こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

「朝、目覚めたのになかなか起き上がれない」
「朝からいい天気なのにやる気が起きない」
「日中に強烈な眠気を感じることがある」

など、40歳を超えたあたりから感じることはありませんか。

筆者自身、40代になってから「十分な睡眠時間をとったはずなのに朝すっきりと起きられなくなる」「日中、急激な眠気に襲われる」など経験することが多くなりました。

身体を無理やり起こすため、コーヒーや栄養ドリンクを飲んだりしたこともありましたが、カフェインばかりに頼りすぎると夜の眠りが浅くなって、翌朝また眠くなる…といった悪循環に陥るなんてことも。

実はこの過度な眠気ですが、40代以上の女性の場合は更年期のゆらぎが原因の一つであるともいわれています。

一体、私たちの身体の中で何が変化しているのでしょうか。

また、更年期の私たちでも日中スッキリ起きて行動する、快適な睡眠時間を保つことはできるのでしょうか。

今回は、この睡眠と更年期障害の関係、睡眠の悩みへの対策についてご紹介したいと思います。

1.更年期とは

なかなか起きられない女性

更年期とは「閉経の前後5年間」と定義されています。一般的に日本人の閉経は平均して50歳前後といわれており、そのため特に40代半ば~50代半ばの期間が更年期といわれています。

女性は閉経に近づくにつれ卵胞の減少や卵巣機能の低下が起こります。

卵巣機能が減少すると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が低下し、自律神経が乱れやすくなり、身体にさまざまな不調が現れやすくなります。これら更年期のゆらぎに起きる不調の症状がいわゆる「更年期障害」です。

▼[セルフチェック付き]更年期障害の主な症状

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更年期障害と上手につきあいたい! セルフチェックの方法や対策を紹介

2.更年期に眠気が強くなるワケ

睡眠障害

更年期の女性にみられる日中の過度な眠気の原因の一つに、更年期のゆらぎによる自律神経系の乱れがあります。自律神経系への影響について詳しくみていきましょう。

2-1. 自律神経系への影響

自律神経は、活動時に活発になる「交感神経」と安静時に活発になる「副交感神経」の相反する2つの神経に分けられます。

この「交感神経」と「副交感神経」は、身体が興奮する、リラックスするなどの状況に応じ、どちらかの神経系が体の各臓器や器官に働きかけ、呼吸や代謝、体温調節などの機能をコントロールします。

通常、日中は「交感神経」が優位に働き、寝る前やリラックスしている間は「副交感神経」が優位に働きます。

しかし更年期障害により、この自律神経のバランスが乱れてしまうと、朝起きる際に日中活発になる「交感神経」よりも「副交感神経」が優位になってしまったり、就寝前に夜間に活発になる「副交感神経」よりも「交感神経」が優位になってしまうなど、自律神経のリズムが崩れてしまいます。その為、夜うまく寝付けなかったりすることがあります。

また、自律神経の乱れは、更年期障害の一つであるホットフラッシュ(※1)を引き起こし、夜間寝苦しく熟睡できず、不眠につながるケースもあります。

※1:ホットフラッシュとは、上半身の火照りや発汗などが起こる、更年期障害の代表的な症状です。

3.日中の眠気を防ぐ6つの予防法

深呼吸をする女性

家事・育児・仕事・介護…と毎日忙しい更年期の私たちにとって、日中の眠気は大敵です。ここでは更年期に起こる日中の眠気を予防するための、日常生活でのポイントについてご紹介します。

3-1.身体に素直になる

日常生活に支障がでないようでしたら、日中眠くなった場合は、少し休んでみましょう。

眼を閉じたり、仮眠をとったりするだけでも頭や身体はスッキリします。疲れや眠気が強い場合は、少し休憩をとってから次の行動にうつしてみましょう。

30分以上眠り込んでしまうと夜の眠りの妨げになる為、短時間にしましょう。

3-2.身体を動かして自律神経を整える

身体を動かすことは自律神経を整える効果があります。
日中に活発に運動をすると、適切な時間帯に交感神経を高めることができます。

一方で、夕方以降のリラックスしたい時間に、ゆったりとしたストレッチやヨガを取り入れると、副交感神経を高め、睡眠の質の向上につながります。

中医学の観点からも、更年期障害を緩和するためには身体の血流をよくすることが大切といわれています。そのため、普段は家にこもりっぱなしの方やデスクワークが続いている方など、あまり身体を動かしていない場合は定期的にストレッチや運動ができる環境づくりの工夫をしてみましょう。

3-3.規則正しいリズムをつくる

体内時計

人の身体には1日のリズムを作り出す体内時計が備わっています。日中の眠気を解消するためには、この体内時計を整えることが大切です。

特に人は起床後に太陽の光をあびることで体内時計がリセットされるといわれています。そのため、起きたらカーテンを開けて朝の光を身体全体に浴びることを生活のルールに取り入れてみましょう。

一方で、夜はテレビや携帯電話など強い光をあまり入れないように意識してみましょう。また、毎日同じ時刻に起床する・同じ時刻に就寝するなど、1日のリズムが一定に保てるよう心がけましょう。

体内時計は、自律神経を整えることで、各臓器・ホルモン分泌などの全身の機能にも大きく関係しているため、体内時計を整えると睡眠不足を解消するだけでなく、健康維持にもつながります。

▼医師が伝えるホルモンバランスの整え方

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ホルモンバランスの乱れ、原因と対策とは?医師が解説する今日からできる備え

3-4.食事を通して「メラトニン」生成を促す

「メラトニン」とは睡眠時に分泌される体内ホルモンです。

「メラトニン」の分泌には体内で「セロトニン」が大きく関係しており、その「セロトニン」は食物中に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」を多く摂ると生成されやすくなります。

必須アミノ酸は、タンパク質を含む食品から摂取ができます。特にトリプトファンが多く含まれる食品としては、バナナ、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、大豆製品、魚や牛レバーなどがあります。

特に、朝に「トリプトファン」を多く含む食品を食べると、夜間、睡眠に十分な量のメラトニンが分泌されやすくなり、睡眠の質向上に効果的といわれています。

その他にも、鉄やマグネシウムなどのミネラル類やビタミンB6も、「メラトニン」の分泌に欠かすことができない栄養素です。必須栄養素は不足なく摂りたいものです。

3-5.入浴は寝る1時間前までにはすませる

バスタイム

人の体温と睡眠は密接に関係しています。

人の体温は入眠時に向けて徐々に低下し、また起床する覚醒時には徐々に上昇していきます。

そのため、就寝前に入浴することでしっかりと身体を温めておくと、発汗が促されて体温が下がり寝つきがよくなります。

ただし、体温がしっかり下がらないまま就寝するのは逆効果になってしまうため、入浴は就寝の1時間以上前までにはすませておくとベストです。

また、入浴時の温度設定は、夏は38℃~40℃、冬は39℃~41℃のぬるめに設定し、15分ほど入浴するとより効果的です。暑いと感じる温度は、交感神経を高める為、注意しましょう。

3-6.寝具を見直す

日中眠い状態が続く場合、睡眠環境を整えて夜間快適な睡眠を取り戻すことも大切です。

特に更年期障害になると、ホットフラッシュなどで急に汗をかいたりすることが多くなるため、パジャマも通気性に優れた、軽くて肌触りの良いものを選びましょう。

素材は肌に優しい綿やシルクがおすすめです。汗で布団に湿気がこもりやすくなるため、定期的に布団を干すなどして対策をしましょう。

▼更年期の寝汗についての原因・対処法はこちら

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寝汗をいつもより多くかくのはなぜ?原因と対策を徹底解説

4.更年期障害に対する治療法

薬

生活習慣や食生活を改善しても日常生活や仕事に支障が出る場合、専門の医療機関ではお薬で治療することがあります。

4-1.ホルモン補充療法

急激に減少した女性ホルモンをお薬で補う方法です。更年期障害であるホットフラッシュや不眠・記憶力の低下や関節痛などの症状を和らげる効果があります。ただし、副作用もあるため専門の医師に診てもらったうえでの服薬が必要です。

▼ホルモン補充療法について詳しい解説はこちら

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体調が悪いのは女性ホルモンが原因? 海外期待の“ホルモン補充療法”という可能性

4-2.漢方薬

漢方薬はホルモン補充療法に比べて副作用が少なく、比較的安心して飲むことができるお薬です。

イライラ・不眠・不安感が強い・急な発汗があるかなど、それぞれの体質や症状に合わせるため、薬の選択肢が多いのが特徴です。ただし、効果を感じるまでに少々時間がかかることがあります。

今回は更年期に使用される漢方薬をご紹介します。

<三大漢方薬>
特によく使われる代表的な3種類の漢方薬があります。
いずれも、血の滞りである、瘀血(おけつ)を改善するものです。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)…体力があまりなく、精神症状としてイライラなどを伴う方
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…冷え性で痩せ型の方、めまいや神経痛にも
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…体力が比較的あり、赤ら顔でのぼせやすい方

<その他使用される漢方薬の例>
・柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)…動悸・不安感・不眠
・加味帰脾湯(かみきひとう)…心身の疲れや胃が弱い、不安・不眠のある方

5.他に病気が隠れている? 眠気に関係する病気

他に隠れた病気

女性の過度な眠気は、更年期障害の他にもいくつかの疾患が隠れていることがあり、注意が必要な場合があります。ここでは女性に比較的多くみられる眠気に関連する代表的な病気についてご紹介します。

5-1.甲状腺の病気(橋本病など)

甲状腺の病気は女性に多い病気です。特に中年女性で多く見られ、症状は更年期障害と似ている場合もあるため、注意が必要です。

甲状腺機能低下症では、だるさと眠気を伴い活動レベルが低下してきます。

甲状腺機能の異常は血液検査でわかるため、気になるようであれば一度医師に相談してみてもよいかもしれません。

▼意外と多い甲状腺機能低下症とは?

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意外と少なくない女性の“甲状腺機能低下症”のメカニズム

5-2.うつ病

睡眠の質の低下にうつ病が隠れていることがあります。

女性の場合は、思春期、出産後、更年期、高齢期に発症しやすいといわれています。特に「強い不安感」「不眠」「食欲の低下による体重の減少」などは更年期障害と共通する症状でもあり、注意が必要です。

▼更年期におけるうつ症状の原因と対策について詳しい解説はこちら

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これって更年期うつ? 女性のライフステージとうつの本当の関係

6.つらいときは迷わず受診をしましょう

検診をする医者

「たかが更年期だから…」と我慢している方もいるかもしれません。しかし更年期障害の重さは人それぞれ。症状の出方はさまざまです。

そのため、他の人はそうでもない更年期障害の症状が自分にとっては深刻でつらく感じることもあります。

もし、日常生活や仕事に影響がでてしまう、自分がつらいと感じるようであれば婦人科の医師に相談してみましょう。

7.快適でハツラツした毎日を過ごしていきましょう

いかがでしたか。

やらなくてはいけないことがあるのに眠い…身体が思うように動かない…と思うと、余計にストレスが溜まりますよね。

ストイックな人や責任感がある人ほど、日中の眠気の問題はつらく感じるのではないでしょうか。

忙しい日々を送る私たち女性だからこそ、更年期に訪れる身体の変化を「年齢だから」と我慢せず、「更年期だからこそ」と考え、自分の心と身体に向き合ってみてはいかがでしょうか。

この更年期をキッカケに、生活リズムを整えたり、運動習慣をとりいれたりするなど今の生活を見直すことで、何か新しい発見や楽しみがみつかるかもしれません。

これからの自分を輝かせる活力となるように、生活習慣を見直すきっかけにしていただけたらと思います。

監修:内科医 桐村里紗

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