「アトピー性皮膚炎」腸管カンジダが増殖!腸内フローラ・有機酸検査で根本原因を探った|vol.6
アトピー性皮膚炎の原因を本気で探り、解決するために、徹底検査をする本企画。
WELLMETHODチームの山下さん(20代、男性)は、小児期に治っていたアトピー性皮膚炎が再燃し悪化した一人。
そんな山下さんが、最先端かつホリスティックなアプローチで根本原因を本気で探り、本気で治すことにコミットした話題の「ルークス芦屋クリニック」に受診相談し、検査を行ったのが、前回。
行ったのは、腸内フローラ検査・GPL有機酸検査・血液検査です。
前回までの様子はこちら
▼【医師が推薦】根治にコミット!話題の腸と心の専門クリニックを調査vol.1
https://wellmethod.jp/lukes-ashiya-1/
▼【医師が調査】アトピー性皮膚炎完治を目指す腸内環境改善|根治にコミットするクリニックに相談したvol.5
https://wellmethod.jp/lukes-ashiya-5/
ストレスを原因にアトピー性皮膚炎が再燃したエピソードがありながら、意外にストレス耐性は高そうだったのですが、今回の結果で、腸内環境がかなり乱れている(ディスバイオーシス)状態であることが判明しました。
目次
1.分子整合栄養学的血液検査では炎症と亜鉛不足の可能性
城谷先生:前回から体調いかがですか?
山下さん:体調的には、最悪の事態は抜けてマシになった感じです。
城谷先生:まず、採血からご説明しましょうね。
採血結果の紙をみると、基準値が載っていますね。
でも、分子整合栄養医学では、これを正常とはとらず、深読みするんです。
基準値内に入っていても、異常ということが多くあります。
深読み1)コレステロールが低め
城谷先生:コレステロールが若干低いですね。
LDLコレステロールはもう少し高い方が良いです。
タンパク質の不足があることが影響しているかも知れませんね。
フローラとの関連もある可能性がありますよ。
深読み2)軽度の炎症反応
城谷先生:それから、CRP:0.06 です。
基準値内ですが、これも実はちょっと高めで、どこかに炎症がくすぶっている可能性を疑いますね。
白血球も、10500あるので、これは、一時的かも知れませんが、炎症の所見がありますね。
併せて、慢性炎症を疑う所見の一つです。
深読み3)血糖値は良いものの、低血糖も疑う?
城谷先生:血糖コントロールを現す、HbA1cは、4.9ですね。これは問題なし・・・ですが、むしろ5を切ると、低血糖の可能性も疑いたくなりますね?
お腹すくと、空腹感やイライラは?
山下さん:特に、甘いものは好きじゃないですし、空腹時にそんな感じはないですね。
城谷先生:じゃあ大丈夫かな?
深読み4)亜鉛欠乏気味
城谷先生:亜鉛も測っています。通常の人間ドッグでは普通、測らない数値です。
亜鉛:79 と、かなり低いですね。
オリゴスキャンでは、十分でしたが、血液中を流れる亜鉛を見ると低いので、併せて考えると亜鉛を補う必要もありそうですね。
この数値は、銅と一緒に測るのですが、銅:94です。
通常は、亜鉛:銅=100:100=1:1が理想ですが、79:94と、相対的に亜鉛不足です。
亜鉛がないと、酵素が上手く働かないので、少ないということは皮膚の修復に不利に働きます。
食事では、やはりオイスターをしっかり食べると良いですね。
鶏では、レバーかな。
深読み5)アトピーの重症度指標TARCやや高く炎症あり
城谷先生:非特異的IgE(アイジーイー)というアレルギーの指標は、241とちょっとアレルギー反応ありですね。
皮膚に由来していると思います。
それから、アトピー性皮膚炎の重症度の指標となるTARC(タルク)の定量検査もしています。
450未満が正常値なので、山下さんの数値は640と、大人しい方だけど、やはり炎症がありますね。
TARC(Thymus and activation-regulated chemokine)は、2008年から保険適応になった検査で、アトピー性皮膚炎の「勢い」をみる検査です。Th2というリンパ球を引き寄せる性質をもつ血液中のタンパク質をみています。治療効果の判定や病勢などの判断をします。
深読み6)ビタミンDは不足
城谷先生:ビタミンD は、23.1ですね。基準値は、30以上ですが、これは不足気味です。
免疫のためには、できれば、50あると理想的です。
ビタミンDは骨の健康に重要なことはよく知られていますが、免疫調整にもとても重要な役割を果たしていることがわかってきました。アトピーのコントロールのためにももう少し増やしておきたいですね。
今、ステイホームの状況だと、太陽を浴びないため、かなり低い人が多いですね。
深読み7)胃の消化力も低下気味?
城谷先生:ペプシノーゲンという数値は、胃酸の量と比例しますので、胃の消化力をみています。
70以上が理想ですが、山下さんは、50程度なので、若干低めです。
胃の消化力が低いと、タンパク質やミネラルの吸収が低下します。
ストレスも関係しますから、リラックスして食べることも大事ですね。
それから、酸味のものを一緒に摂取すると、胃液の分泌が増えるのでおすすめです。
レモンや梅干しなどでしょうか。
総合的に、栄養面はそんなに悪くないですが、亜鉛とビタミンDが少ないですね。
これらは、いずれも炎症やアレルギーに関わるので、アトピー性皮膚炎の状況に影響していると思います。
山下さん:牛乳由来のプロテインを1日3回くらい摂取していたんです。
城谷先生:皮膚の状態との関係性はどうですか?
山下さん:あまりなさそうです。
城谷先生:私自体も、以前、プロテインで体調を崩していたことがありますよ。
プロテインを摂取したければ、消化が悪い場合は、消化酵素を取りながらの方が良いでしょう。
消化されないまま腸に届いてしまうと、炎症やアレルギーを引き起こす可能性がありますから。
分子量の小さいボーンブロススープやアミノ酸サプリの方が腸に優しいですね。
特に、アミノ酸のうち、グルタミンが粘膜修復します。
摂り方を工夫してくださいね。
2.尿中有機酸検査
城谷先生:次に、尿中の有機酸検査です。77項目の検査項目をみています。
有機酸とは、腸内細菌や体内の色々な働きの結果分泌されるもので、尿中に排泄されます。この検査によって、腸内細菌だけでなく、腸内フローラ検査ではわからない、カンジダのようなカビなどが、体内のミトコンドリア代謝や神経伝達物質の分泌等にどのような影響を与えているかが総合的にわかります。
腸内フローラ検査だけでは分からない情報がわかるので、併用すると有益な情報が得られます。
2-1.カンジダ菌などカビが増加
城谷先生:1〜18まで、尿に出てくる微生物の代謝物をみています。
山下さん、結構、ハイになっているものがありますね。
14以外は悪玉の細菌やカビが出す代謝産物です。
1~9は、カビの項目です。
今回特に、7番、アラビノースをみたかったんですね。
これは、カンジダに特有の代謝産物です。
覚えてますか?
山下さん:リーキーガット症候群に関連しているんでしたっけ?
城谷先生:そうそう。
カンジダ菌は、みんな持ってるんですが、異常増殖すると問題になります。
結構、多いですね。
カンジダ以外のカビも増えていますから、カビの問題がありますね。
山下さん、甘いもの好きではないんですよね?
山下さん:あまり好きじゃないので食べてません。
城谷先生:いま、お酒はどうですか?
山下さん:最近は飲んでないけど、元々は、結構飲んでいましたね。
城谷先生:それを踏まえると、元々、カビがもっと多かったかも知れないですね。
カビは日和見菌なので、免疫が下がった結果として、カビが増えた可能性もありますね。
ステロイドや抗癌剤を使うなど免疫抑制剤を使うと、カビが多くなります。
カビが多くなると、免疫が頑張って排除しようとするんですが、排除できてないということですね。
外用のステロイドを使う程度では、影響はありませんが。
いわゆる悪玉菌も増えていますね。
腸内細菌のバランスの乱れを専門用語で「ディスバイオーシス」と言います。
7割の免疫細胞は腸にあるので、皮膚も含めて色々弊害が出ますね。
皮膚だけのアプローチでは難しく、腸へのアプローチが重要ですね。
2-2.ミトコンドリアもうまく回っていない?
城谷先生:次、ミトコンドリアの数値です。
山下さん:エネルギーを作る工場ですね?
城谷先生:その中に、TCAサイクルというエネルギー工場の歯車があって、それが上手に回ってるかの検査ですよ。
どうも、歯車が回ってなさそうで、異常値がありますね。
ここは、ビタミンB2、ナイアシン、CoQ10、これらをしっかり摂取するとよく回ります。
CoQ10はコレステロールが原料なので、さっきの血液検査で、コレステロールが低かったのも関連していそうですね。
コレステロールを上げるには、タンパク質をしっかり摂取することが大切ですよ。
2-3.神経伝達物質のアンバランス 集中できない?
城谷先生:次は、神経伝達物質、いわゆる「脳のホルモン」と呼ばれますね。
これは、主に腸で作られます。
腸のバランスが悪いと、ココもバランスを崩すという関係がありますね。
ドーパミンを見てみましょう。
これは、快楽・やる気を作ります。
ノルエピネフリン、エピネフリン。
これは、集中力や効率よく仕事をする時などに分泌されます。
それぞれ一つ一つ見ると正常ですが、ドーパミンとアドレナリンの比が悪いです。
ドーパミンが優位ですね。
ドーパミンが多いと、あれこれ想念が出て、あれやりたいこれやりたい!っとなります。
しかし集中できない。腰据えてできない。
そんなことないですか?
山下さん:お〜、それ、ありますあります。
城谷先生:ドーパミンをノルエピネフリンに転換する酵素を、悪玉菌が抑制してしまいます。
子供だと、多動の人に多いんですよ。
大人の場合は、体というよりも、頭の多動の場合もありますね。
山下さん:いろいろ手を出すものの、腰を据えてできない、そんな傾向がありますね。
城谷先生:ケトン体がちょっと出てるけど、これは絶食のせいかも知れませんね。
空腹時に検査すると上がることがありますが、あまり病的ではないです。
2-4.ビタミンB2の不足
城谷先生:栄養素のマーカーをみましょうね。ここも、異常値があります。
グルタル酸というビタミンB2のマーカーが多いですが、これは、グルタル酸の過剰=B2の不足と判断します。
ミトコンドリアのところにも出てきましたね。ビタミンB2は、皮膚の健康に必須なので、この不足も関連していそうですね。
ビタミンCは摂取していますか?通常は、日本からアメリカに輸送する際に、低下してしまうので、低く出ることが多いんですが、しっかりあります。
山下さん:それはサプリで摂取しています。
城谷先生:これは良さそうですね。それはしっかり摂取してください。
それから、解毒のマーカーも、毒素を溜め込まずにしっかり解毒できていそうです。
まとめると、一番は腸内環境ですね。
どうやら、イースト、つまり、酵母カビの問題です。
ミトコンドリアで言うと、ビタミンB群が相対的に足りないので、補っても良いかも知れませんね。
3.腸内フローラ検査:腸内環境の乱れ
城谷先生:最後に、フローラ検査です。
色分けして、菌の種類でバランスをみてます。
「その他」に分類されているところが2割ありますね。
カビとかウイルスは「その他」に入るんですが、「その他」が2割はちょっと多い。つまり、有機酸検査結果を踏まえると、カビだろうなと思います。
3-1.免疫の暴走を抑えられない
城谷先生:細菌の方をみてみましょうね、このバランスは、ちょっとしんどいなぁ。
免疫を抑える、免疫寛容にとってとても大切な、クロストリジウム・クラスターのⅣ番が、0.06% しかいない!
本当は、10%とか欲しいんですよ。つまり、免疫の暴走が抑え切れてないですね。
う〜〜〜ん、これは、バランス悪い。
脂質を代謝するバクテロイデス属と糖質を代謝するプレボテラ属、このバランスは良いですね。
かつ、エクオール産生菌が増えていますが、これは、皮膚の再生を助けます。
さらに、ブラウチアという菌も増えていますが、炎症を抑えます。
これらが頑張ってくれていますね。宿主を守ろうとしてくれている証拠ですよ。
しかし、Ⅳ番がいないのがネックですね、う〜む。
それに、本来紫の色の菌種が少ないはずなんですが、増えていますね。
何かしら、免疫を高めて排除しなければならない状況があって、それを反映しているようなイメージですね。
痒みを起こしてでも、免疫を高めて攻撃する必要がありそうな。。
3-2.口腔内細菌・フソバクテリウムが増加
城谷先生:それから、口腔内細菌:フソバクテリウムが、9.1%とかなり増加しています。
口から胃を通過して、大腸に到達しているということですが、これが多いと、大腸がん、炎症性腸疾患のリスクになります。
胃酸が少なく、ダイレクトに大腸まで届いてしまっている可能性がありますね。
予期せぬストレスがかかったことで、バランスを崩したのではないかと思いますね。
ブラウチア、エクオールなど宿主を守る菌が頑張っているのですが、免疫寛容を起こすクロストリジウム・クラスターⅣがもっと増えてくれたら良いのですが。。。
それにはちょっと時間がかかるかも知れないですね。
一応、C判定だけど、Dに近いCですね!
山下さん:う〜ん、かなりショックですね。そんなに悪いとは。どうすれば良いでしょうか。
4.腸内フローラの乱れ:対策と処方は?
4-1.食事と水分、ストレスマネージメント
城谷先生:食事で頑張ってもいいけど、水分をもっと摂取してはどうでしょうね。
根菜類も多いから食事は良いですが、水分をもっと増やした方が腸内細菌が利用できますね。
水分は、コーヒーやお茶などではなく、純粋な水分じゃないと腸内細菌がダイレクトに利用できないので、水をとってくださいね。
ストレスマネージメントも大事ですね。
炎症があれば、その炎症にもアプローチした方がよいですね。炎症には、ストレスも関係しますが、お酒や甘いものは今あまり摂取してないんですよね?
山下さん:お酒は元々は好きですけど、最近は控えているという感じですね。甘いものはほとんど食べません。
4-2.ハーブによるカンジダ除菌
城谷先生:移植は、別次元の治療なので、まだ提案する段階ではないですが。
今、提案できるとしたら、カビの対策です。
抗真菌剤を使うとそれ自体が負担になる可能性もあるため、私の場合は、なるべくフローラのダメージが少ないハーブを2ヶ月程度内服することをお勧めしています。
1つのご提案ですけれども。
それに、ストレスがあれば、ストレスマネージメント。
水分は必須です。
飲酒は、控えると言うか、除菌中は禁酒でしょうかね。
山下さん:いけます!頑張ります!
城谷先生:そうすると、菌の顔ぶれは変わらないですが、このバランスを変えることができますよ。
私の治療経験では、皮膚は、除菌が終わってから半年くらいでよくなる人が多いです。
山下さん:除菌して、本丸のクロストリジウム・クラスターⅣは増えるのでしょうか?
城谷先生:そうですね、現状は、カビがのさばっているのですが、要は、椅子取りゲームとして、善玉菌用の椅子が増えると思ってくださいね。
除菌については、オレガノを中心としたハーブとプロバイオティクスを併用します。
それから、カビを嫌う食事をしながら2ヶ月継続していきます。
甘いもの、酒、加工食品、デンプンを多く含む野菜類などは控えること。
それから、ブルーチーズなどのように、カビの多いものも刺激になります。
さらに、水をたくさん飲むことですね。
注意点は、除菌時に起こる「ダイオフ現象」です。
カンジダは、死ぬときに毒素を出します。
カンジダが持っているアセトアルデヒド・アンモニアなどの毒素が出ることで、人によっては、一時的に、酔っ払ったり、だるくなったりすることなどもあります。
消化器症状・疲労感・めまいなどがあったり、一旦、皮膚の状態が悪くなる可能性もあります。
副作用とうわけではなく「ダイオフ現象」の可能性がありますが、それを乗り越えると、1週間程度で治ります。
学校に行きながら、仕事しながらでも、通常大丈夫なのですが。
場合によっては、毒素を吸着するクロレラや活性炭など一緒に飲みながら行う場合もあります。
まず、1月分処方しますから。確認できたら、2ヶ月目を処方しますね。
ステロイド外用脱却の一つの方法です。
2ヶ月で改善したら、アフター検査は特に必須ではありません。
注意事項としては、アルコールや甘いものを摂取したり、ストレスが多い人は再発する可能性もありますよ。
山下さん:わかりました、生活改善を含めて、やってみます!
5.心理テスト
さて、山下さんは、ストレスフルな出来事がきっかけでアトピー性皮膚炎が急に再燃したというエピソードがあります。
成人のアトピー性皮膚炎は、心理的な要素が影響しているとされている「心身症」の一種と考えられています。
以前にご紹介したように、ルークス芦屋クリニックでは、初診時に原則すべての人に心理テストが実施されます。
▼【医師解説】片頭痛とストレスの関係性|根治にコミットするクリニックレポートvol.3
https://wellmethod.jp/lukes-ashiya-3/
山下さんのテストを臨床心理士の城谷仁美先生が評価して下さいました。
5-1.バウムテスト
バウムテストは一本の木を描くことで、その人の無意識を探っていくテストです。
白い紙に一本の木を描くことで、その人の無意識が投影されると言う心理テストで、スイスの心理学者のカール・コッホが開発しました。
描かれた木を通して、その人の自己像を知り、精神状態やパーソナリティを分析します。
木の全体の印象から、細部の形状や位置、描き方など様々なポイントを心理士が解釈し、評価していきます。
臨床心理士・城谷仁美先生による山下さんの心理評価:
バウムテストでは社会適応があり、常識的な人であると思われます。
2枚目のバウムテストでは、よりその人らしさが出ると言われていますが、エネルギーが非常に少なくなっており、他者との境界が弱いために、他者からの押しの強い依頼を断りきれずに人のペースに巻き込まれやすいところがあるからかもしれません。
ご本人はとても真面目で「~あるべき」が強い硬いところがある人と思われます。努力で乗り越えようとしていくところがあります。
木に対するイメージを検査者が尋ねると「道路脇にあり、なんとか生き延びて春夏に頑張って冬を越えていく」とのこと。
この木は目立たないところにいますが、今後ゆっくりとエネルギーをチャージして困難を乗り越え成長していくと思われます。
自分と他者との境界線を引き、無理な時は無理と断ったり、できないことは本当にそれは必要なのかを再考しても良いこともあるかもしれません。
5-2.風景構成法
自己の投影をみる心理テストであると同時に、芸術療法の一種です。
白い用紙に、クレヨンやサインペンなどを用いて、心理士の指示された要素を元に、自身で風景を描いていきます。
それを多角的に分析することで、精神状態やパーソナリティを推測していきます。
描画の過程で、自己認識することにも役立ち、自己を深く洞察することで、自己変容のきっかけにもなることがあります。
臨床心理士・城谷仁美先生による山下さんの心理評価:
ここでも、やはり「境界」が気になります。
また、やや奥行き、立体視が少し弱い傾向があります。
奥行きを見ることに少し弱さがあると、物事の全体を把握することに少し時間がかかりますので、不安が高まったり、その不安を払拭するためにやや依存やこだわりが出る場合もあります。
もし今、そうした自分の内面が自覚できずに、身体症状があれば、心の戸惑いや葛藤を精神的に感じにくい分、皮膚疾患や発熱などとして身体化している可能性があるかもしれません。
皮膚は、身体において、他者との最も外側の境界線ですので、一概には言えませんが他者との境界の問題や自分のペースで動けないという葛藤が身体化されている場合もあります。
川の流れが紙面下方から上方に流れている描写がありました。
エネルギーの流れが無意識から意識の方向へ、身体から意識の方向へと流れていっています。そのために身体症状が出やすい時期かもしれません。
本来、安心できる状況であれば、非常に真面目に一生懸命物事に取り組む方なので、身近に相談したり、何か表現(歌を歌う、楽器をする、運動する、絵などをかく)すること、つまり、自分の中にあるものを何らかの形で「出す」ことは非常に有効だと思われます。
6.受診を踏まえて山下さんのコメント
「ストレスマネジメント」が重要ということを、受診を通して再認識することが出来ました。
城谷先生にお勧めいただいたボーンブロススープですが、クリニックに置いてあった「ボーンブロススープの作り方」の本にも感化されて、作ってみたりしています。
栄養面だけでなく、自身でストレスをコントロールしていこうと改めて思いました!
次の記事はこちら
▼「悪玉コレステロール」本当の危険度は遺伝子とLOXインデックスで判明
https://wellmethod.jp/lukes-ashiya-7/
ルークス芦屋クリニック
〒659-0092 兵庫県芦屋市大原町8-2むービル2F(JR芦屋駅から北へ徒歩4分)
ホームページ:https://lukesashiya.com/
電話番号:0797-23-6033
Email:lukesashiya@gmail.com
※メールで医療に関するご質問にはお答えできません。
この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
- 桐村 里紗の記事一覧
- facebook
https://www.facebook.com/drlisakirimura - Instagram
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https://twitter.com/drlisakirimura
著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか