こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

40代になり、友達と健康や体調について話すことが多くなりました。毎年決まって健康診断の時期が近づくとお互いにいい合う言葉があります。

「健康診断の結果を見るのが怖い」

若いときは、健康診断の結果が怖いなんて感じたことはなかったんです。しかし年齢を重ねるにつれて、自分の健康に自信がなくなり、健康診断で何か見つかるんじゃないか…とドキドキするようになりました。

健康診断の結果が怖いという前に、もっと自分の体と向き合っていかなければと思います。

とくに更年期を迎える、もしくは真っ只中の女性にとっては、女性ホルモンを整えることはとても大切です。

女性ホルモンのバランスが乱れることで、体や心が不調になり日常生活に支障をきたすこともあるからです。

今回は、全国の20代以上の女性を対象に行った婦人科調査をもとに、女性ホルモンを整え、健康体でいるために必要な知識について考察します。

※本文中の割合(%)は小数点以下第2位を四捨五入しております。

1.アンケート結果からの考察

今回行われたアンケートは、全国の20代以上の女性を対象として、女性ホルモン様作用が期待できるサプリメントや食品の摂取に対する意識を分析したものです。

女性の年代別で意識の程度に差があることがわかった調査結果となっています。ではさっそく、アンケート結果から見ていきましょう。

1-1.女性ホルモン様作用が期待できるサプリメントについて

女性ホルモンを整えるサプリと食品アンケートグラフ1

年代があがるにつれ、女性ホルモン様作用が期待できるサプリメントや食品があることを知っている人の割合が高くなっています。

とくに更年期障害の症状を意識し始める40代では38.1%、更年期障害の症状が出現する50代では42.6%と高くなっており、60代になると32.2%に減少しています。

この結果から考えられることは、更年期障害やホルモンバランスの乱れに悩む世代において、女性ホルモン様作用のあるサプリメントや薬に対する関心が高く、日頃から情報を集めている可能性があるということです。

女性ホルモンを整えるサプリと食品アンケートグラフ2

先にご紹介したアンケートで女性ホルモン様作用があるとされるサプリメントや食品があることを「知っている」と回答した205名(全体の35.2%)の方に、上記アンケートの食品のなかで女性ホルモン様作用があると思われるものを複数回答してもらったところ、「大豆イソフラボン」の認知度は93.2%(191名)ともっとも高い結果となりました。

大豆イソフラボンは、情報番組や女性誌などでも女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをすると取り上げられていることから、多くの女性に知られているのではないでしょうか。

次に認知度が高かったのは「エクオール」です。205名のうち、58.0%にあたる119名が「女性ホルモン様作用があると思う」と答えています。

エクオールとは、摂取した大豆イソフラボンが腸内細菌のエクオール産生菌により代謝された物質で、エストロゲンによく似た構造をしていることから、女性ホルモン様作用が期待されています。

しかし、大豆イソフラボンを摂取したからといって必ずしも、エクオールに転換されるわけではありません。

メカニズムとして、エクオール産生菌の有無や、その細菌のエクオール産生能力の有無によって、大豆イソフラボンをエクオールに転換できるかが決まってくるのです。

大豆イソフラボンの機能性は、エクオールに転換されることにより、さらに発揮されます。

つまり、腸内環境によっては、大豆イソフラボンを積極的に摂取してもエクオールに転換されない場合があるため、エクオールとしての摂取が注目を集めていることが考えられます。

▼女性ホルモンに欠かせない「エクオール産生菌」について詳しくはこちら

https://wellmethod.jp/equol-producing_bacteria/

1-2.女性ホルモン様作用が期待できるサプリメントの活用意向について

女性ホルモンを整えるサプリアンケート1

女性ホルモン様作用のあるサプリメントを使用する目的を4つに分け、活用すべきかを質問したところ、「ホルモンバランスの乱れによって生じる不定愁訴を和らげるために活用すべきである」では、「強くそう思う」「そう思う」と回答した方の合計は51.5%と半数を超える結果となりました。

また「閉経前後に生じる不定愁訴を和らげるために活用すべきである」では、「強くそう思う」と「そう思う」の合計が49.1%と約半数の方が活用に前向きであることがわかりました。

一方、「閉経前後、女性らしさの維持のために活用すべきである」に対して、「強くそう思う」「そう思う」と回答した方の合計は35.8%と他の項目に比べて少ないことがわかりました。

このアンケート結果から、女性ホルモン様作用のあるサプリメントは、女性らしさの維持より不定愁訴の緩和に期待する方が多いということが考えられます。

女性ホルモンを整えるサプリアンケート2

その一方で、「効果や使用目的がいまいちわからないので使用しない方がいい」という質問においては、「どちらともいえない」と回答した方は55.9%。「副作用が心配なので使用しない方がいい」という質問で「どちらともいえない」と回答した方は56.3%という結果になりました。

このアンケート結果から、サプリメントの効果や使用する目的、副作用について十分な知識を得る機会がないため、活用すべきかどうかをはっきりと答えることが難しい状況にある女性が多いと考えられます。

2.女性ホルモンを整えるには?

女性ホルモンを整える

女性ホルモンを整えたいと思ったときに真っ先に考えることは、乱れた女性ホルモンの分泌を整える方法や不足した女性ホルモンをサポートする方法ではないでしょうか?

女性ホルモンの働きを補うためには、「低用量ピル」「ホルモン補充療法(HRT)」「漢方薬」「エクオール」などの選択肢があります。

これらの方法で女性ホルモンの働きを補うことができますが、それ以外にも女性ホルモンを整えるために大切なことがあります。

2-1.「補う」ことにプラスすべきこと

減ってしまった女性ホルモンを補うことはとても重要です。補うための治療のほかに、日常ではどのようなことに取り組めるのでしょうか?

1.運動をすること

ストレッチをする女性

一つは、体を動かすことが重要です。

40代で運動習慣がある人は20%にも満たないといわれています。この年代になると運動が大切なことはわかっていても、習慣化することが難しく、今は疲れているから…今日は忙しいから…と運動をしない理由を探しがちです。

厚生労働省が示す運動習慣とは1回に30分の運動を週に2回。これを1年以上続けることです。

運動習慣を身につけるための工夫として以下のようなものが考えられます。
・運動するためにいくものステップを踏まなくてもいいようにすること
・自分のルールに柔軟性をもたせ、少しでもいいから継続すること

いきなり高い目標を掲げるのではなく、日常生活に組み込めるような簡単なことから始めることで、運動に対するハードルがぐんと下がります。

▼産婦人科専門医が教える「40代からの運動」のはじめ方

https://wellmethod.jp/drtakao_int03/

2.ストレスリリースをすること

ラベンダーティー

更年期世代は、仕事や家事、育児、介護など、立場的にも精神的にも責任を感じる世代なのではないでしょうか。

その上、女性ホルモンの変化で体調不良が続けば、身も心も精一杯になってしまいます。ですので、日常的にストレスリリースをしていくことは大切です。

たとえば、
・良質な睡眠をとるために朝起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びる
・朝は熱いシャワーを浴び、夜は湯船にゆっくりと浸かる
・趣味の時間をとる
・アロマを炊く
・スキンシップをする
など、自律神経を整える取り組みをはじめることで、女性ホルモンにも良い影響をもたらします。

少しでも気分が良い、心地が良いと感じる時間を、1日のうちでとってあげるようにしましょう。

▼医師が伝える乱れた女性ホルモンの整え方

https://wellmethod.jp/hormonebalance_cause/

2-2.自分の健康について考える

たくさんの野菜を切る女性の手

女性ホルモンを整えるためには、普段から自分の健康について考える必要があります。

病気になってから慌てるのではなく、「予防」という概念をもつことが大切であり、予防のために健康診断を定期的に受けたり、食生活や生活習慣を整えたりすることが重要です。

WELLMETHODが行ったアンケート調査で、20代の子宮がん検診の受診率は19%、全体で35~40%程度ということがわかりました。

テレビやインターネットで病気に関するニュースを目にすることがあっても、まだまだ他人事と考えている方が多いように感じます。

せっかく病気を早期に発見できる仕組みがあるにもかかわらず、私たちはその機会を逃していることに気づかされました。

3.今やっていることが、この先の自分を作る

健康な女性

私たちがいま選択したことが、20年、30年先の自分を作っているのだと思うと、毎日をどのように過ごすのかがとても大切だと感じました。

この年代になると若いときを振り返り、「あのときこうしていればよかった」と思うことも少なくありません。

女性ホルモン様作用のサプリメントや食品については、40代になってから目に触れる機会が増えました。それでもまだまだ知らないことは多く、実際効果はあるのか? サプリメントに副作用はないのか? と思うこともあります。

しかし、知らないからといって避けるのではなく、「今やっていることが、この先の自分を作る」という意識で、情報を集めたり、詳しい方に話を聞いたりすることが大切だと思いました。

将来の自分が過去を振り返ったとき、いま自分がしていたことを後悔しないような選択をしていきたいと改めて気づかされました。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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