こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

女性の大敵といえば「便秘」。

みなさまもこれまで一度は便秘で悩んだことがあるのではないでしょうか。

かくいう筆者自身も以前は便秘で悩み、トイレに行くことさえ億劫になった時期がありました。

便秘は放っておくとお腹が張ったり腹痛を起こしたり、さらに悪化すると痔になることもあります。

痔になってしまうと排便時に痛みを伴うこともあり、我慢するとさらに便秘が悪化するなど悪循環に陥ってしまうことも…。

さらに便秘の悩みはデリケートで周りに話しづらい…と、悩みがつきません。

排便は人が生きていくために必要な生理現象です。便秘を解消し、体も気持ちも軽やかに充実した快適な生活を送りたいものですよね。

便秘を解消するものといえば、まず思いつくものが食物繊維ですが、実際は体にどう影響するのでしょうか。

「便秘知らずの食べ物があるのだろうか」
「便秘解消に即効性のある食べ物はなんだろう」
「便秘解消には食事量はどの程度だろうか」
「どの野菜が便秘解消に効果的なのだろうか」
と疑問に思う人も多くいると思います。

ここでは、便秘解消のためにどのような食事を取り入れていけば良いのかご紹介したいと思います。

▼便秘を解消する5つのツボとより効果的なツボ押しの方法

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1.便秘の種類

便秘

便秘を引き起こしている場合、いくつかの原因が考えられます。

急性便秘とは、定期的にお通じがあるのに、生活環境の変化などなんらかの要因により一時的に便秘になってしまう状態です。

急性便秘には、ストレスや生活の変化が原因で起こる「一過性単純性便秘」と、病気が原因で引き起こされる「器質性便秘」の2つに分けられます。

急性便秘の多くは「一過性単純性便秘」ですが、中には治療が必要な「器質性便秘」の場合もあるため、ご自身がどの便秘の状態であるか、気になる方はぜひチェックしてみましょう。

1-1.急性便秘

1.急性「一過性単純性便秘」

一過性単純性便秘とは、生活環境や生活リズムの乱れ、食生活の急激な変化が原因で起こる便秘です。

一過性単純性便秘が起こる原因としては、主に以下のようなものが考えられます。

・ダイエットを始めた
・食べ過ぎ、お酒の飲みすぎなどによる暴飲暴食
・引っ越し、転勤など生活環境が変わった
・生活リズムが急に変わった
・トイレにいくタイミングがなかった
・ストレスが溜まっている、緊張状態が続いている

ダイエットなどで食事制限をしたり、反対に食べ過ぎ飲みすぎなどといった暴飲暴食は腸内環境を乱す原因となり、一時的に便秘になりやすくなります。

また、ストレスなどの精神状態は消化器の動きや腸内環境と密接に関係しています。引っ越しや転勤などの生活環境の変化や生活リズムの変化、ストレスや緊張状態が続くと、精神状態も影響し、便秘になりやすくなります。

また、トイレに行く機会を逃すと便秘につながりやすくなります。

本来、排便を行う際は、体が「排便したい」と信号を出す「排便反射」が起こります。

体がその信号を出したときにトイレに行くと、スムーズに排便を行うことができますが、仕事中や外出先などで我慢を続けると、排便反射のリズムが狂い、排便する機会が失われ、便秘になりやすくなります。

2.急性「器質性便秘」

急性便秘の中で気を付けたいものが、病気が原因で引き起こされる「器質性便秘」です。

器質性便秘にみられる症状としては以下のようなものがあります。

・これまで経験したことのないような腹痛
・普段通りの生活をしている中で突然便秘になった
・便の形が、極端に細長い・厚みがなく平らな形
・嘔吐や腹痛を伴う
・便に血が混じっている

器質性便秘の場合、多くは腹痛や血便などの普段とは異なる症状が現れます。

我慢できないほどの激しい痛みなどは「腸捻転(ちょうねんてん)」といった、緊急の対応が必要になるものもあります。

「腸閉塞(ちょうへいそく)」が疑われる場合、様々な原因がありますが、進行性大腸がんである可能性もあるため、早めの診察と大腸カメラなどの精密検査を受けることが大切です。

1-2.慢性便秘

便秘

慢性便秘とは、普段から排便の回数が少ないタイプの便秘です。

生活環境の変化や、暴飲暴食などといった要因もなく、ヨーグルトなどお通じに良い食生活を意識しているのに、お通じがこないと悩む女性も少なくありません。

慢性便秘の原因もさまざまありますが、腸内環境を整えることで改善できる慢性「機能性便秘」と、病気が原因の慢性「器質性便秘」などがあります。

1.慢性「機能性便秘」

機能性便秘は、便秘のなかでももっとも多く見られるタイプです。

お腹が張って便が溜まっているのはわかるけれど、激しい腹痛や血便といった症状はないため、便秘をそのまま放置してしまう人も多い傾向にあります。

機能性便秘には「弛緩性便秘」「けいれん性便秘」「直腸性便秘」と大きく分けて3つのタイプがあります。

これまでの生活習慣と便の状態などを振り返り、自分の慢性便秘がどのタイプか見極めましょう。

・弛緩性便秘:大腸の運動機能の低下

大腸の動きは年齢を重ねるごとに弱くなります。

この弛緩性便秘は腸全体の動きが弱くなったことで、溜まった便を送り出すことができなくなる便秘です。

年齢を重ねるごとに起こりやすくなる弛緩性便秘は、ゆらぎ世代の私たちが抱える便秘の原因としても多いでしょう。

弛緩性便秘ではダイエットをすると便秘になるケースがみられますが、これは食事量の低下によって食物繊維の不足が原因であるとみられています。

便秘を改善するためには、適度な量の食物繊維を意識して摂ることが大切です。運動不足による筋力の低下も腸全体の動きが弱くなる原因となるため、適度な運動も大切です。

・けいれん性便秘:大腸の過緊張

けいれん性の便秘は、大腸がけいれんすることで起きる便秘です。

いわゆる「過敏性腸症候群」の便秘型の場合は、けいれん性便秘を起こしている可能性が高いです。

コロコロとした鹿のような便がでることが特徴で、ストレスなどの精神面が影響し、起こりやすくなります。

「まじめで几帳面なタイプ」「便秘だけではなく下痢トラブルもある」「緊張するとお腹が痛くなる」「食後にお腹が痛みやすい」という方はけいれん性便秘になりやすいといえるでしょう。

仕事や試験など大きなストレスを抱えることにより起こることもありますが、慢性的な寝不足が原因で自律神経が乱れ、便秘を起こしたり、便秘や下痢を繰り返してしまう場合もあります。

また、過敏性腸症候群の場合は、小腸内異常増殖症候群(SIBO:シーボ)を併発することがあるので注意が必要です。

▼【医師解説】腸活が逆効果になる腸内フローラの異常「SIBO(シーボ)」の原因と対策

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・直腸性:直腸に便が溜まることによる

直腸性の便秘は、便が直腸まで到達しているのにもかかわらず、便意が起きない便秘です。

原因として「トイレに行くのを我慢することが多い」「便が硬くて排便するときに辛い」「水分を摂らない」などといったことがあります。

直腸性便秘はトイレを我慢することで便が硬くなり、硬くなった便を排便することが辛いからトイレを我慢するといった、悪循環が原因であることも多いです。
寝たきりの人や高齢者に起こりやすい便秘です。

排便反射が起き、便意を感じているのに無視し続けると、そのうち便意を感じなくなってしまいます。

直腸に硬い便が蓋をしてしまっている場合は、浣腸や座薬を使わないと便が出せない場合もあります。
その上で、日常的には便が柔らかくなるよう、水分や食物繊維をこまめに摂ってみましょう。

毎日時間を決めて、便意を感じなくても必ずトイレに行き、踏ん張ってみることです。

1〜2週間程度続けるうちに排便反射が戻り、便意が回復してきます。

便秘

2.慢性「器質性便秘」

器質性便秘とは、別の病気が原因で引き起こされる便秘のことです。

腸管が細くなり便が排泄できない「大腸の異常形態」や「腸の通過障害」などが原因で起こるとされています。

器質性便秘を起こす代表的な病気としては大腸ポリープや大腸がんがあります。

また、女性の場合は子宮筋腫が原因で慢性的な便秘になるケースもみられます。

以下の症状が該当する場合は、すぐに病院を受診しましょう。

・生活習慣を改善しても一向に便秘が改善されない
・これまで経験したことのない腹痛を感じることがある
・便に血が混じったり、腹痛や嘔吐がある
・便の形状が異常に細長かったり、平らだったりする

2.便秘になりにくい体を目指すなら腸活を始めよう

便秘を改善してお通じの良い毎日を叶えるためには、腸内環境を整えることが必要です。

腸内環境は食生活の影響を受けます。

ここからは、腸内環境を良くするためには、どのような食事を摂ったら良いのかご紹介します。

2-1.腸内環境を良くするには食生活を見直そう

ジャンクフード

便秘を改善するためには、揚げ物やパンといった炭水化物、砂糖が多い菓子やインスタント食品、ファストフードなどを食べ過ぎないように注意することが大切です。

このような食物繊維やビタミン、ミネラル類が不足した食生活が続くと、消化管の機能低下と腸内の腐敗菌の増加につながります。

消化力が低下したり、腸内の腐敗菌が増加したりすると、腸内環境が悪化してしまい、栄養の吸収がうまくできなくなる可能性があります。

また、砂糖を過剰に摂取しないように注意しましょう。

砂糖は腸内で「カンジダ菌」のエサになります。カンジダ菌は腸内をアルカリ性にして、有用菌が生きづらい環境にしてしまいます。

腸内環境を悪化させないためには、砂糖の代わりに有用菌のエサとなるオリゴ糖を摂るようにしましょう。

2-2.シンバイオティクスを意識した食事を始めよう

腸内環境を整えるには、普段の食事でプロバイオティクス食材と、プレバイオティクス食材の両方を食べることが大切です。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせて摂ることを、シンバイオティクスといいます。

1.プロバイオティクスとは

醤油

プロバイオティクスとは、腸内で善玉菌として働く有用菌を含む食品のことをいいます。腸内で働く有用菌は、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌や酢酸菌などです。

有用菌は、ヨーグルトや納豆、味噌や醤油、お酢などの発酵食品に含まれています。摂取した有用菌は腸内に入ると、有機酸という酸を分泌して腸内環境を整えてくれます。

有機酸である酢酸、プロピオン酸、酪酸などは、短鎖脂肪酸ともいいます。短鎖脂肪酸が作られることで、腸内が酸性になって有用菌が暮らしやすくなるのです。

ヨーグルトなどの発酵食品を食べることで、有用菌だけではなく有機酸も一緒に摂取できます。

2.プレバイオティクスとは

キャベツ

プレバイオティクスとは、有用菌のエサになる成分を含む食品のことをいいます。有用菌のエサとして欠かせない成分は食物繊維です。

食物繊維には、水溶性食物繊維と非水溶性(難溶性)食物繊維の2種類あります。

水溶性食物繊維を多く含む食品は、リンゴやプルーンなどの果物、イモ類、豆類、大豆やキャベツなどの野菜類、ワカメなどの海藻類などです。

摂取した水溶性食物繊維は体内で吸収されずに大腸まで届き、有用菌のエサになります。

有用菌が食物繊維をエサにすることで、短鎖脂肪酸が産生されて腸内が酸性になり、有用菌が暮らしやすい状態になるのです。

一方、非水溶性食物繊維は、便のカサを増し、腸の運動を活発にするため便秘解消に役立ちます。非水溶性食物繊維を含む食品は、ゴボウなどの野菜類、豆類、穀類、クロレラなどの微細藻類です。

野菜やイモ類、豆類などをバランスよく食事に取り入れると、水溶性と非水溶性の食物繊維を一緒に摂取できます。

食物繊維の1日の摂取目標量は、成人女性の場合は18g以上です。食物繊維が不足しないように、毎日しっかり摂取しましょう。

3.水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維はそれぞれ働きが異なります。

水溶性食物繊維は名前の通り水に溶ける食物繊維です。

主にリンゴやプルーンなど果物類、こんにゃくや山芋などのイモ類、大豆やキャベツなど野菜類、ワカメなどの海藻類に多く含まれています。

水溶性食物繊維は水分を含むことでゲル状に変化し、体内で吸収されずに大腸まで届きます。この水溶性食物繊維は、便を軟らかくするほかに、腸内の有用菌のエサとなる役割があります。

腸内の有用菌は、この水溶性食物繊維をエサとすることで腸内環境を整え、さらに短鎖脂肪酸を産生することで、腸の上皮細胞の栄養となり腸管の運動を促進して便秘の改善を促します。

さらに水溶性食物繊維には、食後の血糖値の上昇を抑える、コレステロール値を低下させる、ナトリウムの排出を促すことで高血圧予防になるなど生活習慣病のリスクを軽減する効果も期待できます。

一方、不溶性食物繊維は、水に溶けにくいのが特徴です。

水分を吸収すると膨らみ、便のかさを増やして腸の動きを良くする働きがあります。

不溶性食物繊維は有用菌のエサにはならないものの、腸内に届くことで常在細菌が育ちやすい環境づくりの手助けを行います。

水溶性食物繊維 ・リンゴや柑橘類、プルーンなどの果物
・イモ類
・キャベツや大根などの野菜
・昆布やワカメなどの海藻類
・麦を中心とした穀物
・大豆 など
非水溶性食物繊維 ・未精製を中心とした穀類
・豆類
・ゴボウ、にんじんなどの根菜類
・クロレラ・スピルリナといった微細藻類

 

3.便秘におすすめの食材

便秘解消には、腸内環境を整えることが大切です。

腸内環境を整えるためには、「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」両方を摂取する「シンバイオティクス」の食事法を意識的に取り入れることが大切です。

日頃の食事にうまく取り入れることにより効果的に腸内環境を整え、便秘の解消につながります。

3-1.プロバイオティクス食材

便秘と食事、発酵食品納豆

主なプロバイオティクスは、納豆や味噌など、日本古来の発酵食品で摂取することができます。

これらの食品を毎日摂取することが腸内環境の改善につながります。

プロバイオティクス食材

・納豆
・キムチやぬか漬けなどの漬物
・味噌や塩麹などの発酵調味料
・ヨーグルト
・乳酸発酵飲料、甘酒、コンブチャ など

 

3-2.プレバイオティクス食材

プレバイオティクスは、食物繊維を含む食材やオリゴ糖、難消化性デンプン(レジスタントスターチ)のことを指し、これらが挙げられます。

プレバイオティクス食材 ・海藻類
・イモ類
・豆類
・リンゴやプルーンなどの果物
・根菜をはじめとした野菜
・オリゴ糖(100%のもの)
・難消化性デンプン・レジスタントスターチ(冷やご飯や冷めたジャガイモなど)
・レジスタントプロテイン(蕎麦、酒粕など)

 

ここでは、いくつかの食材を例に、腸への良い影響についてご紹介していきます。

1.ワカメなど海藻類

便秘と食事、海藻わかめ

海の中で育つワカメは栄養豊富な上に低カロリーと健康食材として人気が高い食材です。

海藻特有のヌルヌルしたヌメリ成分にアルギン酸やフコダインといった水溶性食物成分を多く含むことが特徴です。

これらの成分が便を軟らかくし排便を促し、腸内環境を整えてくれます。ワカメのほかにも、昆布・めかぶ・もずく・ひじきなども同じような効果が期待できます。

2.皮付きリンゴ

果物のリンゴに含まれるペクチンという水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状に変化し、便秘のときには便を軟らかくし排便を促し、下痢のときはゼリー状の膜で腸壁を守る働きがあります。

このペクチンやビタミンCなどの栄養素はリンゴの皮や皮の近くに多く含まれています。皮ごと食べることで、体にうれしい栄養素をたくさん摂ることができます。
農薬が気になる場合は、皮を剥き、芯ごとにりんごにしましょう。ペクチンの多い芯から成分が溶け出します。

3.キャベツ

キャベツは、水溶性食物繊維はもちろんのこと、不溶性食物繊維も豊富に含まれており、便のかさを増やして排便を促す効果があります。

胃薬にも使用されるビタミンUも含まれており、胃腸の粘膜を守り、修復する胃に優しい働きもあり、ダブルで体に優しい食材です。

3-3.良質な油を摂る

便秘と食事、良質な油

魚の油・DHAやEPAは、腸内の善玉菌を増やします。
また、オリーブオイルなどオレイン酸の入った良質な油は、小腸で吸収されず大腸を刺激するため、腸を活発にします。

また、大腸の便の滑りを良くしたり、硬くなった便を軟らかくする働きがあります。

シンバイオティクスの食生活にプラスして食事に取り入れることで、より便秘の解消につながると期待できます。

注意点としては、動物性脂肪の摂りすぎは腸内の悪玉菌を増やすこと。また、マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は「悪魔の油」とよばれ、細胞の劣化を促進し体に悪影響を及ぼすので控えましょう。

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4.便秘を防ぐ生活習慣

便秘解消の第一歩は毎日の生活習慣や食生活を見直すことです。

もともと便秘気味の体質だから…といって諦めてしまうと、便の水分は再吸収され硬くなることが多くあります。

硬い便は排便する際に肛門を傷つけて痔になり、いきむことで脱肛してしまう危険性も。

ここでは今日からでも行うことのできる便秘解消の生活習慣についてご紹介します。

4-1.起床後はコップ一杯の水を飲みましょう

便秘と食事、朝の水

起床後にコップ一杯の常温の水または白湯を飲むと腸を刺激し、排便を促します。
水分は便を軟らかくするために大切です。
1日を通して、1.5L程度は水分を摂取しましょう。

4-2.朝食をしっかり取りましょう

1日3食とよばれる食事の中で、朝食は大切な役割を担っています。

朝食を食べることは、食後の便意を促し、体の中の老廃物や有害無益な物質を体外に排泄させる効果があります。

4-3.食物繊維を多く摂る

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があることは前章でお伝えしましたね。

水溶性食物繊維はプレバイオティクスとしての役割を持つほか、便の中に溶け込み便を軟らかくすることで腸内の便の通過をスムーズにします。

不溶性食物繊維は、腸の蠕動運動を活発にし、便を押し出す効果ができます。どちらの種類も積極的に摂るように心がけましょう。

また、食物繊維には肥満や動脈硬化、糖尿病などの予防にも役立つうれしい効果があります。

4-4.便秘を助長する食材を控えましょう

食生活でも便秘を助長するような食事は避けるようにしましょう。
ファストフードやインスタント食品、加工食品は、食物繊維や栄養素が不足し、腸内環境を悪化させ、便秘のリスクを高めます。

4-5.毎朝決まった時間にトイレに行く習慣をつけましょう

トイレ習慣

健康な状態であれば、大体決まった時間に便意を感じます。

例えば、朝起きて食事を取った後に便意を感じるという方もいるのではないでしょうか。

便意は排便を起こすための「排便反射」が起きると感じるため、そのタイミングを逃さないことがスムーズな排便習慣につながります。

朝は慌ただしくバタバタしているとうっかりトイレに行くタイミングを忘れてしまうことがあります。

朝は余裕をもって起床し、トイレタイムをきちんと取るようにしましょう。

4-6.毎日規則正しい運動を行いましょう

規則的な運動は腸の動きを活発にさせ、排便効果につながります。

運動習慣がない人は短時間でも体を動かし、腸の動きを活性化しましょう。

ハードな運動でなくてもウォーキングなど無理のない範囲で始めましょう。

運動が難しい方はお腹のマッサージをする・温めるだけでも腸の動きを促すため効果的です。

4-7.SIBOの食事は例外

過敏性腸症候群でSIBOを伴う場合、これまでご紹介した生活習慣とは異なった対処が必要です。

腸活が逆効果になるため、低FODMAP食という特別な食事に切り替える必要があります。

▼【医師解説】腸活が逆効果になる腸内フローラの異常「SIBO(シーボ)」の原因と対策

https://wellmethod.jp/sibo/

5.便秘を解消し、充実した快適ライフを送りましょう

女性の敵である「便秘」に悩まされる方は多くいますよね。

その便秘解消につながるポイントが食生活による腸内環境の改善です。

私たち40~50代は忙しく、ついつい自分と向き合う時間を疎かにしがちです。
自分に使う時間が十分になくても、まずは食生活から見直してみてはいかがでしょうか。

筆者も忙しいとついつい食生活が疎かになりがちなのですが、「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」は必ず意識して食事の中に取り入れるようにしています。

このシンバイオティクスという食事方法は、献立を考える上で参考になりますし、毎日の排便が自分の健康のバロメーターとして役に立っているなと実感します。

ぜひみなさまも食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

毎日を健やかに生き生きと過ごしていきましょう。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

和重 景

【ライター】

主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

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