こんにちは。
医師で予防医療スペシャリストの桐村里紗です。

WELLMETHODでは、更年期~閉経期、閉経後の期間のことを「メノ期」と呼んでいます。
人生100年時代と考えると、女性の人生は大半がメノ期であるとも言えますね。

40代、50代、そして最近は60代、70代も、まだまだ現役バリバリです!という方も多いはず。
特に、40~50代は責任ある仕事を任されている人も多いかもしれません。
働いていなくても、家事に子育て、そして人生を謳歌するために、心身の健康は欠かせません。

でも、メノ期には、女性にとって若さと健康の源であった女性ホルモンの分泌が激減しますから、ガクンと元気がなくなってしまう人もいます。
特に、更年期には、ホルモンの乱高下で自律神経が乱れ、思うように動けない場合もあります。

そんなメノ期を元気に乗り切るためにおすすめの栄養素やサプリメントをご紹介します。

メノ期には、特に栄養バランスよく食事をすることが大切です。

1.メノ期に意識したい4つの栄養素

特に意識して摂りたいのは、現代的な食事で不足しがちな、以下の栄養素。

1)ビタミンD

干し椎茸 ビタミンD

ビタミンDは​​骨を作るのに不可欠なカルシウムやリンの吸収を促進する脂溶性ビタミンです。
女性ホルモンが低下することで骨が脆くなってしまうメノ期には、欠かせない栄養素です。
ビタミンDは日に当たることで、紫外線B波によって皮膚でも合成されます。
ところが、最近は屋外に出る機会が減ったり、紫外線を避けたりする人が多く、ビタミンDも不足しがちです。

食品では、鮭やシラス、鰻、また植物性のビタミンDは天日干しの干し椎茸に豊富です。

私は、ビタミンDのサプリメントを毎日必ず摂取しています。
ビタミンDは幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの合成にも不可欠ですから、メンタルの維持にも欠かせません。

2)ビタミンE

アボカド ナッツ ビタミンE

ビタミンEは、脂溶性の抗酸化ビタミンの一種です。
体内の脂質酸化を抑える働きがあります。
ごま油や米油、ナッツ類、カボチャ、アボカドなどに含まれています。

メノ期に女性ホルモンが減少すると、体が酸化ストレスに弱くなり、LDLコレステロールの増加や炎症による動脈硬化が起こりやすくなります。
動脈硬化やコレステロールの酸化予防には、ビタミンEが効果的です。
全身の細胞膜を健全に保つなどの働きもありますから、美肌にも不可欠です。

ビタミンEの働きを助けるのは、ビタミンCです。
ビタミンEが酸化したら機能しなくなりますが、ビタミンCがあれば機能が復活します。
ビタミンCは新鮮な野菜類や果物に含まれていますから、毎日食べましょう。

3)亜鉛

牡蠣 亜鉛

全身の細胞の活動に不可欠な必須ミネラルです。
セックスミネラルとも呼ばれ、エストロゲンやプロゲステロンの働きにも欠かせません。

摂取できる食材が少なく、不足しがちなミネラルです。血液検査をしても、多くの人が不足しています。
亜鉛を多く含むのは、牡蠣や貝類、レバーなどですが、なかなか毎日食卓にのぼるものでもありませんね。
どんなに食生活をよくしても、なかなか摂取できないミネラルです。

ビタミン類やミネラル類は、ベースサプリメントとして日常的にしっかりと補給することをお勧めしたいと思います。

ビタミンDやEなどの脂溶性のビタミンは、1日1回食後の摂取で血中濃度が安定します。
ミネラル類やビタミンBやCなどの水溶性は、1日数回に分けて、食前食後関係なく摂取します。

特にミネラル類は腸内環境が悪化すると吸収率が低下します。
腸内環境を改善することもポイントです。

4)イソフラボン

大豆 イソフラボン

イソフラボンは、豆類に含まれているファイトケミカルの一種です。
女性ホルモンと同じような働きをすることから、女性ホルモンの減少を補うことが期待され「植物性エストロゲン」ともいわれます。

このイソフラボンは、大豆や小豆などの豆類に多く含まれています。
納豆や豆腐、味噌など、日本の伝統的な食生活は、イソフラボンが豊富です。

ただし、イソフラボンは、そのままでは、働きが不十分です。
腸内でエクオール産生菌という腸内細菌に食べられて、エクオールに転換されることで高い機能性を発揮します。

2.メノ期に活躍エクオール

イソフラボンを補っても、意味がある人とない人がいることが以前から議論されていました。
その結果、実は、イソフラボン自体ではなく、腸内細菌によって代謝されたエクオールが機能性を発揮していたということがわかってきました。

2-1.エクオール産生菌の有無と働き

納豆

腸内にエクオール産生菌がいなければ、イソフラボンを食べても十分にその機能が発揮されません。
日本人は、諸外国に比べて、昔から大豆の摂取量が多いため、エクオール産生菌を保有している人が多い傾向にあります。

エクオール産生菌がいれば、エクオールに転換されて効果が発揮されると思われるかもしれません。
しかし実は、エクオール産生菌がいても、エクオールに転換できない人もいるということがわかってきました。
エクオール産生菌が腸内にいても、エクオールを作る機能を失っているケースも多いことが明らかになっています。

特に、日本の若い世代では、食生活の欧米化によって、大豆製品の消費量が減少しています。大豆製品の摂取量の減少が、エクオール産生菌がいてもエクオールを作れない原因になっていると考えられています。
豆製品を食べることを習慣化しましょう。

2-2.エクオール産生を促すには

腸内細菌

最近の研究では、エクオール産生菌がしっかり機能している人の腸内環境は、機能していない人の腸内環境と比較して、腸内細菌の多様性が高いことがわかってきました。
腸内細菌の多様性が高いということは、多様な細菌が助け合いながら全体で機能していることを意味しています。
エクオール産生菌も何かしらの細菌との共生関係によってうまく働くことができると考えられています。

多様性を高めるためには、さまざまな種類の植物性の食品を組み合わせて食べることが大切です。
豆類やナッツ類、海藻類、野菜、キノコ類、雑穀類、芋類をしっかり食べましょう。

また、最近の研究では、イソフラボンを継続的に摂取することでエクオールを作れるようになるという報告も出てきました。
報告によって異なりますが、16週から数年のイソフラボンの投与で、18〜40%の人がイソフラボンからエクオールを作れるようになったとされています。

※Nutrients 2019, 11(2), 433
※J Food Sci.Nov-Dec 2010;75(9)
※Br J Nutr.2005 Dec;94(6):873-6

2-3.エクオールサプリメントも検討を

WELLMETHODソイエクオール

でも、残念ながら今日困っている人にとっては、16週から数年って、とても気の長い話です。
食生活を正し、豆類を含む多様な食品をバランスよく食べながら、サプリメントとしてエクオールを摂取することが望ましいと考えられます。

エクオール産生菌が腸内にいない人は、更年期症状に悩まされやすい傾向があります。
この場合、残念ながらイソフラボンを含む豆類を摂取してもエクオールには転換されませんから、サプリメントとして摂取する他ありません。

また、エクオール産生菌がいて、十分に機能している人であっても食生活のバランスを欠いて豆類を長期間摂取しなければ、当然ながらエクオールはつくられません。
日常的に豆類をしっかり摂取することを意識しながら、メノ期には安定供給のためにサプリメントで補うことも一考かと思います。

3.まとめ

メノ期 栄養素 バランスの取れている女性

人生100年時代の大半をメノ期として過ごす女性の活躍には、豆類とエクオールのサポートが必要です。
本来の自分のパフォーマンスが発揮できないと悩んでいる人は、今日から意識してみてくださいね。

この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか