こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

突然ですが、みなさんは膀胱炎になったことはありますか?

「トイレに行くのを我慢すると、膀胱炎になるよ!」
と言われたことがある人もいるのではないでしょうか。

そんな筆者は、若い頃に何度か膀胱炎にかかった経験があります。

膀胱炎になると
「トイレにいく回数が増える」
「排尿時に、痛みを感じる」
痛みや不快感から、トイレにいくたびに憂鬱な気分になることも。

「心当たりがないのに、なぜ膀胱炎になるのだろう」と悩んだ時期もありました。

膀胱炎は女性のうち2人に1人はかかるといわれている、非常に身近な病気でもあります。

しかし、とてもデリケートな話で周囲に話しづらく、一人で悩みを抱えているケースも少なくありません。

今までかかったことのない人も、今後なる可能性はゼロとはいいきれません。膀胱炎にならないためには、どのようなことに気をつけていけば良いのでしょうか。

今回は膀胱炎の原因と治療法、ならないための予防法についてご紹介したいと思います。

1.膀胱炎とは

膀胱とは内面がやわらかく、伸縮性のある袋でできている臓器です。膀胱の中で細菌が繁殖し、膀胱の粘膜に炎症を起こす病気が膀胱炎です。

膀胱炎の多くは、大腸や直腸などに潜んでいる腸内細菌が尿道をさかのぼり、膀胱に感染し増殖・発症します。

バイ菌

他にも、特定の薬剤を使用している場合(一部の抗がん剤、抗アレルギー薬など)、放射線治療の副作用、基礎疾患の有無、尿道カテーテルの使用などでも発症します。

これらは「複雑性膀胱炎」「出血性膀胱炎」「間質性膀胱炎」などに分類されることがあります。

今回は、一般的によくいわれている「急性単純性膀胱炎」についてご紹介します。

2.膀胱炎(急性単純性膀胱炎)の原因

膀胱炎(急性単純性膀胱炎)の原因は、細菌による感染がほとんどです。

膀胱炎を起こす原因となる細菌は、大腸や直腸に棲んでいる腸内細菌で、その中でも7~8割は大腸菌によるものといわれています。

大腸菌などの細菌が膣の中に入り増殖し、尿道・膀胱とのぼっていき炎症を起こします。

本来、閉経前の女性は膣の常在菌が膣内を強い酸性に保ち、有害な細菌が繁殖しないように守っていますが、性交渉などにより大腸菌が繁殖すると膀胱炎を発症しやすくなります。

一方で、閉経後の女性は膣内の常在菌が減少しており、膀胱炎が再発しやすい環境になっています。また、骨盤底筋群の筋力低下による膀胱脱や、排尿障害などが起こることで、膀胱内に細菌が入りやすくなったり、膀胱が尿に貯留したりして、膀胱炎を引き起こしやすくなります。

2-1.女性に多い膀胱炎(急性単純性膀胱炎)

膀胱炎(急性単純性膀胱炎)は、圧倒的に女性に多い病気です。

男性に比べ、女性の尿道は短く、細菌が膀胱まで達しやすいためといわれています。

大半は、細菌はおしっことともに膀胱の外へ洗い出されますが、おしっこを我慢する行為・体調不良・ストレス・疲労が原因で感染を起こし、膀胱炎を発症することがあります。

また、妊娠・性交渉・月経が誘因となり発症することもあります。

3.膀胱炎(急性単純性膀胱炎)の3大症状

トイレ

膀胱炎の症状には主な3つの症状があります。

3-1.排尿痛

排尿をする際に、差し込むような痛みが起こります。炎症を起こした膀胱が、排尿をすることで膀胱が縮む際に刺激されるためです。とくに排尿の前半よりも後半に痛みが強くなります。

3-2.頻尿

尿意を催しトイレに行く回数が増えます。

症状がひどい場合、10分前後ほどの短い間隔でトイレにいくケースもあります。実際に膀胱に尿が貯まったための尿意ではなく、膀胱が炎症で刺激されているための尿意ですので、1回にでる尿の量は少なくなり、排尿後も残尿感を感じます。

3-3.尿が濁る

感染した細菌と戦うために集まった白血球や炎症部分の分泌液、はがれた膀胱の粘膜などが尿に混入するために尿が濁ったように見えます。

尿に膿のようなドロっとしたものが混入したり、臭いもきつくなったりすることがあります。そのほか、血尿などが現れるといったケースもあります。

膀胱炎の場合ほとんど発熱はみられません。しかし、熱が出たり腰に痛みを感じるようになる場合、炎症が腎臓の腎盂にまで広がる腎盂腎炎になっている可能性があります。
敗血症によるショック状態にもなりかねないため、我慢せずに病院に行きましょう。

4.膀胱炎の診断方法

尿検査

膀胱炎の診断には、まず尿検査が行われます。
尿を採取する際は、膣のおりものなどの混入を避けるため、中間尿といった排尿途中の尿を採取します。

尿検査において、白血球の一定数の増加が認められる、もしくは細菌がみつかった際に膀胱炎と判断されます。

また、慢性的であったり重症であったりする場合には、膀胱炎の原因となる細菌を特定するために、尿を培養検査し、どの抗生物質が膀胱炎の治療に適しているかを併せて行うことがあります。

5.膀胱炎の治療法

膀胱炎の治療は薬物治療が基本です。また生活面でも十分な水分摂取と排尿が推奨されます。

治療の遅れや、症状があっても我慢を続けていると腎盂腎炎になり発熱して重症化することもあるので、注意が必要です。

5-1.薬物治療

膀胱炎の治療には抗生物質が用いられます。

薬は指示された通りきちんと飲みましょう。

通常は服用後3~4日で症状が治まります。最近は薬剤耐性菌による膀胱炎で、抗生物質が効果不十分の場合があります。その際は、抗生物質の種類を変えるなどして様子をみることもあります。

5-2.生活面での指導

治療中は、あたたかい飲み物などで水分をしっかり摂るように心がけ、普段よりもたくさん尿を出して細菌を体の外へ出すようにしましょう。

6.膀胱炎になったら何科を受診する?

病院

膀胱炎が疑われる場合、「泌尿器科」や「内科」で診察や検査が可能です。
軽度の場合は婦人科でも治療が可能ですが、再発性や慢性、重度の場合は診断や治療が困難です。

排尿障害や膀胱脱など泌尿器のその他の症状を伴っている場合は、泌尿器科を受診してそれらを併せて相談する方が良いでしょう。

膀胱炎は放っておくと、痛みがさらに増して重症化する恐れがあるので、早めに対処することが大切です。

7.膀胱炎にならない! 日常生活でできる予防法

膀胱炎は人によっては何度も繰り返すケースがあります。

一度かかったことのある人は再発しないように、今までかかったことのない方でもしっかり予防をすることが大切です。

膀胱炎の感染予防としてできることは

・膀胱内に菌を侵入させない
・膀胱内で菌を増やさない
・体の抵抗力を落とさない

といったことが大切です。今回は、日常生活で具体的にできる予防法をいくつかご紹介します。

7-1.水分を多めにとる

水を飲む女性

普段から水分を多めにとって、トイレに行く回数を意識的に増やしましょう。排尿することで、膀胱内の細菌を早めに体の外へ出すことができます。

7-2.トイレを我慢しない

膀胱にたまる尿には、細菌が繁殖するための栄養分が含まれており、体の体温によってあたたかく繁殖しやすい環境が保たれています。

そのため、トイレを我慢し、膀胱に尿をため込み続けていると、膀胱炎が発症しやすくなります。

トイレは我慢せず、行きたいときに行きましょう。尿意がなくても3~4時間ごとにトイレに行くことが理想です。

7-3.性交渉後は排尿する

性交渉によって細菌が尿道から膀胱へ入るケースがあります。

もし細菌が尿道に入っても尿で流しだせるように、性交渉後は排尿する習慣をつけましょう。また、性交渉の際はコンドームを使用すること、不特定多数との性交渉は控えることなども大切です。

7-4.体を温める服装を心がけましょう

体の血流の低下は、膀胱や膀胱周りの機能が低下し、膀胱炎の原因になることがあります。

そのため、体(とくに下半身)は冷やさないように注意しましょう。冷房の効きすぎた部屋などは注意が必要です。

7-5.デリケートゾーンを清潔に保つ

膀胱炎の予防

女性は尿道と膣や肛門が近くにあるため、膀胱から尿道に菌が入り感染しやすくなります。

とくに排便後は肛門の周りに大腸菌が付着します。排便後トイレットペーパーで拭く際は、前からうしろ(尿道側から肛門側へ)拭くように心がけましょう。

生理用ナプキンやおりものシートは長時間つけると雑菌の繁殖の原因にもなるため、こまめに取りかえるなどして、デリケートゾーンを清潔に保つように心がけましょう。

また性交渉後は、排尿だけでなく、シャワー浴びて陰部を清潔にすることも大切です。

7-6.温水洗浄便座の使用を控える

温水洗浄便座を使用する際、尿自体は通常は無菌のため、排尿の度に毎回使用しなくても良いといわれています。

もし使用するのでしたら、弱めの水流で細菌を尿道に押し込むようなことがないように気をつけましょう。

また、膣内をビデ洗浄で洗い流そうとするのはやめましょう。

膣内には、常にデーデルライン桿菌を中心とした常在菌がバランスを保っています。
ビデで洗い流すことで膣内の常在菌バランスが崩れ、炎症などのトラブルを起こすことがあるため膣内には使用しないようにしましょう。

7-7.ストレス、過労は避ける「抵抗力」をつけましょう

ストレスや無理なダイエット、疲労の蓄積などは体への負担となり、抵抗力が落ちやすく、膀胱炎にかかりやすくなります。また、風邪、睡眠不足なども体の抵抗力の低下につながるため注意が必要です。

膀胱炎を予防するためには、できるだけストレスや疲労をためないように意識しながら生活習慣を整えましょう。

体を健康に保つことは、細菌に感染しにくい体づくりにつながります。

7-8.膀胱炎で避けた方が良い食べ物・予防にいい食べ物

バランスが偏った食事や、栄養が不足すると体の免疫力が低下し、膀胱炎にかかりやすくなります。

そのため、栄養バランスを意識した食事を心がけるようにしましょう。膀胱炎に関係する食べ物をご紹介しますので、献立を考えるときにぜひ参考にしてみてください。

<避けた方が良い食べ物>
・刺激物…ワサビ・辛子・唐辛子など辛いもの
・アルコール類
・カフェイン類…コーヒー・紅茶・お茶
・酸性食品…炭酸飲料・かんきつ類など酸味の強い果物

<膀胱炎の予防や改善にいいとされている食べ物>
・スイカ…利尿効果があります
・しょうが…体をあたためる・抗菌作用

スイカ

7-9.骨盤底筋トレーニング

2章「膀胱炎(急性単純性膀胱炎)の原因」でお伝えしましたように、膀胱炎は、骨盤底筋群の筋力低下による膀胱脱や排尿障害が起こることで引き起こしやすくなります。

こういった場合には予防策として、骨盤底筋トレーニングが有効です。
筋力が弱まった骨盤底筋を鍛えることで筋力がつき、臓器が下がるのを防げます。

骨盤底筋トレーニングの詳しいやり方はこちらをご参照ください。

▼骨盤底筋トレーニングの詳細はこちら

https://wellmethod.jp/pelvic-floor-muscles/

8.こまめな水分摂取で、膀胱炎を予防しましょう

こまめな水分摂取をする女性

私たち40~50代の女性は、仕事・育児・家事・介護…と、トイレに行きたくてもついつい他のことを優先し、我慢してしまうときがあるかと思います。

私も、とくに朝の出かける時間帯や仕事が忙しい時間帯は、トイレにいきたくても「今は忙しいから、あとで行こう」とついつい我慢しがちです。

しかし膀胱炎は女性のだれでもがなることのある身近な病気です。

また、日常生活で水分を多めにとる・トイレの回数を増やす・ストレスを溜めないないなど、生活の一部分を意識的に少し改善するだけでも予防できる病気であります。

忙しい私たちだからこそ、日常生活に予防策を少し取り入れることで体を大切にしていきましょう。

監修医:桐村里紗

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和重 景

【ライター】

主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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