皆さま、こんにちは。

医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗です。

この連載では、究極のウェル・ビーイングとして、心と体の健康だけでなく、パートナーシップ、人生、社会、そして地球全体の健康と幸せを実現する為に、私自身が日々大切に考え、実践していることをお伝えしていきます。

今回は、ウェルメソッドのテーマでもある「エイジング」について。「アンチエイジング」って、なんだか気分じゃないと思う今日この頃です。

1. 20代が女性のピークは本当か?

2000年にめでたく「ミレニアムの申し子」として20歳になった私も、2020年にキリよく40歳になるのです。

「うふふ、なんだか良い数字」

と、1人喜んでいるものですが、どうも世の中的には「女が40歳を迎える」ということは大変にネガティブで仕方ないことのようですよ。

1-1. 女性の市場価値は20代まで?

「女のピークは20代」と言われ、30代超えたら市場価値がないのに、ましてや40代をや。

婚活パーティーや結婚相談所でも、20代男性だけでなく、50代のシニア層の男性までもが「20代女性」を所望することが多いのが現実。

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その理由として「子どもを望んでいる」。

これは、致し方ない。生物学的に子どもを望むのであればやはり若い方が有利なのは確かです。

そして「若々しいビジュアルに惹かれる」「周囲に自慢できる」などが理由だそう。

気持ちが分からないでもないが、そんな表面的なところで結婚相手を選んで、10年20年30年たって、相手が若くなくなったらどうするのか、また若い女性に鞍替えするのか?と問うてみたい。

1-2. ビッグデータが残酷な現実を明らかに

日本の男性って、ほら、アイドルみたいな若い子が好きだから。海外では違うわよ。
と思っていたのですが、どうやら、これはアメリカでも同じらしく。

ハーバード大学卒の統計学者・クリスチャン・ラダー氏の書籍『ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす ビッグデータの残酷な現実』(ダイヤモンド社)によると、

「魅力的だと思う異性の年齢」の調査で、女性は、「自分とほぼ同年代の男性に魅力を感じる」という統計になった一方で、男性は、「20代〜50代までがほぼ20代女性」と回答しているとのこと。

なるほど、ただ、日本の男性が少女趣味であるというだけではなさそうです。

1-3. 野生の本能が若い女性を求める理由?

すると、動物的な本能でしょうか?

オスという生き物が子孫を残す方法論としては、たくさんの種を方々にばら撒いて、数を確保して、そのうちのサバイバル能力の高い子孫が生き残るという数の論理です。

ですから、より若く出産の可能性がありそうなメスに惹かれるというもの致し方ないのかも知れません。

一方で、女性は、嗅覚によって最適な遺伝子の組み合わせが可能になる唯一無二のオスを選別し、最高に生存能力の高い子孫をしっかりと残すという堅実な方法をとるものです。

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ですから、「たくさんのオスよりも、たった1人の最高の遺伝子が欲しい!」というのが生物的な本音と言えます。

オスの精子は、何歳になっても新しく作られる為に、何歳になっても劣化しない一方で、メスの卵子は、生まれながらに備わったものが徐々に減り、劣化していくというシステムですから、卵子の鮮度については若いに越したことはないのは確かです。

野生の本能として考えると、男性が若い女性に惹かれるのは致し方ないことですし、女性の本能とは違うということは理解できます。

この論理で行くと、「女ってやっぱり20代がピークなのだわ」と考えてしまいますね。

1-4. 男性目線が女性の脳をハックする

さて、この論理は、圧倒的に男性目線で展開しています。

「男性が、20代の女の子が好きっていうから、若くない女性ってダメなんだわ」という考えが、女性の脳をハッキングした結果、30代になると、

「私ってもうおばさんだから」とか「もう若くないからねぇ」などと、あたかも自らの考えであるかのように発言させているのです。

それって、本当に、自分の考えですか?
客観的に自分を眺めてみて、もうダメなんですか?

人生100年〜160年時代と言われている今、30代〜40代なんて、まだまだ中盤にもさしかかっていないのに、残りの半分以上の人生、一体どうやって生きていくのですか!?

2. アンチエイジングは前時代的?

その延長線上にあるのが「アンチエイジング」という考え方だと思っています。

2-1. アンチエイジングに内包される自己否定

「アンチ」=抗う、戦う
「エイジング」=年齢、加齢現象

という訳で、この考えの根底には、「自分の年齢への否定」が内包されています。
つまり、「今の自分への否定」=自己否定なのです。

この連載のvol.1では、誰もが人生という劇場のヒロインであると言いました。vol.2では、まず、自分を愛することから、始まるとお伝えしました。

ここで伝えたいのは、年齢も含めて、「今の自分を肯定する」ということです。

2-2. 卵巣のタイマーは止められないが

確かに、自然な加齢現象として、細胞は劣化してきます。

特に、女性の卵巣機能は、閉経というタイマーがセッティングされていますから、50歳前後の更年期を経て、閉経を迎えると、それまで女性を守り、若々しさを保ってきた女性ホルモンの分泌がぐんと減ります。

時の流れ

ライフスタイルや食事の工夫で、マイナス現象のマイナス度合いを小さくすることはできますが、急降下を緩やかにする程度で、食い止めることはできません。

近い未来の技術として、自分の細胞や臓器を交換することも可能になるでしょうが、自然な現象としてはタイマーを止めることはできません。

2-3. 方法論としてのアンチエイジングは大切

もちろん、方法論としての「アンチエイジング」を否定している訳ではありません。

私自身も、日本抗加齢医学会=通称、アンチエイジング学会に所属していますし、単に、見た目の美しさを表面的に訴求するだけでなく、インナーヘルシー、インナービューティーが、健康的で美しい外見を作るという考えの下、とても大切な提案をしています。

心身を若々しく保ち、健康寿命、幸福寿命を延ばすために、食事や栄養成分、エクササイズなどを使って、日常的により健康的な生活を送ることはとても重要なことです。

ですが、「アンチ」という言葉が、もはや令和の時代には、少し古めかしくなっているような気がします。

2-4. 社会は「アンチ」と正反対にシフトしている

社会全体の気分は、「アンチ」とは正反対の考えにシフトし始めています。

「24時間戦えますか」という昭和のビジネスマン的な働き方は流行らなくなり、緩く繋がりながらみんなで仲良く働きたい。

人種や性別の差別も、もはやかっこ悪い。

誰かよりも抜きん出て、自分だけが豊かになってモノを所有したいという欲望もなくなり、むしろシェアする方が今っぽい。

そんな中で、どうして「エイジング」だけ、戦わなければならないのでしょうか。

2-5. 美しさの基準も多様性の時代へ

多様性や個性を礼賛するのであれば、美しさの基準も人それぞれ。

別に、若くピチピチしていなくても、笑い上戸の笑い皺はとってもチャーミングです。
パーンと張ったお椀型のおっぱいでなくても、少し垂れた房型のおっぱいは、ニュアンスがありセクシーです。

少々のむっちりはむしろ女性らしさを増しますし、逆に、痩せっぽっちでも、しなやかな肢体はモードな服を着こなすには最適です。

薔薇の花

私自身も、コンプレックスを上げればキリがありませんし、どうも最近お肌が水気やハリを失ってきたことについては改善したいと考えているところです。

でも、内側にも外側にも良いことをやった上で、「自分史上最高なのは、今」といつも言える自分でいたいと考えています。

年齢についても、10代よりも20代、20代よりも30代の方が圧倒的にできることが増えて、未熟だった部分が少し成熟して、楽しくなったので、40代はより楽しいに違いないとワクワクしているところです。

3. ウェルエイジング時代「今の自分が最高!」

だから、WELLMETHODがコンセプトにしている「ウェルエイジング」という考えに賛同し、こうして関わらせて頂いています。

「アンチ」として否定してしまうのではなく、エイジングを受け入れ、寄り添い、それを最大限に楽しむ方が、人生は圧倒的に楽しい。

「今の自分が最高!」と言える女性が増えて、それが当たり前の考えになり、文化になればと考えています。

皆さま、ぜひご一緒に!

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