょう。泡が出るタイプのボディソープであれば、肌を直接こすらず負担を軽減することができます。
4-3.バランスのとれた食事
皮脂を増やすのは、血液の中の中性脂肪です。
チョコレートやナッツ、揚げ物などの油の多いものでニキビが増えると考えている人が多いようですが、実は、盲点になっているのは糖質です。砂糖たっぷりの甘いものや炭水化物をたくさん食べることで、糖質が余ると中性脂肪に変化して皮脂の分泌を増やしてしまいます。
特に、シニアといわれる年齢になり、脂質代謝が悪くなり中性脂肪が高いといわれているタイプは注意が必要です。
皮脂の酸化は毛穴詰まりの原因となるため、古い油や劣化した油もよくありません。加工食品の摂りすぎには注意しましょう。
皮脂の分泌やターンオーバーを改善するためには、ビタミンA。皮脂分泌を抑制し酸化を防ぐにはビタミンB2、皮脂の酸化を抑制するためにはビタミンEなど。ビタミン類をしっかりと摂取することが重要です。
大切なのは1日3食の規則正しい食事をとることです。偏った食生活ではなく、ビタミンやたんぱく質、食物繊維など栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
4-4.規則正しい生活、十分な睡眠をとる
人は朝と夜では体内のホルモンの分泌量が異なります。
睡眠不足や日夜逆転の生活が続くと、ホルモンバランスが崩れることがあります。
そのため、ホルモンのアンバランスによって皮脂の分泌量が変わり、ニキビが悪化することがあるのです。できるだけ、十分な睡眠と規則正しい生活を送るよう心がけましょう。
4-5.ストレスを溜めこまない
ストレスを溜めない生活を心がけましょう。ストレスは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌や性ホルモンのアンバランスによって、皮脂分泌や皮脂の酸化に影響が出ると言われており、ニキビの悪化の原因になると考えられています。
音楽や映画、旅行などの趣味、軽い運動など、自分なりのストレス解消法をみつけましょう。
時間がなかなかとれない人はお風呂上りに軽くストレッチするだけでも気分転換になります。体にストレスや疲れを溜めこまない生活を意識してみましょう。
5.背中ニキビは体を大切にするサイン
私は背中ニキビができると、「体を大切にするサイン」だと思うようにしています。
生活習慣の見直しをすること、マッサージや美味しいものを食べるなどストレス解消をすることを意識しています。
また、ひとことで「背中ニキビ」といっても原因はさまざまです。
治療方法は人により異なるため、気になるようでしたら専門の医療機関を受診すると良いでしょう。
また、ドラッグストアなどで市販の薬も販売しているため、店舗の薬剤師に相談してみるのも良いかもしれませんね。
治療だけでなくセルフケアも背中ニキビを悪化させないための大切なポイントです。
これから肌の露出が徐々に増えていく季節になるので、今から背中ニキビにならないよう心がけていきたいですね。いつまでも健やかで美しい体づくりを目指していきましょう。
和重 景
主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。