こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

「足の親指が痛い……」
「親指の付け根が変形している?」
「靴擦れかな?」

痛い、痛いと思いながら、きっとそのうち治るだろうとそのままにしている方はいませんか?

まさに筆者がそうだったんです。痛みに耐えながらお気に入りの靴を履いていたのですが、とうとう親指が悲鳴をあげてしまいました。

足の親指の痛みの原因は「外反母趾」。

外反母趾は痛みはもちろん、見た目も痛々しいため、人前で裸足になるのも抵抗がありますよね。

外反母趾になる原因はいくつもあり、また治療方法もさまざまです。

痛みが再発しないように、自分でできる改善方法もあります。

今回は、日常生活に支障をきたすこともある「外反母趾」についてご紹介します。

1.外反母趾とは?

外反母趾の足

外反母趾とは、足の親指(母趾)が付け根の関節から小指側に曲がり「くの字」になる痛みと変形を伴う病態のことをいいます。

足の付け根の骨が出っ張た状態になるため、靴と接触する部分に痛みを生じます。

また外反母趾が悪化すると、歩けないほどの激痛がはしったり、変形した骨が神経を圧迫して親指がしびれてしまったりと日常生活に支障をきたすこともあります。

2.外反母趾の原因は?

外反母趾の主な原因は、大きく分けて4つあります。
また、外反母趾の原因は一つだけではなく、いくつかの原因が重なって起こることもあります。

2-1.遺伝や性別

母と子

外反母趾は遺伝すると聞くと驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、足の形は両親や近親者からそのまま受け継ぐことが多いのです。

また、外反母趾に悩む方の多くは女性です。

女性が多い理由としては、男性に比べ女性の方が関節が柔らかく筋力が弱いことが挙げられます。
まず、足に体重をかけることで土踏まずがつぶれ、足裏の機能が低下してまうことです。

足の機能が低下すると足の指の筋肉が弱ると、靴など外的な影響を受けやすくなり、外反母趾のリスクが高まってしまいます。

また、女性ホルモンの低下も外反母趾のリスクをあげるといわれています。

なぜなら、加齢によるホルモンバランスの変化がじん帯のたるみを引き起こし、足の変形を招くことが関係しているためです。

2-2.親指が長い

あまり人と足の指の長さを比べることはないかもしれませんが、足の形は全員同じではありません。

足の形は大きく3つに分かれます。

親指が一番長い「エジプト型」、人差し指が一番長い「ギリシャ型」、小指以外の長さがほぼ同じである「スクエア型」の3つです。

この中で最も外反母趾のリスクが高いのは「エジプト型」です。

親指が一番長いために靴の先端に指があたり、圧迫された状態が継続的に起きてしまうため、外反母趾のリスクが高いと考えられます。

2-3.歩き方の問題

歩き方も外反母趾に影響を与える場合があります。

歩幅が狭かったり、足をあげずに地面を擦るように歩く方は、足の筋肉をうまく使えていない可能性が考えられます。

足の筋肉が弱ると、外反母趾のリスクは高まるのです。

なぜなら、足の形を支えている筋肉が機能低下すると、外反母趾だけではなく、足が平べったくなるなどの足の変形が起きやすくなるからです。

2-4.足に合っていない靴を履いている

ハイヒールを履いた女性

ハイヒールを履くと外反母趾になりやすいということは、よく知られています。

しかし、ハイヒール以外にも外反母趾を引き起こしやすい靴があります。それは、足より大きいサイズの靴です。

靴の中で足が動く為、余計な筋肉を使うことになり、足が前滑りすることで足の指が圧迫されます。また、土踏まずが浮いた状態になっているため、歩行時に体重をかけると土踏まずがつぶれて扁平足になり、土踏まずと足の骨による縦と横のアーチが消失してしまうのです。

3.外反母趾の治療法

病院で行う外反母趾の治療は、整形外科で行われます。
治療方法は、「保存療法」と「手術」の2つです。

3-1.保存療法

保存療法は、靴の選び方の指導や足指のストレッチや筋力強化目的とするリハビリ、テーピングやサポーターなどによる矯正です。

3-1-1.靴の選び方の指導

外反母趾の痛みの軽減や変形の進行を抑えるためには、靴選びが大切です。

ヒールが低いもので親指の付け根がフィットしており、指先はゆったりとしたものが推奨されています。

また、土踏まずのアーチを補強するような形のインソールを併用すると良いといわれています。

市販のインソールが合わない場合は、病院でオーダーメイドのインソールを作ることもできます。この場合は、医師の処方が必要です。

靴のインソール

3-1-2.リハビリ

変形の矯正や予防を目的として、足指の筋力強化やストレッチを行います。また、自宅でできるリハビリの方法などの指導も受けることができます。

3-1-3.装具療法

痛みを軽減するために、装具を用いて変形を改善します。

装具は大きく分けて3つあります。

一つ目は痛いところの圧力を軽減する除圧パッド、2つ目は歩行時や夜間に使用する矯正用装具、3つ目は「靴の選び方の指導」でお伝えしたアーチを補強するためのインソールです。

いずれも装着している時は痛みを軽減することができますが、使用を中止すると痛みが再燃する可能性があるといわれています。

3-2.手術が必要な場合

保存療法で痛みが軽減しなかったり、変形が進行してしまったりした場合、手術をすることになります。

手術の術式はたくさんあるため、変形の程度、足全体の形、体型、年齢、関節リウマチなどの合併症の有無、入院できる期間などを考慮し主治医と相談して決めます。

最も一般的な方法は「骨切り術」です。
中足骨の一部を切除することで変形を矯正する方法ですが、切除の仕方はいろいろあります。

4.自宅でできる改善方法

外反母趾の予防や悪化させないためには、自分でできる足指の体操がおすすめです。
体操以外にも足裏に刺激を与えることで、改善が期待できます。

4-1.足じゃんけん

外反母趾を悪化させないためには、足の指や足裏の筋肉を鍛えることが大切です。
足じゃんけんはその名の通り、足の指をまげたり広げたりしてじゃんけんを行います。
右足と左足で同時にじゃんけんすると、一気に両足の指を鍛えることができます。

足指じゃんけん

4-2.タオルギャザー

用意するのはタオル1枚です。
床にタオルを置き、足の指でタオルをたぐりよせます。
いつでもどこでもタオルがあればできるので、おすすめです。

タオルギャザー

4-3.足の裏に刺激を与える

外反母趾の予防や改善には、足指や裏の筋肉を鍛える必要があります。
靴や靴下を履いていると足への刺激が少なくなり、筋力や機能が低下しやすいため、
家にいる時はなるべく裸足ですごしましょう。

裸足で過ごすことが難しい場合は、足の指を自由に動かすことができる5本指靴下がおすすめです。

裸足で過ごす以外で足裏に刺激を与える最適な方法は、ゴルフボールを足裏で転がすことです。

ぜひ、ためしてみてください。

5.正しい靴の選び方

外反母趾に悩む方は、靴選びも慎重にしなければいけません。
痛みや変形の悪化を防ぐためにも、足への負担が少ない靴を選びましょう。

外反母趾の方、外反母趾予備軍の方が知っておきたい靴の選び方をご紹介します。

5-1.幅の合った靴を選ぶ

靴を選んでいる女性

外反母趾は、親指の付け根の関節部分が突き出てしまうため、幅の広い靴を選ぼうとしがちです。

もちろん、幅が狭いと親指の関節部分が圧迫されるため、痛みや悪化を招いてしまいます。

一方で、幅が広すぎる靴は、足の幅をどんどん広げてしまうことで、足の骨による横のアーチを消失させ、外反母趾の原因になります。

適度な幅の靴を選んだ上で、指が自由に動き、窮屈に感じないかを確認することが大切です。
自分に合う幅の靴が分からない場合は、靴売り場で相談してみるのが良いでしょう。

5-2.ヒールが低めの靴を選ぶ

ヒールが高い靴を履くと、つま先立ちをしているような状態が続くことになります。

つま先立ちをすると親指の付け根が「くの字」に曲がるため、関節を圧迫し続け外反母趾の悪化を招く可能性があります。

ヒールのある靴を履くときは、ヒールが低く安定感のあるものを選びましょう。

▼医師が解説するスニーカー生活のススメ

ハイヒールを履いても痩せません! 監修医・桐村里紗の「スニーカーのススメ」

5-3.クッション性のあるインソールを選ぶ

外反母趾の方は扁平足を合併していることが多いといわれています。

土踏まずのアーチがないと足へのダメージをうまく逃すことができないため、足のアーチをサポートできるようなクッション性のあるインソールが必要です。

もし、靴のインソールが硬い場合は、市販のインソールを購入するか、主治医に相談してみましょう。

6.痛みとさようなら! 快適な生活を送りましょう

フットケア

「外反母趾になってもオシャレをしたいから、ハイヒールを履きたい」という方もいらっしゃるかもしれません。

ハイヒールを履かなくても、40代・50代の大人世代の女性はオシャレを楽しむことができます。

最近は色々な種類のスニーカーがあり、色はもちろん生地やデザインも豊富です。

筆者は職業柄よく歩くのですが、スニーカーのかわいさと快適さを知ってからは、ヒールの高い靴の出番は減っています。

外反母趾は、痛みも悩みの一つですが、悪化すると見た目も気になってしましますよね。

まずは家でできることから始めてみましょう。

痛みがひかなかったり、変形が進行している場合は、迷わず医療機関を受診して下さいね。

痛みに顔をゆがめるよりも、痛みとさようならをして快適な毎日を送りましょう。

監修:内科医 桐村里紗

和重 景

【ライター】

主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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