こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

厳しい寒さも落ち着き、暖かい陽射しに包まれる日も多くなってきました。
春はもうすぐそこまで来ていますね。

春になると仕事でも部署異動や転勤、新入社員が入社してきたりと初対面の人と接する機会も多いのではないでしょうか?

また子どもの卒業式、入学式などのイベントを控えている方もいらっしゃると思います。

確かに春はウキウキとした気持ちになるのですが、この時期になると多くの方を悩ませるのが花粉症。

大切なシチュエーションやイベントには、きれいにメイクをしたりといつも以上に身だしなみに気を遣いますよね。

しかし花粉症で目をかいたり肌が荒れてしまい、大切な場面でメイクがボロボロ…。

実は、花粉症に毎年悩まされる筆者は、子どもの入学式から自宅に戻り、鏡で自分の顔を見たとき、あまりにもひどいメイク崩れに落ち込んだという経験があります。

マスク生活が続く中、アイメイクが崩れていると相手に与える印象に影響を及ぼすこともあります。またそれだけではなく、自分自身も落ち込んでしまいますよね。

今回は花粉症でメイク崩れが起こる原因とその改善法についてご紹介します。

1.花粉症になるとメイクが崩れてしまう原因は?

メイクアップ道具

花粉症になるとその多くの方が抱える悩みは、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状ではないでしょうか。

その他にも皮膚のかゆみや赤み、腫れなど皮膚に症状が現れることも少なくありません。

花粉症の症状で涙が出やすくなる上に、皮膚にこうした症状が現れると、肌の状態が悪化している上に無意識に目や鼻・頬をかいたり触ったりすることでメイク崩れが起きてしまいます。

ではなぜ花粉症になると、目や鼻はもちろん皮膚までかゆくなってしまうのでしょうか?

次に花粉症が皮膚のかゆみなどを引き起こす原因について、詳しく解説します。

1-1.肌のバリア機能の低下

皮膚のバリア機能とは、皮膚の表皮にある角層の機能の一つです。角層には外部からの刺激を防ぎ皮膚を保護したり、水分の蒸発を防ぐ作用があります。

しかし気温が低い1~3月は空気が乾燥しているため肌の水分量は低下します。肌の水分量が低下し、乾燥が進むと肌のバリア機能も低下してしまうのです。

また肌のバリア機能は紫外線やストレス、加齢などの影響を受けやすく、バリア機能が低下した皮膚は外部からの刺激を直接受けてしまいます。

すると皮膚はさらに乾燥し、かゆみなどの症状が現れます。

肌のバリア機能の低下

1-2.花粉皮膚炎

みなさまは「花粉皮膚炎」をご存じでしょうか?

花粉皮膚炎とは、花粉に対するアレルギー反応により、皮膚に炎症を起こしてしまう皮膚炎です。

とくに皮膚の薄い目元や頬などの露出部、ケアをする習慣の少ない首回りを中心に症状が現れます。

花粉症の代表的な症状である鼻水や目のかゆみといった症状がなくても、発症することがあります。

花粉症シーズンを迎える前は、冬の乾燥により肌のバリア機能は低下しています。

バリア機能が低下した状態の皮膚に花粉が付着することで刺激になります。
肌から花粉症の原因となる抗原が入り込むことで、肌はアレルギー反応を起こし、かいたり触ったりマスクなどの摩擦によりさらにダメージを受けてしまいます。

2.花粉から肌を守る4つの方法

花粉症によるメイク崩れを防ぐためには、花粉から肌を守ることが大切です。

肌が荒れた状態でメイクをしても、きれいなままメイクを保つことは難しいですよね。
炎症がある肌にメイクをすることで刺激となり、皮膚炎を悪化させてしまう可能性もあります。

春の肌荒れや花粉皮膚炎の予防のために大切な4つのポイントをご紹介します。

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2-1.皮膚に花粉が付かないように保護をする

花粉対策として大切なことは、まず花粉が直接皮膚に付着しないよう工夫をすることです。

花粉が皮膚に付着しないようにするためには、眼鏡やマスクを着用することです。
また首回りにはスカーフを巻くのもおすすめです。

その他にも、クリームなどを塗って保護するのも効果的です。

花粉症メガネとマスク

2-2.洗顔方法を見直す

外出先から帰宅したら、早めに洗顔をして顔についた花粉を洗い流しましょう。

花粉をしっかり落とすためにゴシゴシと力を入れて洗いたくなるかもしれませんが、この時期の肌はとてもデリケートです。

たっぷりの泡で肌を包み込むようにして汚れを落とし、丁寧にすすぐようにしましょう。

洗顔後はタオルをそっと押し当てて水分をとるようにします。

タオルで擦るように水分を拭き取ると、肌への負担が大きくなってしまうため、注意が必要です。

2-3.皮膚を保湿する

第1章でご紹介しましたが、花粉症でメイクが崩れてしまう原因にバリア機能の低下がありました。

バリア機能が低下した皮膚を保湿することで、肌本来のバリア機能をサポートすることができます。

「セラミド」や「ヒアルロン酸」が配合されたスキンケアアイテムがおすすめです。

これらの成分には肌自体の水分量を上げる効果が期待できます。
とくにセラミドは、肌の表面を刺激から守るために欠かせない角質の構造を維持するために欠かせません。セラミドは、肌の外から補うことで角質に届いて働きます。

スキンケアアイテムに含まれるヒアルロン酸は、肌には浸透しませんが、肌表面を保護する働きがあります。

セラミドやヒアルロン酸が配合された化粧水や乳液・クリームを使い、しっかり保湿しましょう。

セラミド

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2-4.腸内環境を整える

最近、腸内環境と肌の状態は密接に関係しているとよく耳にしますよね。

腸内環境と皮膚がなぜ関係があるのか、少し疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
皮膚は私たちの体を作る臓器の一つです。

臓器を作る細胞の原料は体の内側から供給されるため、細胞の周りにある体液や血液の環境が悪化すると皮膚の細胞も劣化してしまいます。

腸内環境が良いと血液環境も良くなり、細胞に十分な栄養を届けることができるのです。

さらに、腸内の代表的な有用菌である酪酸菌は、酪酸という物質を作り出し免疫機能を整え、過剰なアレルギー反応を抑えるために不可欠です。
酪酸菌は、水溶性食物繊維を食べて、酪酸を作り出します。

腸内環境を整えるために大切なことは、有用菌と食物繊維が摂取できるシンバイオティクス食品を毎日積極的に取ることです。

食習慣を見直すことも大切ですね。

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3.花粉症になると化粧はできない?

皮膚トラブルを抱えていると肌の刺激を少なくするために、メイクを控えた方が良いのか迷う方も多いと思います。
当然ながら、メイクをすることで刺激を感じたり、赤みが増す場合は、続けることはNGです。

しかしながら、結論からいうと花粉シーズンもメイクをすることをおすすめします。
その理由は、メイクをすることで皮膚を保護することができるからです。

メイクをせずすっぴんで外出すると皮膚に花粉が付着してしまうため、花粉によるアレルギー反応でより肌トラブルを悪化させてしまう可能性が高くなってしまいます。

しかしメイクをする際に、押さえておきたいポイントがあります。
それはメイク前のスキンケアです。

第2章の「2-3.保湿をする」でご紹介したように、日頃から保湿効果の高いスキンケアアイテムでしっかり皮膚を保湿することが大切です。

4.花粉症におすすめのメイク法

花粉から皮膚を保護する役割があるメイクですが、肌の調子が良いときと同じようなメイクをしていると、肌トラブルを悪化させてしまう可能性があります。

バリア機能が低下した肌には、刺激を抑えたメイクを行うことが大切です。

4-1.ベースメイク

リキッドファンデーション

花粉症の時期のベースメイクアイテムは、粉状のものを使うのは避けましょう。

ベースメイクではパウダリーファンデーションよりも、リキッドファンデーションやクッションファンデーションがおすすめです。

その理由は、粉状のものは細かい粒子に肌が反応していまい、肌荒れが悪化してしまうからです。

ファンデーションによる肌のてかりが気になる場合は、プレストパウダー(※)でそっとおさえましょう。

(※)プレストパウダーとは
プレストパウダーは、パウダーをプレスした固形状のフェイスパウダーを指します。
ルースパウダー(固まっていないサラサラとした粉状のフェイスパウダー)よりも肌への密着度が高いため、カバー力に優れているものが多いのが特徴です。

4-2.アイメイク

ベースメイクで肌が保護できていれば、アイメイクは必須ではありません。
肌が荒れている状態では使用を控えた方が良いでしょう。

もし、アイメイクを行う場合もベースメイクと同じように、パウダータイプのアイシャドウよりもクリームタイプのものを使うと良いでしょう。

マスカラを使用する場合は、ウォータープルーフで繊維が入っていないものを選ぶと安心です。

とくに目もとの皮膚は薄くデリケートです。

また目元は花粉症の症状が出やすく、目が腫れたりかゆみが強いこともあるため、メイク選びのポイントは、クレンジングが不要なお湯で洗い流せるタイプのものを選びましょう。

4-3.眉

花粉症の方はマスクをして過ごすことも少なくありません。マスクをすると、目元や眉が目立ちます。

メイク崩れを確認する際には、左右の眉が対称になるようにしましょう。

左右対称に見せるためのポイントは、左右の眉頭の高さを揃えることです。
眉頭の下のラインが左右同じ高さになるように描くこともポイントです。

また、花粉によるかゆみが強い場合には、アイブロウを使わずに眉マスカラで毛流れを整えるのみの薄いメイクもおすすめです。

何度も書き足す必要がなく、目元の皮膚への刺激を減らすこともできます。

眉マスカラをする女性

4-4.唇

新型コロナウイルス対策で、マスク生活が続く中、唇がマスクで擦れてしまったりと、通常よりも摩擦や刺激が多くなります。

唇は乾燥しやすく荒れやすい部分ですので、とにかく保護をしっかりとすることが大切です。
荒れている際は、口紅を控えて、保湿剤のみにしましょう。

おすすめは、軟膏タイプ。
薬局で購入するならば白色ワセリン(プロペト)がおすすめです。

また、血流を改善し、皮膚や粘膜を再生する働きのあるビタミンEやビタミンAが配合された軟膏や、ナチュラルなものとしては100%シアバターやミツロウ、昔ながらの馬湯などが刺激がなく良いです。

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いずれのメイク用品も、刺激を感じる場合は使用を控えましょう。
炎症がある際には、保湿と皮膚の保護を心がけて、極力皮膚に刺激を与えないことが肝心です。

5.春はもうすぐ! 早めの対策で彩りある毎日を送りましょう

春さくら

春はもうすぐそこまできています。

春といえば草木が芽吹き、桜を楽しむことができる素敵な季節です。
しかし毎年花粉症に悩まされる方にとっては、つらいと感じる季節なのかもしれません。

毎年春になると花粉症でメイクができない。
メイク崩れが気になってメイクはしない。

そんな悩みを抱えていた方はぜひ、今回ご紹介した体の内側と外側からアプローチできる改善法を試してみてくださいね。

40代は少しずつ体の変化を感じる年代。

若いときと同じようなケアでは、なかなか効果を感じられないことも多くなります。

このゆらぎ世代のケアにおいて大切なことは、体の声を聞きながら体の内外からアプローチすることです。

季節が移り変わるように、私たちの体も変化していきます。

体調が良いと感じる日もあれば、気持ちまで落ち込むことも。

自分の体と心の声をしっかり受け止めながら、おしゃれも自分らしく楽しみたいものですね。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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