あなたの肌のくすみの原因は? タイプ別・透明感UPさせる簡単セルフケア5選
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
「ファンデーションの色が合わなくなった」
「顔の印象が暗い」
「疲れている? と心配されることが多くなった」
みなさまはこのような経験はありませんか?
とくに目立った体の不調がないにもかかわらず、顔色が悪く心配されたり、自分で鏡を見たときに老けたように感じたりするのは、肌のくすみが原因かもしれません。
肌のくすみは実年齢よりも老けて見え、暗い印象を与えてしまいます。
とくに40代は心も体も不安定な時期。
肌がくすんでいるとそれだけで、心もどこか暗くなってしまうことも…。
桜をはじめ、さまざまな花が花開くこの時期。
お肌も心もぱっと明るくしたいものですよね。
今回は肌のくすみの原因と自宅で簡単にできるセルフケアについてご紹介します。
1.肌のくすみとは?
肌のくすみとは、肌が本来持っている透明感や明るさが失われ、暗くなって見える状態のことをいいます。
肌のくすみには厳密な定義はありませんが、くすみの原因によってその種類は異なります。
2.あなたの肌のくすみはどのタイプ? 原因からわかるタイプとチェック方法
肌のくすみを引き起こす原因はさまざまですが、原因によって大きく5つのタイプにわけることができます。
肌のくすみをなくすためには、まず自分がどのタイプを知ることからはじめましょう。
2-1.乾燥によるくすみ
潤いのある肌はキメが整っていて肌の表面が艶やかであるため、光を均等に反射することができます。
しかし乾燥により肌のキメが乱れてしまうと肌の表面にデコボコができ、それが影となることで全体的に暗い印象となってしまいます。
1.乾燥による肌くすみチェック
以下の項目に当てはまる方は、乾燥がくすみの原因となっている可能性があります。
・肌がグレーがかった色に見える
・白く粉をふいたようになる
・エアコンの効いた室内にいることが多い
・毛穴が目立っている
・花粉や季節の変わり目に肌が荒れやすい
2-2.メラニンによるくすみ
肌は紫外線や摩擦の刺激を過度に受けると、自らを守ろうとメラニンを生成します。
大量のメラニンが排出されないままでいると、メラニン色素が沈着し肌がくすんで見えるようになります。
1.メラニンによる肌くすみチェック
以下の項目に当てはまる方は、メラニンがくすみの原因となっている可能性があります。
・肌が茶黒っぽい色にくすむ
・UVケアを怠っている
・クレンジングや洗顔時に強く擦りがち
・屋外で過ごすことが多い
・慢性の湿疹が持続している、持続していた
2-3.血行不良によるくすみ
血行不良によって血液やリンパの流れが滞ると、肌に十分な栄養が行き届かず老廃物が溜まります。
そうなると毛細血管が青く目立ち、顔色が悪く肌がくすんで見えてしまいます。
1.血行不良による肌くすみチェック
以下の項目に当てはまる方は、血行不良が原因によるくすみの可能性があります。
・肌が青暗い印象
・冷え性で、春夏でも手足が冷たい
・疲れやすい
・顔や足がむくみやすい
・目の下によくクマができている
・鉄不足による貧血・または隠れ貧血を指摘されている
▼もしかして「隠れ貧血」?医師が教えるセルフチェックで不調の意味を考えよう
https://wellmethod.jp/indefinitecomplaint_hiddenanemia/
2-4.糖化によるくすみ
糖化とは、体の中であらゆる働きをするタンパク質に、糖がキャラメルのようにくっつき、タンパク質の働きを疎外してしまうことをいいます。
コラーゲンもタンパク質の一種なので、たるみにも直結します。
AGEs(最終糖化産物)が多いと、老化スピードが速いとされています。
糖化により生成されたAGEsの色が黄褐色であるため、肌が黄色くくすんだように見えてしまいます。
1.糖化による肌くすみチェック
以下の生活習慣に心当たりのある方は、糖化がくすみの原因となっている可能性があります。
・顔色が黄色っぽく透明感がない
・食事の間隔を空けた後に一気に大食しがちだ
・忙しくて食事の時間が不規則
・ごはんやパスタなど炭水化物が好きだ
・甘いお菓子や清涼飲料水をよく飲食する
・慢性的なストレスを抱えている
さらに詳しい糖化についての解説はこちらをご参照ください。
▼キッチンに砂糖は不要!医師が実践するシュガーフリー生活ってどうやるの?
https://wellmethod.jp/sugar-free/
2-5.角質によるくすみ
年齢とともに肌のターンオーバーが乱れると、古い角質が排出されずそのまま肌の表面に残ってしまいます。
その結果、肌の透明感がなくなり肌がくすんで見えてしまいます。
1.角質による肌くすみチェック
以下の項目に当てはまる方は、角質がくすみの原因となっている可能性があります。
・肌が厚くごわごわしている
・ライフスタイルが不規則だ
・疲れが溜まりがちだ
・睡眠の質が悪い
・栄養バランスが悪い
3.【タイプ別】肌のくすみを解消する簡単セルフケア
あなたの肌のくすみはどのタイプでしたか?
この章ではタイプ別に、自分で簡単にできるセルフケアについてご紹介します。
肌のくすみチェックの結果、いくつものタイプに当てはまる方もいらっしゃったかもしれもしれません。
そのような方は該当したタイプのセルフケアから、無理なくできるものから選んでケアしてください。
3-1.乾燥タイプ
乾燥タイプの方は、肌が乾燥しない環境作りと肌を保湿することが大切です。
1.保湿
乾燥対策でもっとも大切なことは、丁寧に保湿を行うことです。
毎日のスキンケアから保湿することを意識しましょう。
乾燥した肌はデリケートな状態であるため、なるべく刺激が少なく自分の肌に合ったものを選ぶことが大切です。
スキンケアのステップは、シンプルに。
化粧水で水分を補給し、乳液やクリームの油分で水分の蒸発を防ぎましょう。肌をこすることもくすみの原因になりますので、保湿力が高いものであれば1本でケアできるオールインワンタイプのものもおすすめです。シンプルかつ丁寧なスキンケアを行うことで、肌のバリア機能を高めていきましょう。
https://wellmethod.jp/kansouhada/
2.部屋を加湿する
肌をしっかり保湿しても、乾燥した部屋で過ごしていると肌の水分は蒸発してしまいます。部屋を加湿することで、乾燥から肌を守りましょう。
おすすめの方法は加湿器ですが、もしない場合には、水やお湯が入ったコップや洗面器を部屋に置くことです。
コップの水が蒸発することで、部屋を加湿することができます。
部屋全体を加湿したい場合は、部屋の中に洗濯物を干したり、部屋全体に霧吹きで水をふきかけたりしましょう。
https://wellmethod.jp/room-drying/
3-2.メラニンタイプ
メラニンタイプの方は季節を問わず紫外線対策を行うことと、外部からの刺激を少なくすることが大切です。
1.紫外線対策
紫外線対策に欠かせないアイテムといえば「日焼け止め」です。
日焼け止めにはさまざまな種類がありますが、選ぶポイントは2つです。日焼け止めの効果を表す「SPF」と「PA」。
SPFは皮膚表面で日焼けを起こす紫外線B波を防ぐ強さを表しており、数値が高いほど防ぐ時間が長く、日本での最大値は50です。
PAは皮膚深く真皮まで届いてコラーゲンなどにダメージを与える紫外線A波(UVA)を防ぐ強さを表しており、UVAを防ぐ強さによって「+」〜「++++」の4段階にわけられています。
日常生活であれば、SPF30・PA+++程度のもので十分です。ただし2〜3時間おきには塗り直しましょう。
https://wellmethod.jp/simple-care/
2.摩擦を防ぐ
肌は摩擦を受けることでメラニンが沈着してしまいます。
肌の汚れを落とそうと力を入れて洗顔をすることや、毎日美顔器などでマッサージすることは避けましょう。
正しい洗顔方法は、ぬるま湯でしっかり予洗いをしたあと、濃密な泡で肌を包み込むように洗います。
このとき、肌を手で直接触れることなく泡で洗うのが理想です。すすぐ際も、30~34℃のぬるま湯でやさしくすすぎましょう。
タオルで拭く際は、ゴシゴシと力を入れずに顔全体をそっとおさえるように水分を拭き取ります。
▼洗顔手順で肌質が変わる! 美肌を作る5ステップ[タイプ別・洗顔料種類付き]
https://wellmethod.jp/facewash/
3.湿疹は慢性化させない
湿疹が慢性化すると、炎症が続いた分、治癒後に色素沈着が起こります。
長引くほどに、治癒後に茶色い色素沈着が起こりやすく、なかなか治りにくいのが悩みです。
何らかの原因で軽度の湿疹ができた場合は、放置して慢性化させる前に、皮膚科受診の上で外用薬をもらい、すぐに治す方が建設的です。
早期であれば、数日の外用で治癒するところが、数ヶ月、数年と治りにくくなりますが、そうするとステロイド外用の副作用の懸念も高まります。
3-3.血行不良タイプ
血行不良タイプの方は体を温めることが大切です。
1.定期的に運動を行う
ウォーキングや軽いランニングを行うことで血液の循環を良くし、体を温めることができます。
ウォーキングをする際は、スニーカーを履き、しっかりとふくらはぎを動かすように大股で歩きましょう。
2.入浴
夏場はシャワーで済ませがちな方も多いと思いますが、体温より少し高い程度の38〜40℃程度のお湯に30分程度浸かりましょう。
炭酸ガスを発生させる入浴剤を入れると温浴効果が上がり、リラックスすることもできます。
3.体を温める食材を食べる
毎日の食事の中で体を温める食材を取り入れることで、体の内側から温めることができます。
・根菜類:ごぼう・レンコン・人参・山芋など
・玉ねぎ・カボチャ
・肉・卵・魚介類
・味噌・醤油
・塩
・発酵食品:漬物・梅干し
ただし、塩分の摂り過ぎには注意が必要です。
▼夏にも温活しよう!クーラーに負けない温め食材と冷え予防の習慣
4.マッサージ
血行不良が原因のくすみにはマッサージがおすすめです。
血行不良の改善だけではなく、乾燥やシワの予防にも効果的です。
おすすめのマッサージについてご紹介します。
1. 鎖骨の上にあるくぼみを指で軽く10回押す
2. 頬に指を軽く押し当てて、鼻筋から眉間の方向にさする
3. こめかみを軽く押さえてフェイスラインに沿っておろす
4. 耳の下から耳筋に沿っておろす
5.鉄不足の解消
月経がある女性は、鉄欠乏性貧血と指摘されていなくても、「隠れ貧血」のリスクが高く血行不良の原因になります。
メラニンを排除する酵素にも鉄が必要なため、メラニンによるくすみも起こしやすくなります。
鉄を補いましょう。
▼もしかして「隠れ貧血」?医師が教えるセルフチェックで不調の意味を考えよう
https://wellmethod.jp/indefinitecomplaint_hiddenanemia/
3-4.糖化タイプ
糖化タイプの方は、甘味料つまり「糖」の選び方に注意が必要です。
1.果糖の取りすぎに注意する
果糖は糖の最小単位である「単糖類」の一種です。血糖値を急激に上昇させるブドウ糖も同じく単糖類の一種です。
これらは分解する必要がありません。
そのため体内に入ると速攻で吸収されてしまいます。
ブドウ糖はエネルギーとして利用されますが、果糖のほとんどは肝臓で代謝され中性脂肪に転換され、余ったものは、肝脂肪や内臓脂肪として蓄積されます。
果糖の糖化のしやすさはブドウ糖の10倍以上といわれており、取りすぎは肌のくすみの原因となると同時に肥満を招きます。
2.砂糖使用を控える
砂糖や黒砂糖・きび砂糖・てんさい糖などは血糖値を上げやすく、乱高下を引き起こします。
また砂糖や果糖はカンジタ菌の好物であるため、過剰に摂取することでカンジダ菌が腸内で増殖してしまい、腸内をアルカリ性の環境にします。
その結果、善玉菌が減少し悪玉菌が増えやすい環境となり、腸内環境を悪化させます。
また砂糖を摂取することで脳の快楽物質である「ドーパミン」が分泌され、依存と中毒を引き起こすため、なるべく控えるようにしましょう。
3.オリゴ糖・羅漢果糖で甘みを
腸内細菌のエサとなるプレバイオティクス食品であるオリゴ糖やカロリーゼロの天然甘味料の羅漢果糖で甘みを取るようにしましょう。
「イソマルトオリゴ糖」は小腸で消化されるためオリゴ糖の効果が半減してしまいます。オリゴ糖を選ぶ際は、イソマルトオリゴ糖は避けるようにしましょう。
また、羅漢果糖は、天然のゼロカロリー甘味料で、抗酸化力が高く、美容や健康にも効果的です。
4.運動をする
果糖や砂糖を控えるようにお伝えしましたが、さまざまな食べ物に含まれているため、まったく食べないということは難しいのが現状です。
適度な果糖やブドウ糖は、脂肪をエネルギー源とする代謝の切り替えを促し、持久力を高めてくれます。
運動をするからこそ、果糖を消費することができます。
運動をしないまま食べ過ぎる糖化や肥満を招いてしまうため、ウォーキングやランニング・筋トレなど継続できるものを選び運動を習慣化することが大切です。
▼キッチンに砂糖は不要!医師が実践するシュガーフリー生活ってどうやるの?
https://wellmethod.jp/sugar-free/
3-5.角質タイプ
角質タイプの方は生活習慣を見直すことが大切です。栄養バランスの良い食事や良質な睡眠をとるように心がけましょう。
1.栄養バランスのとれた食事
肌の材料となるタンパク質や抗酸化物質・ビタミン類などバランスの取れた食事を取ることが大切です。
タンパク質・・・肉・魚・卵・豆類
抗酸化物質・・・緑黄色野菜など彩の良い野菜
ビタミンE・・・ナッツ類・ブロッコリー・アボカドなど
ビタミンC・・・柑橘類などのフルーツ・サツマイモ・パプリカなど
2.睡眠の質を高める
睡眠の質を高めるために、メラトニンの分泌を乱すような習慣は控えることが大切です。
夜しっかり眠るためには、朝早く起きて朝日をしっかり浴びるようにしましょう。
またスマートフォンやパソコンに使用されているブルーライトは、質の良い睡眠には欠かせないメラトニンの分泌を抑制するため、寝る2~3時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を控えましょう。
▼【医師が解説】“良質な睡眠”をつくるために毎日やるべき習慣・やめるべき習慣
https://wellmethod.jp/sleep_hormones/
4.顔色が明るくなれば、気持ちも前向きに
肌がぱっと明るくなると、心も明るくなりますよね。
40歳を過ぎると体の変化に心が追いつかなくなることもあります。
しかし鏡に映る自分の顔が明るく健康的であると、それだけで気持ちが前向きになりますよね。
肌のくすみを改善するためのセルフケアは生活習慣の見直しにもなり、健康的な体作りにもつながります。
目の前の結果に一喜一憂するのではなく、未来の自分のために、いまできることから無理せずケアを続けていきましょう。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
- 桐村 里紗の記事一覧
- facebook
https://www.facebook.com/drlisakirimura - Instagram
https://www.instagram.com/drlisakirimura/ - twitter
https://twitter.com/drlisakirimura
著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか