本格的な乾燥シーズン到来の前に保湿対策を! より効果を高めるための「フェイスマスク」の正しい使い方
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
ゆらぎ世代になると悩ましいのが肌のトラブルです。
若い頃に比べ、肌ツヤがなくなってきた、シミやシワが気になるなど、肌に関する悩みを持つ人は多いでしょう。
そんなときに頼りになるのが「フェイスマスク」です。
いろいろな基礎化粧品があるなかで、フェイスマスクは特別なスキンケアといったイメージがあるかもしれません。
筆者は冬場だけでなく、夏の紫外線ダメージや寒暖差の影響で秋口には肌の乾燥が気になるため、一年中フェイスマスクが欠かせません。
ただしこのフェイスマスク、正しい実践方法をしないと、かえって肌にトラブルが起きることもあります。
また正しいフェイスマスク方法を実践すると、思った以上に肌にメリットを与えてくれることもあるようです。
ここではフェイスマスクのメリットと効果的な使い方について詳しく解説します。
目次
1.スキンケアは摩擦を少なくすることが大切
フェイスマスクのやり方などを紹介する前に、まずは正しいスキンケアを理解しましょう。
スキンケアは高級な化粧品をやたら使えば良い、と思っていませんか? 実は肌にとって大敵なのは、皮膚を触り過ぎて起こる摩擦ダメージです。
スキンケア商品は数多くあり、化粧水や乳液、美容液やナイトクリームなど、1つのブランド化粧品だけでも多数あります。
しかしこれらすべての化粧品を使うと肌を過剰に触ることにもつながり、使い方によっては肌にとっては逆効果になる可能性もあります。
肌を過剰に触ると、皮膚は摩擦による刺激を受け、色素沈着が起こりシワやくすみの原因にもなります。
過剰に化粧品を重ね塗りすることは肌にとってダメージを受けやすいため、必要な化粧品を選択して、最低限の回数で肌に乗せる方が肌への負担が軽減できます。
1-1.肌は保湿ケアが重要
肌への過剰な化粧品の重ね塗りはおすすめしませんが、保湿ケアは非常に重要です。
肌を美しく保つには、皮膚が持つ本来のバリア機能を高めることが大切です。
しかし肌が乾燥してしまうと皮膚常在細菌のバランスが崩れてしまい、皮膚の弱酸性環境が失われます。
これにより皮膚が炎症を起こし、表皮や真皮にあるコラーゲンがダメージを受け、色素沈着や皮膚のくすみ、たるみに繋がります。
摩擦を起こさないようにしつつ、肌にしっかりとした保湿ケアをする。
そのためには、一度でしっかりと保湿ができ、摩擦を防げるオールインワンゲルの活用がおすすめです。
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1-2.摩擦の少ないオールインワンゲルがおすすめ
オールインワンゲルは、化粧水、乳液、美容液などの成分がすべて含まれている優れた化粧品です。
ただ、これだけで本当に肌への保湿や美容効果があるのか、不安に感じる人もいるでしょう。
しかしオールインワンゲルの多くは、皮膚の構造に不可欠な成分が効果的に補給できるよう考慮して作られています。
そして何よりたった1回肌に乗せるだけで完成するシンプルケアなので、肌への摩擦負担がありません。
時間短縮もできるスキンケアなので、忙しい人にはとくにおすすめできるスキンケアです。
▼医師の私がこれだけは手放せない!乾燥対策に本当に潤う成分とは?
https://wellmethod.jp/measures-against-dryness/
1-3.忘れてはいけないのがUVケア
そして保湿と同じように肌にとって大切なのは、紫外線を防ぐことです。
紫外線を肌に浴びると活性酸素が発生し、皮膚の細胞やコラーゲンを破壊することで、シワやたるみの原因になります。
またメラニン色素が皮膚に沈着することで、老人性色素斑をはじめとしたシミができてしまいます。
皮膚は触り過ぎないことが大切ですが、日焼け止めを塗ることは重要です。化粧をしない日でも降り注ぐ紫外線から肌を守るよう、日頃から日焼け止めクリームを塗ってUV対策しましょう。
2.より肌摩擦を減らすためにはどんなフェイスマスクが良い?
スキンケアで大切なことは、摩擦をかけない、保湿をする、紫外線対策をする、ということをお伝えしました。
フェイスマスクは、パッティングや塗り広げるといった摩擦はないため、多くの工程が必要なスキンケア(導入液から化粧水、オイル、美容液、乳液など1回のスキンケアで何工程も必要な場合)と比べると肌摩擦を軽減させることはできますが、シートの不織布を肌に乗せることが刺激となる場合もあります。
ですので、フェイスマスクを選ぶ際には、十分な美容液の湿潤があり不織布の刺激を感じにくいタイプや、天然素材の不織布でできているマスクを選ぶことをおすすめします。
3.フェイスマスクのおすすめの成分はセラミド
フェイスマスクにはいろいろな種類があり、含まれている美容成分も違いがあります。
どの商品を選ぶか迷った際は、ぜひセラミドが配合されているものを選びましょう。
フェイスマスクは、宣伝されている効能効果も商品によってさまざまです。
美白作用に期待できるものやアンチエイジング効果を宣伝する商品などがありますが、フェイスマスクでもっとも期待したい効果は保湿です。
セラミドが配合されたフェイスマスクなら、水分を肌に留めて潤いを保つことが期待できます。
3-1.セラミドの特徴
セラミドには、水分が蒸発しにくい作用があり、肌にしっかりと潤いを残すことができます。
例えば化粧水で肌に水分を補給しても、そのまま放置するとすぐ乾燥を感じることはないでしょうか。
それは、水の構造の問題であり、通常の化粧水では水の構造同士がバラバラであるため、顔に乗せてもすぐに蒸発するという特徴があるからです。
セラミドの場合、特殊な脂質であることから、水分と結合することができます。
セラミドは、水分と交互にミルフィーユ状になり、セラミド層の間には、「結合水」という水分同士が手を繋いだ層ができます。
これにより肌の水分は蒸発しにくい状態となり、潤いができます。
フェイスマスクは肌に乗せるだけでしっかりと潤い成分を浸透させることができる優れものです。
皮膚の外からでは成分がターゲット層まで届かないこともありますが、セラミドの場合はターゲットである角層までしっかり届きます。
セラミドが配合されていれば、さらに水分の蒸発を防ぎ、より潤い豊かな肌に導くことも期待できるでしょう。
▼医師の私がこれだけは手放せない!乾燥対策に本当に潤う成分とは?
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3-2.セラミドを経口摂取するのもおすすめ
ちなみにセラミドは、フェイスマスクなどで顔に塗る他、経口摂取することでもうれしい効果が期待できます。
そもそもセラミドは、こんにゃく、米、とうもろこし、みかんといった植物由来のものに「グルコシルセラミド」として含まれていることも多いです。
これらが機能性表示食品として売られていることも多く、セラミドを経口摂取することで「肌の潤いを保つ」「全身のバリア機能を強化する」といった作用を期待できます。
普段から肌の潤い不足に悩む人は、セラミドが配合されたフェイスマスクの他にも、セラミドの経口摂取を試してみると良いかもしれません。
4.フェイスマスクの基本的な使い方
フェイスマスクはパッケージから取り出して顔に乗せるだけで完了する、お手軽なスキンケアです。
基本的な使い方は、洗顔後の肌やメイクを落とした顔に、フェイスマスクを乗せるだけです。
あとはマスクに指定されている時間通りにパックし、やさしくはがします。
朝の洗顔後に実践しても良いですが、おすすめは夜のお風呂から上がったあとです。
お風呂で温まって柔らかくなった肌にフェイスマスクをすれば、しっかりと美容成分が浸透し、肌への美容効果も期待できます。
4-1.顔パックの時間はどのくらいが良い?
フェイスマスクの正しい利用時間は、パッケージに記載されている時間を守ることが大切です。重要なのは「長時間使えば良いというモノではない」ということです。
基本的に美容液浸潤型のマスクの装着時間は10分程度です。
そしてマスクによっては、美容成分がしたたるほど、たっぷりと水分を含んでいるものもあります。そこでつい、もったいないからといって、表記時間以上に顔に乗せてしまうこともあるでしょう。
しかしそれをしてしまうと、マスクの美容成分が蒸発し、肌が乾燥することにもつながります。
顔にパックする時間は、使うマスクの使用時間を必ず守り、必要以上にパック時間を増やさないことが大切です。
ちなみに筆者の場合、パウチに余ってる美容液はもったいないので、絞り出して首周りを中心に塗り込んでいます。
美容液成分がしっかりと首やデコルテあたりにもなじみ、うるおいを実感することができますよ。
4-2.乾燥が気になるときはフェイスマスク+オールインワンゲル
スキンケアには、肌に摩擦が掛からないオールインワンゲルがおすすめだと紹介しました。
しかし乾燥が気になる季節や、肌の状態がカサついているときには、オールインワンゲルだけではちょっと物足りなさを感じるかもしれません。
そんなときは、フェイスマスクの併用がおすすめです。
洗顔後にオールインワンゲルを塗り、そのあとフェイスマスクを顔に被せるだけで、潤い効果がアップします。
また、フェイスマスクを付けたあとに乾燥が気になる場合も、潤いに蓋をする目的でオールインワンゲルを軽く顔に伸ばしても良いでしょう。
いまの自分の肌の状態に合わせ、フェイスマスクとオールインワンゲルを上手に使っていきましょう。
▼実はそのスキンケアが肌に悪影響? 摩擦を引き起こさないためのシンプルケアのすすめ
https://wellmethod.jp/skin-friction/
5.フェイスマスクの疑問や注意点
肌に潤いを与えてくれるフェイスマスクですが、間違った使い方をすると反対に肌が乾燥する原因にもなります。
もっとも重要な注意点は4章でも解説しましたように、使用時間を守らず長時間マスクを使用してしまうことですが、その他にもある注意点や疑問点をご紹介します。
5-1.フェイスマスクは毎日やった方が効果がある?
フェイスマスクは毎日行っても良いですが、製品によっては連日使用に向いていないものもあります。
多くのマスクにはパッケージに使う頻度の目安が表記されています。
とくに注意書きがない製品や、毎日の使用に最適、といったマスクなら連日使用しても良いでしょう。
しかし「週2~3回を目安に」といった使用頻度がある場合は、かならずそのペースを守りましょう。
過剰なケアをすると、肌トラブルが起こる原因にもなります。
また、顔にニキビなどの吹き出物があるときも、毎日の使用は避けましょう。
毎日マスクをすることで肌に油分が詰まったり、吹き出物の状態が悪化したりすることもあります。
5-2.商品ごとの説明書きをしっかりと確認する
4章でフェイスマスクの基本的な使い方を説明しましたが、フェイスマスクの使い方は製品によっても異なります。
その製品の使い方を確認し、指示通りに使わないと肌に潤いを届ける効果が薄れてしまうこともあります。
例えばマスクによっては「洗顔後の清潔な顔に乗せてください」という製品もあれば「化粧水のあとにフェイスマスクを使用」と記載されている製品もあります。
含まれている美容成分やマスクの特徴によって使い方はさまざまなので、利用する際は説明書きに従うことが大切です。
6.フェイスマスクを正しく使い肌に潤いを与えましょう
フェイスマスクは肌に摩擦をかけず、顔に乗せるだけで潤いを届けることができる優れたスキンケアです。
しかし使い方を誤ると、かえって肌の乾燥を引き起こし、肌トラブルを引き起こすことにもなります。
筆者も昔、美容液成分がふんだんに含まれる高級なマスクを使ったとき、高い美容液成分が顔にしっかりと浸透するよう、30分近く顔に乗せてしまった経験があります。
マスクをはがした直後は肌が潤っていたものの、翌日の肌はなぜか乾燥していてガッカリした記憶があります。
やはりフェイスマスクは正しく使わないと、美容効果は期待できないのです。
また基本的なスキンケアでは、摩擦をかけないよう肌を触り過ぎない、保湿をする、UVケアをする、の3つが大切です。
普段からオールインワンゲルで肌摩擦を防げるシンプルな保湿をし、日焼け止めを塗って紫外線をブロックしましょう。
その上でフェイスマスクを活用し、潤いに満ちた肌を目指していきましょう。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか