こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

「やる気はあるのに体が思うように動かない」
「気持ちが不安定で毎日憂鬱」
「肩こりや腰痛を感じることが増えた」

そう感じることはありませんか?

私は20代の頃、気力も体力も十分にあって、疲れも寝ればすぐに取れました。

ですが、40代になった今、「頑張ろう!」という気持ちはあっても、体が重くて思うように動けないことが増えたんです。頭痛や動悸、肩こりや腰痛が起こることも。

さらに気分の浮き沈みも激しくなり、そんな自分に嫌悪感を持ってしまうこともありました。

このような更年期に起こる様々な症状は、「不定愁訴」とも呼ばれています。

更年期でも不定愁訴の症状に負けずに、毎日元気に笑顔で過ごしたいですよね。そこで今回は、更年期における不定愁訴の症状や原因、治療方法などを紹介します。

1.更年期における不定愁訴とは

不定愁訴とは、身体に現れる様々な症状のうち、内臓や骨などに病気が見つからず原因がわからないものを指します。

例えば、頭が痛かったり体がダルかったりするのに、医療機関で一般的な検査をしても病巣が見当たらないことが挙げられます。

45~55歳の更年期にあたる女性に現れる不定愁訴のうち、日常生活に悪影響を与えるものは「更年期障害」といわれています。

更年期における不定愁訴には、様々な原因が考えられます。

「更年期だからしかたない」と考える女性も多いかもしれません。しかし、症状と向き合い適切に対処することで、不定愁訴を乗り切ることができるのです。

寝ている女性

1-1.更年期に多い不定愁訴

女性の体や心は、主に思春期・分娩・産褥期・更年期において、大きな変化があるとされます。

不定愁訴は、その時々に現れやすくなりますが、更年期に多いのが特徴です。

そもそも更年期とは、閉経になる40代後半〜50代くらいまでの期間を指します。多少の年齢の前後はありますが、この10年間でほとんどの女性が閉経を迎えるのです。

閉経を迎えることで体の中では、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が急激に変化するため、不定愁訴の症状が現れやすくなります。

女性にとって更年期は、このあと訪れる老年期の準備をする大事な時期でもあります。そういう意味でも、不定愁訴を乗り切ることができるように対処するのが理想的です。

1-2.不定愁訴の原因と更年期障害

不定愁訴の症状が現れるのには、次の3つの原因があるとされています。

・卵巣機能の低下
・環境の変化やストレス
・性格

卵巣は、排卵以外に女性ホルモンのエストロゲンの分泌にも大きく影響を与えています。加齢によって卵巣の機能が低下すると、エストロゲンの分泌量が大きく減少します。その結果、体に悪影響を与えてしまうのです。

更年期の女性は、子育てを終える時期でもあります。誰もが「第二の人生」として自由な時間を楽しめるわけではなく、返って子育てを終えたことを消失感と考えてしまう女性もいます。

こうした環境の変化に対する考え方は、性格によって違い、人によっては強いストレスになることも。

きょうだい

これらが更年期に起こる不定愁訴の原因となります。主な症状としては体のだるさや頭痛、肩こり、胃の不快感など。

原因が見当たらない頭痛や体のだるさ、動悸、肩こりなどは、女性の更年期に起こりやすいため、「更年期障害」として簡単に紹介されがちです。

しかし、本来更年期に起きるこれらの症状は不定愁訴であり、その症状のうち閉経に伴う女性ホルモンの低下や自律神経失調に関連し、日常生活に影響を与えるものを「更年期障害」と言います。

2.更年期における不定愁訴の主な症状

不定愁訴の症状は数多くあります。人によって現れる症状も一定ではありません。

ここでは、症状を分かりやすく3つに分類して説明します。

ハーブティーを飲む女性

2-1.自律神経の影響による症状

更年期の不定愁訴の主な症状は、のぼせ、ほてり、冷え性、動悸などです。

これらの症状は、女性ホルモンのエストロゲンの減少によって、自律神経がアンバランスになることにより起こります。

エストロゲンは、思春期を迎えるころに分泌量が多くなり、女性らしい体づくりのお手伝いをします。

しかし、更年期に入ると卵巣の機能低下に伴い、徐々にエストロゲンの分泌量が減少していくのです。

エストロゲン分泌量の急激な減少は、自律神経にも悪影響を与えることがあります。すると、のぼせやほてり、冷え性などの不定愁訴が起こりやすくなります。

2-2.精神の影響による症状

ハーブティー

更年期における不定愁訴には、頭痛や気分不安定、逆上(のぼせ)などもあります。これらの症状は精神の影響を受けて起こる場合もあります。

更年期の不定愁訴は、体の内部の変化だけではなく、心の変化によって起こることもあるのです。

心の変化やストレスは、子どもの自立などといった状況や環境の変化によって起きる場合があります。

子どもの自立に対して、どう解釈して切り替えていけるのかは、性格や環境によって異なります。
親としての責任を終えることができたと感じる人もいれば、寂しさを感じる人もいるのです。

また、心の変化は、閉経といった年齢的に生じる身体の変化や、病気への漠然とした不安が要因となることも。

更年期になると、心と体のバランスが一致しないことがあります。

不定愁訴の身体的に現れる症状を、重篤な病気だと思い込み、気分が落ち込んでしまう女性もいるのです。

ストレスなどは、脳機能にも影響を与えます。 

卵巣は脳の指示によって、エストロゲンの分泌量を決めてホルモンバランスをとっています。しかし、更年期にストレスなどの影響によって脳が正常に機能できなくなると、体だけでなく心にも影響が現れるのです。

2-3.体の機能の老化による症状

更年期には、腰痛や肩こりなども起きやすくなります。

体の機能は、年齢を重ねることで徐々に老化していきます。日常生活においても運動量が少なくなり、動かすことができる体の範囲も狭くなっていくのです。

このような不定愁訴を軽減させるために、運動やストレッチを行うことをおすすめします。
運動やストレッチを行うことは、気持ちのリフレッシュにも繋がります。

更年期の症状を軽くする運動について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

▼更年期障害の症状を軽くする運動とは?

更年期障害の症状とは? 正しい対策を立てるためには原因を知ろう!

3.更年期の不定愁訴の治療方法

残念ながら、更年期の不定愁訴を根幹から治せるという、確立された治療方法はありません。

しかし、症状を軽減させる効果が期待できる方法があります。

3-1.生活指導とカウンセリング

ベッドにもぐりこむ女性

多くの場合、日常生活や社会に対して不安に思うこと、ストレスなどの影響によって不定愁訴の症状が現れています。

そして、どんな不定愁訴が現れるのかは、一人ひとり異なるのです。そのために、不定愁訴外来などでは、丁寧なカウンセリングを行います。

カウンセリングでは、今起こっている症状以外にも病歴・家族構成や関係性・食事内容・睡眠時間・妊娠や出産の経験・現状の生活習慣など、ありとあらゆることを聞きだしながら、ストレスとなっていることや、トラウマとなり性格に問題をもたらしていることをカウンセラーが聞き出すことで、自分自身の心が整理され、自分自身の心の状態に気づき、自ら解決方法を見出していく方法です。

こうしたカウンセリングを繰り返し行いながら、不定愁訴の原因となる生活習慣の改善や、さらに必要な治療について考えていきます。

3-2.女性ホルモンを補充する

更年期障害に伴う不定愁訴に対して、不足している女性ホルモンの補充(ホルモン補充療法)を行う方法もあります。

前項でもお伝えしたように、不定愁訴の症状や原因のほとんどは、女性ホルモンのエストロゲンの急激な減少によるものと考えられています。

ホルモン補給療法によって、不足している女性ホルモンを補うことができれば、のぼせやほてりなどの症状の改善が期待できるのです。

ホルモン補充療法は、不定愁訴や更年期障害の症状以外にも、閉経後の骨粗鬆症や不眠症などにも効果があるとされています。

ホルモン補充療法には、飲み薬・貼り薬・塗り薬があります。

飲み薬は、胃や肝臓を通り血液へと吸収されていくため負担がかかることが懸念されています。

貼り薬や塗り薬の場合は、内臓への負担なく皮膚から吸収されますが、皮膚トラブルを発症してしまうケースもあるのです。

▼ホルモン補充療法について詳しい内容はこちら

体調が悪いのは女性ホルモンが原因? 海外期待の“ホルモン補充療法”という可能性

4.疲れの蓄積と生活習慣の見直し

不定愁訴は、これまでの疲れの蓄積や不規則な生活によって症状が現れます。突然症状が現れるようなイメージもありますが、そこには原因が必ずあるという解釈の方が正しいかもしれません。

仕事と家事・育児をこなし続けているうちに、知らず知らずのうちに疲れやストレスという目には見えない形で残っている可能性があります。

さらに、家事が終わって就寝するのが深夜になるという女性もいらっしゃるはずです。

十分な睡眠は、体や内臓の疲れを癒す効果があります。特に肝臓をしっかり休ませることは、ホルモンバランスにも良いとされるので、せめて夜11時から日付が変わるまでには就寝できるように心がけてみてください。

また、家族に頼ることが可能であれば、生活そのものを見直していくことも、不定愁訴を乗りきるためには必要なのかもしれません。

ひまわり

5.体と心のサインに気づきにくい女性

いかがでしたでしょうか?

不定愁訴について、そして周りには理解されにくい症状を改善していく方法についてご紹介しました。

「なんとなく体と心の調子が悪いな」と感じるとき、実は女性ホルモンの減少による影響を受けている可能性があることがわかりました。

私は今まで、体が思うように動かないと「努力が足りない」と思い、自分に厳しくしたり自己嫌悪に陥ったりしました。

ですが、不定愁訴のことや女性ホルモンについて知ったことで、「体と心の調子が悪いときは、丁寧に自分と向き合おう」と思えるようになったのです。

更年期だけでなく、女性としていつまでも笑顔で輝いていたいと望むなら、1日1回もしくは1週間に1回というペースで自分と向き合う時間を作ってみることをおすすめします。

また、すでに不定愁訴のような症状があって辛いと感じる場合は、医療機関で相談をしてください。

まだそこまで症状はないけれど、疲れやストレスを感じるのであれば、好きなことをしたり友達や家族と過ごしたりして、リフレッシュしてみてくださいね。

これだけでも、心が楽になり体の不調も抑えられることもあるのです。

私は、気分転換にカフェでの時間を楽しんだり、部屋には好きな花を飾って、毎日丁寧にお世話をする時間を作っています。リラックスする時間をとることで、仕事も捗ります。

皆さんもぜひ、そんな楽しみを見つけてみてくださいね。

監修:内科医 桐村里紗

▼監修・桐村医師による不定愁訴と“隠れ貧血”の関係性について[セルフチェック項目あり]

https://wellmethod.jp/indefinitecomplaint_hiddenanemia/

和重 景

【ライター】

主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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