薄着の季節にリバウンドなしで無理せずダイエット|7つのルール
こんにちは。
医師で予防医療スペシャリストの桐村里紗です。
本格的な薄着のシーズンがやってくるこれから。
在宅生活が長引いて、体重が増えちゃった!という声をたくさん聞きます。
でも、これから急激に痩せなくちゃ!は、逆にリバウンドと栄養不足から夏バテを招きリスクあり!
今日は、リバウンドなしで日常生活の工夫で無理せず痩せる7つの方法をご紹介しましょう。
目次
1.リバウンドなしで無理せず痩せる方法
まず最初に大切なことは、心得です。
1)ダイエットしようと思わない
これは、逆説的だと思いますが、「ダイエットしなきゃ」という魔法の呪文は、人を痩せさせてくれません。むしろ、太っていくことも。
「ダイエットしなきゃ」という心の根本は、「太っている自分」というアイデンティティがあります。
人は、自分の潜在意識通りに、現実を作りますから、根本が「太っている自分」ではずっと太ったままというマジックがあります。
ですから「わたしはすでに痩せている」というマインドでいることで、心が変わり、行動が変わっていき、痩せる状態が創られますが、それでは現実とあまりにもかけ離れて自分の中に疑念が生まれてしまう場合は「わたしは、今、痩せている最中」であるという風に考えてみてください。
2)朝起きたら、必ずミネラルウォーターや白湯を飲む
朝の消化器の目覚めに、水は欠かせません。
夜のうちに、たくさん汗をかいて水分が不足していますから、1杯以上飲みましょう。
水がなければ、体の中のあらゆる酵素が働きづらくなります。
代謝をあげる、解毒をする、消化をする、これらも酵素の働きです。
3)1日1.5Lから2Lは水を飲む
水を不足なく補いましょう。
水太りしちゃう!という方は、むしろ水不足の可能性が。
水が不足するとリンパの流れも悪くなります。
水が十分たりていることは、人の細胞にとっても腸内細菌の働きにとっても大切になります。
一気飲みするのではなく、起きている16時間程度の間、2時間にコップ1杯程度をちびちび飲むこと。
汗をかいたらたっぷりと。
4)朝軽く昼メインで夜軽く
食べ方のリズムは「朝軽く昼メインで夜軽く」
これが、消化器にも負担をかけず、太らない食べ方です。
1.朝食
「朝たっぷり食べなきゃ!」という方もいますが、お腹が空いていたらそれでも良いですが、消化器的には、朝はお通じが出る「排泄」の時間帯です。
食べるなら、排泄が終わってから。
まず、出してから食べる方が良いですね。
お腹がまだ動かないわという方は、無理して消化に負担がかかるものを食べなくても大丈夫です。
プロテイン入りスムージー。ポタージュスープ。ご飯と納豆、味噌汁。これくらいで十分です。
全く抜きは、昼食後に血糖値が跳ね上がるため、何かお腹に入れる方が良いですね。
2.昼食
昼は、消化器がフルで消化吸収にエネルギーを使う時間帯です。
活動もするので、エネルギーも燃焼します。
1日のうちで、メインにするのであれば昼食が理想的。
ここで、「ダイエットしなきゃ」と思わずに、満足しながら食べることで「渇望」がなくなります。
スイーツは控えて!と言いたいですが、もし食べるのであれば、昼食後のデザートに。
血糖値の上昇を防ぎ、活動することで脂肪に変わりにくい食べ方です。
3.夕食
あとは寝るだけ!の夕食をメインにし、その上デザートまで食べたら、体重や体脂肪は減りません。
寝ている間は、消化よりも、肝臓など体の中の臓器が働き、代謝をしたい時間帯です。
負担のかかるヘビーな揚げ物やたくさんの肉、また、血糖値をあげるたくさんの炭水化物やスイーツは控えたいところです。
特に、血糖値を上げてしまうと、睡眠中に体を修復し代謝を高める成長ホルモンの分泌を妨げ、睡眠の質を低下させます。
夜のご飯は控えめに。軽くお茶碗1杯程度までに。
血糖値の上昇も考慮すると、寝る時間の4時間前までには食べ終えておきたいところです。
11時に寝るのであれば、7時ですね。
炭水化物ラバーの方は、ぜひお早めに。
5)人工甘味料・異性化糖・砂糖を控える
1.ゼロカロリー人工甘味料
ダイエットのために、ゼロカロリーの人工甘味料を摂っている人は、逆に食欲がまし、血糖値が乱れ、太るということが最近わかってきました。
カロリーはないのに、インスリン分泌が刺激されます。インスリンが分泌されると細胞にエネルギー源である糖が送り込まれ、それが燃焼されないと細胞は太ります。
血糖値が下がると、また食べ物が欲しいというループになってしまい、もっと食べたい!もっと欲しい!で摂取カロリーが増えてしまいます。
2.異性化糖(コーンシロップなど)
異性化糖は、以前にご紹介したように、果糖を含みます。
果糖は、血糖値にならない代わりに、中性脂肪となり、内臓脂肪を増やします。
お菓子、ソース類、冷凍食品、加工食品など多くのものに入っています。
「美容ドリンク」にも入っていることがありますから、裏の表示をチェックチェック!で控えてください。
詳しくは、
▼アガベシロップは肥満の元?砂糖よりも危険な果糖を控えるべき理由【医師解説】
https://wellmethod.jp/agave-syrup/
3.砂糖とカンジダ菌
砂糖は、言わずもがな、血糖値を上げてしまいます。
スイーツは、腸内のカンジダ菌も増やしますが、彼らの分泌する代謝物は、エネルギー代謝を低下させ、低血糖を起こして食欲を上げ、「もっと食べたい!」を引き起こします。
スイーツラバー、炭水化物ラバーで太っている人は、大抵、腸管カンジダが増えていると思ってください。
砂糖・果糖・糖質を控えることです。
その代わり、腸内環境を改善するオリゴ糖や、ゼロカロリーの天然甘味料でありながら血糖値の乱高下を起こさないラカンカ糖などに切り替えることをお勧めします。
6)ファストフードやインスタント食品を控える
当然ですが、ファストフードやインスタント食品は、栄養価が低い割に、糖質と劣化した脂質が高く、太ります。
エンプティフードと呼ばれる食事を摂ると、ビタミン・ミネラル・タンパク質などの栄養素が不足して、体の代謝が回らず、太りやすくなります。
加工度が高い食べ物は、いずれも同じです。
その意味で、皆さんが大好きな白い小麦を使ったふわふわの食パン、菓子パン。麺類。
これらは、小麦のグルテンによる腸の炎症や依存性の高さも加わり、食べても食べても満足せず、また欲しいという状態になりがち。
小麦断ちをして、ご飯にするだけでも、食欲が適正化される人は多くいます。
その代わり食べたいのは、精製度の低い雑穀・野菜・豆類・ナッツ類・海藻類・キノコ類など。これらをもりもり食べて、適度な肉や魚などでタンパク質を補給しましょう。
7)1日1時間歩いてみる
運動も大切です。
1日1時間歩いてみましょう。
普段運動不足だと、結構、ハードです。
通勤している方は、1駅前で降りて、歩くなど、日常の中で歩く時間を作りましょう。
車生活の方は、朝の日が高くなる前の時間や夕食後の腹ごなしに、1時間歩いてみましょう。
30分ずつでもいいでしょう。
だらだら歩いても運動にはなりません。
軽く息が上がるくらいの早歩き、大股歩きをしましょう。
2.ダイエットというよりも健康寿命を延ばす日常に
これって、ダイエットというよりも、ヘルスケアのための基本的な日常です。
こんな生活をしていれば、太ることはありません。
不健康な生活をしているから太ったという、ただそれだけ。
健康的な生活をしていれば自然に体重は適正化されます。
残念ながら、世の中には、当たり前に食べると食欲を増加させたり、肥満をつくる食品が溢れています。
それは、大抵、加工度の高い食品です。
昔ながらのものを適正に食べると考えたら、難しくはありません。
ぜひ、いつまでも若々しく、美しく、健康寿命を延ばすためにも、この生活を日常化してみてくださいね。
私が気に入っているのは、古事記の国造り神話にも登場する神々の島、島根県隠岐諸島の隠岐酒造が室町製法を再現した「隠岐誉 室町の純米酒90」です。隠岐米・神の舞をほぼ削っていない琥珀色のとろけるような馥郁(ふくいく)※とした酒をチビリといくと、神々と繋がる気がします。
※香りがよいさま。よい香りが漂っている様子。
この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか