こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

「去年と同じ服なのになんだか印象が違う」
「バストの位置が下がったような気がする」

みなさんは鏡を見てこのように感じたことはないでしょうか?

若い頃は祖母に対して「なんでこんなにバストが下の方にあるんだろう」と疑問に思っていたのですが、まさか自分がこうして悩むようになるなんて思ってもみませんでした。

バストアップはもう無理なのかなと諦めかけていたのですが、街で見かける同年代や少し世代が上の方でもツンとバストが上を向いている方がいることに気がついたんです。

一体、どうしたらバストを綺麗に保てるのでしょうか?

バストを綺麗に保つためには、サイズの合ったブラジャーをつけることが大切です。

若いときはサイズを測ってもらい、自分に合ったものを選んでいたのですが、最近はサイズを測ることなく昔のサイズのまま購入していました。

自分でも「アンダーがきついな」と思いながらも、「私はこのサイズだから」とそのままにしていたことで、徐々にバストが下がってきたようにも感じます。

バストは加齢に伴い、どうしても下垂の進行は避けられませんが、筋トレをすることで急激な下垂の進行が予防できます。

しかし筋トレをしたからといって、すぐにバストアップするわけではありません。

また自己流の筋トレではなく、鍛えるべき筋肉にアプローチすることが大切です。

筋トレと聞くと、「きつい」「続ける自信がない」と思う方もいらしゃると思います。

でも大丈夫! 普段運動習慣がない方でも取り組みやすい、自宅でできる方法をご紹介します。

1. なぜバストは下がってくるの?

バストアップを目指すなら、最初にバストが下がる理由について知っておくことが大切です。

バストの変化は、その特有な構造が関係しています。
バストは、「乳腺」と「脂肪」、それらを支える「クーパー靭帯」などでできています。
下垂の原因には、大きくこの3つが考えられます。

乳房の構造

1. 「脂肪」と「乳腺」の割合が変わる

バストは、若いころには「脂肪」よりも「乳腺」の割合が多いのですが、加齢によるホルモンバランスの変化によって乳腺の細胞が萎縮し、脂肪の割合が増えます。これにより、乳房に重みが加わりバストが柔らかくなるため、下垂につながりやすくなります。

2. クーパー靭帯が伸びてしまう

バストに重力や揺れなどの外部からの刺激が積み重なることで、バストを支えるクーパー靭帯が緩んで伸びてしまい、乳房を支えられなくなります。クーパー靭帯は一度伸びると元に戻りません。

また、しっかりとしたサポート機能があるスポーツブラをつけずにランニングなどをすることで、運動のたびにクーパー靭帯が損傷してしまっている可能性もあります。

3. 皮膚表面の弾力性・柔軟性の低下

クーパー靭帯の伸縮性が失われるとともに、加齢に伴って皮膚の弾力性・柔軟性も低下します。これにより、乳房を支える力が弱まります。

これらの要因が重なることで、バストの下垂が進行していきます。

2. 加齢に伴うバストの変化

では、加齢に伴い、どのようにバストは変化していくのでしょうか。

バストの変化

STEP0は丸みがあり理想的なバストといえますが、加齢が進むにつれて、デコルテのボリュームがそげ落ちはじめ(STEP1)、バストの下部がたわみ、乳頭が下向きになります(STEP2)。さらに、外に流れバスト自体が下がるという流れで、下垂は進んでいきます。

また、加齢だけでなく、妊娠出産・授乳を経験された場合には、産前はバストにハリが見られますが、授乳を終えた卒乳後には下垂やハリのなさが気になるようになるなど、バストに大きな変化が見られます。

3. バストを綺麗に見せるために鍛えるべき筋肉

では、バストを綺麗に見せるためには、どうしたら良いのでしょうか。

1章でもお伝えしましたとおり、一度伸びてしまったクーパー靭帯はもう二度と戻りません。

しかし「大胸筋」を鍛えることで、さらなる下垂の進行を予防することは可能です。

大胸筋イラスト

▲大胸筋イメージ図

「大胸筋」は胸全体の土台となる筋肉のため、ここの部位を鍛えることで胸の土台が安定し、下垂の進行を抑えることが期待できます。

3-1. 大胸筋を鍛えるさまざまなメリット

大胸筋を鍛えるメリットは、バスト下垂の予防以外にもあります。

・埋もれていた鎖骨のラインが出てきて、デコルテがきれいに見える
・猫背が解消する
・筋肉量がアップして代謝が上がる

代謝が上がって余分な脂肪がつきにくくなると「体は細くても出ているところは出ている」メリハリのある体型を目指すことができます。

4. 筋トレの頻度

バストアップ筋トレ

「毎日筋トレをする!」と決めても、40代以降のゆらぎ世代の私たちにとってはその日の体調や気分は自分でもコントロールしにくいもの。

毎日しなければいけないと思うと1日できなかっただけで、「できなかった…」とモチベーションが下がって筋トレをやめてしまうこともありますよね。

でも、安心してください。筋トレは毎日する必要はありません。
過度な筋トレは反対に逆効果なのです。

4-1. 2~3日に1回がベスト!

筋トレの頻度は、2~3日に1回がベストです。早く効果を実感したいからと毎日筋トレを行うと、大胸筋の筋繊維が回復せず、効率的な筋肉強化ができません。

大胸筋の繊維は回復するまでに48時間必要なため、毎日トレーニングをしても筋肉が発達するわけではありません。

5. 自宅でできる筋トレ法4選

自宅で簡単に行える筋トレ方法を4つご紹介します。

道具を使わない筋トレから始めて、慣れてきたら徐々にダンベルやチューブを使った筋トレを取り入れてみてくださいね。

5-1.合掌ポーズ

いつでもどこでも気軽に行うことができる筋トレです。

大胸筋上部を刺激することができるので、バストを引き上げる効果が期待できます。

1. 腕の前で両手で合掌し、腕から手首までのラインが地面から水平になるようにする
2. 左右から手のひらを押し、グーっと力を入れて、その状態で10秒キープする

バストアップ筋トレ

3. 息を吐きながらゆっくり手のひらの力を抜く

ポイントは猫背にならないこと。
手のひらに力を入れて鎖骨の下辺りに張りを感じない場合は、力が加わっていない証拠です。力が弱いか垂直になっていない可能性があるため、背筋を伸ばしグーっと力を入れてください。

5-2.膝をついて腕立て伏せをする

合掌ポーズよりも大胸筋に負荷をかけられるのが「腕立て伏せ」です。一般的にいわれる腕立て伏せは、筋トレをする習慣のない女性にとってかなりきついですが、膝をつくことによって腕立て伏せがしやすくなります。

1. 肩幅程度の広さに手を広げて真っすぐ伸ばす
2. 床に膝をついて、体を真っすぐに整える
3. 脛は地面につけずに上にあげる
4. 呼吸をしながら腕立てをする

1セット15回を3セット行います。

バストアップ筋トレ

ポイントは呼吸です。
床に向かって体を下げるときに息を吸って、床を押して体を上げるときに息を吐きましょう。息を吐くときに腹筋に力を入れると効果がアップします。

筋力に自信がない方は、1セット10回から始めてくださいね。

1. 膝をついての腕立て伏せがきつい方

膝をついて腕立て伏せがきつい方は、壁を使った腕立て伏せから始めましょう。

1. 壁に手のひらをつけて、壁と腕が垂直になるように立つ
2. 壁と腕が垂直な状態から1歩うしろに下がる
3. 息を吸いながら体重をかけて、腕を曲げて1秒キープする
4. 息を吐きながらゆっくり腕を伸ばす

1セット15回を3セット行います。

バストアップ筋トレバストアップ筋トレ

ポイントは胸筋に意識を向けながら、体が曲がらないようにすることです。
慣れてきたら膝をつく腕立て伏せに挑戦してみてくださいね。

5-3. ダンベル(ペットボトル)で胸筋を鍛える

ダンベルを使った筋トレは、脇の近くにある小胸筋を鍛えることができます。
小胸筋が鍛えられることで、胸の脂肪が脇の方に流れるのを防ぎながら、バストアップを目指せます。

ダンベルは1~1.5kgのものをを使用します。自宅にダンベルがない場合は、1リットルのペットボトルに水を入れて代用することもできます。

筋肉量がアップしてきたら最初の重さのものでは負荷が軽すぎて運動になりません。
段階に応じて重さを変えられるように、重りを調節できるものを購入すると買い換えなくてすみます。

1. 仰向けになり両手にダンベルを持つ

バストアップ筋トレ

2. 息を吸いながらダンベルを持ち上げる
3. 息を吐きながら下に下げる

15~20回行います。

ポイントは素早くダンベルを持ち上げるのではなく、ゆっくり呼吸を意識しながら持ち上げることです。寝ながらできるので、取り組みやすいですね。

5-4. チューブトレーニングで胸筋を鍛える

チューブトレーニングは肩甲骨を伸ばして、バストがキレイに見える姿勢に整えてくれます。
ゴムでできたチューブを引っ張ることで、肩甲骨の広がりや腕周りの筋肉を引き締める効果があります。

1. チューブを背中に回して、肩甲骨の辺りでキープする
2. チューブの端を両手で持ち、腕を横に伸ばしていく

バストアップ筋トレ

3. 腕を横に伸ばしきった状態のまま、腕を胸の前までもってくる
 鳥がバタバタと羽ばたくようなイメージで行いましょう
4. 腕を広げたり閉じたりを繰り返す

1セット20回を3セット行います。

バストアップ筋トレ

ポイントは二の腕の筋力で開閉運動をするのではなく、大胸筋から腕を動かすことを意識することです。呼吸をしながらゆっくりと行いましょう。

6. バストアップを図りながら、運動習慣を身につけましょう!

バストアップ筋トレ

年齢を重ねて起こる体の変化。

その変化に気持ちがついていかないこともあるかもしれません。
「歳をとるのは嫌だよね」と友人との会話でもよく聞くようになりました。
でも、そうは言ってもみんな平等に歳は積み重ねていくものです。

しかし、年齢という数字にとらわれて「年齢のせいだから」と感じてしまうのはもったいないなと感じています。

何歳であろうと、いまの自分が輝いていて、そして楽しく自分らしい人生が送ることがとても大切なのではないでしょうか。

バストが下がってきたとしても、筋肉を鍛えることでさらなる下垂の進行を防ぐことは可能です。
また簡単な筋トレを始めることによって、運動習慣も身につきます。
猫背が改善されると、見た目年齢も若返ります。

健康な体を手に入れるためには運動は大切です。
体も心も健康であるからこそ、自分らしい人生を楽しめるのではないでしょうか。

今日から心も目線も上を向いて、笑顔あふれる毎日を過ごしていきましょう!

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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