皆さま、こんにちは。

医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗です。

この連載では、究極のウェル・ビーイングとして、心と体の健康だけでなく、パートナーシップ、人生、社会、そして地球全体の健康と幸せを実現する為に、私自身が日々大切に考え、実践していることをお伝えしていきます。

今回のテーマは、「愛」について。

1. 愛は失わない尽きない変わらない

「愛」って、生きる上で普遍的なテーマです。

誰もが、「愛されたい」「愛したい」「愛が欲しい」「愛で満たされたい」と切望していて、究極的には、人は、「愛のために生きている」と言っても過言ではありません。

「愛し上手」「愛され上手」になりたいと願うものの、いくつになっても「愛」って難しいと感じている人は少なくないと思います。

2. 愛のふりをしたエゴが蔓延

世の中には「愛」のふりをした「エゴ」が蔓延しています。

だから、簡単に失ったり、欠乏したり、変わってしまうのですが、そう感じるのであれば、それは「愛」ではありません。

・愛は、失わない
・愛は、尽きない
・愛は、変わらない

ですから、ここでは、“本物”の「愛」だけを「愛」と呼び、「エゴ」から生まれる「愛のふりをした感情」とは区別したいと思います。
その意味で、「恋」もまた、エゴイスティックな感情ですが、こちらは、人生のスパイスであり、上手くやれば、心もお肌もピチピチしてきますし、楽しいもの。

ただし、「恋」は簡単に変わり、失いますから、これを「愛」と勘違いすると、苦しむ結果になってしまいます。

赤い薔薇

ですから、「恋」も含めて、自分も相手も苦しめる「愛のふりをした感情」を理解し、

“本物”の「愛」が実践できれば、人生は、全く違う色彩を帯びてきます。
自分自身が「愛」そのものになり、「愛」を根源に行動することで、自分とパートナーを含めた世界全てとの関係性が、永遠不変のものにバージョンアップします。

まるで、モノクロームの世界が8Kの彩りを帯びたかのように、劇的な変化です。

その為の「愛」のレッスンをSTEP1から順番にお伝えしたいと思います。

3. STEP1:自分に愛を「許可」する

3-1. 自己愛が「愛」の根源

自己愛こそが、この世界で愛になり、愛をする為の根源です。

自己愛というと、自己中心的でエゴイスティックなイメージがあるかも知れませんが、それとは全く別物。

自分自身が、愛で満たされていてこそ、自分以外に愛を惜しみなく与えることができます。

一方で、自己愛が欠落している人は、その欠落を誰かや何かから奪おうとします。

3-2. 自己愛不足は愛のバンパイア

自分に愛が足りないから、心にぽっかり穴が空いていて、誰かの愛で埋めようとする。そして、しがみ付く。その状態は、愛ではなく、依存です。

人ではなく、食べ物やアルコール、買い物などへの依存症も、全て、自分の中の穴を外側のもので埋めようとする行為です。

愛が自分の中に足りない人は、「あなたを愛してる!」と言いながら、本当は「愛を与えている」のではなく、自分の中に欠落した「愛を奪っている」。「愛が欲しい!」と心の中で叫び、相手から愛をチューチュー吸う、愛のバンパイアです。

この状態では、奪われる一方の相手は疲れ果て、そのうち去っていくことに。

外側ではなく、まずは、内側から埋める必要があるのです。

3-3. 自己愛は親の愛情から作られる

そもそも、自己愛が適正に芽生えるには、生まれた時から幼少期までに両親からの愛情を適正に感じている必要があります。

vol.1でもお伝えしたように、とにかく幼少期の親子関係というのは、人の一生涯に影響してしまうので、とても重要です。

実際に両親が子どもを愛していても、子ども心にそれを十分に感じられない場合や間違った愛をかけてしまう場合も、生涯的に自己愛が欠如してしまいます。

母親に抱きつく子ども

赤ちゃんは、生まれた時に「絶対的に無条件に、ただ存在するだけで愛される」という体験をします。

まだ、自我もなく、自分と他人の区別もつかない世界で、ただ、温かい腕の中で、皮膚を触れ合い、ただ、愛に包まれる。
そのうち、徐々に母親や父親を他人と認識するようになり、人生で初めての他人との中で、存在自体が祝福され、愛されるという、血を分けた肉親ならではの絶対的かつ無条件の愛情を適正に感じることができれば、その子どもは、生涯にわたって、愛で満たされた状態で生きていくことができます。

4. 愛を与え、愛をもらうことが上手になる

両親からの愛を十分に感じることで、「自分は愛されている」「愛される価値のある人間だ」と心深くに刻み込まれます。
両親が何らかの形でいない場合でも、懸命な養育者がしっかりと愛情をかけて育てれば、自己愛は適正に育ちます。

その後の人間関係においても、常に自分に愛が満たされた状態で他人に愛を与えることができるようになりますので、バンパイアのように奪う必要がありません。

また、「愛される価値がある」と自分で認識しているので、他人から愛されること、愛を与えられることにも躊躇がなくなります。

他人に甘えるのが下手で、全部自分でやらなければ気が済まなず、「なんて可愛くないんだ、私」と思っている人は、実は「愛される価値がない人間」と根本的に考えてしまっているかも知れません。根本的に自分以外は信じられないという人間不信がある可能性もあります。

5. 愛される価値がない人間という思い込み

なぜ、「愛される価値がない人間」と考えてしまうかというと、やはり両親との愛情関係にその根源があります。

実際に、両親が十分に愛を持って育てなかった場合だけではありません。

大人の事情がわからない子どもが、自分の主観で愛を十分に感じたかどうかが問題です。

ですから、例え、心の奥では本当に子どもを愛していたとしても、両親が共働きで忙しく、小さい頃から保育園に預けられて寂しい思いをした場合や、愛情の表現が下手でコミュニケーションを十分に測ることができなかった場合などは、子どもの主観の世界では愛が足りませんから「愛される価値がない人間」と思い込んでしまう可能性があります。

6. 条件付きの愛情が自己愛を欠落させる

また、条件付きの愛しか与えられなかった場合も、自分の欠点を否定して、愛することができない人間に育ってしまいます。

これは、親が自分の主観的な価値観を押し付けて、その子どものありのままを無条件に愛するよりも、「〇〇しなければ愛してあげない」「〇〇したら愛してあげる」と、ある条件をクリアしなければ愛を与えない教育をしてしまった時に起こります。

子どもは、社会的な固定観念に凝り固まった親の価値観をはるかに超えて、自由で無限の可能性を発揮する存在です。

それなのに、親の価値観では理解できないからとそれを否定して、「あれをやってはダメ」「これをやってはダメ」と禁止し、親の価値観に合う条件をクリアしないと、抱っこやハグをしない、褒めずに否定し続けると言う教育をしてしまうことがあります。

泣きそうな子ども

「いい子にしないと抱っこしてもらえない」「テストでいい点を取らなければママから愛をもらえない」と感じると、子どもは「ありのままの自分では愛されない」と、考えて根本の自分を否定し、自分ではないマスクを外側につけて親のご機嫌をとるようになります。

根本の自分は、「愛される価値のない自分」として否定され、自分の欠点や嫌いな部分として認識されてしまいます。

人間は完璧ではないので、もちろん、できることとできないこと。得意なこと不得意なことがあって当然です。
できないことや不得意なことを「ダメだ」と否定せず、全てを個性と受け入れて、どんな自分でも自分は自分!

と、自信を持って言えるようになるには、ありのままの自分を丸ごと愛する自己愛が必要です。

7. 完璧な親などいない

それがバランスよく育つには、幼少期までの親との愛情関係が根本にあるのですが、正直言って、親だって未熟です。

20才や30才そこそこの未熟な人間同士が、自分のことで精一杯な中で子どもを授かり、育てる訳ですから、完璧な親などほとんどいないと思った方が良いでしょう。

私自身の経験や、私が診てきたたくさんの患者さん、周囲の友人・知人。

そのほとんどが、完璧な家庭になど育っていませんから、どうぞ安心してください。

だからこそ、今、気づいて自分で変わればいいんです。

やるべきことは、気づいて、許可することです。

8. 生きているだけで価値があると気づく

無意識の状態で生きていると、幼少期に親との関係で設定されたプログラミングがオートメーションで作動します。

ですから、親が与えた自分への認識が自分だと思い込んでいるだけだと気づき、手放す必要があります。

本来、人は、この世の中に生まれ、経験し、学び、進化するために生まれています。
自分にしかない個性、自分にしか感じることができない感性を持ち、自分にしかできない経験や仕事をすることができる、誰とも比較することができない唯一無二の存在です。

それこそが、この世界に自分が存在している意味ですから、本来、生まれてきただけで価値があります。

生まれてきただけで、ただただ、祝福されていいのです。

例え、自分の親から愛をもらえなかったとしても、その愛を十分に感じられなかったとしても、それが全てではないということをまずは、理解してください。

9. 愛を許可する魔法

例え、条件付きの愛を与える親の元に育ったとしても、その条件は、未熟な親が固定観念の中で勝手に設定した条件です。
今の自分にも、今の人間関係にも無関係。バッサリと捨ててしまって構いません。

人の価値観は、その人個人の育ち方や家庭環境、経験、社会的な背景などによって決まるものですが、ほとんど個人の固定観念の思い込みと言っても過言ではありません。

その制約の中に生きる必要など全くないのです。

愛

まずは、自分で自分を価値ある存在と認めて、存在を祝福し、自分を愛すること。

そして、価値ある存在として、愛を与え、受けとることを「許可」することです。

自分を愛していない人は、実は自分に愛を「許可」していない人です。

潜在的に持っている不安や恐れ、悲しみから、愛し、愛されることを恐れています。

でも、本当は、愛を与えても、怖くない。
愛を受け取っても、大丈夫。
愛し愛されることは、安全。

これが、愛の真実です。

もし、自分に「許可」していないと感じる人は、

「私は、私に愛を許可します」「私は、愛し愛されることを許可します」

これを寝る前に、ベッドの中で魔法の呪文のように唱えてみてください。

自然に、頑なな心が溶けてくると思います。

10. パートナーとの愛も自分次第

パートナーとの愛について、最も知りたいところだと思いますが、その前に、まずは自分です。

何故ならば、パートナーは、自分の鏡であり、2人でバランスを取り合う関係になります。

ですから、自己愛が欠落した状態で、相手からの愛で埋めようとすると、一方的に奪う関係や依存関係に陥ってしまうので、健康的なパートナーシップを築くことができません。

いずれは、循環が滞って、パートナーシップは崩壊します。

そして、「また、愛を失った」と、嘆き悲しむパターンを繰り返してしまいます。

STEP1として、自分がしっかり愛で満されることができた時、ようやく、パートナーシップがバージョンアップします。

次回は、パートナーとの愛について、もっと深掘りしてみたいと思います。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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