こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

「かゆくて眠れない」
「また蕁麻疹のようなものがでてきた」
「このかゆみの原因ってなに?」
「かゆくてイライラする」

実は筆者は40歳を過ぎて体にかゆみを感じる日が多くなりました。

みなさまはそんな経験ないでしょうか?

ふとしたときにかゆみを感じることや、かゆくてかゆくて夜も眠れない日もたまにあります。かゆみは時間の経過とともに治まることもあれば、1日中続くことも。

体がかゆいと集中することができなくて日常生活に支障をきたすことや、イライラすることも少なくありません。

食べ合わせの悪いものを食べたわけでもなく、幼いころからアレルギーがあったわけでもないのですが、なぜか皮膚に赤く膨れた発疹ができたのです。

そんなかゆみの原因は蕁麻疹でした。

蕁麻疹は一時的に現れる場合や、症状が長期にわたることもあります。

蕁麻疹が突然出た場合に慌てないためにも、その原因と対処法について一緒に見ていきましょう。

1.蕁麻疹とは?

かゆい

蕁麻疹とは、突然、虫刺されのように皮膚の一部が赤く盛り上がりかゆみを伴う皮膚の病気です。しばらくすると跡形もなく消えていきます。チクチクとしたかゆみに似た感覚や焼けるような感覚がある場合もあります。

医学的には、「膨疹(ぼうしん)」と呼びますが、「湿疹」とは違い、24時間以内に必ず完全に跡形もなく引いてしまうのが特徴です。

通常は、数十分から数時間で症状が治まることがほとんどですが、半日から1日続くことや、次々に新しい膨疹が現れたり引いたりしながら、長期間にわたって繰り返すことも少なくありません。

発疹の大きさは1~2㎜程度のものから数十cmのもの、またはそれぞれが融合して体表のほとんどを覆ってしまうケースも見受けられます。

蕁麻疹は人から人に感染することはありません。

また、発疹が出ている期間によって大きく2種類に分けられます。

1-1.急性蕁麻疹

急性蕁麻疹は、1度だけ症状が出たり数日内で治まる蕁麻疹のことです。

最初に症状が出てから1ヵ月以内に治るものを指します。

1-2.慢性蕁麻疹

慢性蕁麻疹は原因を特定ができない場合も多く、1ヵ月以上発疹が出たり消えたりが続く蕁麻疹のことです。この場合、数ヵ月~数年にわたって続くこともあります。

2.蕁麻疹の原因は?

ストレスを抱える女性

蕁麻疹の原因は食べ物や薬、細菌やウイルスに感染すること、暑さや寒さなどの寒暖差による物理的刺激、発汗やストレス、金属などさまざまですが、原因が明らかでないものも多いのです。

しかし、多くの場合、疲労やストレスなどの因子が症状を悪化させるといわれています。

2-1.特発性蕁麻疹

特発型蕁麻疹は、原因がはっきりしない蕁麻疹といえます。風邪をひいて体調を崩していたり、疲労・ストレスがたまっていたりさまざまな原因が重なりあうことで現れます。

慢性蕁麻疹の多くは原因がわからない「特発性蕁麻疹」です。

特発性蕁麻疹については「4.ストレスと蕁麻疹の関係はあるの?」で詳しくご紹介します。

2-2.刺激誘発型蕁麻疹

特定の刺激や条件が加わった時に症状が誘発されるものです。

症状の出現頻度は刺激の有無により、1日のうち何度も出たり引いたりして繰り返す場合もあれば、数日〜数カ月間現れないこともあります。

2-3.アレルギー性蕁麻疹

アレルギー性は、食べ物や薬剤に含まれるアレルゲンとなる物質を摂取することで、数分から数時間後に強いかゆみを伴った発疹が出現します。特定の食品を食べると蕁麻疹が出るのは、アレルギー性蕁麻疹の特徴の一つです。

また、アレルギーの原因となる食べ物を摂取したからといって毎回蕁麻疹が出るわけではなく、その日の体調によって症状が出ないこともあります。

アレルギーの原因となるものは、食べ物や薬剤以外にも植物、虫の毒素など多数あります。

2-4.非アレルギー性蕁麻疹

非アレルギー性は、アレルギー反応を介さない蕁麻疹のことです。

蕁麻疹を引き起こすヒスタミンを含むサバや古い肉、また、たけのこ、造影剤の注射などで引き起こされることがあります。

血液検査で、アレルギー検査(IgE抗体検査)を行なっても陽性になりません。

2-5.物理性蕁麻疹

物理性蕁麻疹は、物理的な刺激によって引き起こされ、その種類も多くあります。

蕁麻疹の種類 原因
機械性蕁麻疹 圧迫や摩擦でできる。重い鞄を手に下げたり、下着のゴムの圧迫で赤くなる。
寒冷蕁麻疹 冷たいものに触れたり、冷たいものを飲んだりすると出る。
日光蕁麻疹 太陽の強い時期に起こりやすい。日光を避ければ、数時間で症状は治まる。
 

2-6.コリン性蕁麻疹

運動や入浴、精神的緊張など汗をかくことで皮膚の神経からアセチルコリンという物質が分泌されることで蕁麻疹を引き起こします。

その他、唇や目の周り、顔が浮腫む「血管浮腫」など、蕁麻疹には様々なタイプがあります。

3.対処・予防方法はあるの?

食品を選ぶ蕁麻疹が出る原因が特定の食品で起こる場合は、その食品を避けるようにします。摩擦や圧迫などの刺激で繰り返される場合においても、その原因となるものを避けることが大切です。

かゆみが強い場合は、患部を冷やしたり、市販のかゆみ止めを使用することでかゆみを軽減できる場合があります。

一般的には、血流が良くなる行為で悪化することから、蕁麻疹が出ている際には、入浴や運動、飲酒などを避ける方が症状が改善しやすくなります。

ただし寒冷刺激で蕁麻疹が出ている場合は、冷やすことで症状が悪化するため注意が必要です。

また蕁麻疹が出ている期間は、十分な休養と睡眠をとり、ゆっくりと過ごすことをおすすめします。

蕁麻疹以外に、血圧の低下や呼吸困難など複数の症状が現れた場合には、「アナフィラキシーショック」と呼ばれる重篤なショック症状の可能性があるため、早急に受診が必要です。

4.ストレスと蕁麻疹の関係はあるの?

ストレスこころと体のストレスは、一定の限度を超えてしまうとさまざまな病気の原因となったり、症状を悪化させたりすることがあります。

蕁麻疹もストレスの影響を受けることで、症状が悪化してしまうこともあるのです。

物理的刺激や明らかな原因がある蕁麻疹の場合は、ストレスの影響はあまり目立ちませんが、毎日のように繰り返し症状が現れる慢性蕁麻疹の場合では、ストレスによって症状が悪化することが多いようです。

原因がはっきりしない特発性蕁麻疹の多くは、風邪をひいていたり、疲労がたまっていたり、ストレスがたまっていたりなどさまざな原因が重ねって発症することが多いといわれています。

このような場合、職場や家庭の環境の変化をきっかけとして蕁麻疹が現れるようになったり、一方環境が変わったことでそれまで毎日のように現れていた蕁麻疹が全く出なくなることもあります。

蕁麻疹が毎日現れたり、おさまっていた蕁麻疹が再発した場合、自分では気づかない過度のストレスがかかり、体からSOSが出されていると受け止め、日常生活において負荷がかかりすぎていないか振り返る機会としましょう。

5.症状がおさまらないときは病院へ

診察を受ける

蕁麻疹の症状が続く場合は、医療機関を受診しましょう。

かゆみが続くと日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

また繰り返す蕁麻疹のなかには、甲状腺疾患やウイルス性の肝炎、ヘリコバクターピロリ菌感染などが背景にある場合や、それ以外にも膠原病、血清病、血管炎、血液疾患などのように全身の病気の一部として症状が現れている場合もあります。

5-1.検査方法

蕁麻疹の検査方法は主に3つあります。

1.血液検査

採決をして特異的IgE抗体という各物質に対する免疫反応の値を調べます。

負担がなく安全に行える検査ですが、結果は必ずしも症状と一致しません。

2.プリックテスト

皮膚に原因の可能性となるものを塗るなどして、蕁麻疹が起こるかどうかを調べます。

3.負荷試験

原因となるものを食べるなど負荷を与えて、実際に蕁麻疹が起こるかどうかを調べます。

血液検査の結果はあくまで参考程度として捉えます。特定の食物の値が高かったとしても、それが原因であることを断定することはできませんし、逆に、特定の食物で蕁麻疹が出ても抗体反応がない場合も多くあります。

食後どの程度で蕁麻疹が現れたかなどの確認が必要です。

蕁麻疹などの皮膚症状だけなら食後15~30分以内で現れ、それが繰り返す場合は、食物アレルギーを考える必要があるため、主治医とよく相談してください。

アナフィラキシーショックを起こすリスクもあるため、重篤な場合はプリックテストや負荷試験を含めた抗原に曝露させるような検査は行いません。

6.治療と生活上の注意点

薬

蕁麻疹の治療は、主に、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服です。とくにかゆみがひどい場合は、対症療法としてかゆみ止めの塗り薬を併用します。

症状が重篤で、腫れやかゆみが強くて我慢できないときは、ステロイドの注射剤や内服を一時的に使用する場合もあります。

抗ヒスタミン剤の一番の問題点は眠くなったり、体がだるく感じることです。最近は眠気を抑えた薬剤もありますが、人によっては眠気が強く出る場合もあります。

自動車の運転や細かい仕事をしなければいけない場合は、十分に気を付けてください。

最近では1日1回だけ服用すれば良い薬も出ているので、寝る前に服用するように処方する医師もいます。

治療後、蕁麻疹を繰り返さないためには原因となる要因を取り除くことや避けることが大切です。

しかし原因がはっきりしない蕁麻疹の場合は、疲労やストレスをできるだけ溜めないよう、規則正しい生活を送るように心がけましょう。

食生活でも気を付けたいことがあります。

魚介類や肉類はなるべく新鮮なものを食べるようにしましょう。また防腐剤や色素を含む食品を控えめにすることも意識してみてください。

ほとんどの蕁麻疹は、内服薬で症状が治まることが多いのですが、薬を飲まなくなると再び症状が出てしまうことがあります。

そのため、慢性に経過する蕁麻疹は症状の有無にかかわらず、長期間薬を服用する必要があります。しかし、薬を服用しながらうまく症状をコントロールしていくと、ほとんどの場合は少しずつ薬の量を減らすことができ、やがて薬を中止できるようになります。

薬の服用については、かかりつけの医師の指示に従いましょう。

7.こころの休養も大切に! 年齢を重ねることで私らしい毎日を

元気な女性

毎年誕生日を迎えると「また歳をとった」と思う筆者でしたが、その現実は変えられません。

年齢を重ねるとこころも体も疲れがたまり、なかなか回復しないこともあります。

だからこそ、自分のこころや体と向き合う時間を作るようになりました。

40歳を過ぎてから思うことがあります。

「体は正直だな」

疲れが溜まっていても気力で乗り切れた20代とは異なり、自分に正直に素直に向き合う、自分を労わることの大切さとその楽しさを感じる毎日を送っています。

ただがむしゃらに突っ走るだけの毎日ではなく、ふと足をとめてゆっくりと季節や風景を楽しむことができるような「余裕を持った女性」って素敵ですよね。

余裕を持った私らしい毎日を送ることができるかどうかは、自分の気持ちの持ちようで大きく変わるかもしれませんね。

歳を重ねることはありがいこと、これからまた新しいチャレンジができると思うとわくわくします。

毎日を楽しむためには、自分のこころの休養も大切ですね。

毎晩、今日1日頑張った自分を褒めてみてはいかがでしょうか?

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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