気力を回復させるには? 原因別にみる対策方法と毎日を乗り切るコツ
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
やらなくてはいけないことがたくさんあるのに、やる気になれない……。
計画を立てても取り掛かることができず、ただ時間だけが過ぎていく。
「頑張らないといけない」と思っているのに、気持ちがついていかない。
みなさんは、このような気力が出ないといった経験をしたことはありませんか?
筆者は、たまにあるんです。
気力が出ない時は、どうしたら気力を回復できるのか、なぜ気力がなくなるのか自分でも分からず、しなければいけないことだけがたまっていきます。
そうなると、できない自分に嫌気がさし、さらに気力が出ないといった悪循環に陥ることも。
しかし、いつまでもこの状態が続くわけではなく、気づくと回復しているということもあります。
今回は、「気力が出ない」状態はなぜ起こるのか、またどうやって回復させるのか、忙しい毎日を乗り切るコツをご紹介します。
目次
1.気力とは?
「気力が充実している」「気力に乏しい」といった言葉をよく耳にしますが、そもそも気力とは一体どんなことを意味するのでしょうか?
気力とは、何か行動をする時に必要な「元気」や「パワー」「活力」です。
気力が満ち溢れている時は、やる気やモチベーションが高く、やらなければいけないことに積極的に取り組んだり、苦手なことにも粘り強くやり抜いたりすることができます。
一方、気力が乏しい時は、何をするにもやる気がなく、計画を立てても実行できないことや前向きに物事を考えることができない状態になります。
気力だけで乗り切ったということを聞くことがありますが、これは自分が困難と感じることでも身体面や精神面が健康な状態であれば、乗り越えることができるということです。
気力は身体面と精神面の両方に関係しており、私たちの行動に影響を与えているといえるでしょう。
2.気力が出ない原因はひとつではない
毎日、気力に満ちた日々を送ることができればいいのですが、時には気力が出ない日もあります。
その原因を考えても、これといった明確な原因を見つけることは難しく、どうやったら気力を回復できるのか悩んでしまいますよね。
人それぞれ原因は異なり、まずは自分がどんなことが原因で気力がなくなるのかを知っておくことが大切です。
2-1.仕事や人間関係のストレス
一般的に人は、毎日仕事が忙しく身体的にも精神的にも限界に達している場合や、仕事やプライベートで自分とは合わない人と付き合わなければいけない場合、大きなストレスを感じます。
また40代以降の女性は、仕事や家事が忙しいことに加え、子供が思春期や反抗期を迎える年代でもあります。
家庭内でも大きなストレスを抱えていることも少なくありません。
日常的にストレスを貯めこみ自分の我慢の限界を超え、心身のバランスを崩すことが、気力が出ないひとつの原因といえます。
2-2.生活習慣の乱れ
日々疲れがたまっていると朝すっきりと起きることができず、準備しなければいけないギリギリの時間まで寝ている。朝ごはんを食べる時間がないため、食べずにそのまま仕事に向かう。時間がなく運動不足が続いている。
このような生活をしていると、エネルギー不足になり、気力も出ず仕事の効率が悪くなります。
仕事が思うようにできないことでさらに自信をなくし、気力が出ないという悪循環に陥ってしまいます。
運動不足になると、細胞内でエネルギーを生み出すミトコンドリアの機能が低下し、エネルギー不足になりやすくなります。
また、気力が出ない原因のひとつにあげられるのは睡眠不足です。
仕事や家事などが忙しく睡眠時間を十分とれない日が続くと、疲労を回復することができず身体のコンディションが段々と悪くなっていきます。
気力は精神面と同じように身体面にも大きく関わっているので、生活習慣を正し、疲労を貯めすぎないことが大切です。
2-3.病気や生理の影響
病気になって体調が悪い時、気力は出ません。
身体がだるくなったり、病気に対する不安が募ったりすることで前向きに物事を考えることが難しくなります。
また、女性の場合、生理がひどい時は身体が重く感じたり、生理痛で気分がすぐれなかったりすることで、気力が出ないこともあるのです。
2-4.更年期障害の症状の可能性
早い人では40代に入ると更年期障害が始まります。
更年期障害は、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少することが原因で、さまざまの症状が現れます。
更年期障害の症状は、ほてり、発汗、イライラ、めまい、動機、息切れ、頭痛、疲労感、不安、不眠、憂うつなどが代表的です。
これらの症状がいくつか重なることで、身体的にも精神的にも不安定な状態となり、結果として無気力となることがあります。
3.原因別にみる対策
気力が出ない原因は人それぞれ違います。また気力を回復する方法は、原因によっても異なります。原因が分かれば、気力を回復するための対策も立てやすくなりますよね。
それでは、原因別に対策方法をみていきましょう。
3-1.過剰なストレスには心のケアを
過剰にストレスを抱えているならば、まずはストレスを解消する必要があります。
ストレス解消法はいろいろありますが、何をしても変わらないという状態が続く時は心にアプローチする方法をオススメします。
例えば、カウンセリングは、専門のカウンセラーとの対話によって、自分の心や感情に気がつくという方法です。
心理療法などマインドにアプローチする方法には様々なものがありますし、それを行う術者との相性も重要です。
自分に合った方法や信頼できる術者が見つかれば、続けて行ってみると良いでしょう。
3-2.睡眠時間を確保する
気力が出ない時は疲労がたまっていることが多いため、質の良い休養をとることが大切です。
適正な睡眠時間は7時間です。
もちろん睡眠不足はよくありませんが、逆にだらだらと寝すぎるのも身体によくありません。
また質のよい睡眠をとるためには、1日中ぼーっと過ごすのではなく、無理のない範囲で部屋の掃除や散歩するなど適度に体を動かしましょう。
3-3.気になることがある時は病院に行く
病気が原因で気力が出ないことや気力が回復しないこともあります。
いつもと様子がおかしい、自分で解決できないと感じた際は、何かしらの原因が潜んでいる可能性があります。
我慢して一人で抱えず、病院に行き、診察を受けましょう。
4.更年期障害を乗り切る方法
更年期障害の症状を乗り切るために自分でできるケアは、早寝早起き、食事、適度な運動など規則正しい生活を送ることです。
食生活においては、疲労回復に効果がある豚肉や玄米に多く含まれているビタミンB群や、果物・緑黄色野菜に含まれるビタミンC、ナッツ類やオリーブオイルに多く含まれるビタミンEを積極的に摂取しましょう。
更年期障害は女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少することで、さまざまな症状を引き起こします。
そのため、エストロゲンに似た作用が認められているイソフラボンは、更年期に積極的に補いたい成分のひとつです。
イソフラボンは腸の中でイソフラボンをエサにする腸内細菌・エクオール産生菌によってエクオールという物質に変換されます。このエクオールが、女性ならではの働きをサポートすることができるといわれています。
イソフラボンは大豆や納豆や豆腐などの大豆製品に多く含まれています。
一度に大量に摂取するよりも、毎日継続して適量を摂取することを心がけましょう。
5.気力がわかない時に乗り切る3つのコツ
忙しい毎日を乗り切るには、気力を維持しなければいけません。
気力を維持するためには、気力と深く関わりがある身体面と精神面のコンディションを整えることが必要です。
5-1.思い切って体を動かしてみる
気力がわかない時でも、思い切って体を動かすことで精神面が安定することがあります。
あまり激しい運動よりは、日中の時間帯に日光を浴びながらウォーキングをしたり、軽いジョギングなどの運動がおすすめです。
心が前向きにならない時は、体を動かすアプローチをすることで爽快感に繋がり、良い気分転換になります。
5-2.ストレスリリースをする
仕事、家事、子育て、もしくは親の介護など、なかなか自分の思うように物事が進まなかったり、予期せぬトラブルなど起こったりすることがあります。
そのような時は、知らず知らずのうちにストレスがたまっている可能性があります。
「イライラしているな」と感じた時はそのままにせず、できるかぎり早くストレスリリースをすることが大事です。
カフェに行ったり、好きなものを食べたり、好きな音楽を聴くなど、自分がその時に少しでも興味のわくことに取り組むことは重要です。そうすることで、気力の低下を最小限にすることができます。
そのためには、普段から「私は何をしていると気持ちが上がりやすいか」を知っておくことは重要です。
5-3.自分を認めて褒めてあげる
気力がわかない時は、日常のあらゆることが億劫になってしまいがちです。そのような時にはつい、自分を責めてしまいがちに。
「これではダメだ!」「早く回復させないと」と自分を嫌いになってしまう方も少なくないのではないでしょうか。これではますます気力が低下してしまう悪循環に陥ってしまいかねません。
こんな時こそ、「できたこと」を褒めてあげることが重要。
たとえば、“今日も朝起きれた”“ご飯の準備ができた”など、いままで毎日こなしていたルーティンの小さなことでも自分を褒めてあげましょう。
そうしていくうちに、「気力がわかない私でも大丈夫」「いまはわかないだけでずっと続くわけではない」と自分を認められるきっかけづくりに繋がります。
6.私を楽しむということ
気力が出ない状態が長く続くと、毎日の生活にハリがなく、人生全般をつまらないものと感じてしまいがちです。
しかしここで重要なのは、「気力がわかない自分」を責めすぎないこと。
そして、気力がわかないこの状態がずっと続くわけではないということに気づくこと。
できるだけ早く回復するためにも、“私を楽しむ”ということ。
更年期の時期は、どうしても気持ちがふさいでしまう時もありますが、逆転の発想で、気力が低下しているいまだからこそ、「私は何が楽しいんだろう」と自分に向き合い、「楽しいと感じることを思いっきり自分にさせる機会がやってきた」と捉えるだけでも楽になるのではないでしょうか。
ぜひ、“私を楽しむ”ことに取り組む時間を自分にプレゼントしてみてくださいね。
監修:内科医 桐村里紗
廣江 好子
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか