皆さま、こんにちは。

医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗です。

この連載では、究極のウェル・ビーイングとして、心と体の健康だけでなく、パートナーシップ、人生、社会、そして地球全体の健康と幸せを実現する為に、私自身が日々大切に考え、実践していることをお伝えしていきます。

引き続き、普遍的なテーマである「愛」。前回は、STEP1として自己愛についてお伝えしました。
今回は、パートナーとの「愛」について深掘りしたいと思います。

1. STEP2:パートナーと「愛」をする

パートナーシップは、愛の議論と切っても切れない根本的なテーマです。
人は、1人では生きていけませんが、生まれた時に経験する両親との関係性の次に、死ぬまでの重大なテーマになるのが、愛する人とのパートナーシップですね。

ここで大切なのが、

・愛という名のエゴを理解する
・価値観の違いを理解する
・ジャッジせず、受け入れる

このポイントを押さえながら、話を進めていきましょう。

2. 恋が終わった時からが愛の持久戦本番

パートナーと一緒になる時、初めは、恋から始まるのが一般的です。

手を繋ぐだけで、ドキドキ。一緒にいるだけで、キュンキュン。あばたもえくぼ状態で、相手の良いところが際立ってみえて「なんて素敵な人なんだろう」と幻想を抱きます。

脳内では、ドキドキ・そわそわを起こす脳内麻薬・PEA(フェニルエチルアミン)の分泌から始まり、次第に、うっとりトロけるような感覚や安心感をもたらすβエンドルフィンが増えて、「あぁ、幸せ。この人とずっと一緒にいたい」と感じるわけです。

恋は、いわば、中毒症状。

自己の陶酔感を満たすための少々エゴイスティックな反応です。

シャンパングラス

恋愛の高揚感をもたらすPEAは、3ヶ月頃から減少して3年程度で分泌されなくなるとされています。
安心感はある一方で、けん怠ムードも漂ってきますが、ここからが、愛の持久戦への突入となるわけです。

もし、ずっと恋をしていたいなら、ここでパートナーチェンジしたら良いわけですね。

それはそれで、楽しめばOKではないでしょうか。

3. 愛本番はエゴと支配欲との戦い

恋のトキメキがなくなった後は、愛の安心感が生まれ始めます。
相手との絆が強まり、脳内で高まるのが「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンです。

スキンシップで分泌されるホルモンですが、そもそもは、母親と赤ちゃんの絆を形成する母性のホルモンです。

夫婦円満の男女には多く分泌されていることも分かっており、長続きする愛情関係を保つ際に役立つホルモンであるには違いありません。

ただし、これが女性側で高じると、過ぎたる母性を発揮してしまい、男性にとっては「口うるさい母親」と化してしまう可能性があるので、注意が必要です。

4. 母性愛という名の支配

そもそも、オキシトシンは、野生動物が、外敵から自分の子どもを守るときに発揮されます。
子ライオンを庇護し、外敵を攻撃する、母ライオンをイメージしてみてください。

オキシトシンが司る母性は、自分の大切に思う小さな世界を守るために発揮されますから、視野狭窄な一面があります。

一方で、子どもをあえて危険な外の世界に送り出し、冒険させるのが父性です。

女性性としての母性と男性性としての父性は、本来両方が補完しあってバランス良く機能します。

天秤

ところが、オキシトシンをこじらせて歪んだ母性愛を発揮しだすと、女性はパートナーを「愛」の名の下に支配し始めます。

「私って、母性的だから」と感じている女性こそ、ここに注意が必要です。

自分の価値観や固定観念が絶対正しいと思い込み、自分の知っている安全な世界の中に、パートナーを閉じ込めようとします。

でも、男性は、もっと広い視野を持って、世界で冒険したいと感じているかも知れないのに、檻に閉じ込められるように感じて、窮屈になります。

愛と見せかけて、ただ自分が安心したいだけ。
自衛のためのエゴを、愛と勘違いしている典型です。

5. 価値観の不一致は当たり前

この問題は、もっと根本的な人間全てに共通する問題に端を発しています。

「自分の価値観が絶対に正しい」という究極の思い込みです。

離婚の原因のNo.1は、「価値観の不一致」ですが、価値観は全員違って当たり前なのですから、とてもおかし話です。

そもそも、恋している期間は、価値観が重なる部分だけをみて「私たち、気が合うわね!」などと言って喜んでいるだけ。

ところが、その期間を終えて、ある程度冷静に相手を見るようになると、今度は、価値観がずれた部分の方にばかり目がいくようになって、不平不満だらけになるのです。

人間とは、つくづく主観的な生き物です。

6. 「自分の価値観が正しい」は思い込み

人の価値観は、環境とそこから入ってくる情報によって培われるものですから、全員が違います。

同じ親の元に生まれた兄弟だって、「お兄ちゃんなんだからしっかりしなさい!」と言われながら育ったのか、弟として放置されて育ったのかで全く違います。

・生まれ落ちた環境
・家庭環境
・社会的・時代的背景
・両親や周りの人たちとの会話や関係性
・家庭教育
・学校教育
・あらゆる経験・体験

全員が違うこれらの要因が、情報としてインプットされ、価値観を作ります。
全員違うモノサシを持っていて、重なる部分は「好き」「理解できる」、重ならない部分は「嫌い」「理解できない」。

こんな風に人をジャッジしています。

でも、絶対的に正しいモノサシなど、この世に存在せず、自分のモノサシは、自分だけの主観的な経験によって作られた思い込みとも言えるのです。
それなのに、なぜか、人はそれを理解せず「自分が絶対に正しい!」と強烈に思い込んでいるのですね。

喧嘩するのも、他人を理解できないのも、全て相手のモノサシを否定して、自分のモノサシを押し付けているからです。

7. 「あなたのために」は愛ではなくエゴ

自分が愛情深いと信じてやまない女性が陥りがちなのは、「あなたのために」というエゴの押し付けです。

「あなたのために言ってあげているのに」「あなたのためにやってあげているのに」「どうして分かってくれないの?」というセリフを言ってしまった覚えはないでしょうか。

自分のモノサシの判断では「×」がついたことを相手がやろうとしている時、それが犯罪レベルならば別にして、相手がやりたいことを受け入れずに止めるのは、本来無限の可能性がある相手の世界を狭めてしまうことになり、大変なありがた迷惑です。

あまりにも息苦しくなると、相手は別の心地よいパートナーのところに飛んで行ってしまうかも知れません。

8. 相手への愛と信頼は自分への愛と信頼

もちろん、失敗するかも知れません。でも、経験しないと学べないこともありますし、相手は、もっと広い世界で冒険してみたいのかも知れません。

もし、失敗したら、運命共同体として、自分も迷惑を被るリスクはもちろんあります。ただ、それも含めてパートナーの成長や人生を信じて、丸ごと愛することができるかどうか。

自分を愛する

それは、自分自身の成長や人生への信頼でもありますから、やはり、STEP1でお伝えしたように自分を丸ごと愛するという自己愛が根本になります。

相手への究極の愛と信頼は、自分への究極の愛と信頼から生まれるものです。

9. パートナーシップとは何か

ここで、パートナーシップとは何かについて考えてみたいと思います。

男性性と女性性は、陽と陰、プラスとマイナスのように、一つの根源から二つに分かれた両極性であり、補完関係にあります。

1対1のパートナーシップは、この両極性のある世界の中の究極のツインです。

男性の中にも、男性性と女性性があり、女性の中にも男性性と女性性があり、それぞれバランスが取れた状態が理想的です。

男性性と女性性は、全く真逆の性質を持ちますが、どちらが欠けてもアンバランスです。

10. 男女は合わせて完全性になる

よく、男と女の性質の違いが、喧嘩の原因になります。

「これだから、男って嫌なのよ」とは、世の奥様方からよく聞くセリフです。

でも、本来、その違いはなくてはならないもの。対極が一つに合わさることで、ようやく補完されて完全性になることができます。

つがいの鳥

互いの違いを否定して潰し合う関係性から、互いの違いを尊重して活かし合う関係性へ。

それこそが、愛をベースにした関係性だと言えるのではないでしょうか。

両極に分離した男性性と女性性が補完されて一つになることは、生命の歓びです。ですから、男女は性の営みを通して、究極の愛の創造物である子どもを創ることができるのです。

11. まずは自分が変わること

相手との関係性を変えたいのであれば、相手を変えようとは決してしないことです。

相手は、自分とのバランスの中で今のように振舞っているのですから、まずは自分が変わることでしか状況は変化しません。

活かし合う愛のパートナーシップを結ぶには、自分を愛し、自分のエゴを手放し、相手をありのままに尊重し受け入れること。

これは、全ての人間関係にも応用できますから、まずは、自分を変えることから始めてみてくださいね。

12. 科学者と哲学者が見つけた根源の力

相対性理論を発見したアインシュタインは、晩年に、宇宙を支配する根源的な力は、「愛の力」であり、「愛こそが、生命の神髄」であることを娘に伝えたとされています。

禅の研究者である鈴木大拙は、愛を「創造的肯定である」と表現し、「愛は決して破壊と絶滅には赴かない。・・・一切を抱擁し、一切を許すからである。」と著書に示しています。

愛は、どのような状況であっても、失わず、尽きず、変わることがない不変のもの。

存在の裏にあまねく存在する永遠不変の力だと言えます。

私たちが、愛を知り、愛になり、愛をするとき。

全ての現実は、破壊から創造に変化していくのだと思います。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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