命に関わる病「心不全」の原因とは? 予防するために今すぐはじめたい6つの習慣
こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。
みなさまは、心不全という病気をご存じでしょうか。
聞いたことがあるけど、詳しくはわかない…という方も少なくないのではないでしょうか。
心不全というと、高齢のおじいちゃんやおばあちゃんが発症するイメージがあります。
しかしながら、実は若い人でも心不全を発症し急死するケースも少なくありません。
実は筆者の昔の同僚も、心不全で亡くなった方が1人いらっしゃいます。
遠くにみえて、実は身近な存在の心不全ですが、一体どのような病気なのでしょうか。
また、前兆や原因はあるのでしょうか。
今回はこの心不全の原因から治療までご紹介したいと思います。
目次
1.心不全とは
心臓は、血液を体中に送り出すポンプの働きをしています。
心臓は心筋という特殊な筋肉によって右心房、左心房、右心室、左心室の4つにわかれています。
本来、肺から酸素を取り込んだ血液は、左心房から左心室を通り、全身に送り出されます。
さらに、全身をめぐった血液が右心房、右心室を通り、肺に送り出されます。
肺に送りされた血液は、体に不要な二酸化炭素を含んでいるため、ここで新しい酸素と交換され、再び左心房に戻ります。
血液を全身に送り出し、全身から血液を迎え入れるため、心臓は「収縮」と「拡張」を繰り返してポンプの役割をしています。
ところが、なんらかの原因でこのポンプの働きが落ちると、十分な血液を全身に送り出すことができなくなります。
これが心不全です。
多くはゆっくり病状が進行する「慢性心不全」ですが、急激に血流が悪くなる「急性心不全」のケースもみられます。
2.収縮不全型(HFrEF)と拡張不全型(HFpEF)
心不全は、「収縮不全型(HFrEF)」と「拡張不全型(HFpEF)」に分けられます。
心臓が心拍を1回打つときに体に送る血液の量の割合を左室駆出率(LVEF)と呼びます。
この血液を送り出す力が弱い(左室駆出率が低い)心不全が「収縮不全型」です。
一方、高血圧や糖尿病などの理由により、心筋が硬くなった心臓は心室を十分に広げることができず、十分な血液量を心室に溜めることができません。
このような、血液を送り出す力は問題がないのに(左室駆出率は保たれている)、心室に十分な血液を溜めることができず、送り出す血液量が少なくなる心不全を「拡張不全(HFpEF)」と呼び、実際には拡張能の評価が難しいことから「収縮機能が保たれた心不全」と呼びます。
収縮不全の中にも拡張不全がある場合もあり、境界型もあります。
2-1.収縮不全型(HFrEF)の病態と症状
収縮不全型心不全では、左心室の収縮機能が低下しているため、血液は行き場をなくし、左心房に滞りやすくなります。
さらに左心房に血液が滞ることで、肺静脈や肺でうっ血が起こり、やがては右心の機能も低下します。
症状は大きくわけて、血液を送り出すポンプ機能が落ちているときに起こる(左心不全)症状と、血液を受け取る働きが落ちたことにより起こる(右心不全)症状に分かれます。
<左心不全の症状>
・息切れ、呼吸困難
・疲労感、だるさ
・動悸を感じる
左心不全では、十分な酸素や栄養を体全体に運ぶことができなくなるため、階段やのぼり坂を上るときに息が切れやすくなります。
症状が進行すると、体を動かすだけでも息苦しくなることもあります。
さらに症状が進行すると疲れが残りやすくなる、だるさを感じる、不眠など全身の症状に悩まされるようにもなります。
重症になると、夜間発作性呼吸困難や起座呼吸(仰向けでは息が苦しく、体を起こした状態(起坐)で症状が軽減する)、安静時でも息切れや動悸を伴います。
<右心不全の症状>
・むくみ
・お腹が張る、便秘
・悪心、嘔吐
・食欲不振
右心不全では、全身の血液が心臓に戻る機能が低下するため、血液が体全体に留まりやすく(うっ血)なります。
体全体がうっ血すると、つねにお腹が張ったような腹部膨満感の症状や便秘、手足を指で押すとくぼみができるようなむくみ症状が現れやすくなります。
2-2.拡張不全型(HFpEF)
従来、心不全は収縮不全型であると考えられていました。
しかし、近年、高血圧や糖尿病を患う高齢者を中心に拡張不全型が多くみられると注目されています。
拡張不全型では、1回の心拍で送り出す血液量が低下します。
そのため、臓器への血行が悪くなり、疲労感や手足が冷たくなるなどの症状が現れます。
さらに、収縮不全型と同様、左心房で血液が滞るため、肺うっ血も起こります。
<拡張不全型で現れやすい症状>
・疲れ、だるさ
・手足の末端が冷える
・脱力感
・尿量が減る
3.急性心不全と慢性心不全の違い
急性心不全は急激に症状の悪化がみられます。
発症後は、坂道や階段を上る際に息がきれる、疲れやすいなどの症状がみられます。
さらに、呼吸困難、手足の冷え、チアノーゼ(唇や手足の末端が青紫色になる)がみられます。
さらに心臓からの血液が急に送り出されなくなると血圧が維持できなくなり、ショック状態になることもあります。
慢性心不全も急性心不全と同じような過程を経て進行しますが、徐々に進行するため、体が順応し、代償機能(心拍出量を維持しようと体のさまざまな機能が代わりにうごく)が働くため、しばらく症状が現れません。
このため、自覚症状がでてきた時点で病状が進行しているケースがみられます。
また、慢性心不全が悪化すると、その間に何度も急激に悪化(急性心不全の発症)を起こし、入退院を繰り返すようになります。
3-1.心不全のリスク分類
心不全のリスクはACCF/AHA(米国心臓病学会財団/米国心臓協会)のステージ分類により、4つにわけられます。
参考)P.38 図20「心血管疾患患者の臨床経過のイメージ」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000173149.pdf
Stage A,Bは心不全症候はみられませんが、リスク因子をもつ段階であり、心不全発症予防に努めます。
また、心不全の症状がみられるStage C,Dでは、その心臓の機能障害の程度に合わせた、治療を行います。詳細は後述する治療方法にてご説明します。
4.心不全の原因
心不全の3大原因は虚血性心疾患、高血圧性心疾患、弁膜症です。
他にも、心筋症、心筋炎、先天性心疾患、不整脈、肺疾患、薬剤など心臓に起因しない疾患によるものなどがあげられます。
4-1.虚血性心疾患
心不全の3大原因の一つです。
とくに急性心不全の場合、もっとも多くみられる原因です。
心臓には、心臓を動かす役目の心筋があります。
この心筋に血液を送る役目を担っているのが冠動脈です。
この冠動脈の内側に血栓が付着し狭くなったり(狭心症)、つまったり(心筋梗塞)することで十分な血液が心筋に行き届かなくなり、心筋の動きが弱まり(壊死)、心臓のポンプ機能が低下する疾患を虚血性心疾患といいます。
4-2.心臓弁膜症
心臓の中は4つの部屋に分かれていますが、それぞれの出口には「弁」があります。
この弁は、血液の流れが逆流せず、一定の方向に流れるようコントロールする役目があります。
この弁の働きが失われた状態を心臓弁膜症と呼びます。心臓弁膜症を発症すると、血液を送り出す力が低下し、血液が鬱滞することで心不全を引き起こします。
4-3.高血圧症
高血圧は心不全3大原因の一つです。
血圧が高いと、血管壁に高い圧力がかかり細動脈壁が厚くなり血管が硬くなります。
硬く弾力性を失った血管に血液を送り続けるのは心臓に負担がかかります。
負担がかかった心臓は、徐々に心筋が肥大化します。
肥大化した心臓は徐々に線維化(硬くなる)するため、心臓が血液を送り出すために必要な収縮と拡張の働きが十分にできなくなります。
そのため、心臓は血液を送り出す力が低下し、心臓の中の圧が高まります。
心臓の中の圧が高まると、徐々に肺に水が染み出し、呼吸困難など左心不全の状態になります。
4-4.心筋症
心筋症とは、なんらかの理由により心筋が肥大したり硬くなったりするなどとした異常が起こる疾患です。
代表的な疾患として、拡張型心筋症や肥大型心筋症があります。
4-5.心筋炎
心筋炎とは、主にウイルスなどの理由で心筋が炎症を起こした状態です。
この心筋炎も、心不全を起こす原因になることがあります。
4-6.先天性心疾患
生まれつき心臓の奇形等により心臓の機能が弱まっているため、心不全が起こります。
他にも不整脈、肺疾患、薬剤などが原因の心不全もあります。
5.心不全の診断・検査
心不全の診断・検査では、自覚症状などの身体所見の問診とともに、この病態が心不全かどうか、心不全がどの程度進行しているのかを調べるためにさまざまな検査を行います。
5-1.心エコー検査(心臓超音波検査)
超音波を体の表面にあて、心臓の動きや機能を観察する重要な検査です。
左室駆出率や弁の動きなどを知ることができます。
心不全の原因となる心臓病の有無を診断する他、心臓が血液を全身に送る機能をどれくらい果たしているかなどを調べます。
5-2.胸部X腺(レントゲン検査)
レントゲン検査は、心不全の患者に対して行われる基本の検査です。
画像では、心臓の大きさや肺に水分が溜まっているか(肺水腫や胸水)を確認することができます。
5-3.血液検査
血液検査は、全身の状態を知るための基本的な検査の一つです。
その中でも、重要なのが「BNP/NT-proBNP)」の値です。
BNP/NT-proBNPは、脳性ナトリウム利尿ペプチド/N末端プロBNPと呼ばれ、心筋に負荷がかかると血液中に分泌されるホルモンの一つです。
心不全の症状が悪化していると値が高くなり、治療後、心不全の症状が軽くなると値が低くなることから、心不全の診断や重症度の判定に使用されます。
5-4.その他
必要に応じて、心臓MRI、心臓CT、また、心臓カテーテル法を使用し原因とされる心筋組織の一部をとる検査なども行われます。
6.心不全の治療方法
心不全では、心臓の収縮機能がどの程度保たれているかなどを診断し、その上で薬を使用して症状の改善を図ります。
また、心不全になる原因が別の疾患で明らかな場合、原因疾患の治療が必要です。
6-1.慢性心不全の治療
慢性心不全では、血行状態を改善させ、今後の生活の質(QOL)を向上させること、予後をよくすることを目標に行います。
また、3-1.のリスク分類に示した通り、重症度により治療方法が異なります。
1.Stage A,B(心不全症候はないが、リスク因子を含む)
Stage A,Bの患者の場合、心不全の症状はないが発症リスクが高い段階であると考えられています。
リスク因子とは、高血圧や糖尿病、動脈硬化性疾患などです。そのため、心不全のそのものの治療ではなく、発症予防のための治療と生活習慣の改善が行われます。
(1)基礎疾患の治療
薬物療法では、心臓の負荷を下げ、心不全の原因ともなる基礎疾患の治療を行います。
例えば、高血圧の場合は降圧薬(ACE阻害薬、ARB、βブロッカー薬、サイアザイド系利尿薬など)、冠動脈疾患では心不全を含めた心血管イベントの発症抑制と生命予後改善を目的とする薬(ACE阻害薬、β遮断薬、スタチン系など)、糖尿病では血糖コントロールが重要なため、糖尿病治療薬を使用します。
(2)生活習慣の改善
慢性心不全では、薬物治療と合わせて原因となる生活習慣の改善を行います。
生活習慣では、塩分制限や水分制限を行います。塩分は摂りすぎると体内の水分を外にださず、体に蓄えやすくなります。
さらに水分を多くとることで体内に水分が溜まることから、心臓に負荷がよりかかり、心不全を起こしやすくなります。
心不全の重症度に応じて、水分摂取量をコントロールする必要があります。
2.Stage C,D(心不全症候がみられる場合)
心不全症候がみられる場合、心臓の収縮や拡張機能がどの程度進んでいるかに応じて以下のような治療を行います。
(1)薬物治療
・降圧薬(ACE阻害薬、ARB)…心不全になるとアンジオテンシンⅡ(ACE)といったホルモンの生成が亢進され、さらに心不全が悪化することがあります。
このACE阻害薬やARBでは、アンジオテンシンⅡの産生を抑えることにより、血管を広げ、心臓の負担を軽くする働きがあります。
・強心薬…心臓の強度を高め、心臓のポンプ機能を高めます。心不全のタイプに応じて使用する場合があります。
・利尿剤…心不全では、腎臓に届く血液の量が減り、尿量が減ることがあります。
尿量が減ると、体に水分が溜まり心臓に負担がかかることから、利尿剤を使用して体液量を減らし、心臓の負荷を軽くします。
・β遮断薬…心不全が起こると、交感神経が活性化します。
交感神経の活性化は、頻脈や血圧の上昇をきたし、心不全をより悪化させるリスクがあります。β遮断薬はこの心不全の悪化を防ぐ効果があるため使用することがあります。
(2)基礎疾患の治療
Stage C,Dの場合でも、心不全の原因となる基礎疾患の治療を併せて行います。
例)心房細動・心室性不整脈・弁膜症・冠動脈疾患・高血圧・糖尿病など
(3)外科的治療
不整脈を合併している場合、必要に応じて植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)、どちらの治療もできる両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)を用いて治療を行います。
6-2.急性心不全の治療
急性心不全を発症すると、多くは急激な血圧低下、腎不全、意識障害、ときにはショック状態がみられます。
そのため多くはICU(集中治療室)で治療が行われます。
一刻も早く重症度を把握し、治療する段階であり、必要であれば気管挿管や心肺蘇生を行うこともあります。
治療は、まず生命の維持を図ることを目標に、患者の症状を改善しうっ血した状態を改善するよう行われます。
例えば、血圧が低下してショック状態の場合は昇圧剤を用いたり、呼吸困難がみられる場合は酸素吸入が行われます。
急性心不全の肺のうっ血や全身のうっ血改善には、利尿薬や血管拡張薬(ハンプ)などを選択して治療されます。心臓の冠動脈が詰まったり心筋梗塞などにより流れが悪くなっている場合は、冠動脈を広げるためのカテーテル治療や冠動脈のつまった先に、新しい血管をつなげるバイパス手術を行うこともあります。
弁膜症など心臓の弁に原因がある場合は、その弁を修復をしたり、人工弁に取り換えることがあります。
7.心不全の予防方法
心不全の発症は生活習慣病と密接な関係があります。そのため、まずは生活習慣を整え、生活習慣病を予防することが大切です。
7-1.塩分を抑えた食生活
心不全の発症リスクといわれる、高血圧や糖尿病を予防するためにバランスのとれた食生活を意識しましょう。
とくに塩分は取りすぎると、高血圧になる上に、体の血液量が増えるため、心臓に負担がかかりやすくなります。
目安としては、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(20年版)」では男性7.5g未満、女性の場合は6.5g未満とされています。
さらに高血圧学会の目安としては、6g未満(高血圧の方の目安)、WHO世界保健機関の食事摂取基準としては5g未満を目標値として推奨しています。
塩分をとりすぎているといわれる日本人ですので、減塩を意識して食事を取りましょう。
・調味料を減塩のものに変える
・醤油などを直接かけず、小皿にとって付けて食べる
・干物、ハムやベーコンなど加工肉など塩分の多い食品を控える
・ラーメンやうどん、そばは汁を残す
など意識すると効果的です。
参考)P270
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
7-2.食事は腹八分目、バランスを意識して体重をコントロール
食べ過ぎはカロリー過多となり、肥満の原因につながります。
肥満は心不全の発症リスクを高めることから、食事は腹八分目、野菜中心の食生活を意識しましょう。
バランスの良い食生活にするためにも、1日3回きちんと食事の回数をとり、ゆっくりよく噛んで食べるように意識しましょう。
7-3.適度な運動を取り入れましょう
適度な運動は、肥満を防止するだけではなく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を予防するためにも有効です。
1日の中のすき間時間や、ちょっとしたお買い物などいつもは自転車や車でいくところをウォーキングに変えるだけでも違います。
また、運動は生活習慣病を抑えるだけではなく、ストレス発散できる効果など自律神経を整える面でも有効です。
普段、忙しく自分の時間がもてない方こそ、ストレス発散のために適度な運動は効果的です。
ただし、体の動かしすぎは、心臓に負担がかかりすぎることもあるので、注意しましょう。
心不全を指摘されているのであれば、重症度に応じて適切な運動が違います。
あらかじめ医師に運動の制限があるのかどうかを確認しましょう。
7-4.喫煙、アルコールをやめる
タバコは心不全の発症リスクを高める要因の一つです。
心不全を予防するためには、まず禁煙できるように生活を見直してみましょう。
なかなか止められない人は、専門の医療機関にてサポートを受けて禁煙するのも良いでしょう。
タバコは心不全だけではなく、あらゆる疾病の発症リスクを高める要因ともなっているので、できるだけ禁煙するように努めましょう。
アルコールも同様に、飲みすぎは発症リスクを高める要因の一つです。
たまにたしなむ程度であればそれほど問題にはなりませんが、飲酒量が多い方は、休肝日をつくる、1日1杯まで、ノンアルコールに変えるなど工夫してみましょう。
7-5.基礎疾患がある場合、薬の飲み忘れには注意しましょう
高血圧・脂質異常症・糖尿病など、健康診断などで指摘をされて薬を服用している場合、いま症状がないからといって薬を自己判断で中止することはやめましょう。
生活習慣病とよばれる病気は、いまは症状がなくても心不全をはじめとした多くの病気の発症リスクにつながります。
生活習慣を改めるとともに、薬の服用はきちんと行うように心がけましょう。
万が一、飲み忘れることが続くようであれば、主治医もしくは薬をもらっている薬剤師に相談する方法もあります。
▼もしかしてドロドロ血? 怖い病気の危険因子「脂質異常症」の原因と改善法
https://wellmethod.jp/dyslipidemia/
▼「糖尿病」その初期症状は? 具体的な治療法と予防のために必要な生活習慣
https://wellmethod.jp/diabetes/
7-6.ストレスを溜めないようにしましょう
日常生活で、私たちの周りには多くのストレスがあります。
ストレスは心不全発症の原因ともされているため、なるべくストレスを解消できる方法を見つけましょう。
ストレスの原因がわかっている場合は、そのストレスを解消することも大切です。
また、好きな音楽を聴く、好きな場所へ行く、新しい趣味をみつける、友人とおしゃべりするなど、自分がスッキリできる方法を見つけましょう。
8.生活習慣を整え、心不全の原因を減らしましょう
日常生活では心不全を意識することはほとんどありません。
しかし、心不全は、私たちの生活習慣と密接な関係があり、毎日の積み重ねが発症リスクに影響します。
私たち40~50代の女性は仕事に家事に、育児、介護などなかなか自分の時間に向き合えないことも多々あると思います。
健康診断やかかりつけ医で指摘されても、「今は元気だし、大丈夫」なんて思いこんで生活する人も少なくありません。
筆者も家事や仕事で忙しいと、「なかなか病院へ行く時間もとれないなぁ」と思うこともよくあります。
しかし、健康こそが私たちの生活の上ではもっとも大切です。
例えば、近所のスーパーへは必ず歩いていくなど、できるだけ歩く距離を増やして運動習慣を取り入れるなど、少しの工夫で心臓に負担のかからない生活を送ることは可能です。
「今は何もないから大丈夫」から、「将来の自分のために」へ意識を変化してみましょう。
自分らしく輝く毎日を送れるように、自分を大切にしていきましょう。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
- 桐村 里紗の記事一覧
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか
和重 景
主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。