こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

みなさんは「お腹がゆるくなって困った」という経験はありませんか。

仕事中なのにお腹が痛い、何度もトイレに行かなくてはならないなど、お腹がゆるくなってしまうと日常生活にも支障が出てしまいますよね。

かくいう筆者も、過去にはお腹がゆるくなることがあり、困ったことがありました。

しかし、腸内環境を整えたことにより、気づかないうちにお腹のトラブルを解消することができました。

お腹がゆるくなるのは食あたりや冷えが原因のときもありますが、腸内環境の乱れが原因であることも多いです。

ここでは、お腹の調子を整えるための具体的な方法や、おすすめしたい食生活について詳しくお話しします。

1.お腹がゆるいとはどういう状態?

体調不良

お腹がゆるいとは、簡単にいうと「下痢が続いている状態」です。

下痢とは便の水分が多い状態をいいます。理想的な便はバナナ状の固形便ですが、下痢の場合は水分が過剰に含まれている泥のような便であり、泥状便(でいじょうべん)や水様便(すいようべん)とも呼ばれています。

また、下痢は一度排出して終わればさほど問題はないのですが、お腹がゆるい状態のときは、下痢が短時間で頻繁に続くことも多いです。

下痢は理想的な便より水分を多く含んでいるため、排出するたび体内から余分に水分を放出してしまい、自分の体力を奪われてしまいます。そのため、お腹がゆるい状態が続くと倦怠感が増し、下痢をするたびにぐったりしてしまいます。

1-1.お腹がゆるくなる原因

お腹がゆるくなってしまうことは、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。

しかし、その原因について深く考えたことはないかもしれません。下痢の多くはいつの間にか発症し、時間が経つにつれいつの間にか治っていた、ということが多くあります。

しかし、あまりにも頻繁に下痢を繰り返す場合は、その原因を突き止め、対策をすることが大切です。お腹がゆるくなる原因は、次に紹介することが主に考えられます。

1.腸の働きが異常になってしまったとき

お腹がゆるくなる原因として、まず腸の働きに異常が生じている場合もあります。

そもそも便が排出される仕組みは、食べ物が胃から小腸、大腸へ運ばれる工程があるからです。

食べ物は胃で消化され、体に吸収しやすいよう細かく分解されます。

そして分解された食べ物は小腸で栄養素が吸収され、大腸では水分が吸収され、その残ったカスのようなものが便として排出されます。

しかし、なんらかのトラブルで腸の働きがおかしくなってしまうと、腸のなかにある食べ物が急速に通過したり、大腸における水分の吸収が十分にできなかったりします。

大腸で水分が吸収されないと、結果的に水分量が異常に多い便になってしまい、下痢として排出されるのです。

また、腸の働きがおかしくなると、腸からの水分分泌量が異常に増えることもあり、軟便になってしまうことがあります。

こうした腸の働きにおけるトラブルは、冷えや食中毒といった外的要因もありますが、ストレスによる自律神経の乱れから、腸が影響を受けてしまうということもあるようです。

2.食あたりや食中毒

生牡蠣

腹痛を伴い、急に激しい下痢になった場合は、食あたりや食中毒である可能性が高いです。そのような状態になった場合は、最近次のようなものを食べたことがないか確認しましょう。

・賞味期限切れのもの
・調理から時間が経過したもの
・刺身や生牡蠣、生野菜、卵などの生もの
・お弁当やサンドイッチ など

こうした食材を食べることにより、食中毒を起こしてお腹がゆるくなってしまうことがあります。食中毒は、O-157やノロウイルス、サルモネラ菌などの細菌が体内に入ることで、ひどい下痢を起こすと考えられています。

症状が軽い場合は、体から食中毒の原因である細菌を排出することで治ることが多いです。

しかし、何日も激しい下痢が続いたり、嘔吐や血便の症状も見られる場合は、重篤な食中毒である可能性もあります。そのようなときはすぐに病院で診察してもらいましょう。

▼食中毒について詳しくはこちら

https://wellmethod.jp/infectious_disease_gastroenteritis/

夏季に多い集団食中毒。感染症胃腸炎になった時の対処法・予防法

3.腸内環境の乱れ

激しい下痢ではないものの、軟便が数日続くような場合は、腸内環境が乱れていることが考えられます。

病院へ行くほどの症状ではないが、なんだかお腹がゴロゴロしたり、軟便が続いてトイレに頻繁に行きたくなったり、実はこうした症状を日頃から抱えている女性は多いのです。

ですが、自分の腸内環境ときちんと向き合うことで、お腹のゆるみが解消し、快適な毎日が送れることもあります。では腸内環境を改善するとは具体的にどういうことなのか、次から詳しく解説していきましょう。

2.腸内環境を整えるとはどういうことか

腸活

私たちの腸には大きく分けて「有用菌(善玉菌)」「悪玉菌」「日和見菌」という菌が存在します。一般的に体に良いとされているのは有用菌ですが、実は有用菌だけが腸内に存在すればよい、というわけではありません。

悪玉菌には悪いイメージがありますが、ときには腸内で良い働きをすることもあります。有用菌でも悪玉菌でもない日和見菌ととともに、悪玉菌が悪い病原菌などを排除してくれることもあるのです。

つまり、腸内環境を整えるということは、これら3つの菌をバランスよく共存させることが大切です。

このバランスが整うことにより、体にとってよい総合作用が発揮されるのです。バランスのよい菌の共存を目指すには、細菌にとって腸内を住みやすい環境に整えてあげることがポイントになります。 

2-1.有用菌を摂取する

腸内環境を整えるには3つの菌をバランスよく共存させることが大切です。

お腹がゆるい状態は、腸内において悪玉菌が優勢になっていることも考えられます。

悪玉菌のなかには「病原性大腸菌」といった下痢を引き起こす細菌もあるので、注意が必要です。

悪玉菌を腸内で優位にさせないためには、発酵食品やプロバイオティクスサプリメントなどでビフィズス菌や乳酸菌といった有用菌そのものを摂取することも大切です。
下痢の際に病院で処方される「整腸剤」は、乳酸菌やビフィズス菌や酪酸菌などを含む製品です。

さらに、腸内の有用菌を活性化させるためには腸内細菌のエサとなる「食物繊維」や「オリゴ糖」を摂取することが重要になってきます。

2-2.食物繊維が腸を整えてくれる

食物繊維

腸内環境を整えるためには、食物繊維が欠かせません。私たちの腸内には、赤ちゃんの頃から定着して住み続けている「常在細菌」があり、常在細菌の種類は6歳ごろまでにある程度決まるとされています。

腸内環境を整えるためには、この常在細菌を大切にする必要があります。いくらヨーグルトなどで有用菌を摂取しても、それは常在細菌を増やすのではなく、通過菌を摂取しているだけです。

自分が持つ常在細菌とヨーグルトから摂れる菌の種類が違う場合、腸内に有用菌を定着させることはできないのです。

そこで大切なのが「食物繊維」を摂取することです。

食物繊維は腸内の有用菌を育てる役割を持っており、積極的に摂ることで常在細菌のエサとなり、有用菌を培養することができます。

食物繊維を上手に摂るには、野菜や海藻類、穀類、豆類、イモ類などをバランスよく食べることが大切です。また、食物繊維と同じように、オリゴ糖も腸内における有用菌のエサとなります。

1.非水溶性(難溶性)食物繊維

食物繊維には「非水溶性」と「水溶性」の2種類があります。そのうちの非水溶性(難溶性)食物繊維が含まれるのは次のような食品です。

・キノコ類
・穀類(未精製を中心としたもの)
・葉野菜
・クロレラ・スピルリナなどの微細藻類 

ちなみに非水溶性食物繊維は、腸内に住む常在細菌の直接的なエサになることはありません。摂取することで腸内細菌を育む寝床のような役割を持っており、体に採り入れることで腸内の菌が快適に住めるような環境づくりをサポートしています。

2.水溶性食物繊維

そして水溶性食物繊維は次のような食品に含まれています。

・果物(とくにリンゴや柑橘類、プルーンなど)
・イモ類
・昆布やワカメなどの海藻類
・麦類を中心とした穀類
・豆類
・こんにゃく

水溶性食物繊維は、有用菌のエサとなり、腸内に住む常在細菌が増える役割を担っています。水溶性食物繊維は体内で消化や吸収されずに、大腸まで届き、有用菌のエサになるのです。

そして有用菌が水溶性食物繊維をエサとして食べると、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの体にとって大切な役割を担う有機酸を分泌します。

3.食物繊維で生まれた有機酸とは

有機酸とは、腸内環境を整えるための酸です。有機酸が腸内で分泌されることにより、有用菌がより元気になれる環境が整います。

有機酸には乳酸や酢酸、酪酸、プロピオン酸などの種類があり、これらの総称は「短鎖脂肪酸」とも呼ばれています。

短鎖脂肪酸は、腸内を有用菌が暮らしやすい酸性環境に整えてくれる他、免疫系や代謝系に働きかける作用もあります。これらにより、「病気になりにくい」「太りにくい」といったうれしい健康効果をもたらしてくれるのです。

▼免疫力低下や肥満を防ぐ「短鎖脂肪酸」とは

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免疫力低下や肥満を防ぐ! 腸内環境のエース「短鎖脂肪酸」6つの働き

 

3.日常生活でできるお腹の健康対策

ここまで、お腹の調子を整えるためには腸内環境を整えることが非常に大切であることを解説してきました。

お腹がゆるく、体調が優れない場合は、腸内環境が乱れている可能性があります。食物繊維を意識して摂るなどの工夫をし、お腹の調子を整えていきましょう。

そして、おなかがゆるくなってしまう原因としては、冷たいものの飲み過ぎや、クーラーなどの外的要因もあります。ここからは、日常生活でできるお腹の健康対策について説明していきます。

3-1.お腹を冷やさない

冷えに悩む女性

昔から「お腹を冷やすことはよくない」といわれています。子どもはよくお腹を出して寝てしまうので、腹巻をしてお腹の冷えを予防することもあるでしょう。

お腹が冷えると、腸の運動が通常よりも高まり、軟便につながります。冷えによる軟便が続く場合は、お腹を温めることが効果的です。

大人の場合、お腹の冷えはエアコンの冷風によるものや、冷たいものの食べ過ぎが原因であることが多いです。普段から意識してお腹周りを温めることにより、軟便や下痢を防ぐことにつながります。

3-2.飲み物にも気を付ける

コーヒー

慢性的にお腹がゆるい人のなかには、「毎晩冷たいビールを飲んでいる」といったケースも少なくありません。

冷たい飲み物やアルコールは、腸を過剰に刺激するため、下痢を引き起こしてしまうことが多いのです。

また、普段は飲まないコーヒーを大量に飲んだりすると、カフェインの影響で腸が刺激を受け、お腹がゆるくなることもあります。

普段からお腹がゆるい人は、一度自分が飲んでいるものを見直してみるとよいでしょう。冷たい飲料を常温にするだけで、お腹の調子が改善されることもあります。

3-3.ストレスを溜めない

過敏性腸症候群

ストレスは万病のもとであり、腸内環境においても大きな関係があります。例えば、電車に乗ったとたんお腹がギューっとなり、下痢やお腹の痛みで苦しむTVコマーシャルをご存知でしょうか? あれは過敏性腸症候群であることが考えられます。

過敏性腸症候群はストレスが影響して腸の感覚が敏感になり、腸のぜん動運動が活発化しすぎることで下痢を引き起こす症状です。

脳と大腸は密接な関係があり、脳がストレスを受けることで腸が異常な活動を起こし、お腹の調子が悪くなることは多いです。普段からしっかりと睡眠をとり、なるべくストレスを溜めない生活を送ることで、お腹の調子が整うこともあります。

過敏性腸症候群は、高い確率で、小腸内異常増殖症候群(SIBO)と呼ばれる小腸の腸内細菌のアンバランスを合併しています。

この場合は、上にご紹介した食物繊維や有用菌の摂取が逆効果になる可能性があり、除去食が必要になります。

詳しくは

【医師解説】腸活が逆効果になる腸内フローラの異常「SIBO(シーボ)」の原因と対策

https://wellmethod.jp/sibo/

4.お腹がゆるくなるのは腸内環境が乱れているサイン

筆者も以前はお腹がゆるい体質でしたが、日頃の食生活を意識して変えることにより、気づけば軟便は改善されていました。食物繊維を意識して摂るようになってからは、ずっとお腹の調子が良いのです。

お腹がゆるくなる原因はさまざまありますが、たまにお腹がゆるくなる、といった状態のときは、腸内環境が乱れていることが考えられます。

そのようなときはヨーグルトだけを積極的に食べるのではなく、腸内環境のバランスを整えるために、なるべく食物繊維も意識して摂るようにしましょう。

お腹の調子がよいと、その日一日を元気に過ごすことができます。お腹のトラブルに悩む方は、ぜひ自分の腸内環境に耳を傾け、今日からできることを一つずつ実践していきましょう。

監修:内科医 桐村里紗

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和重 景

【ライター】

主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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