こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

歯磨きをしているときに歯茎が傷ついたり、出血したりしたことはありませんか?

筆者は、少し前までは歯茎から出血することはほとんどなかったのですが、ここ最近はちょっと歯ブラシが強くあたっただけでも出血してしまうことがあります。

鏡で歯茎をチェックしてみたところ、きれいなピンク色だった歯茎の一部が白っぽくなっていたのです。

さらに
「歯が長く見える…」
「歯の根元部分に隙間がある」
「食べ物が挟まる」

年齢とともにこうした症状も感じるようになってきました。

年齢を重ねると、歯茎が痩せてきたと感じる方も多いのではないでしょうか。

お肌や体の健康には気をつける方は多いと思いますが、歯茎をはじめ、お口の健康をおろそかにしていると食べ物をうまく食べることができなかったり、見た目にも悪い影響を及ぼす可能性があります。

では、歯茎が痩せてしまったらもう元に戻らないのか、これ以上悪化しないためにできることはないのでしょうか?

今回は歯茎の役割や痩せてしまう原因、歯茎が痩せてしまうのを予防する方法、そして歯科医院でできる治療について詳しくご紹介します。

1.最初に知っておこう! 歯茎とは?

歯茎とは、歯を支え、守る歯周組織の一部で、唯一目に見える部分です。歯のくびれの部分と歯を支える歯槽骨を覆っています。歯茎と呼ばれる範囲の境界を歯肉歯槽粘膜境といいます。

健康的な歯茎は、血流が良いため、ピンク色で歯にしっかりとくっついています。

歯茎の構造は、3つの部分に分けることができます。

歯茎の構造

・乳頭歯肉:歯と歯の間の歯茎です。デリケートな部分であるため、磨き残しがあるとすぐに腫れしまいます。

・辺縁歯肉:歯のくびれの部分を取り囲むように存在している歯茎で、歯や歯槽骨には接していません。辺縁歯肉と歯の間に作られる隙間が、みなさんも聞いたことがある「歯周ポケット」です。健康な歯周ポケットの深さは2㎜以内とされています。

・付着歯肉:辺縁歯肉から歯肉歯槽粘膜境までの部分のことです。歯槽骨にしっかりとついているので硬く、歯茎の大部分を占めています。

2.歯茎をチェックしてみましょう

歯茎チェック

見た目で歯茎が痩せていると感じても、実際に歯茎が痩せた状態であるかわかりにくいですよね。

ここでは、歯茎が痩せた状態であるのかチェックしてみましょう。

・周囲に比べて長く見える歯がある
・歯茎に近い部分が変色している歯がある
・冷たい食べ物や飲み物がしみることがある
・歯の間に食べ物が詰まりやすい
・言葉を発する際に空気が漏れている感じがする

これらの項目に2つ以上該当するようであれば、歯茎が痩せてきているといえるでしょう。

3.歯茎が痩せる原因は?

「歯茎が痩せてきた」と表現することが多いと思いますが「歯茎が痩せた」と感じる症状のことを専門用語では、「歯肉退縮」(しにくたいしゅく)といいます。

40代後半の半数以上の方が、歯茎の衰えを感じているといわれいます。

歯が痩せてしまう原因はさまざまですが、ここでは代表的な5つの原因についてみていきましょう。

3-1.歯周病

歯肉が痩せてしまう原因でもっとも多いのが歯周病です。歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨である歯槽骨が少しずつ溶けていきます。歯槽骨が溶けてしまうことによって、それを覆っている歯茎も後退していきます。

また、歯周病の原因は、歯周病菌による感染だけでなく、動脈硬化が関連します。
歯肉の動脈硬化により血流が低下すると、歯茎が痩せる原因になります。

3-2.間違った歯の磨き方

歯ブラシ

歯磨きを行わないと歯周病や虫歯になり、歯が抜けてしまうことがあります。そうならないためにしっかり力を入れて歯を磨く…という方もいらっしゃるでしょう。しかしそれは、逆に歯茎が痩せてしまう原因となる可能性があります。

歯肉はデリケートな粘膜の組織であるため、力任せに歯を磨くことで歯茎を傷つけてしまいます。

歯茎が傷ついてしまうことで歯周組織が破壊・摩耗し、歯肉の退縮が起こってしまうことがあるのです。

3-3.食いしばり・歯ぎしり

歯の食いしばりとは、歯を食いしばってしまう癖のことです。自分では歯を食いしばる癖がないと思っていても、実は就寝時など無意識のうちに歯ぎしりをしている方も少なくありません。

人の噛む力は男性で平均約60kgもあるといわれており、無意識の食いしばりによって歯や歯肉に過度な力がかかり、歯茎が痩せてしまうことがあります。

3-4.噛み合わせが悪い

噛み合わせが悪く、歯の一部分に先にご紹介したような食いしばりの影響が出て、歯茎が痩せてしまうことがあります。

噛み合わせが悪い原因は生まれもっての歯並びもありますが、治療した被せ物の噛み合わせが悪い場合や歯が抜けてしまったことで噛み合わせが変わってしまうような場合もあります。

3-5.加齢

正しい歯磨きを行い、歯周病でない場合であっても、年齢とともに歯茎が痩せてくるといわれています。

動脈硬化の進行による血流低下などが関連していると考えられます。

しかし、加齢現象だけで最終的に歯の根っこが見えてしまうほど下がるということではなく、歯周病などの原因を合併して進行します。

4.歯茎が痩せてしまうとどんな影響があるの?

歯茎が痩せてしまうことで、どんな影響があるのかご存じでしょうか?

ここでは歯茎痩せが引き起こす影響について、詳しく解説します。

4-1.見た目

歯茎が痩せると歯茎が覆っていた歯の根の部分が見えてくるため、歯が大きく見えてしまいます。

また、歯の根は歯の頭の部分と比べて細いため、隣の歯との隙間が大きく開いてしまいます。そのため、とくに前歯の歯茎が痩せてしまうと見た目に大きく影響します。

4-2.知覚過敏症

先にご紹介したように歯茎が痩せてくると歯の根の部分が露出します。歯根部分にはエナメル質がないため、象牙質がむき出しの状態になります。

象牙質には歯の神経に通じる道があるので、神経に刺激が伝わりやすく知覚過敏を招きます。

4-3.虫歯

虫歯

歯の頭の部分はエナメル質という硬いもので覆われていますが、歯根部分は本来、歯茎や歯槽骨の内側にあるため、エナメル質のような硬いもので保護する必要がありません。

歯根部分はエナメル質よりやわらかいセメント質で覆われているのですが、虫歯の原因である虫歯菌の生成する酸に弱く、虫歯になりやすいのです。

4-4.歯周病

歯茎が痩せている部分は歯磨きの際、磨きにくかったり、歯ブラシの毛先の刺激に弱かったりします。そのため、歯茎が腫れたり、さらに痩せたりしやすい状態にあります。歯周病を進行させてしまう可能性があります。

4-5.歯が抜けてしまう

歯茎が痩せているということは、歯茎の内側にある歯槽骨も痩せていることになります。歯槽骨の減少が続くと歯を支える骨が減ることになり、結果として歯がぐらついてしまいます。

4-6.入れ歯が合いづらくなる

入れ歯は歯茎の土手(凸凹)を利用して安定させるので、歯茎が痩せると入れ歯が合いづらくなります。

将来歳を重ねて入れ歯治療が必要となったときに、治療の難易度が高くなってしまう可能性があります。

5.自分でできる歯茎痩せの予防法

歯を磨く女性

毎日しっかり歯磨きをしていても、歯茎が痩せてしまうことがあります。そうした場合は、いま行っているケアを見直すことをおすすめします。

毎日お口のケアを正しく行うことが、歯茎痩せの一番の予防法です。

基本として1日2回以上は、正しい方法で歯をブラッシングしましょう。歯肉退縮に効果のある洗口液や歯磨きを使うことも、予防には効果的です。

また歯茎を健康にするためには、音波歯ブラシ・超音波歯ブラシの使用もおすすめです。

歯間ケアは必須です。ブラッシングとフロスを毎日行いましょう。さらに、歯ブラシや歯間ケアでは洗い残してしまう、歯周ポケットには、水流洗浄器がおすすめです。

それらを行った上で、定期的に歯科医師に診てもらうと良いでしょう。

また、日頃から自分のお口を観察することで、歯茎の変化にも気づくことができるでしょう。

▼医師が教える正しい歯の磨き方

https://wellmethod.jp/bad_breath/

6.歯科医院ではどんな治療をするの?

デンタルクリニック器具

歯茎が痩せて出血したり、気になることがある場合は、必ず歯科医院を受診してみましょう。

歯科医院では、歯茎が痩せる原因によってさまざま治療を受けることができます。

6-1.歯磨きの指導

誤った歯磨きをしていることが歯茎を痩せさせている原因の場合は、正しい歯磨きの方法を身につける必要があります。歯科医院では正しい歯磨き方法の指導を受けることができます。

歯周病が原因で歯茎が痩せている場合は、歯周病ケアを行います。

6-2.歯周病治療

歯石や磨き残しなどが歯に付着していると、歯周病を起こしてしまいます。歯周病も歯茎を痩せさせる大きな原因の一つです。

歯科医院で歯石を取り除き、歯をきれいな状態に保つことで歯周病の進行を抑え、歯茎を守ることができます。

6-3.マウスピース

マウスピース

歯ぎしりや食いしばりなどの癖が原因の場合は、マウスピースを使用して歯にかかる負担を軽くします。また、歯ぎしりや食いしばりなどの癖を治すことがとても大切です。

6-4.矯正歯科治療

歯ならびが原因で歯茎が痩せている場合は、歯ならびを治すことが効果的です。

費用がかかる上に、大人の歯列矯正はかなりのストレスと労力を要するため、信頼できる歯科医と十分に相談した上で、治療の是非を判断しましょう。

7.歯茎痩せを予防して、おいしい食事を楽しみましょう!

華やかな食事

40代になり、若いときに苦手だった食べ物が大人になるとおいしいと感じることが増えてきました。

いままで食べたことがないものや、なかなか行くことができなかったお店へ行って食事をするグルメツアーが私の夢でもあります。

歯茎が痩せてしまうと歯茎からの出血や知覚過敏が起こりやすくなります。そうしたお口のトラブルによって大好きな食べ物が食べれなくなったり、おいしい飲み物が飲むことができなくなったりするのは悲しいですよね。

年齢を重ねていくなかで、若いときと比べると体の変化はどうしても起こります。その変化を受け入れながら、いかに自分らしく、そして生き生きと毎日を過ごすことができるかがとても大切ですよね。

40代になって、これからの人生、どのように過ごしていきたいのか考えることが多くなりました。

まだまだ人生、これから楽しみはたくさんあります!

一昔前に「芸能人は歯が命」というテレビコマーシャルが流行りましたが、その言葉って芸能人だけではなく、私たちにも当てはまることかもしれませんね。見た目以上に、体のために歯と歯茎の健康を保つことは重要です。

同じような悩みをお持ちの方、一緒に自分のペースでできる健康的な生活をはじめてみませんか?

監修:内科医 桐村里紗

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和重 景

【ライター】

主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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