“冷やご飯”はダイエットに期待大! 今日から出来るお手軽腸活術
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
40歳を過ぎ「太りやすく、痩せにくい」という現実を目の当たりにしています。
若い頃は、自分は年齢を重ねても太らない!と思っていたのですが、現実は違いました。
これまで「○○だけダイエット」「置き換えダイエット」「プチ断食」などたくさんのダイエットを試してきました。
しかし、一時的に体重は落ちることはあっても、すぐにリバウンドしてしまい、気づけば常にダイエットをしている状況です。
また無理なダイエットに挑戦した時は、肌が荒れ、髪はパサつき体重が減るどころか見た目も老けた印象に……。
そんななか、体に負担がなく、何より心も体も健康的に体重を減らすことができるダイエットを探していた私にピッタリの方法を見つけました。
それは「冷やご飯ダイエット」です。
糖質制限ダイエットが流行っているため「ご飯は太る」「糖質は摂らないほうがいい」と思われる方も多いかもしれませんが、「冷やご飯ダイエット」は我慢の必要がないダイエット。
食べるのが大好きな方に魅力的な冷やご飯ダイエットについてご説明します!
目次
1.冷やご飯ダイエットとは?
冷やご飯ダイエットとは、炊き立ての温かいご飯を食べるのではなく、冷めた状態のご飯を食べるだけの簡単に始められるダイエットです。
糖質制限ダイエットのように、お米を我慢する必要はありません。
温かいご飯も冷たいご飯も糖質であることは間違いないのですが、冷たいご飯のほうがダイエット効果が期待できるといわれています。
それには、でんぷんのメカニズムが関係しています。
まず、でんぷんには、
①水分と熱を加えることで「糊化(こか)」=消化吸収しやすい形態になること
②それが冷めたり水分が抜けたりすると「老化」といわれる、少々固くなる現象が起こる
③再度加熱すると「再糊化」する
という一連のメカニズムがあります。
でんぷんの中でも、タイ米やインディカ米、タピオカ、じゃがいもなどに含まれるでんぷんは冷えると固くなりやすく、食物繊維のような働きをします。そうなると人の消化酵素で消化されず、吸収されないため、人の栄養としてカロリーにはなりません。その代わりに、大腸まで届き、腸内細菌のエサになります。消化吸収されにくくなった状態のでんぷんをレジスタントスターチと言い、「冷やご飯ダイエット」はこのメカニズムを利用したダイエット法です。
ただし、日本人が好む「もちもち」食感が冷めても維持されるように品種改良されたお米はレジスタントスターチ化しにくので、どちらかといえばコシヒカリ系よりもササニシキ系のようなさっぱりした品種を選ぶと良いでしょう。
1-1.なぜ冷やご飯でやせるのか?
糖質であるはずのご飯を食べても痩せるって少し不思議に思いますよね。
しかし、冷たいご飯だからこそ痩せる4つの理由があります。
1-1-1.レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が食物繊維として働く
ご飯の主成分であるでんぷんは、冷めることで難消化性でんぷん「レジスタントスターチ」に変化します。
このレジスタントスターチが食物繊維と同じ働きをするため、ご飯を食べることで野菜と同じような食物繊維を摂取することができるのです。
一般的に食物繊維はミネラルの吸収を妨げるといわれていますが、レジスタントスターチはミネラルの吸収を妨げないことが分かっています。
そのため、ダイエット中によくあるミネラル不足によるイライラや貧血の危険性を低くすることができます。
1-2.糖質や脂肪の吸収を緩和する
温かいご飯がダイエットに向いていないといわれる理由は、小腸ですぐに吸収されて、急激な血糖値上昇を引き起こしやすく、エネルギーとして使用されない糖質は、脂肪として体に蓄積されるからです。
一方、冷えたご飯に含まれるレジスタントスターチは、小腸で吸収されにくいということと、食後の急激な血糖値の上昇を抑えてくれる働きがあります。
そのため、温かいご飯と比べて、ダイエットに期待ができます。
1-3.ムダ食いが減る
ダイエットではよく噛むことが大切といわれますよね。
その理由はよく噛むことで満腹中枢が刺激され満足感が高まり、自然に食事量を抑えることができるからです。
冷やご飯は、温かいご飯よりも噛む回数が多くなるため、満腹中枢が刺激されて満腹感を得やすくなります。そのため、温かいご飯と比べて、少量でも満足するため、大食いを防ぐことができます。
また冷やご飯に含まれるレジスタントスターチは消化されにくく腹持ちもよいため、ダイエットに適しています。
2.レジスタントスターチは腸活に効果あり!
冷やご飯に含まれるレジスタントスターチは、腸内細菌がたくさん暮らす大腸まで届きます。
大腸内の有用な腸内細菌のエサとなることで発酵し、腸の健康に欠かせない短鎖脂肪酸を作ったり、ビフィズス菌をアシストすることで腸内環境を整えることも期待できます。
レジスタントスターチの働きについて詳しくご説明しましょう。
▼ダイエットの味方! 「腸」を綺麗にする食品“レジスタントスターチ”とは
https://wellmethod.jp/resistantstarch/
2-1.レジスタントスターチは第3の食物繊維
先にご紹介したとおり、レジスタントスターチは食物繊維と同じような働きがありますが食物繊維は2種類に分けることができます。
1つ目は、非水溶性食物繊維です。
腸の運動を活発にする働きがあるため便秘気味な人にとっては、必須の栄養素となります。
腸内の常在細菌のエサにはならないのですが、腸内を育む寝床のような役割を果たしています。
2つ目は、水溶性食物繊維です。体内で消化・吸収されない代わりに、大腸まで届き有用菌の大好きなエサとなります。
有用菌が分泌する短鎖脂肪酸という有機酸が体内に入ることで、免疫系や代謝系、脳機能に影響を与え、健康を維持することができるのです。
食物繊維は大きく分けると2種類ですが、レジスタントスターチはこれら両方の効果を併せ持つことから「第3の食物繊維」と呼ばれています。
2-2.腸内環境の改善
レジスタントスターチは食物繊維と比較すると、短鎖脂肪酸の中でも特に酪酸量を増やす効果があります。酪酸は、大腸の上皮細胞の主要なエネルギー源であり、正常な細胞の機能や構造を保つために役立つ短鎖脂肪酸であると考えられています。
3.冷やご飯ダイエットのポイント
ダイエットというと「何かを我慢しなくてはいけない」と思いがちですが、我慢ばかりしていると長く続きませんよね。
また「ご飯を食べても痩せる」と思い込み、間違った方法で続けていると思ったようなダイエット効果を得ることができません。
効果を得るために大切な「冷やご飯ダイエット」のポイントをおさえておきましょう。
3-1.冷やご飯を温め直さない
ご飯が冷える過程でできるレジスタントスターチですが、一旦冷えてレジスタントスターチができたとしても温めなおすと消化吸収されやすいもとの形にもどるため、その効力は失われてしまいます。
ダイエットとして冷やご飯を食べる時は、ご飯やおにぎりを温めなおさないようにしましょう。
3-2.急激に冷まさない
ご飯を急激に冷やすとレジスタントスターチになりにくいので、時間をかけてゆっくりと常温で冷ますようにしましょう。
3-3.食べ過ぎに注意
しかし、温かいご飯と比べて、冷やご飯の方がヘルシーだからといって、食べすぎには注意です。
女性が1日に食べていいご飯の量の目安は、茶碗3~4杯程度です。
毎食冷やご飯に置き換えたいところですが、温かいご飯も食べたいならば、最初はすべての食事を冷やご飯にするのではなく、1日のうち1食を冷やご飯にするのがおすすめです。
特に血糖値が上がることで脂肪に変わりやすい、夕食を置き換えると良いでしょう。
毎食冷やご飯の場合も、食べ過ぎれば太りますから、この目安以上にならないように心がけましょう。
3-4.ランチメニューをお弁当に
また、いつものランチメニューを冷やご飯にするのはいかがでしょうか。
例えば、お弁当を持って行って食べる時に温め直さないですとか、おにぎりを持っていく方法はおすすめです。
また、WELLMETHODの栗本編集長は、わっぱ弁当を愛用しており、こちらは必然的に温められないので、適度に冷めたご飯を食べられることができます。
しかも、わっぱ弁当は、少し固くなっても美味しく食べられるよう、余分な水分を吸ってくれるという優れもの。
ぜひ、お弁当タイムに試してみてくださいね。
3-5.さらに腸活に良い具材をプラス
冷やご飯に具材をプラスして食べることで、さらに腸活に期待ができます。
例えば、便秘がちの方は、きんぴらごぼうと一緒に食べることで、水溶性と非水溶性食物繊維の両方が摂れ、腸の運動も活発になります。
その他、発酵食品であるキムチや、有用菌全般のエサとなる水溶性食物繊維を摂れる海藻類を使った、ワカメご飯や昆布おにぎりなどもおすすめです。
腸に良い食材と組み合わせることで、さらに腸内環境が整いますし、レシピのバリエーションも広がって冷やご飯ダイエットを楽しめますね。
https://wellmethod.jp/synbiotics/
また、自身の腸内細菌の状態を知っておくことは、ダイエットにも有効とされています。
その詳しい内容はこちら。
▼医師が「腸内フローラ検査」を完全解説! 自分に合った「腸活」とは
https://wellmethod.jp/mykinso/
4.大人世代は無理をしないダイエットが効果的
年齢を重ねると若い時のように簡単に体重が落ちなくなります。
だからといって、食事を抜いたり、カロリーを気にしすぎたり「食べないダイエット」は体や心はもちろん、お肌などにも大きなダメージを与えてしまう可能性があります。
糖質は決して体に悪いものではありません。
むしろ体に必要な栄養素です。
「冷やご飯ダイエット」で賢くダイエットに挑戦してみませんか?
大人世代は体や心の声に耳を傾け、無理せずキレイに痩せることが大切ですよね。
体重だけに目を向けるのではなく、体の内側にも目を向け健康的に痩せることを意識していきましょう。
腸活とダイエットには深い関係があるため、腸内環境を改善することは体や心の健康、そしてダイエットにも効果的です。
冷やご飯ダイエットは一石二鳥!
「腸をキレイに!」を合言葉に、「腸美人」を一緒に目指しましょう。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか