髪がうねってまとまらない! 梅雨を乗り切るための髪の湿気対策10つ
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
今年も梅雨のシーズンになりましたね。
梅雨といえば湿気によるあのジメジメとした感じが苦手という方もいらっしゃると思います。
湿気が多い時期は、体調不良やカビなど注意しなければいけないことがたくさんありますよね。
それに加えて多くの女性を悩ますのが湿気によってまとまらない髪ではないでしょうか。
筆者もその一人です。
雨の日は髪がうねったり、広がったり…。
朝忙しいにもかかわらず、思うようにまとまらない髪のセットに時間を取られイライラ。
最後はあきらめてテンション低めで仕事に向かうなんて日々を過ごしていました。
しかし正しい湿気対策を知っていれば、まとまらない髪にイライラすることは少なくなります。
日本に住んでいる以上、毎年訪れる梅雨は避けては通れません。今年の梅雨はそんな髪の湿気問題を解決して、毎日楽しく過ごしたいですよね。
コロナ禍でおうち時間が増えたいまだからこそ、湿気に負けないヘアケアを試してみましょう。
今回は髪質や悩み別におすすめの髪の湿気対策についてご紹介します。
目次
1.湿気で髪がまとまらないのはなぜ?
梅雨は雨の日が多いため、部屋の湿度も上がります。
湿気が多いと、部屋の湿度が上がるのと同じように、髪も多くの水分を吸収してしまいます。
髪に水分が多く吸収されると、髪が膨張してまっすぐな状態を保つことができなくなり、うねったり広がったりして髪がまとまりにくくなってしまうのです。
しかし中には梅雨の時期でも関係なく、髪がまとまっている方もいます。このような違いの一つとしてあげられるのが髪質や髪の状態です。
1-1.髪が水分を吸収するため
髪の毛は、水分を吸収しやすい髪質と吸収しにくい髪質があります。
水分を吸収しやすい髪質の場合は、雨の日や梅雨になると湿気の影響を受け、髪の内部の水分量が増え、水分バランスが崩れてしまいます。
そのため、髪が膨張し、まっすぐな状態を保てなくなるため、髪の毛が広がったりうねりが発生しやすくなります。
特に、くせ毛や猫っ毛の方が水分を吸収しやすいとされています。
1-2.カラーやパーマなどによるダメージ
髪の表面は、「キューティクル」といわれる、うろこ状のタンパク質で覆われています。
キューティクルには髪内部の成分や水分を保ったり、空気中の水分を髪の内部に入り込まないようにする役割があります。
しかしカラーやパーマを繰り返し行うことで髪がダメージを受け、キューティクルが痛んでしまいます。
健康な髪のキューティクルは、外部からの湿気や水分が髪の内部に入り込まないように閉じているのですが、痛んでいる髪はキューティクルが剝がれていることが多く、髪の内部に水分を多く吸収してしまいます。
その結果、髪が膨張し、うねったり広がったりしてしまうのです。
また髪がダメージを受ける原因はカラーやパーマだけではありません。
・アイロンやコテなどの熱によるダメージ
・ブラッシングや枕などで起こる摩擦によるダメージ
・陽射しなどを浴びることで起こる紫外線ダメージ
このようなダメージが髪に蓄積すると、髪の表面を覆っているキューティクルが傷つき、湿気によるさまざまな悩みを引き起こしてしまいます。
2.湿気対策①毎日行うヘアケアのポイント
1章では、なぜ髪が湿気によってまとまらないのかをご紹介しました。
以下の章では、いまからできる髪の湿気対策についてご紹介します。
まずは毎日行うヘアケアについてです。
ここでご紹介するポイントは、どんな髪質や髪型の方にも共通しますのでぜひ取り入れてみてください。
2-1.シャンプー
正しいシャンプー方法を実践することで、健康的な髪や頭皮へと導くことができます。
1. シャンプーをする前に髪のからまりや汚れをしっかりと落とすようにブラッシングをする。
(無理にからまりをとるために力を加えるのはNG)
2. 1分以上時間をかけて、ゆるま湯でしっかり予洗いをする
3. シャンプーをつける前に、髪の水気をある程度切る
4. シャンプーを適量手に取り、指の腹を使って頭皮をマッサージをするように洗う
5. ぬるま湯で時間をかけてシャンプーを洗い流す
▼乾燥が原因でフケが出る! 頭皮の正しいケアとシャンプーの選び方
https://wellmethod.jp/dandruff-and-dry/
2-2.トリートメント
髪のダメージや湿気によるうねりが気になる方は、トリートメントをしっかり髪に浸透させることが大切です。
トリートメントを髪に揉みこむようにつけたら蒸しタオルなどで髪を包みましょう。
こうすることで髪の内部へ浸透しやすくなります。
髪を包む時間は10分程度が目安です。
洗い流しは、余分なぬるつきが取れ、髪がしっとりするところで終えるようにしましょう。
2-3.ドライヤー
髪は、根本からきちんと乾かすことが重要です。
頭皮には、細菌やカビの一種を含むさまざまな常在菌が存在しており、普段はこれらの菌の力で頭皮環境が保たれています。
しかし、濡れた髪や頭皮を自然乾燥させると、高温多湿な状態が続き、常在菌が過剰に繁殖し、頭皮の臭いの原因になります。
また臭いだけでなく、頭皮環境が悪化し、フケやかゆみ、抜け毛などのトラブルに繋がりやすくなります。
また、ドライヤーをかける前に、しっかりとタオルドライをしましょう。ゴシゴシと擦ると髪の痛みの原因になりますので、優しくタオルで髪を包むようにして、水分を吸わせます。
こうすることで、ドライヤーの時間短縮にもなりますし、熱によるダメージも防げます。
また、髪のボリュームを整えるためには、ドライヤーをかける前にヘアオイルやクリームをつけましょう。
ヘアオイルやクリームにはドライヤーによる摩擦や熱のダメージから髪を守ったり保湿したりする役割があります。
また髪のパサつきや広がりを抑えてくれる効果が期待できます。
ドライヤーをかける際は、うしろから前へ、髪を流しながら風を当てて乾かしましょう。
また、ボリュームを抑えたい方は上から下へ、反対にボリュームを出したい方は下から上に風を当てるようにします。
暑い夏場は、ドライヤーの時間が憂鬱になりがちですが、しっかりと乾かすことが重要です。
タオルドライをしっかりとし、ドライヤーの時間を短縮させる、または温風と冷風を組み合わせながら髪を乾かすと、夏場のドライヤータイムを快適に過ごすことができます。
2-4.ブラッシング
ブラッシングは、美しい髪をつくるのに大切です。
濡れている髪をブラッシングすることでキューティクルが剝がれやすくなるため、ある程度髪が乾いてからブラッシングするようにしましょう。
また乾いた髪をブラッシングすることで髪にツヤを出すことができます。髪のケアにおすすめのブラシは、豚や猪の毛で作られた獣毛ブラシです。
柔らかい髪質の方には豚毛、硬い髪質の方には猪毛がおすすめです。どちらも頭皮に適度な刺激を与えることで血行を良くし、まとまりやすい髪に仕上げてくれます。
次にツヤを出すための正しいブラッシング方法についてご紹介します。
1. ブラシの柄を握り、人差し指はブラシの背の部分にのせます。
2. ロングヘアの方や髪のからまりがある場合は、からみやすい毛先から徐々にとかして、髪のもつれやからまりをとります。
(無理やり力を加えて、髪の毛を引きちぎらないように注意)
3. 髪は頭頂部から毛先に向かってとかします。このときブラシのすべての毛が頭皮にあたるようにするのではなく、ブラシの端・全体・反対の端の順に手首を返すようにとかしていきます。
ブラッシングは「優しく」とかすことが基本です。
ブラシの毛が頭皮に当たったときに気持ち良いと感じる程度の力加減にしましょう。
また何度も同じ部分をブラッシングすると頭皮を傷つけてしまうこともあるため注意しましょう。
3.湿気対策②ヘアスタイリングのポイント
忙しい朝に時間をかけてスタイリングをしても少し時間が経つとまたすぐに髪が広がったりうねったりしているなんてことも多いですよね。
そんなストレスを解消すべく、湿気に負けないスタイリングのポイントをご紹介します。
3-1.前髪のスタイリング
前髪をセットするときはしっかりブローをすることが大切です。
そのあとヘアアイロンをお持ちであればヘアアイロンで髪を整えましょう。
普段、前髪しかヘアアイロンを使用しない場合には、小さいタイプの方が細かい毛も掴みやすく使用しやすいです。
また、ヘアアイロンを使用する場合には、やけどには注意しましょう。
1.ヘアアイロンによる髪の痛みに注意
コテやヘアアイロンは、乾燥によるキューティクルへのダメージや、タンパク質の熱変性(タンパク変性)があります。
・乾燥によるキューティクルのダメージ
キューティクルは、コテやヘアアイロンによるスタイリングだけでなく、ヘアドライヤーでも剥がれたり傷ついたりしきます。
またキューティクルの性質として、濡れると開き、乾くと閉じ、髪内部の成分や水分を守る役割があります。
・タンパク質の熱変性(タンパク変性)
髪のほとんどはタンパク質でできているため、熱を与えすぎると固まってしまいます。(タンパク質の熱変性)。
髪内部のタンパク質が集まって固まってしまうと、あちこちに埋まらない空洞ができてしまい、髪が濡れてキューティクルが開くたびに、髪内部の成分や水分が流れ出しやすくなります。
そのため、高温で長時間コテやヘアアイロンを髪に当て続けることは、髪が痛む原因に繋がります。
しかし、温度が低すぎると、逆に髪のスタイリングが定着しにくいため、低温でじっくりと当て続け、摩擦で髪が痛んでしまうことも。
そのため、猫っ毛やダメージが目立つ、湿気の影響を受けにくい方の場合は150℃以下、くせが強く髪が太い、ヘアカラーやパーマも未経験、湿気が多いと膨らみやすい硬い髪質の方は180℃前後からはじめてみて、髪の状態を見ながら痛まないように温度を調節し、スタイリングをするようにしましょう。
<前髪のスタイリングの手順>
1. 髪の根元を濡らし、くせを直す
2. 髪の根元部分を指の腹でこするようにしてドライヤーで乾かす
3. ブラシで整える
4. コームとヘアアイロンを使用して、好きなスタイリングに整える
好きなスタイリングに整えた後は、髪をセットする必要があるのですが、髪には優しい素材を使用したいですよね。
ちなみに、WELLMETHOD編集長の栗本編集長は、手の保湿にも使用できるオーガニックなシアバターバームを愛用しているとのこと。
手にも肌にも頭皮にも優しい素材を使用することで、いつものスタイリングの時間がご自愛タイムになりますね。
3-2.ヘアアレンジ
くせ毛が強く、ブローをしても髪がまとまらない方は、ヘアアレンジがおすすめです。
とくに編み込みや三つ編みなどのアレンジは、髪の広がりやうねりの悩みを解消することができます。
ヘアアレンジに慣れていないという場合には、まずはハーフアップやお団子ヘアなどからチャレンジしてみるのがおすすめです。
3-3.ストレートパーマ(縮毛矯正など)
朝忙しくてセットをする時間がない、髪をおろしたスタイルが好きという方には、ストレートパーマ(縮毛矯正など)がおすすめです。
ストレートパーマをかける時期は、梅雨の少し前くらいがおすすめです。湿気の強い梅雨の間も快適に過ごすことができます。
ストレートパーマには、薬剤を髪に塗布したあと、ブローやアイロンをどのようにいれるかにより、様々なレベルがあります。
一般的に、最初の薬剤の後、ストレートブローとアイロンで髪を伸ばした後、ふたつ目の薬剤を使うタイプを「縮毛矯正」と呼ぶこともあります。
ストレートパーマは、もともとはパーマヘアを楽しんだ後もとに戻す=ストレートヘアに戻す処置から派生したものです。くせ毛やうねり毛をストレートヘアにするためには、アイロンで伸ばす工程があるタイプがおすすめです。
サロンによって、その処置の呼び方は様々ですので、一口に「ストレートパーマ」と言っても、そのサロンで採用している方法がどのようなタイプなのか確認してみると良いでしょう。
縮毛矯正はくせ毛をストレートにするだけではなく、水分を保持する機能を補う効果も期待できるため、梅雨の時期でもサラサラなストレートヘアを実現することができます。
縮毛矯正は半永久に持続力があるといわれていますが、使用する薬剤、頭髪の部位や髪の長さ、くせの強さによってはその限りではありません。
髪の長さがある程度あり、毛量の多い方ですと、髪全体の重みによってもストレートが持続されやすいこともありますが、新たに伸びてくる頭髪は、くせ毛ですので、ストレートヘアを維持しようと思ったら、伸びてきた髪を伸ばす必要があります。
個人差がありますが、3ヵ月~半年おきにかけるのが一般的です。
また、部分的に処置することもできるので、基本的に、2回目以降は、根本のくせ毛の部分に施術をする形になります。薬剤やアイロンの使用で髪が傷みやすい場合も、髪全体ではなく、例えば前髪やサイドだけ、特にくせが気になる部分など、ポイントで使用するのも一つの手です。
4.湿気対策③【悩み別】スタイリング剤の選び方のポイント
梅雨時期のスタイリング剤選びは大切です。
せっかくスタイリングした髪型がすぐに崩れてしまっては、気分も落ち込んでしまいます。
スタイリング剤の種類はとても多くありますが、それぞれ特徴が異なります。
ここでは髪の悩み別におすすめのスタイリング剤をご紹介します。
4-1.髪の広がり
髪の広がりを防ぐためには、髪に潤いを与えることが大切です。
2章の「ドライヤー」で紹介したように、タオルドライ後にヘアオイルやクリームを取り入れることで、髪に湿気が入り込む隙間がなくなり、広がりを抑えることが期待できます。
4-2.猫っ毛
湿気によって広がりが気になる方がいる一方、髪がぺたんこになってしまうという悩みを抱える方も多くいます。
髪にハリやコシがなかったり髪が細い猫っ毛の方は、ヘアオイルを使用するとオイルの重みんよって逆にぺたんこになってしまうので控えましょう。
ブローする場合は下から上にドライヤーの風を当てながら、最後はキープ力がソフトなヘアスプレーを全体にかけてあげましょう。
4-3.パーマがきまらない
パーマスタイルの方は、ヘアオイルやクリームは髪全体のボリュームを抑える時には良いのですが、自然な巻髪をつくりたい場合にはスタイリング剤が重みとなり、向いていません。
髪全体のボリュームを整える時にはヘアオイルやクリームをタオルドライ後に使用し、自然なふんわりとした巻髪をキープするには、前述しましたオーガニックなシアバターバームがおすすめです。
4-4.ミスト系のスタイリング剤は?
ミスト系やローション系の水分が多めのスタイリング剤は、梅雨の時期にはおすすめしません。
水系のスタイリング剤はドライヤー前の髪が濡れている時や乾燥が気になる冬など、髪に潤いを与えるのに適しています。
湿気が多い梅雨に仕上げ用として使うと、髪の内部に水分が入り込んでしまうためヘアスタイルの崩れやキープ力の低下に繋がってしまいます。
5.梅雨の湿気対策で健やかな髪を目指しましょう!
私たち女性は、40代以降になると体調の変化を感じやすくなります。
それは体調だけに限ったことではありません。
加齢に伴い髪質や髪の量に変化を感じることも少なくなりません。
だからこそ髪のメンテナンスも必要です。
今回、髪の湿気対策としていくつかの方法をご紹介しましたが、これらのケアは湿気だけではなく季節を通して健やかな髪を育むために必要なケアといえるのではないでしょうか。
よく「髪は女の命」というように、髪が与える印象は大きいといえます。
梅雨のこの時期は、いつもよりも髪のお手入れに時間をかけ、特に丁寧に扱う季節と捉え、ご自分を大切にしてあげてくださいね。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
- 桐村 里紗の記事一覧
- facebook
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか