皆さま、こんにちは。
医師で予防スペシャリストの桐村里紗です。

更年期・閉経のことを英語ではメノポーズと言います。
最近、海外では、女性や性の悩みに特化したフェムテックが市場規模を拡大していますが、その中でもメノポーズ期に特化したメノテック(MenoTech)というジャンルも確立し、新しいサービスが拡充しています。

2025年には、世界中で11億人がメノポーズ期(メノ期)に突入するとされ、大きな人口を占めることになります。
ところが、日本だけでなく、世界的にこの話題について触れることは「恥」とされ、オープンに口にすることができないものでした。
さらに、「性的」と見做されるとアダルト向けと認定されてしまい、広告やショップ展開において規制がかかるなどのハードルもあります。

娯楽としてのセックス市場とは違い、切実な悩みであるQOL(生活の質)を高めるために解決が不可欠ですが、まだまだ誤解と偏見があったり、法的な整備が追いついていないなどの問題はあれども、世界的にこの問題に触れ、オープンにみんなで解決していこうという動きがあることはとても素晴らしいことです。

SDGs(持続可能な開発目標)においても、ジェンダーの平等は欠かせない課題ですが、それを後押しするにも、メノ期の女性のエンパワーメントは重要になります。

いくつか、注目すべきサービスをご紹介します。

1.パワフルにタブーを超越するIMVEXXY

ヴェルサイユ宮殿

動画リンク https://youtu.be/8iQGC4No4xw

IMVEXXY(アメリカ・フロリダ州)は、メノ期の女性のセックスの痛みを解決するため、膣内挿入用低容量エストロゲンゲルを提供しています。
「あなたのvaginaは、Queenだ!」という強烈なコピーで始まるこの動画。
ベルサイユ宮殿のような世界観にメノ期を迎えた女王が登場します。
女王は、膣の乾燥から来る、痒みや灼熱感、そしてセックスの痛みに悩まされているという設定。

これまで、男性のEDに対しては、バイアグラのような処方薬がありましたが、女性の永続的な性生活を後押しするようなものは登場していませんでした。
女性だって性を謳歌してよいというパワフルなメッセージが動画広告からも伝わってきます。

印象的な動画の拡散によって、世界的に話題になり、性のタブーからの意識の解放に大いに貢献したのではないでしょうか。

膣内挿入用のエストロゲンとなると、当然日本では処方箋が必要な医薬品となるため、日本で気軽に手に入れることはできません。
広告やサイトにも、エストロゲンの副作用に関する情報や注意事項が書かれ、慎重な使用が求められています。

しかし、今後、処方薬としてもこのような製品が登場すると、日本の状況も変わってくるのではないかと思います。

2.アレクサが、ホットフラッシュをサポート

スマートスピーカー

Amazonのスマートスピーカー・アレクサが、メノ期の女性を音声でサポートしてくれるサービスも登場しています。
メノテック企業 Menotech Ltdは、HotFlushHelper(ホットフラッシュヘルパー)メノ期の女性をサポートするために、スマートスピーカーアプリを開発しています。

 “Alexa, open hot flush helper.”と呼びかけると、アプリが起動。

ホットフラッシュや不安、ストレスなどの更年期症状を和らげるために、簡単な呼吸運動をサポートしてくれるというシンプルなもの。

家にいるパートナーであっても、なかなか更年期症状を理解してくれず寄り添ってくれないケースも多いものですが、アレクサちゃんであれば面倒くさがらずにいつでも寄り添ってくれるとなると、最高のパートナーではないでしょうか。

このサービスは、現在プラットフォーム上で星5つを獲得し、女性たちを大いにサポートしているようです。

3.メノ期女性のためのオンラインクリニック

オンライン診療を受ける様子

デジタルプラットフォームを提供するGennevは、更年期障害に悩む人と、専門家、医療従事者を結ぶ遠隔医療サービスを提供しています。
診断や治療、ライフスタイルのアドバイスやコーチングなどを総合的に行うサービスです。

ただ、サービスを提供するだけでなく、教育的観点から意識の向上を図ると同時に、更年期障害の女性のためのロードマップ作成の元となる、世界最大のデータベースの構築を目指しています。

データベースを通じて、まだ解明されていないことが多い更年期について医学の発展への貢献も見込んでいるなど、総合的にこの分野の底上げをしようという意志が伺われます。

4.尿もれパンツをおしゃれに

雫

フェムテック分野としては、経血を吸収する月経パンツを提供する企業が増えています。

以前に、尿もれにも使えることはお伝えしたのですが、月経パンツを提供するフェムテック企業​​THINXからメノ期女性のための姉妹ブランドとして尿もれパンツブランド「Speax by Thinx」が登場しました。

インスタグラムアカウントにも、おしゃれな尿もれパンツが並んでいます。https://www.instagram.com/speaxbythinx/

アウターに響かないスマートなショーツですが、パットはしっかりとしており安心。
特徴的なのは、インスタグラムアカウントにメノ世代のリアルなモデルたちが登場していること。決して痩せたモデル体型ではなく、メノ世代特有のセルライトをためた太ももやグレイヘアがそのまま。等身大のメノ世代の共感を生んでいます。

4-1.グレイヘアもポジティブに

グレイヘアーの女性

グレイヘアのアイコンといえば、フリーアナウンサーの近藤サトさんが印象的です。
ある時、完全なグレイヘアでメディアに出たことで話題になり、その潔く堂々とした美しさに多くの人が圧倒され、グレイヘアブームになりました。

ヘアケア用品メーカーのパンテーンは、「#powerofgrey」というキャンペーンを展開し、グレイヘアを隠すことなく、年齢を重ねた自分そのものの美しさとしてのグレイヘアを賞賛しています。

ゴージャスなグレイヘアをなびかせるメノ世代の女性には、気品と風格を感じ、自身の自然な変化を受け入れ、敬い、歓びに変えようというメッセージが伝わってきます。

グレイヘアーの女性

近年、盛りに盛って、加工を重ねて本人の面影が消えたSNSが横行する期間を経て、ありのままを表現したいという欲動に突き動かされた人たちが目立つようになりました。

以前の記事
『「美しさ」を脱いでどう生きる?ステレオタイプへの反感と多様性への共感』
https://wellmethod.jp/escape-stereotype/

でもご紹介したようにメノ期のドバイ在住の女性ジャーナリストDanae Mercerは、経年で蓄積されたセルライトを堂々と見せつけるインスタグラムで自己表現をしています。

日常を超えた晴れの美しさを表現することも一つの文化ですが、ありのままの美しさを表現することもポジティブに捉えられる良い時代になったと感じます。
年齢による変化も、「老けた」とネガティブに捉えるのではなく、重ねて熟成していくというポジティブなイメージを持てると、人生も豊かになりますね。

5.ウェルエイジングでメノ期の女性を応援する

メノテック 更年期の女性

WELLMETHODは、メノポーズカウンセラーの資格を持つ栗本雅子編集長が「来たる更年期をポジティブに乗り越えたい」という想いを持ち、立ち上げたメディアです。

総合監修医である私も、元々「アンチエイジング」という言葉に違和感を覚えていました。
「アンチ」として年齢に抗うことに違和感があり、もっと年齢を肯定したいと考えていたので、「ウェルエイジング」を掲げるWELLMETHODに共感して参画しました。

母体である株式会社ダイセルは、大豆イソフラボンを発酵させる技術でできたソイエクオールを製造している原料メーカーです。
エクオールは、メノ期の女性のQOL(生活の質)を高めてくれます。

私たちも、40代です。
それぞれに年齢的な変化も感じていますが、それ以上に自分の今を肯定し、もっと自分を発揮しながら社会に貢献していきたいと考えています。

メノ期の女性を応援する日本発のフェムケア・メノテックブランドとも言えるWELLMETHODは、これからも女性のエンパワーメントに貢献していきます。

この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか