「毎月耐え難い痛みがある…」
「毎月生理の前は気が沈んでしまう」
「生理痛だけでなく下痢の症状も出てつらい」

女性にとって、生理に関するさまざまなお悩みがあるかと思います。

代表的な生理痛だけでなく、頭痛や下痢症状、微熱、そして生理前に起こるPMSなど、中には仕事を休まなければならないほどの痛みを感じるという方や、毎月のつらさに気が重くなると感じる女性も少なくないのではないでしょうか。

ひどい生理痛を感じる場合には、中には子宮内膜症や子宮腺筋症などの治療が必要な病気が潜んでいる可能性もあります。

生理はいわば、自分の今の体の状態を知るための一つのバロメーターにもなります。

毎月耐え難いほどの痛みを感じる、または、以前とは異なる症状を感じた場合には、決して我慢をせず、婦人科を受診することをおすすめします。

今回は、そんな生理にまつわるお悩みを記事で振り返りながら、今のご自分の状態をチェックしてみましょう。

1.生理痛を悪化させる習慣と予防する習慣

生理痛の女性

生理期間に生じる腹痛や腰痛などの諸症状が日常生活にきたすほどであったり、治療が必要なほどの重症である場合には、「月経困難症」と定義します。

仕事や家事がままならない、痛み止めを必要とする場合には「月経困難症」といえます。

月経困難症は、「器質性月経困難症」と「機能性月経困難症」の2種類があります。

1-1.器質性月経困難症

子宮内膜症や子宮腺筋症のように、婦人科系の疾患がベースにあり、その結果、月経時に症状が現れる場合を指します。

1-2.機能性月経困難症

月経時に必然的に分泌されるホルモンの影響により症状が現れます。

月経が起こる際には、子宮内膜を剥がすため、子宮の筋肉を収縮させる必要があります。

その際、プロスタグランディン(Pg)という子宮を収縮させるホルモンが分泌されるのですが、この分泌が多くなり過ぎると、腹痛や腰痛、悪心の原因となります。

記事の中では、WELLMETHODの監修医である桐村里紗先生が、「機能性月経困難症」についての治療法について解説しています。

中でも、生理痛を悪化させるライフスタイルや冷え対策、生理痛を予防・緩和させるために必要な栄養素については必見です。

ぜひ、日頃から取り組んでみてはいかがでしょうか?

▼【医師解説】生理痛を悪化させる5つの習慣と予防のための5つの方法

https://wellmethod.jp/period-cramps/

2.生理前の微熱とそれ以外の微熱を見分けるための方法

生理前の微熱のある女性

一般的に、女性の体は生理前になると体温が上がります。
場合によっては、「微熱」となることも。

少し体が温かくなる程度なら良いのですが、熱っぽさや頭痛、腹痛などさまさまな症状を感じるケースもあります。

また、微熱が続くと、風邪の症状なのかと不安になることもありますよね。

そもそも女性は、生理の周期的なリズムで体温に変化が現れます。

体温が高くなる時期を「高温期」といい、普段よりも体が火照ったり、イライラを感じる場合もあります。

では、いま感じている体の熱感が、生理前の高温期によるものなのか、体調不良によるものなのか、どのように判断したら良いのでしょうか?

この記事では、微熱の原因を知るためにまず必要な、「基礎体温」の測り方についてご紹介するとともに、生理が来ても微熱が下がらない場合の原因についてもご紹介しています。

▼生理前に続く微熱…毎月続くつらい症状を乗り切るために必要な7つの知識

https://wellmethod.jp/slight-fever-before-menstruation/

3.生理前に感じるイライラ…「PMS」の治療法

更年期かPMSかイライラする女性

生理前になると、イライラを感じるという方、少なくないのではないでしょうか。

「月経前である3〜10日の黄体期の間に続く精神的あるいは身体的症状」を、PMS(月経前症候群)といいます。

よく起こる症状としては、これらが挙げられます。
・イライラする
・のぼせるような感覚が起きる
・下腹部に痛みが起きる
・腰痛
・乳房が張る、痛む
など

PMSの原因としては、女性ホルモンである黄体ホルモン(プロゲステロン)の変動が関係しています。

女性の体は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つのホルモンバランスが働いているのですが、40代前後になると女性のホルモンバランスが崩れだします。

加えて、PMSは、几帳面な人やまじめな人にも症状が現れやすいとされています。

またPMSは、更年期の症状ともよく似ており、この記事ではPMSの症状なのか更年期なのか見分けるための方法についてご紹介しています。

その他、更年期前、更年期閉経後にわけて、それぞれの治療法についても解説しています。

「生理前にイライラを感じる」「このイライラは更年期なのかPMSなのか知りたい」という方は、ぜひご自分の今の状態を知るために、チェックしてみてはいかがでしょうか。

▼このイライラは更年期障害かPMSか!? わかりにくい症状の見分け方

https://wellmethod.jp/menopause-or-pms/

4.生理中に起こる下痢症状を緩和させるための対策

生理中の下痢

生理になると、やけにお腹がゆるくなる…。
ひどい時は1日に何度もトイレに行ってしまう。

というお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

生理中に下痢を引き起こす原因は、生理によるホルモンバランスの変化と、それに連動して起こる腸の収縮が関係しています。

生理がはじまると、「プロスタグランジン」という子宮の収縮を促す物質が増えます。

これは、子宮の収縮に合わせて、腸の収縮運動にも働きかけるため、通常よりも腸が活発に働くため、下痢が起こりやすくなるのです。

このように、生理中の下痢は、プロスタグランジンが関係しているため、根本的な解決方法は現状のところはありませんが、症状を悪化させないための工夫をすることで、緩和できる可能性があります。

記事の中では、
・体を冷やさないための対策
・胃腸にやさしい飲食
・ストレスを溜めない
・腸内環境を整えて下痢を予防する方法
について解説しています。

▼なぜか起こる生理中のつらい下痢…お腹を整えるためにできる6つの備え

https://wellmethod.jp/diarrhea_during_menstruation/

5.生理中に引き起こされるかゆみの対処法

かゆみを我慢する女性

生理中に、デリケートゾーンがかぶれてしまったり、かゆみが気になったりなんてこと、ありませんでしょうか?

冬の時期はまだ良いとしても、梅雨の時期や夏場は、どうしてもムレやすくなりますよね。

生理中のかぶれは、この「ムレ」が原因で引き起こされることが最も多いのです。

生理によりかぶれが生じた場合には、まずはムレを防ぎ、肌を清潔に保つことが大切です。

記事の中では、
・通気性を良くし、肌を清潔に保つ
・生理用品を肌に優しいものに変える
・入浴方法、スキンケアの方法
などについてご紹介しています。

また、デリケートゾーンのかゆみを引き起こすもう一つの原因として、「感染症」が考えられます。

性感染症は、性交渉が活発な場合、一般の人でも十分に起こる可能性があります。

また、免疫力が低下していると、性行為だけでなく、肛門から大腸菌などの菌が入ることや、カンジダのような常在の微生物(常在微生物)が極端に増えすぎることによる感染や、温泉や公共浴場などでうつる場合もあります。

女性は、生理前やストレスなど、女性ホルモンの変化により膣内環境が変化し、感染しやすい時期というものがあるため、注意が必要です。

記事内では、生理によるかぶれのほか、感染症についても詳しくご紹介しています。

▼ツラい生理のかゆみ。快適に過ごすために知っておきたい2大原因&対処法

https://wellmethod.jp/menstrual_itch/

生理が楽になった女性

いかがでしたでしょうか?

生理前に起こるPMS症状のイライラや微熱。そして生理中に感じるさまざまな症状…。

毎月訪れるものですから、少しでも楽に過ごしていきたいですよね。

あまりのつらさから、生理期間を嫌なものとして捉えてしまうこともありますが、逆転の発想で、毎月つらさを感じるということは、食生活や運動、睡眠などの生活習慣を変えましょうという、体からのサインなのかもしれないですね。

生理は今の体の状態を知る一つのバロメーターだと捉え、小さなことからでも少しずつ、体の声に耳を傾け、ぜひ、新しい習慣を取り入れてみてくださいね。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか