こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

日差しが強い季節になりましたね。
ジメジメと蒸し暑い日が続いたかと思えば、気温がグッと上がったりと体がついていかないという方も多いのではないでしょうか。

そんな夏に気をつけなければいけないのが熱中症。

筆者が子どもの頃は、天気予報といえば降水確率や気温がメインで発信されていましたが、数年前から天気予報をはじめテレビやインターネットのニュースでは熱中症に関する注意喚起が行われるようになりました。

外出先では熱中症にならないように気をつけている方も多いと思いますが、家の中でも熱中症になる可能性があることをご存じでしょうか。

筆者は過去に家の中で熱中症になった経験があります。

家の窓の拭き掃除を約20分していたときのことです。急にクラクラとして体調の異変を感じ、そのまましゃがみ込んでしまい立つことができませんでした。その後、ひどい吐き気と頭痛に襲われ病院に行くと、熱中症と診断されました。

そのときはまさか家の中で熱中症になるなんて思っておらず、熱中症と診断されたときはとても驚きました。

屋外・屋内にかかわらず、熱中症は重症化すると命を落とす危険性があります。毎年、熱中症で亡くなる方も少なくありません。

今回は家の中で起こる熱中症の原因と知っておきたい熱中症になったときの対処法や予防策についてご紹介します。

1.熱中症とは?

熱中症とは外気温や湿度が高い状況において体温を十分に下げることができず、体内に熱がこもりさまざまな症状が現れる状態のことをいいます。

熱中症になると体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れ、体温調整機能が働かなくなってしまいます。

屋内熱中症の男性

2.熱中症の症状

熱中症の症状は主に3つの段階に分けることができます。
どの段階であっても適切な対処をすることが大切です。それでは段階別に症状をみていきましょう。

2-1.熱ストレス(熱失神・熱けいれん)

熱ストレスは熱中症の中では初期症状にあたります。軽度の熱中症で起こる症状です。

・熱失神:めまい・立ちくらみの症状が現れます。脳の血流が低下することが原因で起こります。

・熱けいれん:こむら返りや筋肉痛の症状が現れます。発汗と同時に体内の塩分濃度が低下することが原因で起こります。

その他に手の痺れや気分の不快感・大量の発汗などが見られます。

2-2.熱疲労

熱疲労は中等度の症状です。体がぐったりして力が入らない状態です。

本人だけではなく周囲から見ても体調の異常を感じることができ、軽度の意識障害が起こることもあります。

・頭痛
・吐き気
・嘔吐
・倦怠感:ひどい体のだるさを感じることがあります。
・虚脱感(きょだつかん):体に力が入らない状態のことです。
・集中力や判断力の低下

上記のような状態がみられ、自分で水分をとることができない場合は救急搬送が必要です。

2-3.熱射病(ねっしゃびょう)

熱射病は熱中症の中でも重症といわれる段階です。意識障害と全身症状がさらに悪化した状態であり、直ちに救急搬送が必要です。

・意識障害
・けいれん
・手足の運動障害
・高体温

真っすぐに走ることができなかったり、呼びかけへの反応の低下が見られたりします。

肝機能障害や腎機能障害・血液凝固障害などが起こることもあります。

3.家の中で熱中症になる原因とは?

屋内熱中症

熱中症というと日差しが強い屋外でなるといったイメージがあると思いますが、家の中でも熱中症になる条件が揃うと熱中症のさまざまな症状が現れます。

東京消防庁によると熱中症の救急要請時の発生場所では、住居等居住場所が全体の40.2%を占めており、もっとも多いとされています。

参考)東京消防庁
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/202005/heat.html

熱中症になる原因には3つの要因があげられます。

3-1.環境

・気温が高い(28℃を超えたら注意が必要)
・湿度が高い
・風が弱い
・日差しが強い
・締め切った室内
・エアコンを使用しない
・気温の急上昇

このような環境下においては熱中症のリスクが上がります。

また外の気温が高く、太陽がもっとも高くなる13時前後は室内に入る日差しも強くなるため注意が必要です。

3-2.からだ

からだの要因とは、体温調整機能が低下している状態のことです。

・脱水状態
・睡眠不足や二日酔いなどの体調不良
・低栄養状態
・生活習慣病や心疾患・腎疾患などの持病がある
・発汗しづらい
・自律神経の失調

これらの要因の他にも、高齢者や肥満傾向にある人・乳幼児・寝たきりの人は熱中症のリスクが高いといえます。

3-3.行動

環境やからだの要因以外にも、以下のような行動もまた熱中症になるリスクを上げてしまいます。

・激しい運動
・急な運動
・長時間の屋外作業
・適切な水分補給をせずに運動や作業を続ける

特に普段から発汗習慣がない人が急に発汗する、暑い環境で作業や運動をすることで起こりやすくなります。

3-4.マスクの着用

不織布マスク

コロナ禍においてマスクが欠かせない生活となりました。

しかしマスクを着用していることが熱中症を引き起こす一つの要因となっています。

マスクを着用していると息苦しさを感じることがあると思いますが、これは口から吐いた息を吸い込むため通常よりも低い酸素濃度となります。

厚生労働省では、「屋外で人と十分な距離(2m以上)離れている時」はマスクをはずすように促しており、マスク着用時には激しい運動や、気温・湿度が高い時は注意をし、喉が渇いていなくてもこまめに水分補給をすることをすすめています。

参考)厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000798079.pdf

▼【医師解説】猛暑のマスク使用は危険! 熱中症を避けるための正しい着脱法

https://wellmethod.jp/heatstroke/

4.家の中で熱中症が起こりやすい場所とは?

家の中でもとくに熱中症リスクが高い場所があります。それは日差しが入り込みやすい場所や風通しが悪く湿度が上がりやすい場所です。

4-1.浴室

浴室は室温や湿度が高くなりやすく、また通気性も良くないことから家の中でもっとも注意すべき場所といえます。

入浴中は発汗によって脱水しやすいため、さらにリスクが高まります。

4-2.洗面所

洗面所は浴室とつながっている間取りとなっていることも多く、湿度が上がりやすい場所です。

また狭いスペースであることや閉め切っていることも多いため注意が必要です。

洗面所

4-3.直射日光の当たる場所

日当たりを良くするために大きな窓がある部屋や直射日光が当たる場所は温度が高くなります。

リビングや南向きに大きな窓がある場合には、直射日光が入らないような工夫が必要です。

4-4.一戸建ての2階部分

一戸建ての住宅では、1階よりも2階の方が熱が溜まりやすく気温や湿度が上がりやすいとされています。

その他にも熱が冷めにくい鉄筋コンクリート造りのマンションなども注意が必要です。

5.気をつけたい熱中症になりやすい生活場面

4章では家の中には熱中症になりやすい場所があることをご紹介しました。

しかし熱中症に注意すべきことは場所だけではなく、熱中症になりやすい条件があるということもあわせて知っておくことが大切です。

5-1.睡眠時

夜になり気温が下がっても、日中気温が高く家自体が暖められていると室温が下がらないことがあります。

睡眠中も寝汗などをかき水分が失われる上に、室温が高いままでは寝ている間に脱水になってしまうことがあります。

気がつかないうちに体が脱水状態になってしまう危険性もあるため、就寝前にはコップ1杯の水を飲むようにし、就寝時には窓を開けて換気を良くしたり、冷房機器をつけるようにしましょう。

5-2.在宅ワーク時

暑い中リモートワークをする女性

コロナ禍により在宅ワークをしている方も多いのではないでしょうか。

仕事に集中していると水分補給や休憩を忘れてしまうことがあります。

パソコンなどの電子機器から発熱することもあるので、気づかないうちに室温が上がり脱水になっていることも少なくありません。

5-3.マスク着用時の注意点

夏にマスクを着用しながらの活動は思った以上に熱中症のリスクを引き上げてしまいます。

外出時はもちろんですが、マスクをつけたままクーラーや扇風機をつけずに暑い部屋の中で重いものを運んだり調理や掃除をしたりすることは危険です。

また出勤や外出中に大量の汗をかいたにもかかわらず、その後水分補給をせずにいることも熱中症のリスクが高くなります。

夏は外出先から涼しい室内に入ったとしても必ず水分補給をするようにしましょう。

6.もしも熱中症になったら! 知っておきたい対処法

熱中症の症状が疑われるときは、早めに対処することが大切です。

もしものときのために、対処法を知っているのと知らないのではその後の体調の経過にも大きな影響を与えてしまいます。

ここでは熱中症の知っておきたい対処法についてご紹介します。

6-1.水分・電解質飲料を飲む

水分補給 水

脱水は熱中症の重症度を高めてしまう可能性があります。

発汗すると汗とともに塩分などのミネラル分が奪われてしまいます。

水を飲むことは大切ですが、できれば塩分やミネラル分が補給できる電解質飲料を飲みましょう。

6-2.体を冷やす

体を締め付けるような衣服を着ているときは緩めて、風通しを良くすることが大切です。

また氷やアイスパックなどで太ももの付け根や脇の下・首など太い血管が通っている場所を冷やしましょう。

6-3.涼しいところに移動させる

エアコンが効いている室内や風通しの良い日陰など、涼しい場所へ避難することが大切です。

6-4.医療機関を受診する

話しかけても返事がなかったりぼーっとしているなど意識障害が見られる場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

軽度の熱中症であれば、上記の対処法で回復する可能性が大きいのですが、意識障害がある場合は一刻も早く医療機関を受診してください。

7.家の中での熱中症予防策

家の中で熱中症にならないために大切なことは、3章でご紹介した4つの要因を避けることです。

7-1.こまめに水分補給する

水分補給 水

喉が渇いていなくても水分をこまめに取ることが大切です。

入浴時や起床時は水分を失いやすい時間であるため、しっかり水分補給をしましょう。

また、睡眠中も汗をかくため、就寝中に気がつかないうちに水分不足になり熱中症を招く危険性があります。寝る前にコップ1杯の水を飲むと安心です。

しかし水分補給にも気をつけなければいけないポイントがあります。

水分と電解質の両方を補給できるスポーツ飲料は熱中症予防に効果的ですが、血糖値を上げるブドウ糖やショ糖を多く含むため、飲み過ぎには注意しましょう。

またアルコール飲料は水分補給にはなりません。

アルコールには利尿作用があるため、アルコールを飲んだ以上に水分が尿として排出されてしまいます。

またアルコールを分解する際に体内の水分が使われるため、アルコールを飲めば飲むほど体は脱水状態になってしまうのです。

水分補給には麦茶や水、適量のスポーツ飲料がおすすめです。

1日の水分摂取量は食事に含まれる水分と飲み物を合わせて約2リットルを目安にしましょう。大量に汗をかいた場合は、それ以上に飲むことが大切です。

▼【医師解説】脱水は「老化」!大切過ぎる水の働きと上手なとり方、選び方

https://wellmethod.jp/dehydration-is-aging/

7-2.室温は28℃以下を保つ

エアコンや扇風機などを利用して室温を28℃程度になるようにしましょう。
暑い室内で冷房機器を使用しないことは熱中症を招く危険性があります。

外気温との気温差が大き過ぎても、体の負担になります。冷房は、室外との気温差が5℃程度までが体に負担も少ないとされています。

またエアコンの使用中であっても、こまめに窓を開けて風通しを良くすることが大切です。

部屋に室温・湿度計を置き、定期的に確認するようにしましょう。

7-3.適度に運動をする

汗をかく運動をする女性

運動習慣のない方は日頃汗をかくことが少ないため、夏の暑い時期にうまく汗をかくことができません。

その結果、体温調整ができなくなってしまい、体内に熱がこもりやすくなり熱中症のリスクを高めてしまいます。

夏の暑さに体が対応できるよう「少しきついな」と感じる程度の軽い有酸素運動を毎日30分を目安に行いましょう。

早朝や日が沈んだあとなど、少し涼しいと感じる気温のときに行うと良いでしょう。

7-4.生活習慣を整える

睡眠不足や不規則で偏った食事は体調不良を招き、熱中症のリスクを高めてしまいます。

毎日7~8時間程度の質の良い睡眠や規則正しく栄養バランスのとれた食事をとることは、丈夫な体づくりに欠かせません。

7-5.体に負荷がかかるような無理な活動を控える

体に強い負荷がかかるような作業や運動は控えるようにしましょう。

またコロナ禍のいま、家庭内感染を予防するために家の中でマスクをしている方は、周りに人がいないときにマスクをはずす時間を作ることも大切です。

7-6.日差しを遮る

すだれ

室内に日差しが入り込む場合は、日差しを遮ることが大切です。

日差しが入り込むのを軽減するためのおすすめの方法は以下の通りです。

・ベランダや庭に植物を植え、グリーンカーテンを作る
・窓にすだれやブラインドを取り付ける
・窓にUVカット効果がある剥がせるタイプの遮熱フィルムを貼る
・遮光シートをベランダの物干しにかける

8.熱中症について知ることで自分や大切な人を守りましょう

地球温暖化

世界全体で取り組んでいる環境問題の一つに「地球温暖化」があります。

その影響もあってか、近年日本の夏は段々と気温が上がり、35℃以上になる日も少なくありません。

熱中症は重症化すると命の危険を伴います。

地球温暖化対策のために環境に配慮した生活を送ることも大切ですが、熱中症の予防法とともに万が一に備えて対処法を身につけることは重要なことです。

熱中症について正しい知識を得ることは、自分はもちろん大切な家族や友人などを守ることにもつながります。

いまから家の中の環境や生活習慣を見直して、今年の夏に備えましょう。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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