皆様こんにちは。
医師で、予防医療スペシャリストの桐村里紗です。

平素皆様に健康についてあれこれとお伝えしながら、小さな頃から自分の心身のコントロールに苦労している私です。

1.脳のバグに振り回される人生

悩む女性

特に、脳のバグ!

まず、難治な不眠。
定期的に薬が全く効かないほどの不眠スイッチが入り、寝込むということを繰り返してしまいます。

それから、環境に繊細に反応しすぎるため、環境の変化や新しい出来事、人とのコミュニケーションが全て刺激になって、自律神経がストレス・トラウマモードを発動してフリーズしてしまいます。

さらに、そもそも「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」的な要素が高いため、普段は工夫や学習によって何とか対応できるようになっていますが、不眠が続くと完全なバグモードになって、生活や仕事に混乱を来しています。

そんなこんなで、研修医の頃は睡眠薬を2種類併用しながらなんとか誤魔化してきたものの、後期研修医時代には難治な不眠になり、1度目の戦線離脱を経験しました。

その後も、定期的に脳のバグのせいで寝込み、仕事を中断せざるを得ないことが続いていました。

2.発達障害?グレーゾーン?どこに相談する?

発達障害

「発達障害」は近年、ブームのように使われるワードですが、診断基準に当てはまっても、全て当てはまらないグレーゾーンでも、特に問題がなく社会生活が送れて、本人も周りも支障なく生きていられるのであれば、性格傾向や脳のクセのバリエーションの一環と考えても良いのだと思います。

しかし、本人も周りも困難を抱え、社会生活に支障をきたし、幸せな人生を生きられないのであれば、何かしらのサポートが欲しいものです。

でも、多くの大人の発達障害やグレーゾーンの場合、「病院に行くほどでもない」「精神科に行くのはかなり気が引ける」「治療するほどでもないけど困っている」という方がほとんどだと思います。

3.一般の精神科では解決できない?

病院

しかも、精神科に行ったところで、必ず解決するわけではありません。発達障害の診断基準に当てはまる場合やそれに伴って、うつ病や強迫神経症など、何らかの精神科の診断基準に当てはまる疾患を併発している場合には、精神科でも相手にしてもらえますが、そうではないグレーの場合、多くは、「診断基準には当てはまらないし、問題ないですね」と言われて取り合ってもらえないことも。

「不眠症には睡眠剤出しときますね」「うつ病には抗うつ剤出しときますね」と、根本的な解決にならない薬物療法のみで対処され、結局生きづらさや社会的困難は変わらないということになってしまいます。

私も別に、不眠さえなければ何とか誤魔化し誤魔化し生きてはいけますし、他にも色々なワークや施術の方法を知っているので、精神科に相談するほどでもないと、受診など考えたこともありませんでした。

4.福音的な治療TMS(経頭蓋磁気刺激法)

しかし、今回、いよいよ、2週間の難治な不眠を経て完全に脳がバグって日常生活や仕事が崩壊しそうになったところで、信頼する友人の精神科専門医から紹介された磁気治療器TMS(経頭蓋磁気刺激法)。

私の場合は、難治な不眠が解決して、脳のバグが随分と改善しました。
照射部位によって、反応が後退したりもしましたが、相談の上でメンテナンスをしながら治療を進めていきました。

もちろん、反応に個人差はあり、数回目から効果を実感しはじめるのが一般的で、十数回で効果が現れてくる事例もあります。

最新の磁気治療器TMS(経頭蓋磁気刺激法)を導入し、健康な人の脳のパフォーマンスアップからグレーゾーン的な未病の段階、さらに本格的な発達障害などの疾患にまで幅広く対応した、ブレインクリニック東京院(大阪院もあり)の受診・体験記をレポートしてみます。

私と似たような大人はとても多いと思いますので、そんな方々の参考になれば幸いです。

5.発達障害やそのグレーは社会に溢れている

片付け

片付けられない。
忘れ物が多い。
うっかりが多い。
人の話を集中して聴けない。
じっと座っているのは無理で、ついつい思考がお散歩しちゃう。
こちらはADHD(注意欠陥・多動性症候群)的。

また、融通が効かない。
こだわりが強い。
思い通りにならないとすぐにパニクって怒っちゃう。
他人の真意が分からない、空気読むって何?
こちらはASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)的。

こんな人は、五万といるでしょう。

精神科の診断基準である「ICD-10」やら「DMS-5」やらを眺めてみると、ほとんどの人が何かの「精神疾患」に当てはまってしまうものですが、特に、最近は、「発達障害」という言葉が一人歩きして、「私って発達障害?」「この子って発達障害?」と不安になる人や親御さんも増えています。

診断基準に当てはまらないけれど、なんとなく傾向がある「グレーゾーン」は、子供から大人まで、社会に溢れています。
クラスの中にも、会社の同僚や上司にも、ご家族内にも、たくさん紛れながら、社会の中で暮らしています。

考え方や感じ方、脳の使い方のクセ、個体差で、「ちょっと変わってるけど、まぁ、ダイバーシティですから、個性があって当たり前ですよね」と片付けてしまえる程度で、日常生活や仕事に支障がなく、周りも巻き込まれないのであれば、全然良いのです。

6.生きづらさや周りの不理解が事態を悪化させる

いじめ

でも、それが原因でイジメにあったり、理解されなかったりして、多くの人は、協調性があることが良しとされてきた日本社会の中で「生きづらさ」を抱えています。

グレーゾーンの場合、知的な障害もないか、軽度ですが、学習、行動、対人関係や社会性などに何らかのつまづきを抱えがちです。

親の不理解、学校の先生の不理解、周りの不理解で、本人には悪気がなくても「できない」こと。
例えば、落ち着きがない場合、集中できない、座れない、人の話をじっと聴けない、逆に自分の好きなことだけに過度に集中して他のことができない…。

こんな場合に、特に親から「何であなたはこんなこともできないの」などと怒られ続けてしまうと、自己肯定感が失われ、大人になっても生涯、根本的な自信を喪失したまま、本領を発揮できずに人生を送ることになります。

人間関係が長く続かない、他人といたら疲れるから一人で過ごす時間が増えるなど、孤独にもなりやすく、「どうせ私は理解されない」と考えるようになりやすいのです。

知的に問題がなく、勉強ができる場合は、気づかれず大人になって、社会人になってから人間関係や仕事上のトラブルを繰り返して気づかれる場合もあります。

むしろ、重度な患者さんは、幼少期から精神保健に保護されることになりますが、軽度は気づかれずに、丸腰で社会という荒波に冒険に出なければならないため、大人になってから困難を抱えがちです。

いずれにせよ、自己肯定感も低い上に、親や教師、他人からも評価されないことがほとんどです。
そのせいで、うつ病や摂食障害、ひきこもりなどの二次的な問題が起こりやすく、むしろ、こちらが人生の足を引っ張ることになります。

発達障害やそのグレーゾーンの場合、脳が偏っているために、できないことも多いですが、突出して何かの能力を発揮します。
ですから、できないことを否定したり責めたりせず、できることを肯定して伸ばし、活かすことができれば良いのですが、そうもいかないのが日本の教育や常識です。

アメリカのシリコンバレーのテック企業では、何かの能力が突出した発達障害の人材は徴用され、活躍しています。
社会の受け入れ態勢によって、随分と人生が違ってしまいますね。

7.成人のADHDの症状チェックリスト

チェックリスト

簡単なチェックリストに回答してみて下さい。
(※成人期の ADHD 自己記入式症状チェックリスト :ASRS-v1.1(世界保健機構 (WHO)と研究グループによる共同制作)を元に簡易版に改変。)

1)物事を行なうにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか。

全くない〜めったにない:×
時々〜頻繁〜非常に頻繁:○

2)計画性を要する作業を行なう際に、作業を順序だてるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか。 

全くない〜めったにない:×
時々〜頻繁〜非常に頻繁:○

3)約束や、しなければならない用事を忘れたことが、どのくらいの頻度でありますか。

全くない〜めったにない:×
時々〜頻繁〜非常に頻繁:○

4)じっくりと考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりすることが、どのくらいの頻度でありますか。

全くない〜めったにない〜時々:×
頻繁〜非常に頻繁:○

5)長時間座っていなければならない時に、手足をそわそわと動かしたり、もぞもぞしたりすることが、どのくらいの頻度でありますか。

全くない〜めったにない〜時々:×
頻繁〜非常に頻繁:○

6)まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせず゙にいられなくなることが、どのくらいの頻度でありますか。

全くない〜めったにない〜時々:×
頻繁〜非常に頻繁:○

○が4つ以上の場合、成人期のADHDに該当する症状を持っている可能性が高い
4つ以下の場合も、グレーゾーンの可能性はあります。

8.片付けられない!忘れ物!うっかり!の日常

いかがでしたでしょうか?
私の場合、5つですが、家人からすると「6つ全て」だそうです。

ADHDの場合、①不注意②多動性③衝動性が特徴です。
よくある授業中に立ち歩くのは、多動性が高いパターンですが、そうでない場合もあります。

私の場合、母親は、「あなたは大人しくじっと座っていられるし、おっとりした子だったから、ADHDのはずがない」と言いますが、目の前の現実世界ではなく脳内でファンタジーの世界をお散歩していたので、あまり気づかれずに大人になることもあるようです。

今現在はどんな始末かと申しますと、

8-1.机やバッグはカオス!

机や引き出し、家は、よほど頑張らないと散らかります。
カバンの中は常にカオスです。

8-2.忘れ物なくし物はお約束!

2つ以上モノを手に持つと1つを必ず忘れてきます。
元旦に新大阪駅に財布とカードごとバッグを忘れてきたことすら気づきませんでした。
忘れる前提でモノを置くと、必ず忘れます、それなのに、学ばずに置いてしまいます。

8-3.スケジュール管理って何?

スケジュール

スケジュール管理、全くできません。
管理アプリなど、紹介されても全く使えません。

仕事や頼まれごとは一瞬で取りかからないと完全に漬物にしてしまうため、秒速で戻します。
そのため、逆に仕事はめちゃくちゃ早いのです。

しかし、優先順位をつけて何か計画することも、全くできませんので、目の前に来たものを打ち返すというスタイルで、重要なことが後回しになったりして困ります。

8-4.習慣が持てない

健康管理のために、毎日同じルーティーンを持つこと、できません。

サプリを飲むのもすっかり忘れるので、思い出したときに口に放り込みます。
例えば、朝必ずスムージーを飲みますとか、できません。

毎週決まった何かに通うのも、キツイ。だって、好きなときに行きたいんだもん。
毎日気分って違うでしょう?

8-5.カフェでまったりとか無理!

カフェ

自分に話しかけられていても、すぐに別のことを思い出して考え始めてしまいます。
カフェに行って、ボーッと過ごすこととか、できません。
何かしらの作業を同時進行でするようなことがなければ、飽きてコーヒーをがぶ飲みしたら、すぐに出てしまいます。

長時間の講座受講の最中は、複数の内職をランダムに同時進行で行っています。
性能が良い時にはマルチタスクなのですが、性能が落ちると全てが中途半端です。

作業の途中で別のことが気になるとそっちに取り掛かり、さらに別のことを思い出してそっちに取り掛かってしまうので、なかなか一つの作業が完了しません。

8-6.こぼす、落とす、汚す

手元も疎かなので、新しい服を買っても100%初日に食べこぼして汚します。
同じく、機器を買ってもすぐに手元が疎かになって落とすので、カメラを3回初回に壊しました。

このせいで、家人に怒られることもしばしばですが、何度注意されても変わりません。

9.実は医者にも多い発達障害グレーゾーン

研究

そんな大人ながら、何とか仕事も日常もやっています。
医者には、発達障害的要素を持つグレーゾーンは大変多いのです。

ADHD的要素があれば、新奇性への興味があるため、新しい研究や治療法への好奇心にもつながります。

オペを日常とする外科医は、こだわりが強くて一つのことを繰り返し、感情に流されずに作業ができるタイプ、若干のASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)的要素を持っている人が向いていたりします。

10.過集中という特技も発揮!でも撃沈

集中できないかに思われるADHDですが、場合によっては、好きなことには「過集中」するという特殊能力が発揮される場合もあります。

ゲームなどにのめり込むとお母様方は困ってしまうかも知れませんが、何か得意なこと興味があることに何時間でも集中できるので、すごい才能を発揮したりします。

私の場合も、忘れっぽい代わりに、「仕事は早い」で通っています。
過集中の能力を発揮して、食事もせずに机に座ってパソコンを打ち続けることができるためです。

書籍の原稿を書くときなどは、週末2日間朝から晩まで椅子に座りっぱなしでも全く集中は途切れませんし、むしろ休憩することが苦手、、、

しかし、過集中が過ぎると、それが切れずに不眠に陥り、バグって撃沈することになるので、大変効率が悪いのですが。

なんだかんだで折り合いをつけて、日常生活、社会生活が送れるのであれば、必ずしも治療的な対処が必要なものではありません。

でも、本人や周りがどうしようもなく困っている。
二次的に問題が発生して人生に大きな支障が出ている場合には、専門家に相談するとこれまで八方塞がりだった状況に、道が見えてくるかも知れません。

11.グレー?もどきは食事も見直そう

オーガニックの野菜

発達障害は、先天的な脳の発達の個人差と後天的な環境要因による、脳機能の問題から起こるものです。

脳内の栄養代謝や神経伝達物質の分泌、脳のどの領域が働きやすいかなどの個体差が大いにあります。それに、近年では腸内フローラの異常(ディスバイオーシス)による腸脳相関の関連も指摘されています。

神経伝達物質の分泌には、タンパク質を原料とし、酵素のサポートにビタミンB群やミネラル類が不可欠ですが、その利用率や代謝には個体差があります。

分子栄養療法は、アメリカの精神科医のエイブラハム・ホッファー先生が、精神科治療への臨床応用を始めたことをきっかけにしています。

食事だけでは追いつかない人に対して栄養素を補うことで症状が改善することがあります。
また、近年、離乳食時から小麦と牛乳の与え過ぎによって、その中間代謝物が麻薬と同様に脳のオピオイド受容体を刺激して、「発達障害もどき」の症状が出てしまう場合もあります。

グレート・プレインズ・ラボラトリーズのウィリアム・ショー先生が提唱するバイオロジカル医療的には、まず、腸に炎症を起こし、代謝物が脳に作用しやすいグルテン・カゼインを控えます。
さらに、脳の神経伝達物質やミトコンドリア代謝にも影響を与えるカンジダや悪玉のクロストリジウムが分泌する代謝物が増えていれば、食事を見直し、腸管へのアプローチを基本とします。

子供も大人も、個々人に合わせた栄養素を補い、腸管からアプローチをすることは、気軽にトライできる方法になると思います。

12.ついに受診を決意!薬を使わない最新の磁気治療器rTMS(経頭蓋磁気刺激法)

もちろん、私の場合は、ベースの食事は問題なしです。

カンジダや悪玉のクロストリジウムによる悪影響もありません。(こちらをみるのが、有機酸検査です。)

でも、うっかりや忘れ物は日常です。
普段はそれでもなんとかスケジュール管理を工夫したり、秒速で仕事を打ち返すことなどで対処できているのですが、ここに不眠が加わると脳がバグってどうしようもなくなります。

過集中のスイッチが切れずに不眠期に突入することがしばしばですが、脳は、寝ている時、不要な情報を捨て必要な情報を整理しています。

ですから眠れないとどんどんバグが増えて、混線していきますし、どんどん抑うつモードに入っていきます。
仕事も日に日に溜まっていく、その仕事について考えるとまた眠れないという悪循環に陥ってしまうとどうしようもありません。

ミラーニューロンなどのシステムを通して、私の心の状態は家人にも感染していきますので、家庭内が殺伐かつどんよりとしてきます。

そんな状態で、仕事半ばで休職しなければならないことが何度もありました。
そして、今回も薬でも効かないほどの不眠が2週間目に突入したところで、撃沈。

そんな時、信頼する精神科医の友人が勤務するクリニックが、たまたま、最新の磁気治療器rTMS(経頭蓋磁気刺激法)を導入して、診断基準外のグレーゾーンや生きづらい大人を受け入れていることを知ります。それが、ブレインクリニックでした。

次回は、受診から検査をレポします。

(つづく)

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この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか