こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

みなさまは片頭痛で悩んだことはありますか?

「なにかをしようとするたびに頭がズキズキして集中できない」
「頭痛がひどくて吐き気やめまいがする」
「静かな暗い場所で横になりたい」

などと悩んだ経験のある方もいるのではないでしょうか。

片頭痛は生活の中で行う雑事の効率が落ち、ひどいときには動くことすらままならなくなるなど、本当に厄介ですよね。

さらに頭痛は風邪やけがなどと違って、見た目や数値にも現れないため、周囲に気づかれにくく「今日は不機嫌だなぁ」と相手に気を遣わせてしまうこともあります。

筆者も20代~30代の頃は、「お酒の飲みすぎ」や「睡眠不足」など、ちょっと無理をした翌日には頭がイタタタ…なんてことがよくありました。

しかし40代をすぎ更年期に突入したいまでは、心当たりがないにもかかわらず、頭痛に悩まされることが増えてきました。

更年期障害で心も体もスッキリしないことに加え、頭痛までとなるとやる気が低下してしまうことも。

実は原因がわからない頭痛こそ、「更年期における片頭痛」と深く関係しています。

一体、更年期の体と頭痛はどのように関係しているのでしょうか。

「更年期に起こる頭痛の対処法はあるのだろうか?」
「肩こりも更年期の頭痛と関係するのだろうか?」
「更年期が終われば頭痛は治まるのだろうか?」

など、ささいな疑問がいろいろありますよね。

今回は、更年期と頭痛の関係性についてのメカニズムや頭痛が起きた場合の対処法についてご紹介したいと思います。

※「へんずつう」は、本来は「片頭痛」が正式な表記になりますが、「偏頭痛」との誤った表記が通用するようになりました。本記事では、「片頭痛」と表記いたします。

1.更年期に起きる頭痛の種類(片頭痛・緊張型頭痛)

片頭痛

女性に多い頭痛には大きく分けて「片頭痛」「緊張型頭痛」の2種類があります。今回はこの2種類の頭痛の特徴と原因について、みていきましょう。
(もう1種類の「群発性頭痛」は、女性よりも男性の方が圧倒的に多いため、ここでは説明しません。)

1-1.片頭痛

片頭痛は男性に比べ女性のほうが、約3.6倍の割合でかかりやすいといわれており、30代の女性では5人に1人の割合で片頭痛を経験するといわれています。

片頭痛は名前とは異なり、片側だけでなく両側に激しい痛みが起こります。

1.片頭痛の症状

・頭の両方が痛む
・ズキンズキンと脈を打つように頭が痛む
・歩行や階段の上り下りなど、日常的な動作により気持ち悪くなる
・吐き気や嘔吐を伴うことがある
・太陽の光や音に過敏になる
・視覚症状(キラキラした点や線が見える、視野の一部が欠けるなど)や感覚症状(チクチク感や感覚鈍麻)

などの予兆が起こったあとに、頭痛が起きたりします。

片頭痛は、とくにガンガン、ズキンズキンなど激しく脈打つ痛みが特徴です。
心臓の鼓動に合わせて、脈打ちます。
何かをしようと体を動かすと症状がひどくなり、寝込んでしまうこともあります。

また、片頭痛が起こる前にキラキラした光や視野が一部欠ける、チクチク感や感覚がにぶるなど、視覚や感覚症状になんらかの前兆が起こり、症状が現れるケースもあります。 

2.片頭痛の原因

・特定のアルコールの摂取
・睡眠不足
・気候・気圧の変化
・ストレス
・エストロゲンの濃度の上昇や変動

片頭痛が起こる原因として、赤ワインなどのアルコールの摂取や気候・気圧の変化、ストレス、さらに睡眠不足などがあります。

ワイン

それらに並び、片頭痛は「エストロゲンの濃度の上昇や変動」が誘因の一つとして考えられています。

とくに更年期世代のエストロゲンの「ゆらぎ」が激しい時期に片頭痛の症状は悪化しやすいといわれています。

頭痛によりやる気が起きないこともありますが、エストロゲンの変動は抑うつや不安が強くなるなど精神症状とも関係しています。

また、更年期を過ぎた閉経後のエストロゲンの変動が落ち着く頃には症状が軽快します。

1-2.緊張型頭痛

緊張型頭痛は、筋肉の緊張からくる頭痛です。同じ姿勢を長時間とっていると頭がギューッと締め付けられるような痛みが出てくることが特徴です。頭痛だけではなく、肩こりも伴うことがありますが、通常は寝込むほどではありません。

1.緊張型頭痛の症状

・頭の全体が締め付けられるように痛む
・脈打つ痛みではない
・体を動かして悪化するような痛みではない(むしろ改善する)
・通常は頭痛時に気持ち悪くなる・吐き気などは感じない

2.緊張型頭痛の原因

・血流の低下
・心配ごと、不安などの精神的ストレス
・首や頭の筋肉の緊張
・パソコン作業などによる眼精疲労

緊張型頭痛も一般的には男性よりも女性に多く見られます。

長時間の同じ姿勢や疲労の蓄積により、体の血流が低下するために起こります。

また、心配事や不安なことなどを抱えている場合、社会的ストレスなどが精神的なストレスとなり発症することがあります。

また、肥満・運動不足・喫煙などが頭痛を発症させる危険因子とする報告もあります。エストロゲンとの関係性については明らかにされていない部分も多く残ります。

2.生理前や生理時にみられる頭痛とは?(月経時片頭痛・月経関連片頭痛)

月経

生理が始まるときに頭痛が起こりやすいという方もいるのではないでしょうか。

生理による片頭痛も、更年期の片頭痛と同様に黄体期や生理前のエストロゲンの変動により起こるとされています。

生理前や生理時にみられる片頭痛は、「純粋月経時片頭痛」「月経関連片頭痛」と呼ばれます。

特徴は「片頭痛の発作(頭痛の痛み)が起こる前に前兆がないこと」また「生理の周期に関連して発作が起こり、それ以外では起こらないこと」です。

2-1.特徴1:前兆のない片頭痛

頭痛には、発作が起こる前に「キラキラした光がみえる(視覚症状)」なや「チクチクした感覚がする(感覚症状)」などの「前兆のある」片頭痛と、発作の前に「前兆がない」片頭痛があります。

生理前や生理時にみられる片頭痛では、「前兆がないこと」が特徴の一つです。 

2-2.特徴2:生理の周期に関係する

生理前や生理時に起こる片頭痛は、生理の周期に合わせて起こるとされています。

みなさまの頭痛が起こるタイミングに生理の周期は関係するでしょうか?

もし、「症状が、いつも月経開始数日前ないし月経時に起こる」という場合、純粋月経時片頭痛、月経関連片頭痛である可能性が高くなります。

国際的な診断基準(ICHD)では、「純粋月経時片頭痛」の発作は、月経開始2日前から月経3日目までに生じ、月経3周期中の2周期以上で認め、その他の時期には認めないもの。
「月経関連片頭痛」の場合は、それに加えて、その他の時期にも発作を認めるものと定義しています。

3.片頭痛の治療薬

薬

片頭痛の治療薬では、発作が起こったときになるべく早く症状を鎮める急性期治療薬(痛み止め、吐き気止め薬など)と、毎日薬を飲むことで頭痛を予防し、頭痛が起こったとしても症状を軽くする予防的治療薬とに分けられます。

また、生理に関連する頭痛の場合、世代別に分けて女性ホルモンのバランスを整える薬が使用されることもあります。

3-1.頭痛の急性期治療薬(頭痛の症状を和らげる薬)

急性期治療薬は、片頭痛が起こった際にはじめに検討される治療薬です。主に痛み止め、頭痛により起こる吐き気を抑える制吐剤などが使用されます。

・アセトアミノフェン
・非ステロイド性炎症薬(NSAIDs)
・トリプタミン製剤
・エルゴタミン製剤
・制吐剤

ガイドライン上、軽症や中等症では、まずアセトアミノフェンや非ステロイド性炎症薬(NSAIDs)が検討されます。中等症から重症、また軽症でも過去にアセトアミノフェンや非ステロイド性炎症薬(NSAIDs)が無効であった場合は、トリプタン製剤の使用を検討します。

ただし、いずれの場合も、3ヶ月を超える定期的な乱用で、薬物乱用頭痛を引き起こすリスクがあるため、注意が必要です。

3-2.頭痛の予防的治療薬

月に2回以上、6日以上の発作がある場合には、予防的治療の検討対象になります。

片頭痛の症状がひどい場合や、急性期治療薬を使用してもなかなか良くならない、長期濫用によりリスクがある場合、生活に支障がでる場合などは予防的治療薬を使用する場合があります。

ガイドライン上最も有効性が高いのは、
・抗てんかん薬(バルプロ酸、トピラマート)
・β遮断薬(プロプラノロール・timolol)
・抗うつ薬(アミトリプチン)

その他、
・カルシウム拮抗薬(ロメリジンなど)
・ARB/ACE阻害薬(カンデサルタンなど)
も検討されます。

また、東洋医学では、
・漢方薬(呉茱萸湯、五苓散など)
などが使用されます。

3-3.月経時片頭痛、月経関連片頭痛の場合

・低用量ピル
・ホルモン補充療法

生理に関連する片頭痛の場合、女性ホルモンであるエストロゲンのバランスの崩れにより起こるため、ホルモンバランスを整える薬を使用することがあります。

生理開始時の頭痛には、ホルモンバランスの波を緩やかにする「低用量ピル」が使用され、また、更年期に入りエストロゲンが急減する世代では、ホルモンを補う「ホルモン補充療法」を行うことで片頭痛の症状が和らぐことがあります。

4.頭痛が起きた場合の日常生活でのセルフケア

頭痛が起きた場合の対処法は、片頭痛か緊張型頭痛なのかで対処法は変わります。

まずは頭痛のきっかけを取り除くことが大切です。

また、ドラッグストアなどで頭痛薬や市販薬も販売されており、これらも効果が期待できます。ただし、連用・乱用することでむしろ頭痛が悪化したり副作用が起こる可能性もあります。痛みが治まらない、症状がひどい場合は、専門の医師に相談することをおすすめします。

4-1.頭痛による痛みを感じる部分を冷やす

氷で冷やす

薬以外の方法で片頭痛で起こる痛みを鎮めるためには、痛みを感じる部分を冷ますこともおすすめです。

外出中や仕事中に発作が起こりアイスノンなどで対処できない場合は、冷えた缶ジュースやペットボトルなど利用すると良いでしょう。

注意点として、緊張性頭痛の場合は冷やすと痛みが悪化することがあります。緊張性頭痛の場合は、血行を良くする必要があるため体を温めるように意識しましょう。

4-2.片頭痛が起こりにくい生活習慣に改善する

・アルコールを控える
・十分な睡眠をとる
・ストレスを緩和する

片頭痛はアルコールの摂取、睡眠不足で起こりやすくなります。

片頭痛を予防するためには、アルコールを摂りすぎず、十分な睡眠時間を確保できるように注意しましょう。

カフェインは、血管を収縮させるために一時的に症状が軽快します。ただし、そのためにカフェインに頼るようになり摂り過ぎることで、むしろ日常的に片頭痛に悩まされるようになることもあります。

また、アルコールやカフェインは睡眠の質を下げ、睡眠不足にもなりがちです。アルコールやカフェインの摂取にはタイミングも大切です。

コーヒーの香りや味でリラックスできる方も多いと思いますが、睡眠の質を向上させるためにも、コーヒーを楽しむのは朝か午前中にしましょう。

コーヒー

4-3.片頭痛が起こらないように音や光へ対策をしましょう

外部からの音や光などは刺激となり、頭痛を悪化させる原因になることがあります。

片頭痛が起こった場合は、なるべく暗くて静かな場所でゆっくりするなどしましょう。アイマスク、耳栓なども効果的です。

4-4.体を温める、ストレッチをして血行を良くしましょう

ストレッチ

・血行を良くするためにストレッチを行う
・長時間同じ姿勢をとらないようにこまめに姿勢を変える
・適度な運動を行う
・血行を良くするために体を温める

片頭痛の症状がある際には逆効果になることもありますが、緊張型頭痛の場合は体の血流の巡りを良くすることが大切です。

長時間同じ姿勢をとっているようであれば、姿勢を少し変える、適度にストレッチするだけでも効果的です。

また、適度な運動も効果的です。

ウォーキング・ジョギング・サイクリング・水泳・ストレッチ・ダンスなど、ご自身が楽しみながら続けるものを探してみましょう。

運動は体の血行を良くするだけではなく、運動不足の解消やストレスの解消などの効果も期待できます。

5.日常生活の工夫で片頭痛を予防しましょう

片頭痛の予防をしている女性

頭痛は避けられるものであれば、避けて通りたいものですよね。

とくに私たち更年期世代はホルモンの急激な変化に加えて、家庭や仕事、介護のストレスなど精神的にも肉体的にもストレスを感じやすく、いつ頭痛が起きてもおかしくない状態にあります。

筆者もいままでは忙しい時期が続き、睡眠不足になるとついついコーヒーや栄養ドリンクに頼ってしまい、その結果頭痛が起こり、悪循環に陥るなんてこともありました。

でも、更年期に入りさまざまな体の不調を感じる中で「これではいけない」と思い、寝る前のストレッチや、睡眠時間を確保する、コーヒーを控えめにするなど、少しずつですが「自分の体に優しくしよう」と心がけるようになりました。

規則正しい生活を続けると、精神的にも余裕が少しずつ生まれるようになりますよね。

みなさまも、最初から生活習慣をガラっと変えることは難しくても、自分の生活の一部分を少し工夫するだけでも新しい健康習慣を作るきっかけの一つになるのではないでしょうか。

いまの変化を受け止めつつも、日常生活で無理なく予防できる点については対策し、頭痛が起きる可能性を減らしていくようにしましょう。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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