こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

みなさん、クラミジアってご存じですか。

クラミジアは日本ではもっとも感染者の多い性感染症です。

「クラミジアや性感染症は受診するのに抵抗がある」

「パートナーがクラミジアになっても、自分に症状がなければ大丈夫」

などと思う方もいるのではないでしょうか。

しかし、クラミジアの感染は無症状のケースも多く、感染しても気が付かないことが多い病気です。

万が一感染した場合、知らないうちにパートナーにうつしてしまう危険性や、治療をせずに放っておくと不妊の原因になるなど大きな問題になることがあります。

筆者の友人でも、妊娠の際にクラミジアの検査をして、はじめて過去にクラミジアに感染していたことがわかった、なんていうこともありました。

性感染症はデリケートで周囲にもなかなか相談しづらい悩みの一つかもしれません。

だからこそ、性器クラミジア感染症の正しい知識をもつことは大切です。自分や大切な人の健康を守るためにも、この記事をきっかけにクラミジア感染症について学びましょう。

1.クラミジア感染症とは

クラミジア感染症は女性の性感染症の中ではもっとも多い病気です。

クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という病原体が、主に性行為により女性の子宮頚管や男性の尿道、のどの粘膜などに感染します。

女性の場合、症状がみられない場合がほとんどですが、症状があっても軽い膀胱炎や軽度の腹痛と思い放置しておくと、不妊や流産、新生児のクラミジア感染症などの原因になることがあり、十分な性教育と専門家による早期発見・早期治療が大切とされています。

1-1.クラミジア感染症は若年層に多いのが特徴

若い女性

近年、性感染症では梅毒の患者数が増加してきており注目されていますが、性感染症の中で性器クラミジアの患者数は圧倒的に多いとされています。

とくに男女ともに性的活動の活発な若年層に多く、29歳以下では男性よりも女性でその傾向が目立つといわれています。

女性は感染しても約80%が自覚症状に乏しいため、パートナーにうつしてしまう危険性がある上、近年では、10代の女性感染率の高さが将来の不妊につながるとして憂慮されている病気の一つでもあります。

2.原因

クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌が粘膜から侵入し、尿道や子宮頚管、咽頭、直腸などに感染することで起こります。

クラミジアに感染している人とのキスや性行為などで粘膜や分泌物を介して感染します。

また、5人に4人は症状がみられないとも報告があり、クラミジアの感染に心当たりがなくても、過去に性交渉を行ったパートナーが感染していた例もあるなど、原因の特定が困難なケースもあります。 

3.症状

クラミジアは男性の場合は尿道や肛門、女性の場合は膣、男女共通として喉へ感染することがあります。 

3-1.男性におけるクラミジアの症状

悩む男性

男性の場合、感染すると1~3週間の潜伏期間を経て発症します。

無症状の割合は5~6割と半数が感染に気が付かないことがあります。

症状は比較的に軽く、尿道から白っぽい膿が出て、むずむずと痒くなる、排尿時に軽い痛みを伴うことがあります(尿道炎症状)。 

まれに、急な排尿時痛や灼熱感、膿を伴う分泌物が出るなど強い症状が出ることもあります。

1.合併症

感染したまま治療せずに放置すると、尿道炎から精巣上体炎(軽度の陰嚢部痛、精巣上体全体に膨脹と圧痛がある)、前立腺に炎症が及ぶと前立腺炎(会陰部に不快感、残尿感、下腹部不快感といった症状を感じる)を発症することがあります。また、陰嚢の腫れなどが起こり男性不妊の原因となることがあります。

3-2.女性におけるクラミジアの症状

女性のクラミジア感染は、無症状の割合が8割といわれており、感染に気が付かないことがほとんどです。

感染すると1~3週間の潜伏期間を経て発症します。

通常は無症状ですが、症状がある場合でも、おりものの量が少し増える、軽い生理痛のような痛み、不正性器出血(少量の経管分泌物が混ざった出血)などで感染に気が付きにくいことがほとんどです。

いずれにせよ、早期発見・早期治療が大切です。 

1.合併症

感染したまま治療せずに放置し、感染が子宮頸部から卵管へ進んでいくと卵管炎を起こすことで、不妊や子宮外妊娠、また、流早産のリスクともなります。

実際に、結婚後に妊娠を希望して産婦人科を受診した際の検査において、初めてクラミジア感染症が発覚することも稀ではありません。

さらに、骨盤腹膜炎に発展すると、慢性的な下腹部の痛みや性交時の強い痛みを引き起こし、急な高熱と強い腹痛で入院治療を要する状態になることもあります。

2.女性のクラミジア感染は流産・早産・不妊・胎児へ影響する

女性の場合、クラミジア感染は初期には自覚症状がなく治療対象にならないケースがほとんどです。

しかし感染が慢性化して、長期間を経て、卵管から骨盤腔へ広がると、卵管閉塞、卵管周囲癒着を引き起こし不妊につながることがあります。

とくに不妊症の患者の中では、クラミジア抗体陽性者の約80%に卵管癒着が認められ、約60%に卵管閉塞がみられるなどの報告もあります。

また、子宮外妊娠や早産、前期破水のリスクを上昇させる可能性があります。

最近では、妊娠発覚時や妊娠前の産婦人科受診時にクラミジア感染の有無を調べるため、クラミジア感染を放置したまま妊娠を継続することは稀ではありますが、妊婦がクラミジア感染症にかかり出産した場合、生まれてきた新生児が産道を通る際にクラミジアに感染し、白眼の部分を覆う透明な膜の感染症(トラコーマとよばれる結膜炎)や肺炎を引き起こすことがあります。

3-3.男女共通の症状

愛

クラミジアは、オーラルセックスやアナルセックスによって、性器だけではなく、喉、肛門、直腸などさまざまな場所に感染することがあります。

オーラルセックスで口の中にクラミジア菌が感染すれば咽頭炎・慢性の扁桃腺炎をおこし風邪のような症状が出ることもあります。

無症状であることもあり、感染の拡大や放置のリスクが高い病態です。

性器が感染していても、口の中に菌がいなければ、キスでうつることはありません。口腔性交の機会があり、性器などからクラミジア感染が見つかった場合は婦人科や泌尿器科だけではなく、耳鼻咽喉科も併せて受診することをおすすめします。

4.検査・診断

検査

クラミジアの検査は、尿や分泌物を採取して行う抗原検査と、採血をして行う抗体検査の2種類があります。

感染が明らかになった場合には、性パートナーも同時に検査を受け、同時に治療することが基本になります。

4-1.抗原検査

男性の場合は尿検査を行い、尿道への感染があるか調べます。

女性の場合は、尿道ではなく、子宮へつながる器官に感染するため、子宮頚部の分泌物か膣分泌物を採取して検査を行います。

採取したサンプルからクラミジア特有の遺伝物質が検出されるかを調べます。喉または直腸の感染を疑った場合は、それらの部位からとったサンプルを検査することがあります。

また、感染が同時におこりやすいとされる淋菌感染症も同じサンプルで検査することが可能です。

その他の性感染症は合併しやすい傾向にあるため、HIV検査を含むその他の性感染症のスクリーニング検査が勧められます。

4-2.抗体検査

抗体検査では、過去から現在に感染があった、またはあるかどうかを調べます。

現在の感染と過去の感染の区別がつきづらい場合や治療が完了したかどうかの判定がしづらい場合がありますが、妊娠希望時のスクリーニング検査や妊娠中など陰部に綿棒を入れるのを避けたい場合に採用されます。

5.クラミジアの治療法

薬

男女関係なく、クラミジア感染症の治療にはクラミジアに効く抗生物質の服用が有効です。また、パートナーの治療も併せて行うことが大切です。

5-1. 薬の服用

・アジスロマイシン単回内服
・クラリスロマイシン・ミノサイクリン・ドキシサイクリンなどの7~14日間の内服

クラミジア感染の治療は、抗菌薬の種類により1~14日間のお薬を飲むことになります。

治療中の飲酒は治癒率を下げる原因ともなるので、なるべく控えましょう。また、内服中に新しい性交渉をもつと再感染することがあるので控えましょう。

他の感染症が併存する場合や、上記の抗菌薬に耐性もしくはアレルギーがある場合、他の抗菌薬が使われることがあります。

5-2.パートナーの理解と協力

クラミジア感染は、カップルのうち片方が感染している場合、パートナーも感染している可能性があります。

またパートナーが治療を終えていないと、男女間でお互いに感染させるピンポン感染があるため、治療の際はパートナーの治療も同時に行うことが大切です。治療を受ける際は完治するまで性交は控えましょう。

6.クラミジアの予防法

カウンセリング

クラミジア感染症の予防は、ほかの性感染症と同じように一般的な対策を行うことで防ぐことが可能です。 

6-1.コンドームを常に正しく使用する

コンドームは避妊具といったイメージがありますが、性感染症予防の観点からも必要です。

クラミジアは、性行為により目・咽頭・膣・尿道・肛門などの粘膜へ直接接触することで感染します。

そのため、コンドームを正しく使用することにより、クラミジア感染症をはじめとした性感染症のリスクを大きく下げることができます。

避妊目的であれば、女性側だけが内服する低用量ピルも有効ですが、性感染症の予防にはなりません。特定の性パートナーが性感染症を持っていないと確定している場合を除いては、常にリスクがあると考えた方が無難と思います。

6-2.不特定多数との性行為を避ける

セックスパートナーを頻繁に変える、他のセックスパートナーがいる相手と性交するといった行為は、クラミジア感染症をはじめとした性感染症にかかるリスクが高まるため、控えるようにしましょう。 

7.クラミジア感染症の正しい知識をもち、感染を予防しましょう

女医

性感染症ときくと、ちょっと恥ずかしいし、受診もためらいがちになりますよね。デリケートゾーンやおりものがいつもと違う…と気になることがあったとしても、パートナーに自覚症状がなければ問題ないかな、と思ってしまうこともあるでしょう。

しかし、クラミジア感染症は、誰もが保有している可能性がある、どこにでもいる細菌です。感染しても男女ともに症状がでにくく、気づいたら感染していた…といったケースも多くあります。

とくに女性は放っておくと、不妊の原因になるほか、骨盤腹膜炎や症状が重い場合は臓器にまで影響を及ぼすことがあります。

万が一、パートナーがクラミジアにかかった場合や、パートナーに症状がなくてもその可能性が否定できないような症状がある場合、医療機関で検査していただくことをおすすめします。

自分の体と大切な人の体を守るためにも、正しい知識と行動をすることで、防げるものもあります。

これからも輝ける人生を歩むために、自分の体と向き合ってみましょう。

監修医:桐村里紗

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廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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