皆さま、こんにちは。
医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗です。

「普段何食べてるの?」というご質問を良く頂くことから、私自身が普段作っている“シンバイオティクス料理”とレシピをご紹介します。

有用菌自体を含む発酵食品などの「プロバイオティクス」と腸内の有用菌のエサになる「プレバイオティクス」。これを組み合わせたのが、「シンバイオティクス」です。

腸内環境は、人を育む土壌ですが、その土壌を改良するのが、シンバイオティクス料理です。

普段のレシピをちょっと工夫することで、腸が圧倒的に元気になりますよ。

1. 免疫機能向上「ビタミンD強化きのこのスープ」

きのこスープ

感染症が気になる夏。
体に備わる免疫細胞に、しっかり働いてもらいたいところです。

自粛気分やテレワーク、さらに猛暑が相まって、「ほとんど外出していません」「日光を浴びていません」という方も多いのでは?

でも、それは免疫力低下のリスクになります。

1-1. 免疫力の維持にビタミンDは必須

真夏であっても日差しを浴びる時間が少ない人は、免疫機能の維持、向上に必須のビタミンDが皮膚で生成されず、血中濃度が低下します。

世界的に、ビタミンDと新型コロナウイルス感染症に関する研究報告が様々出ていますが、「欧州20カ国において、ビタミンD値が高い国ほどCOVID-19の罹患率、死亡率が低いという、負の相関が認められた」などの報告があります(※)

※:Aging Clinical and Experimental Research volume 32, pages1195–1198(2020)

日本人の血清ビタミンD濃度は、総じて低く、15歳〜49歳の女性の調査で、45.5%は20 ng/ml 未満と非常に低値な状態、95.5%は30 ng/ml 未満で、基準値以下だったことが報告されています。

※:日本公衆衛生雑誌 2017; 64(3): 133142.

実際に、私自身がクリニックで数年間に渡り、血清のビタミンD濃度を測定していた際も、夏場であっても、基準値の30ng/dlを超える人は全くいませんでした。

体の構造も機能も、100%が、栄養素と水でできています。
ですから、ビタミンDが低下すると、その分、機能が低下することは当然です。

だから、この夏こそ、食事からビタミンDをしっかり摂りたいのです!

というわけで、自宅に眠る乾物「干し椎茸」を活用しようではありませんか。

1-2. 材料 4杯分

きのこスープ

1. 干し椎茸 4枚
2. お好きなきのこ類 今回は、えのき茸1株と舞茸1株
3. 玉ねぎ麹 もしくは 塩麹 大さじ1杯
4. 水 500ml
お好みで
5. 酢 お椀1杯につき大さじ1〜3杯(こちらもお好みで)
6. ごま油 1回し
7. ホワイトペッパー 適宜

1-3. 作り方

1. 干し椎茸を水に浸し、冷蔵庫に入れて6〜12時間程度の時間をかけて戻します。
面倒な場合は、煮込みの際に水の段階から入れても可です。その際は、煮出した後に取り出して、細切りにして具に加えてください。

2. 水戻しした干し椎茸を細切りに。(戻し汁は捨てないで!)
えのき茸は、2cm程度の長さに切り、舞茸は、手で裂いて食べやすい大きさに。

3. 干し椎茸の戻し汁と刻んだきのこ類をお鍋に入れて、玉ねぎ麹もしくは、塩麹を加えます。沸騰してから弱火にして3分ほど煮込みます。

4. 器に盛り付けて出来上がり。

5. さらに、「酸っぱいスープが大好き!」な方は、お酢を入れましょう。ごま油とホワイトペッパーを加えれば、中華風の酸っぱいスープになります。

酸っぱいスープの好みは、家族間で分かれがち。
我が家もですが、大抵、女性は酸っぱいスープが好きで、男性の評価はイマイチです。
そのため、器に盛り付けた後、器の中ででアレンジする方が、経験上揉めません。

マルチにアレンジ可能なたまねぎ麹の作り方は、前回ご紹介しましたので、ご参考になさって下さいね。

▼【医師直伝】腸活レシピ決定版④万能発酵調味料・玉ねぎ塩麹とマルチな活用法

https://wellmethod.jp/onion_salt_malt/

1-4. シンバイオティクス&ヘルシーなポイント

1. 干し椎茸は、自宅で日光浴を

干し椎茸

生の椎茸は、ビタミンDがほぼゼロ。
それを、日光にさらして、紫外線UVBを当てることで、椎茸の中でエルゴステロールという脂質からビタミンDが作られます。

通常、干し椎茸は、効率と品質安定の面から、伝統の天日干しではなく、機械乾燥されます。
その後、天日干しされてから出荷される場合もありますが、多くは見分けがつきません。

そのため、ビタミンDを増やそうと思えば、自宅でちょっと天日干しする1プロセスが必要です。

ザルに重ならないように並べて、天気の良い日に、1〜2時間日光浴をさせてください。

2. 「きのこ」は優秀なプレバイオティクス

きのこは、食物繊維を豊富に含む食品です。水溶性も少々含みますが、非水溶性食物繊維の方が豊富です。

非水溶性食物繊維は、腸内細菌が暮らす寝床を作り、腸管に水分を引き寄せ、便のボリュームを増し、腸の蠕動運動を活発にして、排便をスムーズにします。

1. 100gあたりの食物繊維含有量

・えのき茸(生):水溶性食物繊維=0.4g、非水溶性食物繊維=3.5g
・舞茸(生):水溶性食物繊維=0.3g、非水溶性食物繊維=3.2g
・干し椎茸(乾):水溶性食物繊維=3.0g、非水溶性食物繊維=38g
・干し椎茸(茹で):水溶性食物繊維=0.3g、非水溶性食物繊維=7.2g

1-5. アレンジするなら?

1. 干し椎茸の出汁を洋風料理にも

干し椎茸出汁のリゾット

(干し椎茸出汁のリゾット)

干し椎茸を活用しきれずに、乾物入れに置きっぱなしで忘れてしまっている方も多いのではないでしょうか?

干し椎茸を使うような和食をあまり作らない場合に、活用が難しいと考えておられるかもしれません。
でも「出汁」や「スープ」、何でも使ってしまえば良いですし、風味とコク、そして栄養価もアップします。

出汁パックを使っている方も、同じように干し椎茸を加えれば良いだけなのでお手軽です。
味噌汁や煮物など、普段の和風出汁に加えられます。

洋風のスープストックを使う場合にも、干し椎茸出汁を加えてもOKです。

写真は、リゾットの出汁に、干し椎茸出汁を使ったものです。
乾燥ポルチーニ茸の代わりに使えます(少々風味は違いますが)。

2. 酸っぱいスープで夏バテ防止に

お酢を加えるアレンジは、夏バテ防止や疲労回復にももってこいです。

お酢は、酢酸菌の働きにより生まれる「酢酸」や「クエン酸」などの複数の有機酸が生まれ、酸っぱくなります。

これらの酸は、細胞のエネルギーを産生するミトコンドリアのクエン酸回路をサポートして、エネルギー産生を促します。

クエン酸回路は、酵素の働きで、様々な有機酸が生み出されていくことで回っています。

夏バテや疲労の原因は、エネルギー産生に必要な栄養素が不足して、この回路が上手に回らず、エネルギー欠乏、いわゆる「電池切れ」の状態になることによります。
有機酸を補うことができる酸っぱい食べ物は、電池切れの回復に役立ちますよ。

この夏の免疫機能の向上、夏バテ防止にもぜひお役立てくださいね。

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詳しくは→ https://wellmethod.jp/present/

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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