こんにちは。
医師で予防医療スペシャリストの桐村里紗です。

わたくし、料理以外の家事が一切できません!
料理はクリエイティブな創作活動ですが、その他の家事は、主に整理整頓。それを大変苦手としております。

しかも、人生における仕事の優先度が高い上に、忙しいのが常となりますと、「家事って何ですか?」と完全に頭から抜けてしまう状態です。

夫はどうなのかと申しますと、ある瞬間に急激なこだわりと潔癖さを見せて皿洗いなどに凝り出すものの、長続きしないため、結局二人とも、「家事って何ですか?」というどうしようもない状態になってしまうのです。

さて、それでも我が家は、ゴミ屋敷にはならずに、ご機嫌に過ごしております。
急に友人知人が来たら、慌てるレベルには散らかっておりますし、プロ主婦からすると何にもできてないに等しいかも知れません。

しかし、趣味が家事という稀有な方を除いて、家事は皆さんの日常の負担になっていることと思います。

家事に追われてストレスを溜めないためには、

1)ポイントを絞る
2)抜きどころを作る

この2つが大切なのではないかと思う今日この頃です。

1.家事に追われないための「手抜き」ヒント

家事は、やってもやってもキリがありません。
突きつめようと思えば、いくらでもやることが出てきます。
やってもやっても終わらない家事地獄に追い詰められてしまうことも多いのではないでしょうか?

しかし、追い詰めているのは誰か?
自分自身でもあるんです!

家事でストレスを感じている女性

1-1.「手抜き」できる自分になるマインドセット

手抜きできない人は、要するに自分のマインドがそうさせていると言っても過言ではありません。

・完璧主義である
・家事は自分がやらなきゃ・やって当たり前だ
・「〇〇すべきだ」「こうするべきだ」と考えている
・自分のやり方がある
・他人に任せると不安、他人のやり方が許せない
・できない自分を責めてしまう

こんな方は、要注意です。
自分自身が家事に「規則」を設け、それに従わなければ「ダメ!」と思い込んでしまっている状態です。

「マイルール」があることは悪いことではありませんが、そのルールが絶対正しい!絶対にやり遂げなければ!他のやり方は許せない!となってしまうと、自分のマインドの枠組みに囚われて、柔軟性を失っていますよ。

真面目な方ほど、陥りがちな、自分自身がかけている罠です。

1)完璧主義をやめる

「完璧」など不可能です。
人が生活する限り、ゴミも出て、散らかっていくというのは、物理現象です。

本来家事とは、心地よく快適に家庭という場を保つためにする行為です。
常にピシッとモノが揃い、チリ一つ、水滴一つなく、完璧に整っているゆらぎのない環境は、生活感が感じられません。

家事ストレス 完璧に片付いたリビング

そんなホテルのような環境を日常に求めても、実際には家族は「少々の生活感がある方が安心する」と感じているかも知れません。

2)「家事は自分がやらなきゃ」をやめる

家事を背負っている人は、「家事は自分がやらなきゃ、誰もやらない」と思っていると思います。
実際に、パートナーや子供達がちっとも家事に参加する気がないかも知れません。

でも、自分が完璧にやりこなしてしまうと、彼らが家事をする機会を奪うことになります。
一度、彼らが散らかしたモノまで片付けてあげると、彼らは自分でやらなくてもやってもらえることになり、それが常態化します。

その状況を誰かがやめることで、新しい関係性が生まれますから、まず、彼らが散らかしたモノに一切手を触れずに放置してみてください。

追い詰められた彼らに対して、「じゃあ、どうするの?」「今度からどうしたら良いの?」と問いかけ、一緒に考えることで、ファミリーというチームが機能し始めます。

3)「こうすべきだ」をやめる

家事に追われている人の多くは、「こうすべきだ」とがんばっていることでしょう。

家事ストレス こうすべきと頑張る主婦

なぜ、そうすべきと思っているのでしょうか?
誰も、ルールを決めてはいません。
ノウハウ本やネットで誰かが言っていたとて、それは絶対正しいわけではありません。
それを「こうすべき」と思って、自分に課しているのは、自分自身です。

「こうすべきだ」と考えている場合、他の家族にも「こうすべき」を押し付けがちです。
家族であっても、子供であっても、別の人間です。
ですから、自分の「こうすべき」は、彼らにとっては全く窮屈以外の何者でもないかも知れません。

彼らの意見も取り入れて、家族全体で考えてみることで、家族関係も良くなります。

4)自分のやり方・マイルールをやめる

自分のやり方・マイルールがたくさんできてしまうと、どんどんとルールに縛られるようになります。
柔軟性がなくなり、自分の視点だけで家庭という世界を作り上げようとしてしまいます。

マイルールを作るのは悪いことではないですが、どうしても譲れない部分だけに絞って、あとは気楽にいきましょう。

5)他人に頼らないことをやめる

マイルールが強固だと、他人の助けを受け入れられなくなります。

例えば、夫や子供が料理や洗い物をしようとしても、「手順が違う」「仕上げが不十分」など色々と目についてしまい、結局は自分でやらないと気が済まないという状態になってしまうでしょう。

家事ストレス 掃除をする旦那さん

根本的に、他人の価値観を受け入れず、自分の価値観が正しいという思いがあります。

それは、全ての人間関係にも応用されますから、「自分以外は認めない」「他人のことは認めない」という不信感に繋がり、子供の感性を潰してしまう可能性もあります。

6)自分を責めることをやめる

そして、大切なことは、自分を責めないということです。

できないことばかりを数えて、できたことを無視する。
それは、自己否定をしてしまう人の根本的なマインドです。

この世の中に完璧などありません。

できたことを認めて、できないことは、「ま、仕方ない。だって完璧な人間などいないものね」と気楽に肩の力を抜きましょう。

手抜きをしている自分を許すということが何よりも大切です。
手抜きをしている自分も素晴らしい!
十分にやっているのですから、少々休みましょう。

7)家事という発想をやめる

さらにご提案したいのは、「家事」という発想をやめることです。
「家事」という言葉を聞くと、なんだかうんざりしてしまいませんか?

家事ではなく、自分の行動の結果、発生した乱れを整える。
呼吸のように、出したものをしまい、モノを拾い上げ、不要なモノはすぐに捨て、汚れがついたらサッと拭く。

家事ストレス 呼吸をするように拭き取る手元

この営みの中の「整える」という行為が、自然に場を整え、心地よい空間を生み出していきます。

とは言え、一旦、カオス状態になった部屋は、気合を入れて片付けてリセットする必要があります。
必要な人は、そこから初めて、あとは、「呼吸のように整える」を日常の営みの中に取り入れましょう。

1-2.ポイントを決めてやる

諸々やめた上で、緩急をつけることで、ポイントを決めてやりましょう。

「ここだけはやりたい」「譲れない」ということがあるのであれば、それは自分にとって大切なのですから、無理に止める必要はありません。
許せる範囲のところは手抜きをし、絶対にやりたいことはやる。

例えば、洗濯物。

家事ストレス 綺麗に畳まれた洗濯物

洗濯機に放り込んだは良いが、乾いたものを畳むのが面倒だったりします。
畳むのが好きで、これぞマインドフルネス!と思われるのであれば、それはやめずに、キープして。

でも、畳むことに手間がかかり、それがストレスになるのであれば、畳まず、家族各人のボックスにバサッと入れる。
後は、各人が、畳みたければ畳んでもらうとすると自分の負担が減りますね。

任せられるところは、各人に任せて、自分だけが管理しようと思わなくても大丈夫です。

お子さんの場合、畳みたい性格の子は自分でたたむようになりますし、気にしない子はそのままにするでしょう。
靴下をセットで畳んでおかないと、履く時に探す手間がかかります。

そんな時に「手間をかけずに探せるようにするにはどうするの?」と考えさせてあげると、「あ〜、そうか、だから最初から畳んでおいた方が便利なんだね」と畳むようになる子もいます。

毎回探すことになるようでも、それはその子の気質として、成長を見守っていくくらいのおおらかさがあれば良いですね。

自分におおらかになると、家族や他人にもおおらかになれます。
それは、多様な価値観を受け入れ、尊重し合う人間関係につながります。

家事ストレス 分担で軽くする

家庭は、最小の社会ですから、日常がうまくいけば、その応用である社会生活も楽になります。
ぜひ、家事の負担を減らすことから、やってみてくださいね。

この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

続きを見る

著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか