脱・パサパサ髪! 冬の乾燥から髪を守る7つのケア
こんにちは。WELLMETHODライターの廣江です。
冬も寒さが増してきましたね。寒くなると肌の乾燥が気になる方が増えると思いますが、髪も乾燥することをご存じでしょうか。
「乾燥で髪のうねりが強くなる」
「冬場は髪がパサパサになる」
「乾燥する時期は髪が広がりやすくなる」
など、気になる方は髪の乾燥によるものかもしれません。
年齢を重ねるにつれ、乾燥による髪の広がり・くせが気になる方も増えるようです。
朝きちんとスタイリングしたにもかかわらず、気が付くと髪があらぬ方向にうねっていたり、髪がパサパサと広がっていたりするとショックですよね。
髪がツヤツヤしっとりしていると、健康的で若々しく見えるなどいい面がたくさんあります。
「髪は女性の命」とも呼ばれるほど女性にとって大切な髪を乾燥から守るためにはどうしたら良いのか…。
また、シャンプーやトリートメントの選び方・お手入れはどのようにしていけば良いのか…。
と悩まれている方は少なくないのではないでしょうか。
冬場もうるつや髪を目指せるよう、今回は脱・パサパサ髪のための乾燥する原因や対策についてご紹介したいと思います。
目次
1.髪がパサつく原因
髪が乾燥する原因は冬場の空気の乾燥だけではありません。加齢や女性ホルモンの低下、頭皮の乾燥、偏った食生活や睡眠不足、ストレスなどが頭皮に影響し、髪がパサつくことがあります。
1-1.空気が乾燥している
冬に肌が乾燥しやすくなるのと同じように、髪の内部も水分が奪われやすくなります。とくに湿度が40%を下回ると肌や髪から水分の蒸発が激しくなり、乾燥を感じやすくなると言われています。
1-2.加齢と女性ホルモンの低下の関係
40~50代の女性の髪がパサつく理由として、加齢や女性ホルモンのバランスの乱れがあります。
髪は常に「成長期」「退行期」「休止期」の3つのヘアサイクルを繰り返しています。
しかしヘアサイクルは年齢を重ねるごとに乱れ、とくに髪が新しく生える「成長期」が短くなります。
健康的な髪が生える期間が短くなると、毛量も減り、頭皮が紫外線からのダメージを受けやすくなります。
そのため、頭皮の乾燥による皮脂の過剰分泌、頭皮トラブル、フケ、かゆみなど頭皮トラブルを招きやすくなります。髪の土台である頭皮が乾燥すると髪も乾燥しやすくなります。
更年期によるホルモンバランスの乱れも髪が乾燥する原因の一つです。
更年期に入ると、女性ホルモンが減少し体のあらゆる部分に悩みが出てきますが、髪も乾燥する、やせ細るなどの変化がみられます。
1-3.頭皮の乾燥
皮膚の一部である頭皮は、冬場に乾燥しやすくなります。
髪の毛は頭皮から生えてくるため、頭皮の乾燥は髪の乾燥に影響します。
また、頭皮の乾燥はかゆみやフケにもつながります。このかゆみやフケは、取り除こうと過剰に洗うと状態がよくなるどころか、頭皮の乾燥を悪化させ、頭皮を痛めたり、皮膚を守ろうとして皮脂が過剰分泌してしまうことがあるので注意が必要です。
痒みや赤み、大量のフケを伴うようになる場合、マラセチアという頭皮の細菌が増えて、脂漏性湿疹を起こしている可能性もあります。
1-4.髪のキューティクルが傷む
髪が乾燥する原因の一つに、髪のキューティクルが傷んでいることが考えられます。
髪のキューティクルは髪の表面を覆っている部分です。
外部の刺激から髪の内部を守り、髪内部の水分や成分を保持してツヤを与えてくれる大切な役割を担っています。
髪のキューティクルがなんらかの原因により傷んで開いた状態になると、髪の内側から水分が蒸発し、髪の乾燥につながります。
2.髪の乾燥トラブルでどんなことが起こるの?
髪の水分が失われ乾燥すると、どのような髪トラブルが起こるのでしょうか。
髪が乾燥することで、パサつき広がりがみられ、毛先のもつれや枝毛・切れ毛・ツヤ感の低下が現れはじめます。ここではよくみられる例についてご紹介します。
2-1.髪がパサつき、広がる
髪の内部の水分が失われると、パサついた状態となりまとまりづらくなります。
髪がパサつくと髪は静電気を帯電しやすくなるので、ブラシなどでとかすと摩擦が起こり、静電気が起こりやすくなります。
その結果、折角ブラッシングをしても髪が広がり扱いづらい髪になることがあります。
2-2.枝毛や切れ毛ができる
髪が乾燥すると、キューティクルが開いて髪がもろくなり、ちょっとした摩擦や刺激を受けやすくなります。
そのため、毛先が二股に分かれてしまう「枝毛」ができたり、髪の毛の途中からプツンときれる「切れ毛」ができたりすることがあります。
3.髪の乾燥を助長させる生活習慣
毎日の生活習慣の中で、髪の乾燥を助長する要因がいくつかあります。髪の乾燥に悩んでいる方は、心当たりがないか、ぜひチェックしてみましょう。
3-1.誤った洗髪方法
髪の乾燥を助長させるものとして、誤った洗髪方法があります。
シャンプーをしっかりと泡立てず、直接髪をこすり合わせてしまうと、髪のキューティクルが傷み、髪の乾燥を助長させます。また、爪を立てて頭皮をゴシゴシ洗うと頭皮が傷つき、髪へのダメージや乾燥につながります。
3-2.濡れた髪を自然乾燥する
自然乾燥はドライヤーを使わないから、髪に優しいのでは? と思う方もいるかもしれまんが、シャンプーした後の濡れている髪はキューティクルが開いており、水分が抜け出しやすくなっている上に、とても傷つきやすい状態です。
濡れた髪をそのままにしておくと、水分が失われ、ブラッシングなどで摩擦が起こるだけではなく、髪の毛どうしの摩擦でもキューティクルが簡単に傷つき、髪の乾燥につながります。
3-3.コテやアイロンを毎日使う
毎日のスタイリングにコテやアイロンを使用している人も少なくありません。
しかし、これらの熱処理により、キューティクルが傷つき、パサつきが増すことがあります。
とくに髪にコテやアイロンを当てる時間が長い人は要注意です。また、コテやアイロンの温度が高すぎる場合も、髪へ負担がかかるため注意しましょう。
最近のコテやヘアアイロンの中には、髪を傷めにくくしたり、使うことでより髪の潤いを増してくれる機能がついているものもありますので、高機能なものを選ぶと良いですね。
3-4.偏った食生活、睡眠不足、ストレスなど生活習慣の乱れ
偏った食生活は、頭皮のターンオーバーを乱し、頭皮が乾燥しやすくなります。
食べ過ぎ・飲みすぎ・高カロリーの食事ばかり食べる生活は、頭皮の皮脂を過剰に分泌させ、ベタベタしたフケがでるなどといった頭皮環境を悪化させることがあります。
また、睡眠不足やストレスの蓄積は体の自律神経を乱し、血流が滞りがちになります。
そのため、頭皮に必要な栄養が十分に運ばれず、頭皮のターンオーバーが乱れ、乾燥しやすい環境を作ってしまう可能性があります。
また、この生活習慣の乱れは、頭皮の皮脂分泌を過剰にしてしまう可能性もあります。
4.自分の髪は乾燥している? セルフチェック方法
髪や頭皮が乾燥しているかどうか簡単に確認することができます。気になることがある方は、ぜひセルフチェックをしてみてください。
髪を手ぐしで通してみて、なめらかに通るか通らないか確認しましょう。滑らかに通らずどこかで引っかかりがあるようでしたら髪が乾燥している可能性があります。
また、頭皮の乾燥チェックに脂とり紙を頭皮にあててみましょう。脂とり紙に皮脂がつかないなら頭皮が乾燥している可能性があります。
5.髪が乾燥しないための7つのコツ
髪のパサつきを抑えてしっとり潤う髪を目指すためには、正しい洗髪方法、ヘアケア、頭皮環境の改善、生活習慣の見直しが大切です。
5-1.シャンプー剤を見直しましょう
シャンプーは、汚れを落とす洗浄成分の種類により、「石鹸系」「アミノ酸系」「高級アルコール系」の3つに分類されます。
市販されているシャンプーのほとんどは「高級アルコール系」のシャンプーです。「高級アルコール系」は洗浄力が高いため、皮脂の分泌量が多い人に向いていますが、洗浄力が強すぎると必要な皮脂までも洗い流してしまう可能性があるため注意が必要です。
一方で、「アミノ酸系」のシャンプーは比較的洗浄力が弱いため、頭皮の健康を保つための潤いをしっかりと残してくれる特徴があります。
乾燥しているのに皮脂でベタつき、フケが多い場合には、マラセチア菌の増殖が考えられるため、マラセチア菌に効果的な硝酸ミコナゾール配合のシャンプーを選ぶといいでしょう。
https://wellmethod.jp/dry-scalp/
5-2.湯シャンを利用する
更年期によるホットフラッシュで頭の蒸れが気になり1日に何度も洗髪したくなる場合は「湯シャン」を利用しましょう。
1日の中で何度も洗浄力の強いシャンプーを使用すると、頭皮や髪の乾燥を招くことがあります。
皮脂などの汚れは、40度程度のお湯で流すことができるので、1日に何度もシャンプーを使用しなくとも皮脂を落とすことができます。
▼女性の頭皮のニオイ対策に毎日シャンプーは必要か?【ニオイ評論家解説】
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5-3.髪を乾かす際は、ドライヤーの扱い方に気をつけましょう
濡れた髪を乾かす際、ドライヤーの熱を当てすぎると髪が乾燥する原因となるため注意しましょう。
ドライヤーを使う際は、事前にしっかりタオルドライをして髪の水分を吸い取り、ドライヤーと髪との間隔を10センチ以上あけて行いましょう。
毛先は乾燥しやすいので、頭皮と髪の中間に風を当て、ドライヤーの熱を5秒以上同じ場所に長く当て続けないようにすることも大切です。
5-4.髪を保護するヘアケア剤をプラスする
洗髪後は、潤いが髪から逃げ出さないようにヘアオイルを使用しましょう。
ヘアオイルは、ドライヤーの熱から髪を守る働きがあるほか、ヘアブラシによる摩擦やダメージを軽減するなど髪のパサつきを防いでくれます。
ヘアオイルの種類はさまざまあるので、仕上がりの質感や香りなど好みのものを選ぶと良いでしょう。
5-5.頭皮のマッサージを行う
頭皮を乾燥から守るために、定期的に頭皮のマッサージを行いましょう。
頭皮の血行を促すことは、適切な皮脂分泌を高め頭皮の乾燥を防ぎます。
爪を立てず、指の腹で頭皮全体を動かすように行いましょう。バスタイムに湯船につかり体を温めてから、頭皮に潤いを与える頭皮用トリートメントやヘアトニックなどを使用すると効果的です。
アルコール分の多いヘアトニックは、乾燥が強い場合には不向きです。
5-6.十分な睡眠・ストレスをためない生活を心がける
十分な睡眠とストレスのない生活は髪の乾燥を防ぐためには有効です。
十分な睡眠は新陳代謝を高め頭皮の環境を良好にします。
とくに睡眠中に分泌される成長ホルモンが細胞修復には重要ですが、血糖値が上がってしまうと十分に分泌されません。
睡眠の3時間以上前に夕食を済ませるのが理想的です。夕食には糖質を多く含む食べ物を控えめにした方が睡眠の質の向上につながります。
ストレス解消は、ホルモンバランスの乱れを防ぐほか、全身の血流の巡りをよくし、新陳代謝を高める効果があります。
お風呂にゆっくり浸かる、好きな音楽や香りを楽しむ、ヨガやウォーキングを行うなど、自分に合うストレス解消法をみつけましょう。
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5-7.バランスの取れた食事を意識する
バランスの取れた食事は頭皮環境を整え、髪の乾燥を防いでくれます。
今回は頭皮環境を整えるために必要な「ターンオーバー」「血行促進」に働きかける食材についてご紹介します。こちらを参考に、バランスの取れた食事を心がけましょう。
1.頭皮のターンオーバーを促す食品
・ビタミンA…鶏レバー、豚レバー、魚の肝、うなぎ
・カロテン…ニンジン、モロヘイヤ、ホウレン草、小松菜、大葉、パセリなどの緑黄色野菜
・ビタミンB2を中心としたビタミンB群…タマゴ、大豆製品、緑黄色野菜、レバー、魚介類、乳製品など
・β-クリプトキサンチン…干し柿、みかん、オレンジ、グレープフルーツなど柑橘類
2.頭皮の血行を促す食品
・ビタミンE…オリーブオイルなどの植物油、アボカド、緑黄色野菜(かぼちゃ、モロヘイヤなど)、ナッツ類、ゴマ、玄米
・ビタミンP(フラボノイド類の総称)…柑橘類の薄皮、そば、玉ねぎ、りんご、緑茶など
6.髪の乾燥を防ぎ、健康的なツヤ髪を目指しましょう
冬の髪のパサつき・広がりはとにかく髪や頭皮を乾燥させないことがポイントです。
乾燥を防ぐことは、髪の摩擦力を減らし、ダメージを軽減することにつながります。
お風呂あがりは、顔やボディのケアに目が行きがちですが、髪のケアも忘れずに行いましょう。
筆者もヘアオイルを使うようになってから、寝る前や朝に鏡を見るのが楽しくなりました。
髪の状態が良くなると気持ちも晴れやかになりますね。
毎日を健やかにすごすためにも、正しいケアを継続し、髪や頭皮の乾燥を防ぎ、潤いのあるツヤ髪を目指しましょう。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか