「女性として生まれてきたのだから、いつまでもずっと輝き続けたい」

女性なら誰しも、どこかこのように感じていらっしゃる方は少なくないのではないでしょうか?

しかし、年齢を重ねていくということ、それによる身体的機能の変化、社会的な立場や責任の負荷がどんどん増えていくことで、大切なあなたの心の声を見失っていることって、案外多いのかもしれません。

例えば、どこか「私なんて」と、願うことすら諦めていたり、「こんな程度でいいから」と、本当の願いに気づかないフリをしてみたり、そもそも「特に何も問題ありません」と、自分の心の声を聞かない選択をずっとし続けていたり……。

しかし、ある日突然その日はやってきて、「私、本当はこうしたかった」「私、もっと幸せになりたかった」と立ち止まったその時は、「今さらがんばっても遅いよね」と後悔ばかり。

そんなご経験、ありませんでしょうか? 筆者には、あります。

「今の自分を祝いましょう」

こうお話いただいたのは、医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗先生(tenrai株式会社代表取締役医師)。

女性が女性であるということ。

そして、女性に生まれた幸せを噛みしめるということ。

そんな、すべての女性に向けた“幸せの在り方”を、3部形式でお届け。今回は、前編“自分を愛するということ”についてお贈りします。

1.年齢は“腐る”のではない。“重ねて”“熟成して”いくもの

ーーWELLMETHODでは、「なめらかに、年をとる」をコンセプトにしていますが、「年をとること」に抵抗があったり、否定感がある女性は少なくないと思います。そのような場合、どのようにアプローチをしていったら、心と身体の変化を受け入れていけるのでしょうか?

前提として、特に日本は若い方が良いといった考えが多く、20代がピークで30・40代の女性は衰退していくという発想が強いと思うのですが、そこからして変ですよね。

それってどちらかというと男性目線。日本って特にアイドル・アニメ文化で、“若い方が男性にモテるとか美しい”といった風潮や価値観を受けて、女性も20代が終わったら「私終わったわ」って言うじゃないですか。

それはいらないです。そこからまず変えましょう。

年齢は“重ねる”“熟成する”。“腐る”ではないんです。


▲(写真)医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗先生(tenrai株式会社代表取締役医師)

 

もちろん、何もケアしないとどんどん身体の機能は衰えていきますが、それ以上に年を重ねること=腐敗するといった潜在的なイメージがあると思うんです。

そうではなくて、私自身に置き換えても、20代は恥ずかしいことだらけで未熟でしたし、出来ないことも多いし、考え方も稚拙。失敗もたくさんありました。でも、30代は出来ることが年齢を重ねただけ増えていきましたし、自信にもなりました。円熟というにはまだまだ足りないですが、知識や経験も増えてどんどん熟成してきているので、そこを肯定したいですね。腐敗というと悪玉菌の働きですが、良い意味で発酵・熟成する善玉菌の働きのようなイメージです。

まず、一番お伝えしたいのはこのことです。

“若い方が良い”という言葉を周りや社会から聞くから、自分もそのように思っているだけなんです。自分で判断していない状態。実際、自分が出来ることがどれだけ増えたのか、自信をどれだけ持てているのか、失敗を踏まえてどれだけ成長出来たのかを考えると、本当に人生100年としたら、100歳まで深まり、成熟していく。まずは年齢を否定することよりも、「今が最高」と思うこと。

年を重ねると誕生日をだんだん祝えなくなると思うのですが、「今の自分をお祝いする」ことが大事なマインドです。

2.“自分を愛して”いますか?

――桐村さんはこの考えに行き着くまでにさまざまな過程があったと思うのですが、どのようにしてこの考えになりましたか?

多分、母がこういう考えだったからだと思います。彼女はとても自信がある人で、男性から何を言われても気にしないところがあります。

例えば、「フランスを見てご覧なさいよ。カトリーヌ・ドヌーヴみたいに自信を持って円熟している女性はすごく尊敬されるけれど、日本の男は稚拙ね」といったことを言っていたので、母の影響があるからかもしれないです。

私自身もそう思っています。もちろん、白髪やシミも出てくるし、それに対して何もしないということではなく適切にメンテナンスしていくのですが、シワがあっても自分だし、愛するんです。

自己愛の重要性

まず、自己愛が大切です。セルフィッシュという意味ではなく、まず、自分を愛していないと自分を健康にしようと思わないですよね。自分にお金を使おうとも、質の良い食べ物を与えようとも思わない。

欠点ばかり見てバッテンばかりつけてしまう。そうなると、例えば恋愛において、もっと良い人が見合うかもしれないのに、「自分に見合う人はこの程度だ」とちょっとダメンズを選びがちだったりしますし、全部がそこに繋がっています。

3.自己愛の形成は親子関係にあり

アメリカって、「この子、こんなに才能があってすごいんだぜ」といったように褒めて育てるんです。このように、出来るところを伸ばしていくアメリカの教育がある一方で、日本は他人様に対して、「この子こんなに出来ないんです」と卑下する。

子どもは大人の建前がわからないので、潜在意識がつくられるまだ理性が発達する前の状態の時に、一番身近な社会である親から“ダメな子・出来ない子”と言われてしまうと、それが根本になってしまう。

たとえば、すごく美人な女性がいて、親が「不細工、不細工」と育てたらそう思い込んでしまいます。親が子どもが小さい時にどんな言葉をかけるか、投げかけられたかが全部アイデンティティになってしまうんです。自分の欠点まで親が褒めてくれたら、「それでもいいや」と開き直れるのですが、自己否定だと自分を愛せないんです。

自己愛の重要性

ヘルスケアをするにあたっても、まずは中心が自分を愛しているかというのがすごく大事なマインドです。年齢も含めてちゃんと自分を肯定出来ているか。自己肯定感を持てているか。

セルフィッシュのような「自分大好き」という自己中心的なものではないんです。

どうしても、自分を放っておいて子どもや旦那さんのためにとやりがちですが、全部自分のために。どちらかというと私もそちら傾向で、自分のことを置いて患者さんといった風になってしまいがちで、自分の体調を壊すこともあります。日本の女性はこういった方は多いですね。

ですので、まず自分への愛が満ちていて、そして自分が整った状態であるか。自分を愛するというところからはじまると思っています。

4.“出来ること”にフォーカスしていくということ

ーーでは、桐村先生にとって、幸せな年齢の重ね方とそうではない場合の違いはどういった部分に感じられますでしょうか?

もともと私は、「アンチエイジング」という言葉がすごく嫌いなんです。

アンチという言葉は、自分の年齢を否定するところから入りますよね。やることはやれば良いのですが、今の年齢を否定するその言葉の発信源が好きじゃないんです。

“ウェルエイジング”といって、より良く年を重ねるというのが時代的にもしっくりきますし、特にWELLMETHODを見る女性たちにはまずそこから入っていただけたらなと思います。

もちろん、機能が衰えていくので出来ないことも増えていきます。しかし、そこばかり見つめていくと、どんどん暗くなりますよね。シワも増えてくる、筋肉も衰える、骨もちゃんとしていないと弱くなる。でも、「出来ない」ことにフォーカスすると、「こんなに出来ないんだ」と思ってしまいますが、出来ることも同時に増えていますよね。

若いころは全然お金はなかったけれど、今はやりたいことを出来るし、心の余裕もある。そういう「出来ること」をちゃんと肯定する。ちゃんと認められるようになったら幸せだなと思います。

もちろん、衰えていくのを放置するという訳はなく、適切にメンテナンスして、その時の最高の状態に維持していくことは大事だと思いますが。

5.私も相手も満たされている状態が大切

あと、健康を考える上で“自分への愛が中心”とお伝えしましたが、やはり周りの人との関係性も同時に大事です。

個人の健康があってその上で大事な人とのコミュニケーションがある。そこの関係性が健康であってはじめて、全体の健康になるのかなと思っています。

パートナーシップ

特にストレスはすごく病気に関わってくるのですが、ストレスの原因は人間関係がほとんどですね。特に家庭でもそうですが、離婚の一番の原因は「価値観の違い」です。“価値観は全員違うものだ”という前提を踏まえて、自分を肯定するだけではなく、同時に相手も尊重するところもすごく大事です。

「私が正しい」という押し付けではなくて、「私は満たされています。あなたも満たされています。私の価値観はこうです。あなたの価値観はじゃあ、こういうバックグラウンドでこうなったんですね」というところをちゃんとお互いに尊重し合うこと。

でも、だんだん合わないところや嫌いな部分を攻撃しはじめがちですよね。そこで自己愛が中心にあるのですが、同時にいかに相手を尊重出来るか、良い関係が築けるかという部分も大事です。それがなければ孤独ですよね。

6.そもそも男性と女性が見ている視点が違う

――桐村先生は、パートナーシップにおいて普段どのようなことを心掛けていますか?

とても尊重しています。パートナーとは、価値観も合うところは合うのですが、合わないところはまったく合わない。

私が思っていることは伝えるのですが、ガミガミは言いません。「失敗するかもな」と思いながらも様子を見ていると、勝手に社会で制裁されて、ホームにかえってくる。一応チクっとは言っておいて、野放しにするんです。ガミガミ言っていた時は反発して「自分が否定された」といった感じになっていたのですが、そうではなくて大きく包むイメージです。

かといって、相手が失敗したら引きずられるので、“運命共同体”という覚悟を持っておかないとと思っています。相手が失敗したら一緒に引っ張られてしまいますよね。それも踏まえて、「わかった。失敗してきなさい」という気持ちで送り出すようにしています。

――そこは「何があっても大丈夫」という信頼があるからチャレンジ出来ることですよね。

これ、主婦のみなさんにとっても大事だと思うんです。

男性は広い価値観を持って社会に出ているのが一般的だと思うのですが、女性の目線・家庭の中だけだと、その範囲に押しとどめてしまって自由になれない。

“彼が思う存分自分の人生でやりたいことを謳歌するために”と考えることが大事です。私の中の正解で彼を見てしまうと真逆の考えもあったりするのですが、そこは押し付けない。相手の価値観を尊重して、「こういうことが好きなんだな。私は違うんだけど。じゃあやっておいで」といった感じ。常にそうしています。

7.“私だったら大丈夫”という自分への信頼

――基本的には、意見が違っても旦那様の意見を尊重するということでしょうか?

それぞれの活動の時は、私は私でやります。しかし、意見が違っても一緒に何かをする時は融合しないといけないので、そのような時には会話をします。

どうしても、つい自分の価値観の中に押し込めてしまって、旦那さんに失敗して欲しくないという気持ちで自由を奪っていう女性も多いかなと思います。

でもそれはあなたの価値観であって、彼はもっと広い世界を見ている。そこの自由を奪ってしまうと、もちろん外に出たくなるので浮気のリスクも高くなりますよね。野放しにされる方が彼も幸せですし、こちらもストレスがない。無駄に喧嘩もしないです。

やはりそこは、信頼関係ですよね。何があっても、失敗しても、人は必ず成長するんだという信頼です。

自己愛の重要性

――自己肯定感が低いのも旦那さんを縛り付ける原因になるのでしょうか?

原因になります。特に愛されている自信がないとそうなってしまいますよね。

「もっと長い時間一緒にいたいから早く帰ってきて」といったように、仕事を邪魔する人もいます。そしたら男性も窮屈になって窒息してしまうから余計外に出たくなる。

そこのオープンコミュニケーションをしようと思ったら、やっぱりまずは自分を愛して「私だったら大丈夫」と自分を信頼すること。

それがないと、「こんな私だから愛されないのでは」とねじれてしまう。実際はパートナーはそう思っていないのに、余計に縛りたくなってしまいますね。

8.まとめ

「まずは、自分を愛すること」

この自己愛が、幸せな女性をつくる大切な考え方。

自分を愛していれば、パートナーに対しても安心して接することが出来ますし、相手のやりたいことを全力で応援できます。

そして、なぜ自分を愛せないのか? その原因は、潜在意識がつくられる前の子ども時代の親子関係にあるということを教えていただきました。

「こんなにがんばっているのに、パートナーシップがうまくいかない」

「こんなにやっているのに、いつも自信がない」

この原因がわかってホッとしますね。

では実際、どのようにアプローチすれば、子ども時代の自分を癒し、愛することが出来るようになるのでしょうか?

桐村先生いわく、「まずは仕組みを知ることが大事」とのこと。

次回は、桐村先生がどのようにして親子関係を癒してきたのか? その体験談と、自分を愛すること・自分を幸せにするために必要なマインドついて、お届けします。

監修:内科医 桐村里紗

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詳しくは→ https://wellmethod.jp/present/

はやかわちえ

【ライター】

“女性に生まれたよろこび”をテーマに、性・パートナーシップ・自己表現などの分野で活動するフリーライター。
ライフワークは歌・音楽活動。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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