ドクターLISAが“ゆるっ“と実践!今日からできる心と体のウェル・メソッドvol.1
皆さま、こんにちは。
大人の女性のためのウェルエイジングブランド「WELLMETHOD」を予防医療的な立場から、またウェルエイジング世代の立場から、総合監修させて頂くことになりました。
医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗です。
私自身、医師な訳ですが、どうか、一般的な病院にいるお医者さん的なイメージを持たないで頂けると幸いです。
大門未知子にも憧れますが、「女医」的な気の強さはありませんし、いわゆる病気の治療も「致しません」。
どちらかといえば、病院に来る手前の段階に、一番お役に立ちたいと思っています。
つまり、皆さまの日常生活においてです。
身体の健康だけでなく、心の健康。
そして、人間関係、パートナーシップ、さらには人生の健康まで。
人が、ヘルシーな心と身体を基盤にして、幸せに生きるにはどうしたら良いか、ということを、とことん追求してきました。
そして、人が生きる地球全体の健康として、オーガニックでエシカルなライフスタイルもシェアしたいと思っています。
目次
1.ゆるっと日常で実践できることをシェア
今回、この連載のメインテーマを、“私自身が日々実践していることのシェア”としました。
雑誌やメディアから取材を受けたりする際に、よく頂くのが、「りさ先生自身は、何を実践しているのか、知りたい!」というお声です。
一方で、私自身も皆さんと同じ世代の女性であり、日々悩んだり、落ち込んだり、そしてまた、立ち直って成長したりを繰り返しながら、これまで生きてきました。
ですから、これまでディープに探究してきた知識や知恵、そして自分自身のこれまでの体験や人体実験(?)を踏まえて、私自身が日々大切に実践していることをお伝えすることで、皆さまの生きるヒントになれば幸いに思っています。
ヘルスケアに関しては大変なマニアだと自負しておりますので、目から鱗な情報をあれこれお届けできると思います。
が、何より、私自身は、大変なズボラ人間です。
そして、3日坊主と言わず、2日坊主を誇る根っからの飽き性です。
「言うは易し、行うは難し」が身に染みております。
そんな訳で、どうか、皆さま、この連載を読む際には、肩肘を張らないでください。
私自身の性格も踏まえて、おおむね、「ゆるっ」と日常で実践できることを中心にお伝えしていきたいと思います。
でも、それだけではなく、幸せに生きる為に、これは重要だと思うことについては、深く切り込むつもりです。
成長の為には、多少の痛みを伴うこともありますから。
私自身の苦い体験談も、きっと皆さまにとっても「あるある」ネタだと思いますので、大いに曝け出していきたいと思います。
2.人生という劇場の主演女優は自分自身
さて、今日は自己紹介みたいなものですから、具体的なノウハウというよりも、ぜひ、最も共有したいマインドセットについてお伝えしたいと思います。
私自身は、人生は「劇場」と考えています。
そして、主演女優であり、脚本家であり、総監督まで務めています。
実は、誰しもが、普段からそれら全てをこなしている天才マルチクリエイターだと言えるのですが、これは、人間の基本設定なので、あまりにも無意識なのです。
ですから、多くの人は、自分が主人公であるとも、自分でシナリオを描いて、監督指揮しているとも思っていません。
それを知らずに一生を終えていることがほとんどだと思います。
そこで、生まれる、人間の哲学的な問い。
「自分とは何だろう」「人生とは何だろう」
この答えは、色々な解釈で良いと思うのですが、
「人生は劇場だ」。
そうとらえて生きると、不自由で依存的な人生から、自由で自律的な人生にシフトでき、とても楽しくなります。
自分の役柄も周りのキャストも、「人生劇場」であれば、自由に選ぶことができます。
それに、人生で何が起きても、その出来事に感情ごと翻弄されてしまわず、解釈次第でポジティブなストーリーに変えてしまうことだってできます。
ですから、これを皆さんと最初にシェアしたいと思うのです。
3.唯一無二の個性的ヒロイン
「私は、ヒロインです」
と、言ってみましょう。
どうですか?
気持ちいいですか?
それとも、違和感で心がざわつきますか?
私達は、一人一人が、肉体に宿った瞬間から、それぞれの人生劇場のヒロインです。
華々しかろうが、地味で目立たなかろうが、それぞれの人生の主人公であることには変わりがないのですから。
人生劇場のヒロインが、周りと同じである必要などありません。
舞台を観に行って、どれもが同じようなストーリーで同じような個性の主人公だと、つまらないですよね。
だから、違うことこそが大切です。
唯一無二の個性を持った、ユニークなヒロイン。
そのヒロインが送る他の誰にもできない唯一無二の人生劇場こそが、面白いのです。
4.私は誰?私はどこ?
私達は、常に、無意識にマスクをつけて、何かの役柄を演じています。
Who are you?
と、問われて。
I am …
何、と答えるでしょうか。
私で言えば、
「私は、桐村里紗です」
「私は、医師です」
「私は、夫の妻です」
「私は、一人の女性です」
例えば、お子さんがいらっしゃる皆さんなら、
「私は、〇〇ちゃんママです」
などと答えることが多いのではないでしょうか。
実は、これら全ては、人生劇場において役柄のためにつけたマスクであって、自分の本質ではありません。
そして、大竹しのぶさん並みの天才女優のごとく、役柄ごとに、振る舞いや発する言葉や口調までもが変わります。
私で言えば、「医師」のマスクをつけている時には、毅然として快活でロジカルで、他人に尽くすことを喜びとするというキャラクター設定になっています。
では、「桐村里紗」のマスク。
これは、結婚してからの苗字ですが、対外的な仕事の時に使っている名前でもありますから、プライベートのキャラクターともまた違います。
社会的でポジティブなキャラクター設定です。
例えば、「〇〇ちゃんママ」のキャラクター設定はどうでしょう。
母親として子どもを気遣い、子どものために奮闘し、自分よりも子どもを優先にしているがんばるお母さんのキャラクターが思い浮かびます。
主婦の方であれば、「〇〇さんの奥様」などというキャラクター設定もあるでしょう。
妻として、貞淑に夫を立て、夫を喜ばせることを自分の喜びとし、夫の社会的地位が自分の地位のように感じているかも知れません。
さて、本当の自分は?
毎日、どうしているのでしょうね?
5.マスクは生まれた瞬間から作られる
実はこのマスク。便利ですが、厄介でもあります。
ほとんどの人は、24時間、マスクをつけた自分を無意識に演じたまま、マスクを外すことを忘れてしまうのです。
シーンによって使い分け、家では「母親」「妻」、会社では「リーダー」などいくつものマスクを持っているのが普通です。
こうなると、役柄に囚われて、自分の本質が分からなくなり、苦しくなります。
マスクの存在を知った上で、意図して付け替えることができると、とても便利で、どんな役柄にもなれるのですが。
実は、このマスクは生まれた瞬間から作られるものです。
生まれた環境で、名前を授かり、両親を中心にした養育者に育てられるプロセスで、知らず知らずのうちにマスクが出来上がります。
これは、人間がこの地球上で肉体を持って生きる上での、基本的なプログラムで、環境とそこにいる人達との相互関係によって、マスクが作られます。
だから、一人一人のマスクは、全員違うものになります。
例えば、私について。
私は、曽祖父まで同居する大人だらけの環境に唯一の子どもとして生まれました。
厳し過ぎる曽祖父は、常に子どもである私の行動を「あれをしてはダメ」「これをしてはダメ」と制限し、「自分よりも人様に尽くしなさい」と口すっぱく言っていました。
家族は仲が悪く、母は慣れない環境の中で病気になり寝込んでしまいました。
さて、そんな環境で、天真爛漫な女の子のキャラクターにはなりようが無さそうですよね。
案の定、私は、幼い頃から大人の顔色を伺い、人が笑顔になるように振る舞い、自分のことは置き去りにして、まずは他人を気遣う、良い子の優等生というマスクを身につけて生きてきました。
医師になるという選択も、このマスクの役柄の選択です。
良くも悪くも、どんな人生を送るかは、こんな風に役柄の行動が決めているのです。
6.自分の本質はマスクの下に
誰にでも、この無意識のマスクがあります。
最初にできるマスクは、主に家庭における両親との関係性において作られます。
そして、社会に出てから、学校での教育や社会的な常識や通念、文化などを踏まえて、社会的な職業や立場などのたくさんのマスクをたくさん作り出します。
全て、環境や周りの人間関係に合わせて、生きていく為のプログラムです。
例えば、日本では、個性を発揮し、自己主張するよりも、空気を読める女性像、男性を喜ばせることが得意な妻像が求められがちでした。
学校でも、「女の子は、品行方正になさいませ」「性は恥ずかしいものだから、隠しなさい」などと教育されてきたと思います。
すると、本質の自分の個性や、ダイナミックで神聖な女性性は、無個性で慎ましく男性受けする女性というマスクの下に隠されてしまいます。
すると、本質は、とっても窮屈になります。
それが、ストレスの最大の原因になります。
ストレスは、心と体に自律神経を通して作用して、病気の原因になりますから、ヘルスケアという視点で考えても、自分の本質を自由に生きることはとても大切なことなのです。
7.「ありのまま」の自分の本質を再発見
「アナ雪」が流行ったのは、時代の必然のような気がします。
「ありのままの自分になる」
素直な本質の自分に戻ろうよ。
女性達に、そんなメッセージを届けてくれるような歌でした。
私自身の本質は、おてんば、奔放、非常識。
ただ、ずっと、忘れていました。
わかっていながら、長年身につけたマスクの個性は、かなり侵食していますから、完全に剥がすのは労力がいるプロセスです。
自分の本質的な個性はどんなだったのか。
何が好きで、どうしたいのか。
初めはぼんやりしてよく分かりませんでした。
でも、第一歩として、
マスクをつけているんだ。
そして、その下に自分の本質があるんだ。
それを知ることから始まります。
それを知っているのと知らないのとでは、全然違います。
そこから、自分の本質を思い出すプロセスに進むことができるからです。
8.頭より直感を大切に
自分の本質を思い出すには、頭をお休みさせることが大切です。
頭で考えると、自分を簡単に誤魔化し、騙すことができてしまいます。
これまで、マスクをつけてずっとそれをやってきた得意技なのですから。
誰かに何か言われた時、もし、瞬間的に何か違和感があれば、それは、本質的には望んでいないことかも知れません。
でも、「母親だから、こうしなきゃ」「女性だから、こう言わなきゃ」など、すぐに、マスクのキャラクターが頭で考えて行動しようとします。
ただ、何か、嫌。
よく分からないけど、とにかく、嫌。
そんな時に、その直感を受け流してしまわず、大切に捕まえてみてください。
自分は、何が嫌なの?
どうして、悲しいの?怒っているの?
本当は、どうしたいの?
自分との対話を繰り返すうちに、段々と上手になってきます。
女性は、直感の生き物です。
瞬間の直感こそが、より本質的な自分の答えに近いもの。
それを、大切にしてみてください。
9.脚本家・監督総指揮として主導権を握る
マスクがパカッと外れたら、やっと、人生を主体的に創り上げていけるようになります。
周りの人や環境、自分の外側の何ものにも影響されない本質の自分とようやく出会えた時、ようやく、自由に人生の脚本を描き、監督総指揮としての主導権を握り、自分の人生を生きられるようになります。
本当は、私のやりたいことはこれじゃなかった!
居場所はここじゃなかった!
と、気づくこともあるかも知れません。
平穏な日常を描くドラマに飽きたら、燃えるようなラブストーリーを描いてもいいでしょう。
世界を救う為に立ち上がるヒロインの物語や未知の土地を開拓する冒険活劇もワクワクします。
これまでは、無意識に作り上げられたマスクのキャラクターを無意識に演じていた訳ですが、これからは、どんなキャラクターになって、どんな人達と、どこに暮らし、何をしたいのか。
自分で意図して、自由に描くことができます。
急に仕事をやめて海外に行ったり、長年のパートナーとお別れしたりという、人生の一大転機を巻き起こすことになるかも知れません。
たとえどんな展開であっても、人生劇場のストーリーを決めるのも、演じるのも自分自身です。
人生は選択の連続と言いますが、無意識に選択していた人生は、思い通りではなかったかも知れません。
でも、ストーリーを描き、道筋が明確になれば、思い通りの結末を作る為の選択が自分でもできるようになります。
健康についても同じで、人生100年健康に生きる未来を描く時、その為には、ヘルスケアについての知識や知恵を得て、自分の中に明確な判断基準を持ち、日々、賢明な選択が自分自身でできるようになることが大切だと考えています。
10.自分の解釈次第でストーリーは変わる
もちろん、生まれる前に決められている基本設定はあります。
生まれ落ちた環境や親から受け継いだ家系の遺伝子は、自分の力ではどうすることもできません。
地球上に生きている限りは、社会的な状況や自然環境にも強い影響を受けます。
そして、思いもよらぬことが起こるのも人生です。
愛する人との別離や突然の事故などの不可避の出来事に見舞われることもあります。もしくは、全く意図しない出会いによって、人生が大きく好転していくこともあります。
完全に意図してコントロールできるものでもありません。
それについて、色々な説がありますが、自分の無意識にあるイメージが現実化しているかも知れませんし、肉体を持った人の意思では書き換えることができない、より大きな意思が作用しているかも知れません。
その辺りは、明確な答えがあるものではありませんから、自分が納得でき、心地よいと思える考え方を選択すれば良いと思います。
私自身は、この人生劇場は、全て、主人公である自分自身が学び、成長していく為に設定されている、ととらえています。
その中で、主演を演じつつ、自由な選択権は与えられていると。
どんな基本設定で生まれようとも、そこからの選択次第で人生は全く違うものになります。
また、何かの出来事があっても、その解釈の仕方は自由で、どんなストーリーにみせるかは、自分次第です。
例えば、私の場合は、母の病気。
そのせいで幼少期は暗いものでしたが、そのお陰で医者になることができ、その過程での学びを、皆さまとシェアできる訳です。
物事には必ず二面性があり、どの側面にライトを当てるかも、自分で決められます。
人生劇場の照明係も、自分自身なのですね。
11.自分の可能性は無限大
この肉体を使った人生は一度きり。
主演女優として、脚本家・監督総指揮として、または、照明係として。
誰にも自分の人生を明け渡さず、自分自身でクリエイトしていくことができたら、可能性は無限大になり、自由になります。
そんな生き方ができれば、人生は本当に楽しくなり、つらい出来事があっても、自分の可能性を信じ続けて、次のステージにジャンプすることができます。
この連載を通して、多くの女性たちが羽を伸ばして、自由に軽やかに空を飛べるようになればと願っています。
この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
- 桐村 里紗の記事一覧
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか