乾燥肌を何とかしたい! 主な原因と対策・予防法を徹底解説
こんにちは、ライターの廣江です。
うるおいに満ちたつややかな肌は、いつまででも、多くの女性にとって永遠の憧れですよね。
ですが、ケアはしているものの、「乾燥肌で悩んでいる」という方も少なくありません。
私もそのひとり。冬の乾燥シーズンに痒みをともなうほどになるのはもちろん、夏場でさえも職場のエアコンが効きすぎているのか、全身がカサカサしていることも……。
症状が出てから後悔することもしばしば。忙しい時ほど肌に出やすいので、より念入りなケアが必要なのに、つい怠ってしまうことも。
ですが、なぜ、乾燥肌になってしまうのでしょうか? 事前に防ぐことや肌質を改善することは可能なのでしょうか?
この記事では、乾燥肌を招く主な原因や、対策・予防方法について紹介します。
目次
1. そもそも乾燥肌とは?
そもそも乾燥肌とはどのようなものなのか、特徴や症状について詳しく見ていきましょう。
2. 乾燥肌とは
乾燥肌とは、簡単にいうと肌の「皮脂・水分が不足」している状態のことです。場合によっては、「ドライスキン」と呼ばれることもあります。
2-1. 症状
乾燥肌の人には、主に以下のような症状が起こるといわれています。
2-1-1. バリア機能の低下
角質層には外敵から肌を守るための「バリア機能」が備わっており、水分を保持して「角質層のうるおいと柔軟性を保つ」役割を担っています。
しかし、さまざまな理由によって肌のターンオーバーが乱れてしまい、角質層が未熟な状態のまま表面にできてしまうことがあります。
未熟な角質層は吸水性が低く、皮膚表面が硬くなり、なめらかさが失われてしまうのです。
また、バリア機能が低下すると皮膚が乾燥してガサガサになったり、粉を吹いたりしてしまうことがあります。
2-1-2. 皮脂分泌の低下
肌が乾燥すると、皮脂の分泌が低下します。
すると、皮膚内の水分を保つことができなくなるのです。
皮脂が減少して乾燥がひどい場合、やがて「皮脂欠乏性皮膚炎」などを招くおそれがあるため、注意が必要です。
2-2. 乾燥肌に悩みやすい年代
乾燥肌はどの年代にも起こり得るものの、「年齢を重ねたエイジング世代」は特に乾燥肌を招きやすいといわれています。
これは、年齢を重ねることで皮脂分泌が少なくなり、肌が乾燥しやすい状態になるためです。
若いときのままのケアを続けている場合、実は肌のうるおいが不足しているというケースもあるため、注意しましょう。
3. バリア機能の低下と乾燥肌を招く主な原因
加齢による皮脂分泌の減少は避けられないとしても、肌のうるおいを保つために欠かせない「バリア機能」は、低下しないように工夫することができます。
肌の乾燥を防ぐためには、バリア機能が低下してしまう、根本的な原因を知ることが重要です。
バリア機能の低下を招く主な原因には、以下のようなものが挙げられます。
3-1. 紫外線によるダメージ
しわやしみの原因になるなど、肌トラブルの大敵として知られているのが「紫外線」です。
紫外線はこれらの肌トラブルだけではなく、肌の表面にある角質層にも大きなダメージを与える要因になり得ます。
紫外線による負担が大きくなると、バリア機能の低下を招くため注意が必要です。
3-2. 入浴
毎日の入浴も、間違った方法を実践していると、肌が乾燥してしまう原因につながります。
例えば、気を付けなければならないのが「肌の洗いすぎ」です。
洗浄力の強いボディソープを使って身体を洗うと、皮脂を取り過ぎてしまうおそれがあります。
さらに、ナイロンタオルなどを使っている場合は、ゴシゴシ肌をこするようにして洗うと、角質層に負担を与えてしまうことがあるため要注意です。
また、「お湯の温度」にも配慮する必要があります。
シャワーや湯船のお湯が高温になっている場合、肌に必要なうるおいまで流れてしまい、バリア機能が低下してしまうのです。
3-1-1. ビタミン類の不足
家事や仕事で忙しく、毎日のように外食をしている人は要注意です。
栄養が過度に偏ったり、ビタミン類が不足したりすると、肌トラブルを招く原因につながります。
なかでも、ビタミンB群は肌のターンオーバーと深い関わりがあります。
ビタミンB群が不足するとターンオーバーが乱れやすくなり、バリア機能の低下につながる可能性があるのです。
4. 自分の肌は乾燥している? セルフチェックの方法
肌の状態が気になるものの、「乾燥肌なのかわからない」という人も多くみられます。
自分が乾燥肌であるかどうかを判断するためには、以下のセルフチェックを試してみるのも良い方法です。
チェック項目には、以下のようなものが挙げられます。
4-1. 入浴・洗顔後の肌
入浴後や洗顔後に肌がつっぱるように感じられたり、カサカサと白い粉を吹いたりする場合は、肌が乾燥している可能性があります。
4-2. スキンケアをしているときの肌
化粧水や乳液などをつけたときに肌がヒリヒリしたり、赤くなったりする場合は、乾燥肌の可能性が高いでしょう。
ただし、スキンケア用品がただ肌に合っていないだけの可能性もあるため、慎重に見極めるのが肝心です。
4-2-1. 皮脂分泌が少ないパーツ
皮脂分泌が少ない身体のパーツには、「ひじ」「足の裏」「膝」などが挙げられます。
顔のパーツは、「頬」「口の周り」「目の周り」などです。
これらのパーツにしわやひび割れなどがみられる場合は、乾燥肌が疑われます。
5. 乾燥肌の対策法
セルフチェックなどで乾燥肌であることが判明した場合は、きちんと対策を行う必要があります。
肌の乾燥は見た目が気になるだけではなく、肌あれを引き起こしたりメイクノリが悪くなったりすることがあるため、速やかにケアを行いましょう。
乾燥肌への対策方法は、大きく「セルフケア」と「医療機関によるケア」の2種類に分けられます。
5-1. セルフケア
肌の乾燥がそこまで進んでおらず、特別なトラブルやかゆみなどが生じていない場合は、自宅でのセルフケアを行う方法があります。
乾燥した角質層を保護するために、市販の保湿クリームや保湿剤などを使って、スキンケアを行いましょう。
乾燥への対策は、肌のターンオーバーが正常に行われるよう、丁寧な保湿を行うのが基本です。
日頃から化粧水・乳液・クリームなどを使って、乾燥を遠ざけましょう。
日々の丁寧なスキンケアを継続することで、肌のコンディションを保ちやすくなります。なお、スキンケア用品はなるべく「刺激の少ないもの」を選ぶのがポイントです。
強い成分が入っているスキンケア用品は、肌に刺激や負担を与える原因になり得ます。できる限り刺激が少なく、自分の肌に合うものを選ぶのが重要です。
5-2. 医療機関によるケア
皮膚の乾燥が進み、激しいかゆみや何らかの肌トラブルが生じている場合は、医療機関を受診するのが無難です。
面倒だからといってセルフケアだけで済ませてしまうと、思わぬ皮膚疾患を見逃してしまうおそれがあるため、要注意です。
肌の異変を感じたら、なるべく早い段階で医療機関を受診し、ケアを行いましょう。
なお、医療機関を受診する際は、医師にきちんと症状を伝えられるよう、メモを持参するのも良い方法です。
肌のかゆみやヒリヒリとした痛み、またどのようなシーンで症状を強く感じるのかなど、細かく記録しておきましょう。
詳細な情報を伝えることで、より正確な診察を受けられます。
6. 乾燥肌を予防するためのポイント
つややかな肌を目指すためには対策だけではなく、肌が乾燥しないように日頃から「予防」を行うのが重要です。乾燥肌を予防するためのポイントには、以下のようなものがあります。
6-1. エアコンを使うときは湿度を上げる
冷房・暖房によるエアコンの送風は、空気の乾燥を招く大きな要因です。
空気が乾燥すると肌の水分も奪われやすくなるため、気を付ける必要があります。
エアコンなどを使う場合は、加湿器を使って湿度を上げるように心がけましょう。
また、寝ているときにエアコンを付けっぱなしにしないなどの工夫も有効です。
6-2. 食生活の見直し
バランスの良い食生活は、すこやかな肌をつくるために欠かせないものです。
1日3食、バランスの良い食事を行うように意識しましょう。
肌の真皮層から下支えをして、美しい肌をキープするのに不可欠なのが、コラーゲン。
コラーゲンといえば、鳥の手羽先など、コラーゲンを多く含む食品を食べたら良いと思いがちですが、口から摂取したコラーゲンは、胃腸でアミノ酸にまで分解されてから吸収されますので、そのまま肌のコラーゲンの原材料になってくれるとは限りません。
コラーゲンの原材料として摂取すべきは、タンパク質。そして、コラーゲンの合成をサポートするビタミンCも不可欠です。
たんぱく質が多く含まれている肉・魚・卵・豆類などやビタミンCが豊富なレモンなどの柑橘類、大根やキャベツなどの野菜をしっかり食べるようにしましょう。
7. 予防と対策を徹底して乾燥肌とさよならしよう!
乾燥肌による悩みを遠ざけるためには、日頃から予防と対策を徹底する必要があります。
まずはセルフチェックで乾燥肌なのかどうか、自分の肌の状態を確認するのが重要です。
そしてもし、その傾向があるのでしたら、症状が出る前にしっかり予防しましょう。
肌も十人十色。
まずは、自分の肌質の状態を受け入れ、それから、愛すること。
あなたに合ったケアを毎日取り入れていくことが、いつの間にか素肌に自信を持てるきっかけになるのかもしれません。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか