こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

WELLMETHODでは、過去にいくつもの更年期症状に対する治療法や対策などについて紹介してきました。

しかし本当に更年期症状を和らげるには、やはり婦人科へ行って自分に合った治療方法を提案してもらうことが重要です。

そこで今回、WELLMETHODでは、「更年期症状に対して何か治療や対処をしたことがある人はどのくらいいるのか」アンケート調査を実施しました。

また実際に感じていた更年期の具体的な症状と、治療時の大変だったこと・治療して良かったことなどのエピソードも調査しています。

「病院に行くのが不安…」「不調は感じているけれども治療という選択肢がなかった」という、更年期の症状に悩んでいるけれども積極的な治療に踏み出せないという方、そしてこれから更年期を迎えるという方は、ぜひ生の声をお聞きいただき、参考にしていただけたら幸いです。

アンケートの調査結果のまとめはこちら

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プレスリリースはこちら

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1. 更年期の症状に対して何か治療や対処をしたことがありますか

更年期体験談 診察に関するアンケートグラフ

「更年期の症状に対して何か治療や対処をしたことがありますか」この質問に対して60代以上の女性は「治療の必要性を考えたことがない」102人(44.5%)がもっとも多い結果になっています。

この結果から、年齢が上にいけばいくほど、更年期の症状に悩まされる人は少なくなっていることがわかります。

また、治療中の40・50代はいるものの、この年代の女性も「受診や治療はしていない」が一番多く、40代は38人(30.2%)、50代は95人(37.7%)という結果になりました。

更年期症状に悩む女性は多いと聞くものの、実際には治療をしていない人が多いことが伺えます。

しかし、治療の必要性を考えたことがない女性が多い反面、「受診したいがしていない」と答えた女性も全体の2割程度いることにも注目です。

更年期による体調不良に悩みつつ、治療に抵抗感を感じている女性も一定数いることがわかります。

2. 「現在治療中である」または「過去に通院していた」と回答した方は、治療をしてどのようなことが大変でしたか?

更年期体験談 診察に関するアンケートグラフ

現在治療中の方や、過去に通院していた方に「治療をしてどのようなことが大変でしたか?」と聞いたところ、「通院に要する時間」や「金銭面」に悩む方が多いことがわかりました。

更年期を相談できるのは多くの場合婦人科であり、患者が多くてなかなか予約がとれなかったり、病院に行くまで時間が掛かったりするのが、患者にとって負担となっていることがわかります。

時間や金銭面に次いで多かったのは「自分に合うクリニックを探すのが大変だった」という結果です。

特に40代は時間や金銭面と同様に「自分に合うクリニックを探すのが大変だった」という意見にも票が集まりました。

実はこの件に関しては筆者も思い当たることがあります。最近、近所に新しい産婦人科がオープンし、口コミ評価も高かったので婦人科の相談をしに訪れました。

しかし実際に行ってみると、患者さんの多くは20代と思われる若い妊婦さんばかりで肩身が狭かった覚えがあります。

自分が通いやすくて相談しやすい産婦人科を見つけるのは、なかなか難しいようです。

3. 「現在治療中である」または「過去に通院していた」と回答した方は、実際に治療をしてどのような変化を感じましたか?

更年期体験談 診察に関するアンケートグラフ

実際に更年期の治療をしてどのような変化を感じたのか? この質問に対しては、多くの年代で「症状がまずまず改善した」と答えています。

とくに50代・60代では「症状がまずます改善した」回答が多く、50代は「症状がかなり改善した」の表にも多く集まったのも注目すべき点です。

それと同時に40代は「現在も治療中」の人が多いことがわかりました。

前の質問では、治療に対して消極的な意見が集まりましたが、今回の結果から、通院することで更年期症状の改善を実感している人が多いことがわかります。

少しでも体の不調を感じるのでしたら、ひとりで抱えず、我慢せず、一度婦人科に相談してみるのが良いでしょう。

4. 実際に治療をして良かったこと/大変だったことのエピソード

更年期体験談 診察を受ける女性

更年期症状の治療を病院でしたところ、年代ごとに感じた苦労したエピソードや良かったことは次のようになっています。

4-1. 40代|ホットフラッシュや月経に悩まされた

・気持ちが少しずつ安定して、家族との付き合いは前よりスムーズにやっている。

・精神的な安心は出来た。薬を飲む前は、イライラが酷かった。病院に毎月一回通院する為に忙しい中スケジュールを考えるのが大変。

・月経が長く出血が多いので、貧血で疲れる。

・夜寝ていると体がほてって寝られなくなることがあった。

・良かった事は、症状が緩和されて、ひどかったイライラや動悸がましになった。大変だった事は、婦人科が予約できなくて、かなりの時間待たされること。行くだけで一苦労。気が重い。

 

40代はまだまだ子育てをしている年代でもあり、自分がしっかりしていないと家族に迷惑をかけるといった不安ももあります。

更年期の治療をすることで気持ちが安定し、家族にイライラすることが減ったのはうれしい効果でしょう。

また40代は更年期の症状が出始める時期であり、体がほてったり、不正出血が起きやすい年代でもあります。

それらの不調を抱えながら病院に通うことが負担だったという声もありました。

貧血の女性

4-2. 50代|更年期の診断をもらって安心した

・調子が悪くなるサイクルを計算して、具合が悪くなりそうなときは、あまりいろいろ行動しないように努めていた。

・めまいが辛かった。寝っ転がるとめまい、起き上がるとめまい。グラングランするので吐き気で気持ちが悪くなった。

・指の関節が太くなって  それに痛いのが嫌だった。

・主治医がとても良い先生で、治療の事だけでなく仕事や交友関係の悩みまで聞いてくれ、身体だけでなく精神面でもサポートしていただき、不安定な時期を乗り換えられたと思う。

・良かったことは、様々な症状に悩まされていましたが、症状の軽減と気持ちの落ち込み具合が少なくなってきました。逆に大変だったことは、現在治療中の漢方薬局にたどり着くまでに10数件の病院へ行き、どの病院もはっきりとした原因がわからず途方にくれたことです。

・サプリメントを飲むようになって、疲れにくくなったり、元気になって出かけたくなるようになって良かったです。

・検査や内診をするのが億劫だったが、更年期という診断をもらい安心した。

 

更年期症状がもっとも起こりやすいといわれている50代。

やはりめまいや気持ちの落ち込みといった症状に悩まされている人が多く、なかにはブシャール結節のような、指の痛みや関節の症状に悩まされている人もいました。

不調に悩まされながら、自分に合う病院探しに苦労した人もいるようです。

ただ50代になると、ある程度自分の体調も把握しやすく、事前に対策ができている人も見受けられました。

具合が悪くなりそうなのを予見し、行動を控えたり、サプリメントを飲んだりして体調を整えている人もいました。

またこの諸症状の原因がわからずもやもやしていたところ、更年期という診断がわかって気持ち的にホッとした人もいるようです。

サプリメント

4-3. 60代|夫や家族からの理解について

・夏場などスーパーなどで汗が止まらず苦労していたが多少でも汗が治ったように思えた。

・症状は軽度だったので特に治療はしていなかったが、サプリメントは服用しており、その事で安心感は持てた。

・気持ちがずいぶん楽になったと思う。

・治療はしていなかったし、治療するべきという認識もなかった。夫からの理解もなかったので、孤独を感じた。

・めまいがあまり回復しなくて困ったが、夫が家事を手伝ってくれた。

 

60代は更年期の症状が次第に治まってくる年代です。

それでも汗が急に出るといった症状に悩まされる人もおり、治療をすることで日常生活が快適になったと答えています。

また60代になると夫との関係に悩まされる女性も少なくありません。

体調が悪いときにいたわってくれる夫とそうでない夫では、女性が心身に受ける影響は大きな違いがあるでしょう。

妻をいたわる夫

60代の女性が更年期を経験した時代は、ネットなどで得られる情報も少なく、なかなか更年期の症状を夫や家族に知ってもらう機会も少なかったのではないかと想像します。

しかし現代は違います。

例えば、更年期の症状が書かれた記事や書籍をシェアする、主治医から受けた説明を伝えてみる、または可能であれば時には通院に付き添ってもらうなど、お互いに体の変化をコミュニケーションすることで協力を得られる可能性も高まるのではないかと思います。

また、家族だけでなく、職場でなかなか理解を得られないというのは、症状のつらさだけでなく、精神面でもつらさを感じてしまいますよね。

例えば、女性の先輩や普段接している同僚など、ご自分が「話しやすい」「信頼している」と感じる方に症状のつらさを相談するなど、周りに頼るというのも、つらい更年期を乗り切る大切なポイントになるのではないかと思います。

また、周りへの相談が難しいという場合には、医師をパートナーと考えてみるのはいかがでしょうか。

「なぜこんな症状が出るんだろう」「動きたいのに体が言うことをきいてくれない」「原因不明のイライラが続く」「周りの理解が得られない」。

そんな場合には、その心情を外に吐き出すということも大事なことです。

更年期は、体が大きく変化を迎える大切な時期です。

自分一人で抱え込まず、普段は人に頼ることに抵抗感を感じていたとしても、「頼ることが、結果的に、自分や周りの助けにもつながる」と、考え方をシフトさせてみるというのはいかがでしょうか。

▼これって更年期うつ? 女性のライフステージとうつの本当の関係

https://wellmethod.jp/lifestage/

5.不調がある場合は病院へ相談しましょう

更年期体験談 診察

今回のアンケート調査では「更年期症状に対して実際に何か治療や対処をしたことがある」と答えた人は、全体の3割ほどでした。

ただ「受診したいがしていない」と答えた女性も一定数おり、なかなか治療に行けていない女性がいることもわかります。

ちなみに更年期症状を和らげる治療法として、いま「ホルモン補充療法」が注目されています。

欧米では30〜40%もの女性がこの治療を受けているものの、日本での治療普及率はまだ1.7%となっており、この数字からも「更年期は我慢するもの」と考えている女性は少なくありません。

しかし今回のアンケートでは、実際に治療をした多くの人が「気持ちが楽になった」「諸症状が治まった」と回答しています。

つまり、治療をすることで更年期症状がある程度改善され、明るい生活が送れていることがわかります。

▼体調が悪いのは女性ホルモンが原因? “ホルモン補充療法”という可能性

https://wellmethod.jp/hrt/

また、ホルモンバランスの乱れは、更年期の症状悪化に繋がります。

日頃から運動習慣をつけることや、バランスの良い食事をとるなど、常に体を整えておくことで、症状がやわらいでいきます。

▼【更年期体験談】退職したい…子供の反抗期…上手く付き合っていくための体と心の整え方

https://wellmethod.jp/menopausal-experience-effects/

家事に育児に仕事に毎日忙しく、責任世代と言われる私たち。

少しでも気持ちが楽になるように、一人で抱え込まず、誰かにそのしんどさを打ち明けてみたり、時には休むということも大切です。

また、「なかなか病院に行きにくい…」という方も、医師をパートナーと考えてみるのはいかがでしょうか。

ゆらぎ世代の不調に悩んでいる方は、ぜひ一度、婦人科に相談し、自分の症状に合わせた治療法を見つけていきましょう。

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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