【医師監修】女性ホルモンを増やすにはバランスが鍵!いつまでも美しく保つための7つのケア
こんにちは、ライターの廣江です。
美肌、美しい髪、スリムな体型など、女性にとって“美”への関心は、もっとも重要なことのひとつでしょう。
筆者も、脚がもっと痩せたら。髪質がもっとこうだったら……。
など、思春期にさしかかったころから悩みは尽きず、若かりし頃は、好きになれない部分を隠すためのメイクをしたり、今思うと無理なダイエットをしてはリバウンドの繰り返しで、自身のコンプレックスをなんとかしようと必死でした。
どれだけ労力を使ったか計り知れません。なかなか成果が出ずに、すっかり女性としての自信を失ってしまった時期もありました。
しかし、これら日々頑張っていることすべてが、一気に簡単に手に入ってしまうとしたら?
思わず、「これまでの私の努力はなんだったの? お金と時間を返せ〜!」と言いたくなってしまいますが、アラフォー女子はそうも言っていられません。
もう二度と、同じ失敗はしたくないのです。
実は、美しさには、女性ホルモンが関係しているのです。
女性であれば、生まれつき持っているホルモン。これを最大限に活かすことでキレイを手に入れられるなら、こんなによいことはありません!
今回の記事、美しくなりたい女性は必見です!
ということで今回は、女性ホルモンの特徴や、美しさに繋がる活かすコツなどについて説明します。
目次
1. いつまでも美しくいるために大切な女性ホルモン
女性の最大の関心事のひとつである美とは、女性を狂ったように夢中にさせるパワーがあります。
誰もがきれいになりたいと思うのは、ごく自然なことであるといえるでしょう。
女性が生きる原動力にもなっている美のパワーに影響を与えているのが、実は女性ホルモンだったということを知っていましたか。
1-1. 女性ホルモンがもたらす影響
そもそも、ホルモンは人間や動物が生存していくうえで、欠かすことのできない物質です。
特定の細胞から内分泌される女性ホルモンは、血液を通して運ばれ、生命を維持したり子孫を残していくための物質で、体に大きく影響を与えています。
では、女性ホルモンが分泌されると何が起こるのでしょうか。
女性ホルモンには、元来女性の子孫を残すための目的があるので、見た目や体つきがより女性らしくなります。
これは、自分の遺伝子を未来に残していくために、異性から見ても魅力的に見えるようにするためです。
また、ホルモンが正常に出ていると、健康体が保てるうえに肌や髪にツヤが出ます。
このように、女性が美しくいるためには、ホルモンの周期についても考える必要があります。
2. 女性ホルモンが減る原因って?
女性ホルモンは、残念ながら、30歳あたりをピークに加齢とともに徐々に減っていきます。
40代~50代あたりから、急激に低下していきます。さらに45歳あたりを過ぎると、そのホルモンのアンバランスの影響で体調不良を訴える場合もあります。
不調は顔の火照りやのぼせ、発汗や頭痛、動悸やイライラなど多岐にわたり、いわゆる「更年期障害」といわれています。
分泌が減少すると、更年期障害だけではなく、骨粗しょう症や動脈硬化や認知症などのトラブルにつながることもあります。
このように、年齢とともに減少していく女性ホルモンは、美容面だけでなく、健康面でも不調を引き起こします。
3. 女性ホルモンの種類
では、女性ホルモンを増やせば美しさを維持できるのでしょうか。
答えは、ノー。やみくもに増やせばよいというわけではありません。
そこでまずは、女性ホルモンの種類について見ていきましょう。
女性ホルモンには2種類あります。卵巣でつくられ、エストロゲンという卵胞ホルモンと、プロゲステロンという黄体ホルモンの2つがあります。
目的は、両者とも子孫を残すためです。
3-1. 美人をつくるホルモン「エストロゲン」
エストロゲンは、排卵直前に最も活発に分泌されるホルモンで、子宮内膜を増やして排卵を起こし受精卵を守る役割を果たします。
このエストロゲンが俗にいわれている、「美人ホルモン」なのです。
3-2. 不快症状を引き起こす「プロゲステロン」
また、プロゲステロンは、排卵が終わるとエストロゲンにとって代わって増加する女性ホルモンです。
必要な働きがある一方、女性にとって様々な不快症状を引き起こすホルモンだといわれています。例えば、PMSといわれる月経前症候群は、プロゲステロンが原因です。
4. 女性ホルモン・エストロゲンの効果とは?
では、「美人ホルモン」といわれるエストロゲンが働くことで、女性にとってどれほどたくさんのメリットがあるのでしょうか。
美容はもちろんのこと、体全体に大きく影響を与える効果について見ていきましょう。
まず、エストロゲンは、コレステロールなどの脂質代謝をコントロールして体型維持に役立ってくれます。骨に関しては、骨密度を保持し、骨粗しょう症を防いでくれます。
また、肌のツヤやハリが出るのはコラーゲンの生成を助けるエストロゲンのおかげです。循環器にも作用し、心臓や血管の働きを整えてくれます。
健康維持はもちろんのことですが、血行がよければ美容にもよい影響があるといえるでしょう。脳や中枢神経もコントロールするため、物忘れやうつ病にかかりにくくなります。
このように、本来は妊娠に備えるためのエストロゲンが、実に多くの役割を果たしているのです。
女性は、思春期から閉経までのエストロゲンが出ている間は、前述のメリットを受けられます。エストロゲンは、美容と健康の手助けもしてくれる女性ホルモンなのです。
5. 女性ホルモン・プロゲステロンの効果とは?
プロゲステロンは、エストロゲンと対になっていて、エストロゲンが活発でないときに活躍する女性ホルモンです。
通常、排卵の後や妊娠成立後に活躍するホルモンです。
受精卵が子宮内膜に着床しやすいようにふかふかのベッドのようにして妊娠を促す働きがあります。また、妊娠が成立した場合は、それを維持する為に、水分や栄養分を体に溜め込むのをサポートします。
しかし、妊娠していない時期のプロゲステロンは女性にとって不快な症状が出ることが知られています。
具体的には体温が上昇してだるくなったり、精神が不安定になったり、腹痛・頭痛・腰痛などのからだの痛みが起きたりします。
皮脂分泌を促すため、ニキビや吹き出物ができることがあり、体や顔が浮腫むことがあります。
プロゲステロンの影響には個人差がありますが、影響が大きい場合には月経前症候群(PMS)になることもあります。
また、プロゲステロンの影響でインスリンの働きが悪くなるために、からだがインスリンを一生懸命分泌しようとします。そのために体に脂肪が溜まりやすいという傾向があります。
食欲も上がる上に、栄養素も吸収しやすく、水分も老廃物もため込みやすくなります。
よって、プロゲステロンの出ている時期はダイエットには向きません。
プロゲステロンは妊娠期にはとても大切なホルモンですが、美容や体調の観点から見ると、上手にコントロールしたいホルモンだといえます。
6. エストロゲン分泌時に気を付けること
美容に有効なエストロゲンを増やす方法、また、ちょうどよいバランスを保つ方法はあるのでしょうか。
6-1. 大事なのは分泌のバランス
結論からいえば、エストロゲンが多いだけではむしろ健康的とは言えないため、バランスよく分泌されることが大切です。
仮にエストロゲンが過剰に出てしまうと、子宮筋腫・子宮内膜症・乳がん、また子宮体部がんなどの問題を起こす可能性があります。
では、バランスのよい分泌とは何かというと、プロゲステロンの分泌とのバランスです。
月経のリズムが整い、両者が適切に分泌されることが体内のホルモンバランスを保つということなのです。そのうえで、エストロゲンのバランスを保つために必要な食事法を紹介しましょう。
6-2. 分泌を促進する食材やライフスタイル
まずは、食事の栄養バランスに気を使うことです。
エストロゲンのバランスをサポートしてくれる食材としては、納豆や豆腐などの大豆製品や小豆がおすすめです。
大豆や小豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンに似た構造を持つ成分です。
特に、有用な腸内細菌の一種であるエクオール産生菌が腸内で働いている人では、このイソフラボンを活性の高いエクオールという成分に変換し、より機能性が高まることが分かっています。
体内のエストロゲンが少なければ補充、過剰な場合はその働きを軽減してくれるという具合に、働きを調節してくれる便利な食材です。
また、アボカドやアーモンドなどに含まれるビタミンEは卵巣機能の維持によい食材といわれています。
「セックスミネラル」と呼ばれる亜鉛も、エストロゲンの分泌に欠かせません。細胞の新陳代謝を促すので、美肌や妊娠力にも必須の栄養素です。特に、牡蠣に豊富です。
エストロゲンの分泌を低下させてしまう一番の要因は、ストレスです。ストレスによってストレスに対応するホルモン・コルチゾールが分泌されると、代わりに女性ホルモンの分泌が減ってしまいます。
エストロゲンの分泌には、日々のストレスリリースを意識したいものです。
また、極端なカロリー制限など過酷なダイエットで体重が減り過ぎると、月経が停止してしまう事態になります。美しさどころか、女性らしさの源を失ってしまうことに。
栄養バランスのとれた毎日の食事がエストロゲンの維持には欠かせません。
7. プロゲステロン分泌時に気を付けること
プロゲステロンが増え出す排卵直後の時期は、徐々に肌の調子と体調が少しずつ悪くなっていく時期です。
この時期には、プロゲステロンにより引き起こされる肌トラブルや体調トラブルに対処していくことがポイントです。
他の時期よりも野菜や根菜からの食物繊維を多めにとることで、美肌の大敵ともなる便秘対策をしましょう。
また、プロゲステロン優勢になってからの2週目以降は、特に肌トラブルの起こりやすい時期です。
日焼けによるシミや吹き出物ができやすくなります。美肌の王道である、ビタミンCや鉄や亜鉛などのミネラルを食材やスキンケアで積極的に取り入れるようにしましょう。
8. 2つの女性ホルモンをコントロールしてきれいになろう
女性がいつまでも美しく在るためには、2種類の女性ホルモンの特徴を知ることが大切です。
なかでも「美人ホルモン」と呼ばれるエストロゲンの量を正常に増やすためには、大豆製品、ビタミン、ミネラルやストレスリリースが大切だということがわかりました。
一方で、体調や肌にトラブルが増えるプロゲステロン分泌期には、食物繊維や美肌に効くビタミンCや鉄・亜鉛などのミネラルを積極的に取り入れて乗り切りましょう。
女性は、いつまでも美しくいたいもの。
大切なのは、一気に変えようとしないこと。
なかなか成果が出なくて不安になったり、自信喪失になってしまいがちですが、そんな時こそ踏ん張りどき。美人をつくるのは、毎日の小さな積み重ね。
遠いようでこれが、一番の近道かもしれませんね。
大丈夫。今日の小さな一歩は、明日に繋がる大きな前進。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか