米国セレブ愛飲の美容発酵飲料「コンブチャ」の止まらぬ進化と飲むべき理由

皆さま、こんにちは。
医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗です。

ヘルスケア先進国アメリカのトレンド情報をロサンゼルスからお届けしていきます。

ミランダ・カーやリンジー・ローハンなども愛飲していて、ヘルシー&ビューティードリンクとしてアメリカやオーストラリアで定着している発酵飲料コンブチャ。

発酵食品として注目され、SNSでも「映える」美味しいドリンクとして話題です。
高感度な女性であればキャッチしていると思いますが、アメリカでは更なる進化を遂げて展開中です。

1.コンブチャ流行の理由と効果

コンブチャ

1-2.エキゾチックなお洒落ドリンク

「え?昆布茶?」と間違える日本人が続出したコンブチャですが、どうやら、アメリカ人にとって「コンブチャ」と言うネーミングは、
「It’s so エキゾチック!」
と思われているようです。

それにしても、なぜ、「コンブ?」と突っ込みたくなる心があったとしても、アメリカに置けるコンブチャの可愛いパッケージデザインやフレーバー展開の効果で、「なんだか、おしゃれドリンクね!」と洗脳されてしまいます。

医師としては、砂糖たっぷりのタピオカドリンクに行列ができるよりもよほど良いブームだと感じます。

1-3.アジアの伝統ドリンクが進化

コンブチャは、2000年以上前、東モンゴルで生まれた伝統的な発酵茶です。1900年頃にはロシアに伝わり、それからヨーロッパに広まったとされています。

紅茶や緑茶に、酵母や酢酸産生菌を共培養させたスコビー菌という種菌を入れ、エサとなる糖分を加えて発酵させることで、有用菌による発酵によって様々な健康成分が生み出されると同時に、シュワシュワと泡の立つ発泡ドリンクになります。

緑茶

1970年代、日本では「紅茶キノコ」と呼ばれ、一過性の大ブームになったことでも知られています。有用菌である酢酸菌のコロニーの作る膜が、モコモコとしたキノコのようであるために「紅茶キノコ」と呼ばれていますが、キノコ類ではありません。
その膜は、セルロースという繊維の働きをする成分でできています。

食物の中に含まれるのが「食物繊維」と呼ばれますが、こちらは、微生物が作り出す微生物由来の繊維です。

ドリンクとして飲む場合、セルロースの塊は取り出してしまうため、「コンブチャ」には繊維質が残りませんが、これと同じように微生物由来の繊維を応用した食べ物が、昔流行った「ナタデココ」になります。

微生物由来の繊維は、衣服や素材としても利用できるセルロースの合成技術にも発展しており、有用菌の働きは、人の健康にも文化にも大いに貢献してくれています。

紅茶キノコは、健康には良いものの、この当時は健康マニアの飲み物だったのですが、健康成分はそのままに、「コンブチャ」として、ハリウッドでも人気のビューティー&ヘルシードリンクとして蘇るとは、その当時の誰が想像したでしょう。

1-4.コンブチャに含まれる嬉しい成分

コンブチャの成分として重要だと考えられるのは、酵母や酢酸菌といった有用菌自体と、それらが生み出す有機酸などの成分です。

1-4-1.発酵食品・プロバイオティクスである

コンブチャは、納豆や味噌、漬物、ザワークラウト、ヨーグルトなどと同じ発酵食品です。
人の体にも良い働きをする有用菌を含んでいます。

「Live Active」と表示された、菌が生きたタイプと長期間保管出来るように殺菌したタイプがあります。

菌が生きている方が良いイメージがありますが、死んだ菌であっても、腸の中に入れば、腸内細菌のエサとして善玉菌の仲間を増やす働きがあります。

1-4-2.有用菌が生み出す多様な成分

コンブチャを作る際に加えられる砂糖は、有用菌のエサとなり、果糖とブドウ糖に分解されます、その後それらが更に、酢酸を主とした有機酸に変化します。

コンブチャの酸っぱい味は、先にご紹介したように酢酸、つまりお酢と同じ酸っぱさです。
お酢も、米に米麹と酵母を加え、発生したアルコールをさらにこれらの菌が発酵して作られるものですから、有機酸の恩恵を受ける発酵食品です。

酢酸を代表にコンブチャには、グルコン酸、グルクロン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸など人の代謝にも使われる有機酸が複数含まれています。

更には、発酵過程では、ビタミン類や少量のミネラル類、アミノ酸なども生み出され、お茶に含まれるポリフェノール類も含みます。

・酢酸・・・腸内を酸性に保つ。体内でクエン酸となりエネルギー回路を回し、疲労回復やエネルギー燃焼に役立つ。
・ビタミンB群(B1,B2,B6,B12)・・・エネルギー代謝に役立つ。
・ビタミンC・・・抗酸化ビタミンの代表である。
・ミネラル類・・・体の機能を調整する
・アミノ酸・・・体内でタンパク質として体の構造や機能を司る成分の原料になる。
・ポリフェノール・・・抗酸化作用を発揮する。

これらは、有用菌による恩恵と言えます。
特に、発酵食品を食べる文化のないアメリカでは、重要な発酵食品の一つになっていると思われます。

2.コンブチャの注意点

「コンブチャさえ飲めば健康!」のようにブームになっていますが、注意したい点もあります。

2-1.無糖ではない

製造の過程で、発酵のために必要な砂糖は分解されて減少していますが、果糖やブドウ糖は少量含みます。

清涼飲料水と比べると少量で甘みはわずかとはいえ、血糖値が上がってしまう可能性もあります。

砂糖を後から添加している製品もありますので、こちらは、「嗜好性を満たすドリンクと変わらない」と考えて選ばない方が健康的でしょう。

マウスの研究で「血糖値が下がる」と言う報告もあり、「血糖値に良い」とされてがぶ飲みする人もいるようですが、これにはちょっと待った!と言う方がいいでしょう。
人での研究はまだありませんし、血糖値に反映されやすい糖分を含むドリンクですので、血糖値に配慮したい人は注意した方が良いと思われます。

2-2.妊婦には禁止

紅茶の茶葉

また、妊婦は飲まない方が良いとされています。
カフェインやアルコール、また鉛中毒の報告がわずかながらある為です。

コンブチャは、元々の原料が紅茶や緑茶の為、カフェインを含みます。
発酵過程で軽減される為、紅茶や緑茶に比べるとわずかですが、全くノンカフェインではない為、妊婦やカフェインを取りたくないと考えている人は控えた方が良いでしょう。

また、0.5%未満のアルコールも含みます。
発酵が進むほどに、アルコール度数が上がっていく為、菌が生きた製品が店頭に並び、店頭でアルコール度数が増えているというニュースが過去にはありました。

アルコールに弱い方も注意が必要かと思います。

酸性が強いドリンクなので、鉛を含む容器に保管することで、鉛が溶け出して鉛中毒になったと言う報告もあります。
ミネラル生成過程で鉛を含む場合もありますので、妊婦への注意喚起がされています。

コンブチャは、有用菌の恩恵が受けられる発酵ドリンクではありますが、「万能ドリンク」ではありません。

どんなに健康的な食品も、そればかりを大量にとって良いというものは一つもありませんから、バランスを考えて摂ることが大切かと思います。

3.コンブチャの進化が止まらない

3-1.ハードコンブチャでヘルシーに飲酒を

ハードコンブチャ

最近では、アルコールを生成する働きを利用して、お酒として楽しむことができるハード・コンブチャが人気になっています。

アルコール度数は、4〜10%程度と強さも様々で、多数のメーカーから様々なハード・コンブチャが発売されています。

酸化防止剤など添加物を含まず、ナチュラルな原材料で作られており、自然由来のフレーバーなどを加えた様々な味わいを楽しむことができます。

ビールのように麦を含まない為、グルテンフリーなアルコールとしても人気です。

中には、ターメリックやアシュワガンダなどサプリメントとしても人気のハーブ類、クレンズができるとして人気のチャコール(炭)を入れたものもあり、ヘルシー思考のターゲットを意識しているようです。

3-2.スーパーのコンブチャバーが人気

スーパーのコンブチャバー

コンブチャ大手のGTSは、様々なフレイバーのコンブチャを揃えており大人気で、あらゆるスーパーのコンブチャの棚の大きな面積を占めています。

カリフォルニア州バークレーの地域密着型の自然派スーパーマーケット・バークレーボウルでは、数種類のコンブチャを自由に味見でき、自分でボトリングして購入できるコンブチャバーが人気です。

ひっきりなしに消費者が足を止め、試飲するだけの人もいれば、ボトリングする人もおり、人が絶えることがありません。

3-3.庶民派スーパーの棚も席巻

コンブチャは、もはやお洒落な女性達の間で流行っているだけではありません。

高級スーパーだけでなく、「Everyday Low Price」が売りの庶民の味方であるウォルマートやボンズのスーパーマーケットなどでも、コンブチャ専用の棚に様々なメーカーの様々なフレーバーのコンブチャが並んでいます。

この辺りのスーパーマーケットでは、訪れる消費者の肥満度が高い傾向にありますが、「何か少しでも健康に良いことをしたい」という気持ちから、清涼飲料水の代わりにコンブチャにスイッチしているケースもあるようです。

コーラなどの清涼飲料水が1.5ドル程度の価格なのに対して、コンブチャは3〜7ドル程度と高価格。それにも関わらず売れているのは、切実な想いの表れのように思われます。

もちろん、コンブチャを飲みながら、ハンバーガーやピザを食べるという生活で健康になる訳ではありませんが。

ピザ

3-4.日本よりアメリカの方が意識が高い?

アメリカは、日本と違って、国民皆保険ではありません。
高額な医療保険に自分で加入しなければならず、保険でカバーされない場合や保険に加入できない場合もあります。

医師

もし病気になり、保険が適応されないと、高額な医療費を払うことができず破産する人もいるほどの状況で、病気を予防することへの切迫感は、世界一と言えます。

国民皆保険である日本は、充実した医療が誰にでも受けられる一方で、病気になっても簡単に病院にかかることができ、懐が痛まない為に、予防の意識が上がりづらいというデメリットもあります。
アメリカと言えば、肥満率が高く不健康大国というイメージがありますが、今や、ヘルスケアに対する意識で言えば、全体的に日本の方が低いのではないかと感じました。

4.日本でコンブチャを飲むには?

アメリカでは棚を席巻するほど人気のコンブチャ。

ヘルシー志向のカフェでは、コンブチャを提供しているところが少しずつ増えているように感じます。

日本ではまだあまり店頭に見かけませんが、ナチュラルローソンやナチュラルハウスなどの自然派のマーケットで販売されている他、インターネットで手に入ります。

「ジュースの代わりにコンブチャが欲しい!」という消費者が増えたら、今後、コンブチャが日本のスーパーマーケットの棚を席巻する日も遠くないかも知れません。

参考:A Review on Kombucha Tea—Microbiology, Composition, Fermentation, Beneficial Effects, Toxicity, and Tea Fungus(comprehensive reviews in food science and food science :Volume13, Issue4,July 2014)

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