こんにちは。
医師で予防医療スペシャリストの桐村里紗です。

今年は最大10連休にもなるゴールデンウィーク。
でも、このご時世、海外旅行には二の足を踏むし、国内旅行の計画もなかなか立てづらくて予定がない人も多いのでは?

社会が混乱している今、誰もがストレスにさらされています。
計画を立てるのも、好きでなければ疲れます。
ぜひ、ここは気ままに、ぶらっと近場の癒しスポットに行って、心身を解放しましょう。

おすすめは、森林です。
日本は、どの地域にも山があり、森がありますね。

1.森に行こう! 森林セラピー

GW森林セラピー 水源

私自身、最近、山から水が湧き出る水源を求めて、源流域に行くことが多いです。

最近、拠点にしている鳥取県には、国立公園として守られている、この土地の霊山・大山があります。
サントリーやコカコーラのミネラルウォーターの採水地でもあり、豊富な水を抱く山です。
元々はスキー場があったエリアなので、冬は雪に閉ざされ、とても静かです。

すっぽりと雪に覆われた水源に、スノーシューを履いてわけいると、山肌から静かに水が湧き出る水源が現れます。
その水を身体に取り入れて、水源に身を置くと、山との境がなくなり自分が山と一体になったような感覚になります。

しんと静かな冬を経て、雪解けの春には、そこかしこで山がゴソゴソと起き出す音が聞こえ始めます。
太陽と雪解け水が、蕗のとうやセリなど、春の野草を育みます。

そして新緑が美しい5月は、登山に最適な季節に。

森林には、さまざまなセラピー効果が確認されています。
特にストレス状況下で、免疫機能を維持することが必要な今、森林に行くことは私たちの健康維持のサポートに最適です。

2.森林セラピーはこんな人にお勧め

ストレスを感じている女性

森には、素晴らしい癒しの力があります。

特に、普段の生活の中でストレスを感じている人、それによって、ネガティブになっている人やることが山積みで頭がパンクしそうな人行き詰まっている人追い込まれている人何かに囚われている人

そんな人は、色々考えるよりも、まず、森に身を委ねてみてください。

3.森林セラピーとは

GW森林セラピー

森林セラピーとは、森林セラピーは医学に裏付けされた森林浴効果をいいます。
森林を利用して心身の健康維持や増進、疾病の予防を行うことを目的としています。

(国研)森林総合研究所などの研究によって、現在、さまざまな森林セラピー効果が確認されています。

代表的なものとして、
・ストレス反応の低下
・交感神経の抑制と副交感神経の活性化
・血圧の低下や心拍数の減少
・緊張の緩和と活力の回復
・大切な免疫機能の増強
・フィトンチッドと呼ばれる木々の分泌する生理活性物質による効果
などです。

1)自然免疫:NK細胞活性が高まる

NK細胞

2泊3日の森林浴をしたところ、1日で27%、2日で53%、NK細胞活性が高まるという報告があります。

NK細胞とは、私たちに自然に備わる自然免疫の要で、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を見つけて、すぐさま攻撃する働きがあります。

2)交感神経が落ち着く

ストレスがかかると、交感神経が活発に働きます。
森林浴をすることで都市部にいるときに比べて交感神経活動が低下し、ストレスが緩和されることがわかっています。

3)ストレスホルモン・コルチゾール抑制

ストレスがかかると、ストレスホルモン・コルチゾールが副腎皮質から分泌されます。

森林を歩行することで、都市部を歩行することに比べて、唾液中のストレスホルモン・コルチゾールが減少することが確認されています。

4)血圧の低下

血圧や脈拍は、ストレスがかかると上昇します。

森林浴をすることで、都市部に比べて、血圧や脈拍が低下する傾向があります。
いずれも、森に身を委ねることで、交感神経の興奮が抑制されて、リラックスできることからだと考えられます。

5)森林の香りフィトンチッドの効果

GW森林セラピー

森の植物から分泌される天然の香りの成分・フィトンチッド。

植物が天然に分泌する抗菌成分で、病原性の微生物に対抗するために植物から分泌されます。
α-ピネンやリモネンやカンフェンなどの成分が確認されています。

フィトンチッドの効果として、
・脳をα波にして緊張を鎮める
・自律神経のバランスを整える
・不眠を改善する
・ストレスホルモンを減少させる
・呼吸を整える
などが確認されています。

※日本衛生学会 森林医学研究会 より

6)多様な生物に触れられる

それに加えて、安心安全な環境で、自然の中にいる多様な生物に触れることができます。
生物とは、木々などの植物、森の動物に加え、多様な昆虫、多様な微生物を含みます。

今、都市では殺菌消毒が徹底されています。
でも、人は、多様な常在微生物、多様な環境の微生物と共生することで、心身の健康を保っています。
常在微生物の多様性が健康には不可欠です。

そのためには、幼少期に多様な環境の微生物と触れ合うことが大切です。
多様な微生物と触れ合うことで、免疫機能が適正に育まれます。

そもそも、全ての生物の祖先は、36億年前に誕生した微生物ですから、私たち新参者は微生物だらけの世界に後から誕生したのです。
微生物が環境にいる前提で生まれてきたというのが真実です。

ただし、今は、感染対策で殺菌消毒しなければいけないシーンもあります。だからこそ、生涯の健康のために、子供達を安心安全な自然の中に連れ出して、多様な微生物に触れさせてあげて欲しいのです。

4.森へ行こう!

日本の国土の70%は、美しく豊かな森林です。
さて、実際に森に行ってみましょう!

GW森林セラピー

4-1.林野庁おすすめ国有林 日本美しの森 

林野庁では、全国の国有林の中に「レクリエーションの森」を整備しています。
この中から、林野庁おすすめの森を「日本美しの森 お薦め国有林」として選定しています。

全国の森の検索ができますから、ぜひ行きたいエリアの森を検索してみてください。

4-2.服装をチェックしよう

ゴールデンウィークといっても、山は冷え込みます。
地域によって、また、その日によって気温や天候が違いますから、天候は必ず確認しましょう。

慣れていない人にとって、心地よく過ごせるのは、やはり温かい晴れの日です。
無理をして雨の寒い日に山に出かけても、ストレスになってしまうかもし知れません。

重ね着をして、体温調節できるようにしましょう。
汗をかいて冷えると、体温が奪われますから、通気性の良い素材のインナーがお勧めです。
羽織を用意して、気温によって脱ぎ着できるようにしましょう。

靴はトレッキングシューズが良いですが、軽い山歩きならスニーカーでも対応できます。
滑らない底のものが良いですね。

・上着:速乾性のインナー、長袖シャツ、寒さ対策に羽織
 (気温によっては厚手のものを、水は通しにくい素材が安心)
・下:パンツやサポートタイツ
 (スパッツはあった方がベター)
  ソックス(クッション性のあるもの)
  帽子
  雨具
・その他:
  タオル
  飲物
  トレイルナッツなど食べ物
  日焼け止め

4-3.日焼け止めは塗っておく

日焼け止めを塗る

5月は最も紫外線が強い季節です。
森林で日陰があっても、もし標高の高いエリアに行けば、その分日差しが強くなります。
日焼け止めは油断せずに塗っておきましょう。

下山したら、WELLMETHODオールインワンゲルでたっぷりの保湿ケアもお忘れなく。

https://www.daicel-shop.jp/products/detail/67?utm_source=wellmethod&utm_medium=gw_forest_therapy&utm_campaign=wellmethod

5.まとめ

GW森林セラピー

今、考えることがたくさんある社会情勢です。
大人だけでなく、繊細な子供たちが、かなり追い込まれていると感じます。

そんなとき、ストレスのある環境にいては、なかなか解決できません。
ぜひ、一旦、その環境を離れて、自然の中に身を置いてみてください。
人間の小さな頭で考えても解決できなかったことは、自然が解決してくれます。

パソコン、スマホから、ちょっと離れて、森の中で自然と対話してみてください。
森の香り、木々のささやき、新緑の鮮やかさ、水の甘味、土の肌触りはどうでしょう。
五感を開いて、自然の懐に抱かれることで、硬くなった心身が解放されることを感じられると思います。

この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか