ホルモンバランスの乱れ、原因と対策とは?医師が解説する今日からできる備え

WELLMETHOD監修医の桐村里紗です。

WELLMETHODは、「大人の女性のためのウェルエイジング」をコンセプトに掲げています。

年齢のせいで自信を失って、輝きを失っていくのは女性にとって淋しいものです。

ある年齢を過ぎたら「あの頃は良かったなぁ…」と、弾ける肌の若い頃を思って、ため息をつく人生がずっと続くなんて、本当につまらない。

いくつになっても、今の自分の内面にも見た目にも自信を持って、心から笑って毎日を送りたいし、そんな女性がどんどん増えたらいいなと考えています。

そんな女性の心と体のベースを支えるのが、ホルモンバランスです。

ホルモンバランスを制することができれば、来たる更年期、閉経期だって怖くない。

今日は、ホルモンバランスの真髄を知り、扱えるようになりましょう。

1.ホルモンバランスが生むバイオリズム

そもそも、「ホルモン」といえば、「女性ホルモン」というイメージがあるかも知れませんが、そうではありません。
「ホルモン」とは、いわば、体の各部署が、連絡を取り合うコミュニケーションツールの一つで、わかっているものだけで100種類以上あると考えられています。

そのホルモンの中で、特に生殖機能に関わるのが、女性ホルモンです。

女性らしい体を作り、妊娠を可能にする女性ホルモンは、脳から指令を受けて、卵巣から分泌されます。
卵子の成熟に伴い分泌されるエストロゲンは、月経から排卵期までの約2週間に分泌が高まり、排卵期から月経前までは、子宮内膜を分厚くし妊娠に備えるプロゲステロンにスイッチします。

この二つのホルモンのバランスがとれ、リズムよく分泌されている状況を「ホルモンバランスが良い」と表現します。

1-1.月の運行と女性の子宮は一致する

女性には、夜空に輝く月の運行と一致した、独特のバイオリズムがあります。
それが、月経です。

月の満ち欠け

この世の中の全ての現象は、マイナスとプラス。陰と陽。というように、二つの対極に分けて考えられますが、古くから、男性を陽=太陽とすると、女性は陰=月に例えられます。

子宮は、月と同じように満ち欠けするリズムを持っており、それが「月」の名を持つ「月経」です。

月経の周期は、月の満ち欠けのリズムである約29.5日と概ね一致しています。

月が満ち切った満月と月が欠け切る新月の周期は、子宮の内膜が成熟し切って溢れる月経と、その後に続く排卵の周期と一致します。

1-2.ホルモンバランスの乱れは危機?

実は、私たちの体のリズムは、自分だけで作られるものではありません。必ず、環境に左右されます。
それは、動物的な本能として、自然環境に適合しなければ、生きていけないからなのですが、私たち人間も、環境に順応して生きていくために、体のリズムを環境に合わせているのです。

その環境に合わせるために体内でリズムを作るツールの一つが、女性ホルモンを含むホルモン。

それから、自律神経です。
それらが、環境に順応しながら作る体のリズムが、バイオリズムという訳です。

女性にとって、バイオリズムの中でも大きな役割を果たしているのが、女性ホルモンが生み出す月経のリズム。
要するに、ホルモンバランスという訳です。

ですから、これが乱れることは、生き物としての危機的状況と言っても過言ではありません。

ホルモンバランスが乱れる更年期は、それほど女性にとって繊細な時期と言えますね。

2.ホルモンバランスの乱れの原因

ホルモンバランスを脅かす原因は、大きく分けると2つです。

一つは、当然ながら、閉経に近づき自然に卵巣機能が衰えることによる更年期のホルモンバランスの乱れ。
一方、最近では、更年期にさしかかる前からホルモンバランスが乱れて、月経が乱れている人も少なくないと思います。この原因になるのが、あらゆるストレス要因です。

2-1.更年期のホルモンバランスの乱れ

女性ホルモンとは、つまり、生殖し、子孫を繁栄させるために分泌されているホルモンです。

ですから、生殖年齢が終われば、女性ホルモンが分泌されなくなることは当然と言えます。

女性は、生まれた時に、生涯に使うことができる卵子の源を全てを持って生まれてきます。

その数、約200万個とも言われていますが、月経開始時にはその数は、約10分の1に減少し、さらに、毎月月経では、約1000個ずつを消耗し、ついに、尽き果てた時が、閉経となる訳です。

女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌は、この卵子の成熟度や数に左右されますので、卵子の残り数が少なくなると共に、女性ホルモンの分泌が乱れ、月経が乱れてきます。

女性ホルモンの乱れは、全身の機能を支配し、バランスをとる自律神経の乱れを引き起こすために、バイオリズムが乱れ、体全体が不調和を引き起こします。
これが、ホットフラッシュや動悸などの更年期障害の症状として現れるのです。

ホルモンバランスをさらに増長するのが、ストレスです。

2-2.ストレスによるホルモンバランスの乱れ

ストレスは、更年期時期の女性だけでなく、更年期にさしかかる前の女性においてもホルモンバランスを乱す一番の原因になります。

ストレスとは、要するに野生動物にとっては「生命」を脅かす状況に置かれること。

そんな時に、悠長に生殖活動をして子孫を繁栄などしている場合ではない訳ですから、ホルモンバランスが乱れて当然と言えます。

ストレスを抱える女性

ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンと女性ホルモンの元をたどると、同じ原料で作られています。
ですから、ストレスが過剰になると、ストレスホルモンを作ることばかりに熱心になり、女性ホルモンの分泌が低下してしまうことになります。

野生動物にとっては、天敵であるライオンが襲ってくる状況こそが危機ですが、人間にとっては、「嫌いなあの人との会話」も立派な危機となります。

ストレスは、主に、自分の外側の世界との摩擦によって起こります。

2-2-1.人間関係のストレス

夫婦関係や子育てなど家庭のストレス、職場の人間関係のストレス。
要するに他人によって「マイペース」を乱されることが、人間にとって最大のストレスになります。

2-2-2.移動のストレス

動物にとっては、常に自分のテリトリーである「巣」や慣れた生活環境にいることが「安全」でありリラックスできる状況です。

逆に、そのテリトリーを離れることは全て、気づかない体のストレスになっています。

出張や引っ越しなど明らかに負担があることだけでなく、楽しいはずの旅行なども、気づかない体のストレスになっています。

2-2-3.睡眠のストレス

野生動物は、昼と夜を作る太陽と月の運行と共に活動し、休眠し、自然のリズムとバイオリズムを一致させながら生きています。

人がもし、自然のままに環境に順応して生きるのであれば、日の出と共に起き、日が沈むと共に眠るのが、自然なリズムです。
この1日のリズムに合わせる形で、体を動かすあらゆるホルモンと自律神経がバイオリズムを整えて、脳の活動や内臓の動きを自然のリズムと連動させます。

そして、睡眠を司るホルモン・メラトニンこそが、このバイオリズムを生み出す最高責任者として、これらのホルモンと自律神経を支配しているのです。

ですから、とにかく、うまく睡眠が取れない、睡眠リズムが乱れることは、ホルモンバランスが乱れる最大の要因になります。

2-2-4.テクノストレス

現代人にとっては、スマホやパソコンなどの電子機器類を使うこともストレスになります。これを「テクノストレス」と言います。

特に、スマホやパソコンの画面から出るブルーライトは、目から入り刺激となり、自律神経のうち交感神経を刺激します。

交感神経は、ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの分泌を高めますから、これらの使い過ぎは体に負担となります。

3.ホルモンバランスを日常から整えるには

女性にとって、生殖年齢を過ぎて卵巣機能が自然に低下し、閉経が起こるのは当然のことであり、その前後の更年期の時期にホルモンバランスが乱れるのは、ライフステージとして必ず通過すべきプロセスです。

でも、周りを見渡せば、とても辛い更年期障害に悩む人と、全く関係ないかのように更年期を無難に乗り切る人と2パターンに分かれていることに気づきませんか?

もちろん、無難に乗り切りたい訳ですが、そのポイントは2つです。

1.ストレスリリースを日常に
2.腸内環境を改善し女性ホルモンの減少をサポートする

3-1.ストレスリリースを日常に

お話ししたように、ストレスには色々な種類がありますが、要するに、自分の外側の世界との摩擦によって起こります。

ストレスとは、生命にとっての危機的状況と動物的な本能が判断することで、自律神経を交感神経モードに傾け、アンバランスにします。
これが、更年期障害の症状も増長させてしまう原因になります。
日常から、ストレスをリリースし、努めて、リラックスを促す副交感神経モードへの切り替えを図ることが役立ちます。

3-1-1.睡眠のために朝しっかり起きる

自律神経をも支配するのが、睡眠ホルモン・メラトニンです。

睡眠を誘発するホルモンのメラトニンを分泌させ、夜ぐっすり眠るためには、実は、朝しっかり起きることこそが重要になります。

朝起きて、明るい太陽の光を目が感知すると、脳では「朝だ」と認識され、メラトニンの分泌が減ります。
それが、タイマーのスタート。
そこから約15時間後に、メラトニンが分泌され、自然に睡眠に入れるように、脳のタイマーがセットされるのです。

つまり、朝7時に起きたら、22時頃には、メラトニンが分泌されて、睡眠に誘われる訳です。

このリズムが一定であれば、ホルモンバランスも自然に整ってきますし、睡眠こそが究極のリラクゼーションです。

3-1-2.朝の熱いシャワーと夜のゆったり入浴

単に、リラックスすれば良いという訳ではありません。

ホルモンバランスを整えるには、バイオリズムを整えることが必要です。

朝・交感神経モードになって覚醒し、夜・副交感神経モードになってリラックスするというリズムを保つことが重要です。

一日中、ゆるゆるだらだらしていても、逆にアンバランスになるのです。

ですから、朝は熱いシャワーで、交感神経を刺激すること。
これによって、シャッキリと覚醒して活動することができます。

そして、夜はぬるめのお風呂で、副交感神経を刺激すること。
38〜40度程度のぬるめのお湯にゆったりと浸かるといいでしょう。

3-1-3.好きなアロマを焚く

嗅覚は、とても本能的な感覚なので、ダイレクトに自律神経のモードを切り替えることができます。

リラクゼーションをもたらすアロマとして、ラベンダーやカモミール、メリッサなどが有名ですが、ここで大事なのは、その香りが好きかどうかです。

ラベンダーのアロマ

自分にとって「快」と感じる香りは、安心してリラックスを促し、「不快」と感じる香りは、危機と感じて緊張をもたらします。

ですから、ラベンダーの香りが嫌いなのに、無理に選ぶと逆効果です。

3-1-4.スキンシップをする

スキンシップは、最大のリラクゼーションをもたらします。

皮膚が触れ合い、安心すると愛着や愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンという神経伝達物質が分泌されます。
これは、もともと赤ちゃんとお母さんをつなぐ母性のホルモンです。

このオキシトシンが十分に分泌されると、ストレス耐性が高くなることがわかっています。

愛するパートナーとのハグやセックスによるスキンシップだけでなく、母親にとっては子供との触れ合い。さらには、ペットとの触れ合いも同様にオキシトシンの分泌をもたらすことがわかっています。

こちらも「嫌い」なのに我慢すると逆効果ですので、ご注意を。
「愛してる」「大好き」が前提です。

4.腸内環境を改善して女性ホルモンをサポートする

ついに迎える更年期には、自然にホルモンバランスが乱れてきます。

ストレスを上手く交わし、更年期障害を悪化させないことがまずは大事ですが、もう一つできるのが、腸内環境へのアプローチです。

4-1. 大豆製品をしっかり食べる

大豆に含まれるイソフラボンが、女性ホルモンの働きを補うことはご存知だと思います。
そのイソフラボンは、腸の中でイソフラボンをエサにする腸内細菌・エクオール産生菌によってエクオールという物質に変換されます。

このエクオールが、活性を持ち、女性ホルモンの働きをサポートすることができるのです。

エクオール産生菌は、最近では日本人の9割にはいるものの、大豆製品を食べないでいると働きを忘れてサボっていることがわかっています。

ですから、しっかりエサとして納豆や豆腐、味噌などの大豆製品を日常に食べましょう。
小豆にも豊富ですから、おやつに食べるなら、ケーキよりもあんこです。

4-2. 食物繊維をもりもり

また、エクオール産生菌をはじめ、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などの有用微生物は、食物繊維が大好物です。

特に、海藻類やこんにゃくなどに豊富な水溶性の食物繊維をエサにしています。

また、非水溶性の食物繊維は、彼らのふかふかの寝床になり、腸の動きを活発にして便秘を防いでくれます。

こうして、腸内環境を改善し、腸の動きを活発にすることで、腸を支配している副交感神経の働きを高め、ストレスリリースにもつながります。

野菜や海藻類、きのこ類、豆類、雑穀類には、全般に水溶性・非水溶性食物繊維が含まれていますから、毎日これらをもりもり食べましょう。

野菜

ホルモンバランスを整えるには、まず基本的な食事やライフスタイルを整えることが根本になります。
まずは、自分の食生活やライフスタイルを振り返ってみて、ここを整えることから始めてみましょう。

基本を整えることこそが、来たる更年期に向けて、最強の備えになります。

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