なかなか消えない目の下のクマ…色別トラブルの原因と改善法
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、私たちの生活にマスクは欠かせないものになりました。
マスクをしていると目元しか見えないため、相手の印象は目元である程度決まってしまいます。
そんな大切な目元の印象ですが、実際マスクをしている自分の顔を鏡で見たときに目の下のクマに気づくことはありませんか?
目の下のクマは自分が思っている以上に目立ちやすいものです。
またクマは疲れた印象や老けた印象に見られることも多いですよね。
そんな女性の大敵、目の下のクマを消すためには、まずはクマができる原因を知ること、そしてクマの原因に応じた改善法を行うことが大切です。
今回は目の下のクマができる原因とその改善法についてご紹介します。
1.目の下のクマ、その種類と見分け方
目の下にあるクマは「クマ」と一言でいっても、大きくわけて4つの種類に分けることができます。
しかし目の下のクマを見分けるなんて難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、安心してください。
目の下のクマは、クマの色で見分けることができます。
1-1.青色系トラブルによるクマ
目の下のクマが青っぽく見えるのが青色系トラブルによるものです。
一般的に「青クマ」と呼ばれています。
この青色系トラブルの元は、皮膚の下にある血管です。
目の下の皮膚は薄いため、その下にある静脈の色が透けて見えるだけの場合もあれば、血行不良によって青く見えている場合もあります。
1-2.赤色系トラブルによるクマ
目の下、もしくは目の下のきわから赤っぽく見えるのが赤色系トラブルによるクマです。
一般的に「赤クマ」と呼ばれています。
赤色系トラブルは、静脈と動脈がうっ血し、赤く見える状態場合と、眼窩脂肪(涙袋)が突出することで、目の周りの筋肉が圧迫されて透けて見える場合があります。
放っておくと青色系、茶色系、黒色系クマへと進行してしまう恐れもあります。
1-3.茶色系トラブルによるクマ
茶色系トラブルのクマは色が茶色で、どの角度から見ても色の変化が少なく、くすんで見えるのが特徴です。
一般的に「茶クマ」と呼ばれています。
茶色トラブル系のクマはメラニン色素の色によるものです。
1-4.黒色系トラブルによるクマ
黒色系トラブルによるクマは、正面から目を見たときに涙腺の下側が黒ずんで見えます。
一般的に「黒クマ」と呼ばれており、クマに悩む原因の多くがこの黒クマです。
黒クマは顔を上に向けて鏡を見るとクマが薄くなったり、目の下の膨らんだ箇所を押すとクマが消えるのが特徴です。
2.クマの原因は?
色別にクマの種類と見分け方をご紹介しましたが、色によってクマができる原因は異なります。
クマができる原因を知ることが、目の下のクマを改善する近道です。
2-1.青色系トラブルによるクマ
青色系トラブルによるクマは、睡眠不足や疲れ・ストレス、冷えなどが原因です。
仕事や家事・育児で忙しい40代以降の女性は、疲れやストレスが溜まりやすいため青クマに悩む方も少なくありません。
目の下に青クマが現れたということは、疲労がたまっている可能性があります。
体が疲れることにより血流が悪くなり、体の隅々まで血液が行き渡りにくくなることで起こります。
2-2.赤色系トラブルによるクマ
赤色系トラブルのクマは、寝不足や生活習慣の乱れ、パソコンやスマートフォンを見ることによって起こる眼精疲労が原因です。
長時間パソコンやスマートフォンを見ていると、眼精疲労が起こりやすくなります。
2-3.茶色系トラブルによるクマ
茶色系トラブルのクマは、目をこするなどの皮膚への刺激による色素沈着が原因の一つです。
アトピー性皮膚炎や目の周りの接触皮膚炎(化粧品などによるかぶれ)がある場合、炎症が落ち着いた後に色素沈着が起こります。
肌のターンオーバーが遅く自然に落ちるはずのメラニン色素が色素沈着を起こすことで、目の下に茶クマができてしまいます。
2-4.黒色系トラブルによるクマ
黒色系トラブルによるクマは、目の下のたるみや目のくぼみが原因です。
加齢に伴い目元の周りのコラーゲンが減り皮膚が薄くなると、目の下がたるんでしまいます。
また生まれつきの骨格も、目の下のたるみの原因の一つとなります。
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3.目の下のクマの改善法
目の下のクマを改善するためには、原因に応じたケアが効果的です。
ここではクマの種類別に改善法をご紹介します。
3-1.青色系トラブルによるクマ
青色系トラブルによるクマは、体に溜まった疲れをとることで自然に消えることがほとんどですが、女性の場合は鉄欠乏性貧血などの鉄不足が原因で起こることもあります。
疲労がある場合は、体を休めることが大切です。
また、体の内外から温めるとさらに効果が期待できます。
とくに寒い季節には、冷たい飲み物は避け、白湯や生姜湯などの温かい飲み物を摂るようにしましょう。
外側からのアプローチとしては、ホットアイマスクや蒸しタオルで目元を温めましょう。
温めるだけではなく「温と冷」を繰り返すことでさらに血行促進が期待できます。
鉄不足にもしっかりとアプローチしましょう。
3-2.赤色系トラブルによるクマ
パソコンやスマートフォンを長時間使用するのを避けることが大切です。
現代社会においては欠かせないものの一つかもしれませんが、いままでよりも少し使用を控えるようにこころがけましょう。
スマートフォンやパソコンのブルーライトは、交感神経を刺激します。
そのため、寝る直前までスマートフォンやパソコンを使用していると眠りを妨げてしまします。
夜はナイトモードに設定し、画面の輝度を抑えるようにすることをおすすめします。
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3-3.茶色系トラブルによるクマ
茶色系トラブルによるクマは、摩擦を減らすことと炎症を抑えることが大切です。
メイクを毎日する方は落としやすい化粧品を使ったり、クレンジングの際に力を入れすぎないように注意しましょう。
また日焼けを防ぐために一年を通して、UVカット機能のある下地や日焼け止めクリームを使うように心がけましょう。
アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎などの湿疹がある場合には、長期化するほどに色素沈着が起こりやすくなります。軽度のうちに早めに治すことが重要です。
目の周りには専用の外用薬がありますので、皮膚科受診をしましょう。
3-4.黒色系トラブルによるクマ
黒色系トラブルによるクマは、目元の筋肉をほぐして鍛えることが有効です。
おすすめは眼輪筋トレーニングです。
1.ウォーミングアップ
眼輪筋トレーニングを行う前に、額の前頭筋のマッサージを行ないます。
1. 軽く握りこぶしを作り、額におきます。眉頭の上の場所に小指がくるようにしましょう。
2. ひじをテーブルについた状態で、頭の重みで額の骨を圧迫するようにこぶしをクルクル回します。
3. こぶしを眉間からこめかみ、眉上から生え際の順に額全体をほぐしていきます。
2.下まぶたのトレーニング
1. 人差し指で上まぶたを引き上げます。
2. そのまま軽く上まぶたを固定し、下まぶただけで目を閉じるように10回動かします。
3. 反対側も同じように行ないます。
3.上まぶたのトレーニング
1. 机に肘をついて人差し指の第二関節を眉頭に垂直に当てます。
2. そのまま頭を重みで圧をかけます。
3. 指を眉間に近い部分に当て、うなづくようにして押していきます。
4. 同じように目の周りの骨に沿うように、位置を変えながら押さえていきます。
4.目の下のクマと関わりある病気
目の下にクマからあるからといってすべて病気であるわけではありません。
しかし病気の中には、クマができる要因となるものがあります。
4-1.バセドウ病
バセドウ病は甲状腺機能亢進症と呼ばれる病気です。
バセドウ病は目の周りの筋肉(外眼筋)と目の周りの脂肪が増加します。
初期症状では目の下の脂肪が出てきて、それがクマに見えることがあります。
4-2.貧血
貧血になると顔全体が血色不良となり青白くなります。
血色素量が減少することで皮膚が透けて目の下の筋肉である眼輪筋の赤みが目立ち、クマができているように見えることがあります。
特に、月経のある女性の貧血の原因は、鉄欠乏性貧血がほとんどです。
4-3.花粉症
花粉症が直接目の下のクマを目立たせるわけではありません。
症状として目のかゆみを伴うため、目の周りを擦ってしまうことが多くなります。
その結果、目の周りの皮膚が色素沈着を起こし目の下にクマができやすくなります。
5.健康的で明るい目元に。笑顔あふれる毎日を送りましょう!
年代問わず気になるのが目の下のクマ。
目の下のクマがあるだけで、老けて見られたり、疲れているように見られてしまいますよね。
いまはマスクである程度隠すことができますが、隠すことより改善することに目を向けることが大切です。
私たち40代以上の世代はとくに、目の下のクマが与える印象の影響は大きいものです。
今回ご紹介したクマの改善法は、どれも私たちの生活の中で取り入れやすいものばかりです。
クマを改善することで目元の印象が大きく変わります。
いま行うちょっとした一工夫が、健康的で明るい毎日につながるのではないでしょうか。
「いまが大切。そして将来を見据えた毎日の積み重ねも大切」
いまだけを見るのではなく、同時に長い人生の先も見ながら、明るく楽しく毎日を過ごしましょう。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか