こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

更年期を迎える年齢になると、いろいろと胃腸におけるトラブルが生じてしまいますよね。よくある胃腸トラブルのなかに「お腹が張る」という症状があります。

たくさん食べているわけではないのに「お腹が張る」といったことはありませんか?

例えば、なぜだかお腹にガスが溜まって苦しい、お腹が圧迫されて変な満腹感がある、など。

筆者もお酒を飲んだ後や、脂っこい食事をした後に、お腹が張って苦しいことがよくあります。

お腹の張りが長く続くと、家事や仕事がままならないこともあるため、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

実はこのようにお腹が張る症状は、腸内環境の乱れが原因であることが多いのです。

今日は、更年期の方が陥りやすいお腹が張る原因や、腸内環境を整えてお腹の調子を良くする具体的な方法を紹介します。

1.更年期を迎えるとお腹が張りやすい!? 

腸のトラブル

お腹の張りに苦しんだ経験がある人は、男女問わず多いでしょう。とくに更年期を迎えた女性の多くは、胃腸トラブルがあるといわれています。

初期段階のお腹の張りは、下痢や便秘、痛みなどに比べると症状はまだ楽なほうかもしれません。

しかしお腹が張ったまま我慢を続けると、そのうち痛みが強くなったり、食事が楽しめなくなったりします。頻繁にお腹の張りを感じているのであれば、その原因を突き止め、しっかりとした対策をするのが重要です。

2.お腹の張りの原因は空気の飲み込みとストレス

ランチタイムの女性

お腹が張ってしまう理由として、次のようなことがあります。

・食べ物を飲み込むときに空気を過剰に飲み込んでしまう
・ストレスによる自律神経の乱れ
・イモ類などのでんぷん質の食べ過ぎ、炭酸飲料の飲みすぎ
・生理前の便秘によってガスが発生しやすくなっている
・小腸内異常増殖症候群(SIBO:シーボ)

食べ物を食べるときに空気を過剰に飲み込んでしまうことは 呑気症(どんきしょう)や空気嚥下症とも呼ばれています。

呑気症は、食事の嚥下とは関係なく、精神的なストレスなどが理由でたくさんの空気を飲み込んでしまうこともあります。

そしてお腹が張る原因は、自律神経の乱れが原因であることも多いです。

腸の動きは自律神経によってコントロールされていますが、ストレスによって自律神経が乱れると、腸の動きも鈍くなってしまうのです。

また女性の場合、生理前はプロゲステロンというホルモンが増え、これにより腸のぜん動運動が抑えられてしまい、お腹の張りにつながることがあります。

自分のお腹が張りやすい時期をチェックし、その時期にはでんぷん質の食べ物や、ビールや炭酸飲料を控えるといった工夫をすることも大切です。

最近は、小腸内異常増殖症候群(SIBO:シーボ)という新しい病気も明らかになっています。過敏性腸症候群と診断されている方の6~8割はSIBOを合併している可能性があるとされています。

栄養の吸収が悪い、吸収不良症候群の一種で、小腸の内容物の動きが悪いために、ある種の腸内常在細菌が過剰に増殖してしまう病気です。

食後にお腹が張る症状に加えて、体重が減ったり、ゲップなど逆流の症状が起こりやすくなります。

このケースは、例外的に、腸内環境に良いはずの食事(シンバイオティクス 食品)が、病態を悪化させてしまいます。

ここでは、SIBO以外の「お腹が張る」原因とそのアプローチについてお話ししたいと思います。

2-1.お腹にガスを溜めないコツ

ストレッチをする女性

お腹にガスを溜めないようにするには、日常生活において次のような行動を心がけるにしましょう。

・長時間同じ姿勢をとらない
・適度な運動やストレッチをする
・お腹を冷やさないようにする

お腹に溜まったガスは、長時間同じ姿勢でいることにより排出しにくくなり、ますます溜まりやすくなります。

例えばデスクワークでずっと座りっぱなしでいると、なかなかガスが排出されず、お腹がゴロゴロすることはありませんか?

そのようなときは、適度に歩いたりお腹まわりを伸ばしたりすことが大切です。

そしてお腹の調子を整えるには「腹筋」も大切です。運動や適度なストレッチでお腹あたりを動かすことにより、腸の動きを活性化させます。

また、お腹を冷やしてしまうと胃腸のトラブルにつながるため、内外から温めることも重要です。温かい飲み物を摂ったり、寒い時期は腹巻やカイロなどでお腹を温めてあげましょう。

こうすることでお腹周りの血行が促進され、お腹の張りが軽減されることもあります。

3.お腹が張る原因は腸内環境の乱れも

腸内フローラ

空気の飲み込みやストレス以外に、「腸内環境の乱れ」がお腹の張りの原因になっている可能性もあります。

「お腹にガスが溜まって苦しい」「おならがたくさん出てしまう」といった症状は、腸内環境のバランスが崩れて、それによりガスが腸内で増えてしまうことがあるからです。

私たちの小腸から大腸には、およそ100兆個以上もの細菌が生息しているといわれています。

その細菌の集合体は、お花畑に見立てた「腸内フローラ」とも呼ばれており、この腸内フローラが乱れると、便秘や下痢といったお腹のトラブルが生じ、ガスが溜まってお腹が張りやすくなるのです。

そのため、お腹の張りを改善するには、腸内フローラにある菌のバランスを整え、腸内環境を改善することが大切です。

詳しくは、こちらをご参照ください。

▼腸内フローラを整える9つの習慣

https://wellmethod.jp/flora/

“腸内フローラ”を制する者は健康を制する! 整えるための9つの新習慣

3-1.腸内環境のバランスは3つの菌が支えている

腸内には100兆個以上もの細菌が生息していますが、その種類は大きく分けて3つあります。

・有用菌(善玉菌)
・悪玉菌
・日和見菌

有用菌とは、いわゆる善玉菌のことであり、人の体にとって有用な働きをしてくれる菌です。腸が正常な動きをするようサポートしてくれたり、悪玉菌の増殖を防いだりします。

悪玉菌は適正なバランスの中にいれば、必要な働きを担っていると考えられています。

しかし数が増えすぎることにより胃腸トラブルを引き起こす可能性があります。悪玉菌が腸内に増えるとガスが発生し、お腹が張ってしまう要因にもなります。

最後に日和見菌は、有用菌でもない、悪玉菌でもないどちらにも属さない菌です。腸内においてはこの日和見菌がもっとも多く、腸内環境によって有用菌の味方になったり、悪玉菌の味方になったりします。

腸内環境を整えるには、これら3つの菌のバランスを整えることが大切です。

3-1-1.腸内フローラの理想的なバランスとは

腸内細菌

腸内フローラには理想的なバランスがあります。世間では「お腹に良いのは善玉菌」といったイメージが浸透していますが、実は善玉菌さえあれば腸内環境が整う、というわけではないのです。

一般的に悪いとされている悪玉菌であっても、日和見菌とともに腸内で良い働きをし、病原菌などを排除してくれる細菌も存在します。

つまり、大切なのは腸内を善玉菌だけにすることではなく、善玉菌・悪玉菌・日和見菌のそれぞれがバランス良く共存することです。このバランスが整うことにより、体にとって良い総合作用が発揮されるのです。

そのためには、善玉菌そのものを摂取すると同時に、それらを活性化させるための食物繊維やオリゴ糖を摂取することが大切です。

現代人においては腸内の動きをサポートしてくれる有用菌が不足していることも多く、善玉菌を積極的に摂ることが大切といわれています。

3-2.腸内細菌を整えるのはヨーグルトだけではない 

ダイエット

では、善玉菌を代表する菌としてはどのようなものがあるのでしょうか?

具体的には以下のような菌です。

・ビフィズス菌
・乳酸菌
・酪酸菌 など

これらの善玉菌は、食品に含まれる水溶性食物繊維やオリゴ糖、難消化性でんぷんなどを食べることにより「短鎖脂肪酸」を分泌してくれます。

短鎖脂肪酸は私たちの体にとって大切な働きをしており、「腸内を善玉菌の暮らしやすい環境に整える」「代謝を上げて太りにくい体にする」といった役割があります。

このように短鎖脂肪酸を生み出してくれるビフィズス菌などは、体にとって大切な菌です。

ビフィズス菌と聞くとヨーグルトから摂取できるといったイメージがありますが、実は腸内環境を土台から整えるためには、ヨーグルトの善玉菌だけでは足りないのです。それはどういうことなのか、次に詳しく説明します。

3-3.腸内環境を整えるには「食物繊維」がポイント

食物繊維

腸内細菌は、大きく分けて「常在細菌」と「通過菌」があります。このうちの常在細菌は腸内に定着する菌で、腸内に住み着く菌の種類は6歳頃までにある程度決まるといわれています。

腸内環境を整えるには、この常在細菌を大切に育てていかなくてはなりません。ヨーグルトやサプリメントで多くの善玉菌を摂取しても、自分が持つ常在細菌と違う種類であれば、腸内に定着できないのです。

そこで大切なのは、自分が持つ常在細菌の中の有用菌を元気にすることです。

有用菌を元気にするためには「食物繊維」を摂ることがキーポイントになります。食物繊維は腸内の有用菌を育てる役割を持っており、積極的に摂ることで腸内環境を整えることができます。

ちなみに、一昔前では食物繊維は体に吸収されないことから、重要な栄養素ではないと考えられてきました。しかし現在ではたんぱく質やビタミンと同じように貴重な栄養と捉えられ、「第6の栄養素」ともいわれています。

4.お腹の張りを改善するカギはシンバイオティクス

年代や性別を問わず、お腹の張りを改善するために意識してほしいのが「シンバイオティクスを毎日摂る」ということです。

例外的に、先にお伝えした小腸内異常増殖症候群(SIBO)の場合は、シンバイオティクス 食品によって逆に、お腹の張りが悪化します。
こうしたケースは、特殊な治療食(低FODMAP食)が必要になるため、消化器内科を受診し相談をしましょう。

シンバイオティクスとは、プロバイオティクス食品とプレバイオティクス食品を合わせて摂取することです。

プロバイオティクスは、有用菌そのものを直接摂ることができる食品のことをいいます。そしてプレバイオティクスは、腸内の有用菌のエサとなり培養できる食品のことであり、主に食物繊維とオリゴ糖をいいます。

シンバイオティクスを摂るということは、乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌に加えて、食物繊維やオリゴ糖などを摂ることになります。まずはこれらの栄養が含まれるプロバイオティクスと、プレバイオティクスについて詳しく見ていきましょう。

4-1.プロバイオティクス

ぬか漬け

プロバイオティクスとは、有用菌そのものを摂ることができる食品のことです。

具体的には次のようなものが当てはまります。

・ぬか漬けをはじめとした発酵食品、漬物、キムチ
・納豆
・味噌、醤油、お酢などの発酵調味料
・ヨーグルト など

こう見るとプロバイオティクスは、日本人が昔から食べている食品・食材が多いことがわかります。毎日スーパーでヨーグルトを買わなくても、納豆やぬか漬け、味噌といった和食を摂ることにより、自然とプロバイオティクスを摂取できるのです。

4-2.プレバイオティクス

サツマイモ

プレバイオティクスは、主に食物繊維とオリゴ糖をいいます。先述した通り、食物繊維やオリゴ糖には腸内の有用菌を育てる役割があります。プレバイオティクスを多く含む食材は次のようなものです。

・イモ類
・海藻類
・豆類
・りんごやプルーン、バナナ
・穀類 など

これらのプレバイオティクスを摂らないと、せっかく自分が持っている常在細菌をうまく育てることはできません。

とくに現代人は、食物繊維が不足がちといわれているので、これらの食材を日頃から積極的に食べるようにしましょう。

4-3.シンバイオティクス食を摂るためのコツ

和食

腸内環境を整えるには、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を組み合わせたシンバイオティクスの摂取が大切です。

一見難しそうに聞こえますが、シンバイオティクスを日常的に摂るには、以下のような工夫をするだけでも大丈夫です。

・普段の朝食をパン食から納豆ご飯にワカメの味噌汁といった和食にする
・ヨーグルトにフルーツを入れる
・グラノーラにヨーグルトをかける
・白いご飯ではなく雑穀米や分づき米にし、発酵食品と一緒に食べる
・塩麹や味噌など発酵調味料を使って野菜やキノコなどを調理する

「腸内環境を整えるにはヨーグルトが一番」といったイメージもありますが、食物繊維を摂らずにヨーグルトだけ摂っていてもあまり意味はありません。

普段の食生活に食物繊維のあるものを意識して加え、そこに善玉菌をプラスすることで、やっとお腹の環境は整いだすのです。

5.食物繊維と有用菌でお腹の張りをスッキリ

お腹の張りは放っておくと困った事態を起こすこともあります。

実は筆者も以前、急にお腹周りが出てしまい、体重は増えていないのになぜだろうと思ったことがありました。

しかしそれはガスが溜まっていることが原因で、一時的にぽっこりしていたのです。お腹の張りは見た目にも影響するため、いつまでも女性らしくありたい人にとっては気になりますよね。

お腹の張りは、あなたの腸内環境が乱れていることを示すサインでもあります。

普段から和食よりも洋食が多かったり、イモ類や海藻類を滅多に食べなかったりする人は、まず食生活を見直すことが大切です。

今日から積極的に食物繊維と有用菌を意識して摂るようにし、弱っている腸内を元気にしてあげましょう。

監修:内科医 桐村里紗

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和重 景

【ライター】

主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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