こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

突然ですが、みなさんは爪が「でこぼこに生えてきた」経験はありますか。

「波打つような爪が生えてきた」
「爪に点状のボコボコの跡がみえる」

など、爪のでこぼこと一言でいっても、種類はさまざまです。

筆者も過去に、手の指をドアに挟んでしまった後、爪が波を打つようにへこんで生えてきてとても驚いた経験があります。

健康的だった爪がでこぼこに生えてくると「もう一生なめらかな爪は生えてこないのかも…」と急に不安を感じますよね。

実は、爪は体の中でも水仕事をはじめとした、さまざまな作業などで自然と負担がかかりやすい部位の一つです。

そのため、生活上のちょっとした刺激でも、爪の発育に影響を及ぼす恐れがあります。

さらに、爪は「健康のバロメーター」とも呼ばれているように、体の健康状態が表れる部分です。

爪表面がでこぼこする原因は、外からの刺激ではなく、体内からのSOSサインの可能性も否定できません。

「爪のでこぼこはいつになったら治るのか」
「病院にかかるべきなのか」
「生活上で注意すべき点はあるのか」

など、爪がでこぼこになっていると、気になることがたくさん出てきますよね。

今回は、この爪のでこぼこについて、代表的な原因や爪のでこぼこを予防するための生活上の注意点などについてご紹介します。

1.爪の役割

爪の役割 ボールペンを持つ手

爪とは、髪などと同じケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されている、角質が厚くなった皮膚の一部です。 

爪は以下のような役割を担っています。

・指先の形を整え、感染を予防する
・手先の感覚器のサポートをする
・細かい作業をするときの力の入れ具合の微調整をする
・体を支えるために力を入れて踏み込む (足の爪)

爪が伸びる長さは、個人差があるものの、健康的な成人で1日約0.1mm程度です。

そのため、爪全体が生まれ変わるためには約3~6カ月必要です。

また、足よりも手の方が伸びるスピードは速く、指の中ではよく動く指ほど爪が早く伸びるといわれています。

2.爪のでこぼこで考えられる原因

でこぼこの爪 足の爪

爪のでこぼこで考えられる代表的な原因には、以下のようなものがあります。

2-1.外傷

爪を生む元である爪母細胞がある爪の根元に外部から強い圧力がかかるなど、何かしら原因(外傷)があると爪の成長が一時的に止まるので、でこぼこした爪が生まれます。

2-2.爪白癬(つめはくせん)

爪白癬とは、白癬菌といわれる(一般的に水虫とよばれる)カビが爪に感染する病気です。

主に足の爪に感染しますが、手の爪に感染することもあります。

爪白癬になると、爪が白く濁り爪の厚みが増します。

さらに症状が悪化すると、爪がもろくなり爪がかけてでこぼこした状態になります。

2-3.乾癬(かんせん)

乾癬とは、皮膚に乾燥した赤い皮疹が現れる病気です。

この乾癬は主に皮膚に現れますが、爪の表面にも現れるケースがあります。

乾癬が爪に表れると、爪の表面が点状にへこみ、爪が白く濁ってもろくなることがあります。

2-4.慢性爪郭炎(まんせいそうかくえん)

慢性爪郭炎とは、爪の表面と根元のすき間にカンジダとよばれるカビ菌が入り込み、炎症が起こることででこぼこした爪が生えてくる病気です。

カンジダは乾燥に弱く、湿った部分を好むため、水仕事が多い人に見られます。

2-5.鉄欠乏性貧血

体の中の鉄が不足すると、爪が変形する恐れがあります。

鉄分不足が原因で起こる鉄欠乏性貧血になると、爪が薄くなり強度が弱まります。

外からの力に耐えられなくなった爪は作る力が変化するため、爪の形がスプーン状に反っているように変わり色が白っぽく変化します。

爪のでこぼこの原因には、これ以外にも円形脱毛症・扁平苔癬(へんぺいたいせん)・指粘液嚢腫(ねんえきすいしゅ)・免疫系の病気などで生じることがあります。

体調不良の女性

3.爪のでこぼこの形状から考える

一口に「爪のでこぼこ」といっても、点状や縦線、横線など具体的な状態はさまざまです。

この章では、爪のでこぼこの形状からみた主な原因についてご紹介します。

3-1.点状のでこぼこ

点のようなでこぼこは円形脱毛症や乾癬でみられます。

また、爪に原因がなくても見られる場合があります。

3-2.縦線のでこぼこ

でこぼこが縦線に表れる場合、主な原因は加齢です。

爪の病気の可能性は低く、過度のストレス・睡眠不足・過労など生活習慣が影響します。

3-3.横線のでこぼこ

横線のでこぼこが現れた場合、爪の根元にある爪母になんらかの影響があり、爪の成長が一時的に妨げられたことが考えられます。
すべての爪に横線が1本出ることを「ボー線条」と言います。

原因には、風邪などの体調不良やストレスや薬剤性、亜鉛欠乏、出産などが原因で起こります。糖尿病のコントロールが悪い場合も栄養障害によって起こる可能性があります。

爪は1カ月で約3mm伸びるため、でこぼこで生えてきた時期を推測し、以前体の不調がなかったか考えてみても良いでしょう。

外傷性の場合は、通常、外傷を負った爪のみに影響が出ます。爪を噛んだり、きつい靴を泣くなどして爪母細胞が傷つけられることで起こります。

4.月経のある女性は「かくれ貧血」に注意

貧血の女性

鉄欠乏性貧血は、月経のある女性に多いとされています。

そして、とくに注意したいのが、鉄欠乏性貧血(ヘモグロビン値が12mg/dL未満)の一歩手前である「隠れ貧血」です。
通常、スプーンネイルになるほどのひどい爪の変形は、鉄欠乏性貧血で現れますが、かくれ貧血であっても爪がもろくなる可能性があります。

隠れ貧血とは、ヘモグロビンの数値に変化はないものの、体内貯蔵されている鉄のフェリチンが30ng/mL未満の状態のことをいいます。

「平成18年度 国民健康・栄養調査」によると、20~49歳までの閉経前の女性では、約7割が重度の隠れ貧血であることが明らかになりました。

つまり、健康診断の数値で貧血と判断されていなくても、女性には「隠れ貧血」とよばれる鉄が不足気味の方が多くみられるため、注意が必要です。

鉄は赤血球となり体のすみずみに酸素を運ぶ役割のほか、体を機能させるために必要な酵素の活性にも必要不可欠です。

神経伝達物質の合成酵素・肝臓の解毒酵素・コラーゲン合成酵素など、さまざまな機能のサポートを行います。

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5.爪のでこぼこを抑える生活習慣のポイント

爪は、生活の中で手先をよく使用する分、刺激や負担が多くかかります。

そのため、間違ったケアや生活習慣が原因で、爪のトラブルが生まれることも少なくありません。

この章では、爪のでこぼこを予防するための生活上の注意点についてご紹介します。

5-1.保湿ケアを行う

爪オイル

爪は、その下にある皮膚(爪床部)から水分が補われています。

この水分量が、爪の乾燥により不足すると、爪がでこぼこしたり表面がはがれたりするなど爪のトラブルを生じる恐れがあります。

爪先を美しく保つには、手先まで保湿ケアをしっかり行うことが大切です。

中でも水仕事などが多い場合、手の爪は乾燥しやすくなります。

水仕事や手洗いをした後は、保湿クリームや爪用のオイルなどを用いてこまめに保湿しましょう。

爪用の補修成分が配合されているタイプや、爪の保護を行えるタイプのクリームの使用もおすすめです。

除光液も爪の乾燥を促す原因となるので、使い過ぎに注意しましょう。

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5-2.洗剤などの化学薬品などの刺激から爪を守る

水仕事が多い場合、洗剤などに含まれる化学物質が爪へ刺激となり、爪がもろくなり、割れやすくなります。

そのため、このような機会の多い方は、ゴム手袋を使用するなど、爪への刺激をなるべく減らすように工夫しましょう。

水仕事を終えた後は、手が乾燥した状態となっているので保湿クリームを塗ってケアすることがおすすめです。

5-3.爪に負担のかからない切り方

爪のでこぼこを予防するためには、できるだけ爪に負担をかけずに爪を切るように工夫しましょう。

爪に負担をかけないように切るポイントをいくつかご紹介します。

1.爪やすりを使用する

爪やすり

爪を切る際に気をつけるポイントは、無理に衝撃や圧力を与えないようにすることです。

爪切りの方が手軽かもしれませんが、できればヤスリを使用し、削るように爪を整える方法がおすすめです。

2.入浴後など爪が柔らかいときに行う

爪は、入浴することで柔らかくなります。

爪を切る際も、柔らかい状態であれば形も整えやすく、爪への負担も軽減されます。

爪切りは、入浴後の爪が柔らかいタイミングで行いましょう。

3.深爪に注意する

爪を切る際には、深爪にならないように注意しましょう。

爪の白い部分に沿って爪の両端を深く切ってしまうと、巻き爪の原因になりかねません。
特に、巻き爪になりやすいのは、足の親指です。

深爪対策として、まずスクエア形に形を整えて、両端に丸みをつけてカットする方法がおすすめです。

4.保湿ケアを忘れずに

爪を切った後は、ハンドクリームなど使用して保湿しましょう。美しい指先を保つには乾燥予防が必要です。

5-4.生活習慣の見直し

リラックスタイム アロマ

爪のでこぼこが横線で表れる場合、ストレスや睡眠不足など生活習慣が影響していることがあります。

この場合、まずは爪のでこぼこの原因ともなる生活習慣の改善が大切です。

自分の好きな音楽を聴く、アロマを焚く、お気に入りのカフェやお店に行くなど、まずは自分なりのリラックスタイムを見つけましょう。

また、ストレッチや軽い運動もおすすめです。

1日の生活サイクルが乱れ気味の方は、まず生活リズムを整えることから始めましょう。

毎朝同じ時間に起きる、朝日を浴びる、毎日湯船につかる、寝る前はテレビやスマホなどのブルーライトから目をなるべく遠ざける、など睡眠の質を上げるためにも体内のリズムを整える工夫をしてみましょう。

体内のリズムを整えると、自律神経の乱れを整えることにもつながるため、体調管理を行う面からもおすすめです。

6.爪のでこぼこを予防する食生活習慣

丈夫で健康な爪を作るには、爪を育てるための栄養素を意識した食事をとることが大切です。

これまでの食生活に偏りがみられないか、きちんと1日3食を食べているかなど普段の食生活を見直してみましょう。

以下に、健康な爪を育てるためにおすすめの栄養をご紹介します。

6-1.タンパク質・ビタミン類・ミネラル

爪はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。

そのため、食生活の中ではタンパク質を意識してとるようにしましょう。

また、ビタミン類やミネラルは爪を育てるために必要な栄養素です。

このことから、食事の中にタンパク質・ビタミン類・ミネラルを積極的に取り入れ、バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。

6-2.鉄分

貧血は爪がでこぼこになる原因の一つです。

第2章でもお話した通り、月経のある女性は貧血と診断されていなくても「隠れ貧血」状態の方が多く見られます。

爪のでこぼこが見られなくなっても、定期的に鉄分を意識した食事をとりましょう。

十分な鉄分を体に取り入れるためには、鉄分のとり方が重要です。

植物性の鉄である「非ヘム鉄」、動物性の鉄「ヘム鉄」について、それぞれ特徴があるのでポイントを抑えておきましょう。

1.非ヘム鉄

ひじき

鉄分の中でも、ホウレン草・小松菜・海藻類・プルーンから得られる植物性の鉄分を「非ヘム鉄」と呼びます。

非ヘム鉄は体への吸収率が2~5%と低く、食べ方に工夫が必要です。

・お茶やコーヒーなどタンニン(色素成分)を含む食品、胃酸を抑える薬と同時にとらない

とくにお茶やコーヒーに含まれるタンニン(色素成分)と一緒にとると、吸収が妨げられるため、非ヘム鉄を含む食事と同時にとらないように気をつけましょう。

また、胃酸が十分に分泌されないと、吸収率が低くなることがあります。

胃酸を抑える胃薬を飲んでいる方は、吸収率の低下により、鉄不足になるリスクが高まるので注意してください。

・ビタミンCや動物性タンパク質と一緒にとる

一方、ビタミンCや動物性タンパク質は鉄分の吸収率を高める役割があります。

かんきつ類・ブロッコリー・大根・サツマイモや、肉・魚・卵などは、なるべく非ヘム鉄の食材と一緒にとると良いでしょう。

2.ヘム鉄

ヘム鉄は、動物性タンパクに包まれた状態の鉄で、赤身の肉やレバー・貝類などに含まれています。

ヘム鉄は、吸収率が15~25%と高く、効率よく鉄を摂取することができます。

ほかの食品と一緒にとっても吸収が妨げられることは少なく、胃腸が弱って胃酸が少なくなっている状態でも効率よく吸収できます。

7.必要に応じて医療機関の受診をしましょう

医療機関

爪のでこぼこは、セルフケアで改善するものもありますが、症状がなかなか改善されないことがあります。

その場合は、皮膚科のある医療機関を受診すると良いでしょう。

とくに以下の症状がある場合は、全身疾患が関係している可能性があるので、医療機関の受診をおすすめします。

・爪のでこぼこに加えて、白く濁り分厚くなっている
・黒い縦線が入っている
・全ての爪に横線が入っている

8.爪のでこぼこは不調のサインかも! まずは自分と向き合ってみましょう

でこぼこの爪 手の爪

普段、何気なく目にする爪ですが、実は大切な健康のバロメーターです。

もし、爪のでこぼこが表れていたら体の不調のサインかもしれません。

このようなサインが表れた場合は、毎日の生活を振り返り何か心当たりはあるのか考えてみましょう。

本ページで触れた通り、手は手洗いや水仕事で外部からの刺激を多く受けるため、保湿クリームなどを塗るといった、こまめなケアが必要です。

しかし、私たち40~50代の女性は仕事・家事・育児・介護…と自分のケアに回す時間も多くはありません。

筆者もかつて、育児と家事と仕事で忙しすぎるあまり、手のケアを怠りがちになった時期がありました。

しかし、今ではハンドクリームやネイルオイルを持ち歩く、鉄分やタンパク質・ビタミンを中心に栄養バランスに気をつけた食事をとる、毎日の生活サイクルを崩さないなど、日常生活の中での食事と生活習慣を正し、爪のトラブルを予防できるようになりました。

手先がキレイになると、なんだか気持ちもよくなり毎日が楽しくなりますよね。

これからも輝く自分でいられるために、自分自身に目を向け、毎日を大切にすごしていきましょう。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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