こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

「顔の印象は変わらないのに、なんだか老けた気がする」
と思ったことはありませんか?

もしかすると、その原因は首のシワかもしれません。

顔のお手入れはしっかりしていても、首のお手入れはおろそかになっている方も多いのではないでしょうか。

実は筆者がそうでした。

顔のお手入れに関しては毎日念入りにお手入れをしていたのですが、首に関しては全く何もしていませんでした。

その結果、40代になり首のシワが目立つようになってしまったのです。

「手と首は年齢を隠せない」といわれるように、首は若さのバロメーター。

これまでお手入れをしていなかった分、しっかりお手入れをすれば首のシワを改善できるかもしれないと期待しています。

今回は、40代の女性を悩ます首のシワの原因と効果的な対策の方法についてご紹介します。

1.首のシワの原因とは?

首のシワができる原因は大きく分けると4つあります。
首のシワを改善するためには、最初に原因を把握しておくことが大切です。

1-1.更年期による女性ホルモンの低下

30代後半から女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が徐々に減少していきます。

とくに40代に入ると更年期を迎えるので、さらに女性ホルモンの分泌量は減り、体にさまざまな変化が起こります。首のシワが目立つようになるのもその一つといえます。

エストロゲンが減少するとハリを保つ役割があるコラーゲンやエラスチン、肌のみずみずしさを保つセラミドやヒアルロン酸の量が減ってしまい、顔のたるみや乾燥が目立つようになります。

また、コラーゲン量が減ってしまうことで皮膚が薄くなってしまいます。

コラーゲン

さらに顔がたるみ、顎のラインが下がってくると、その重さで首の皮膚が押されてしまい、首にシワが深く刻まれてしまうのです。

1-2.筋肉の衰え

広頚筋(こうけいきん)

表情筋の一つである「広頚筋(こうけいきん)」が衰えることで、首にシワができていきます。

広頚筋は、顎下から胸までつながっており、「イーッ」と口角を下げたときに動く筋肉です。広頚筋はまっすぐ背筋が伸びていればピンと張っていますが、加齢によりコラーゲンや水分が減ってしまっていると背中が丸まり緩んで垂れ下がってしまいます。

スマートフォンを使用するときのように下を向き続ける姿勢を長時間続けると、姿勢の悪化を招くため、普段の姿勢にも注意が必要です。

1-3.乾燥

顔の皮膚が薄いことはよく知られていますが、実は首の皮膚は顔よりも薄く乾燥しやすい部分です。

首はもともと汗をかきやすい部分ですが、さらに更年期を迎えた女性は女性ホルモンの乱れによって汗をかきやすくなります。

汗は肌表面の水分を奪ってしまうため、首の乾燥がより進むことで肌の中の水分が減少し、肌がしぼんだようになり、細かいシワができてしまうのです。

とくに50代は、肌の乾燥が急速に進みやすい年代で、皮膚の潤い成分である「ヒアルロン酸」は赤ちゃんと比べると約半分にまで減ってしまうといわれています。

表皮の角質で水分を保持するために役立つ「セラミド」の量も減ってしまうため、乾燥が進行します。

首の汗

1-4.血流やリンパの流れが悪くなる

筋肉の衰えや乾燥などがあっても肌の新陳代謝が活性化していれば、首のシワが深くなる前に改善することは可能です。

しかし血流が悪いとビタミンやミネラル、アミノ酸などの肌に必要な栄養素が細胞に行き渡らず、リンパの流れが滞ると老廃物が蓄積し、肌代謝は悪くなります。代謝が悪くなると肌のターンオーバーが乱れ、シワを改善することができず定着してしまいます。

リンパの流れが悪いとむくみを引き起こすことはよく知られていますが、実はシワにも影響があるのです。

2.自宅で簡単にできる首のシワの改善方法

首にシワができてしまってもあきらめる必要はありません。

今回ご紹介する首のシワ対策は、いますぐ自宅でできるものばかりです。

しかもコストパフォーマンスも良く、いつもの生活に取り入れるだけの簡単でお手軽な改善方法になります。

2-1.首の筋肉を伸ばすヨガ

広頚筋の衰えを予防するには、首元の筋肉をしっかり伸ばして、しなやかさをキープする

ヨガの「猫のポーズ」が効果的です。

1.四つん這いになり、腕と太ももをほぼ垂直にします。肩甲骨を軽く外側に開き、首は穏やかに伸ばします。

2.息を吐きながら背中を丸くします。尾骨を軽く下に向け、肩甲骨を穏やかに盛り上げます。このとき頭は下に向け、首の力を抜きます。左右の手のひらは軽く床を押すようにしましょう。

ヨガの「猫のポーズ」

3.息を吸いながら背中を軽く反らせ、腰は強く反らさずに穏やかに伸ばします。肩から耳を遠ざけるようにして、首を反らさず斜め上に伸ばします。

ヨガの「猫のポーズ」

4.呼吸はゆっくりと繰り返すようなリズムで2と3を30秒~2分程度、繰り返します。毎朝、起きたときに行うことで全身が目覚め、すっきりとした気持ちで1日をスタートすることができます。

2-2.首のマッサージを行う

首元が美しいと若々しく見えるだけでなく、シャープな印象に見えることもあります。女性の憧れでもある「デコルテ美人」を目指しましょう。

1.首全体にお気に入りの美容液やクリームをなじませます。指の腹を首に密着させながら、首の前側の中央からうしろに向かってシワを広げるようなイメージで大きく円を描くようにマッサージをしましょう。

左右交互に3回ずつ行います。

首のマッサージ

2.右手のひら全体で、下から上へ左半分をすり上げます。首の前側の中央を苦しくならない程度に軽くすり上げます。

リンパの集中する側面は肩先からやや強めにすり上げましょう。
右が終わったら、左も同様に行います。
これを左右それぞれ6回行います。

首のマッサージ

3.次に両手のひらで首全体を包み込んで美容液かクリームをしっかりなじませます。

4.最後に首のうしろの筋肉を下から上に向かって両手の親指以外の4本の指先で押します。筋肉の緊張を緩めながら3回に分けて、気持ちいいと思うくらいの強さで行いましょう。

ただし、痛みを感じるほどグリグリと押すと、リンパ節やリンパ管を傷つけて逆効果になる可能性がありますので注意しましょう。

首のうしろのマッサージ

2-3.紫外線対策

首元の皮膚のコラーゲンを守るためには、できる限り紫外線を浴びないことが大切です。
紫外線は1年を通して降り注いでいるため、季節や天候に関わらず紫外線対策を行いましょう。

・首に日焼け止めを塗る
・ストールを巻く
・つばの広い帽子をかぶる
・日傘を差す

紫外線対策、ストールと帽子

とくにストールはネックラインの紫外線対策と同時におしゃれとして楽しむことができるのでおすすめです。

ただし、免疫機能のために働くビタミンDは、紫外線を浴びることで皮膚で合成されますので、紫外線を防ぎすぎるとビタミンDが低下してしまうリスクもあります。

美容的に問題のない腕や脚などには、直接日光を浴びたり、ビタミンDを多く含む鮭や干し椎茸などを食べるようにしたりと工夫をしましょう。

2-4.首のスキンケア

スキンケアをする女性

毎日顔のスキンケアを行っている人は多いと思いますが、首のシワを改善するためには首も顔と同じように毎日お手入れをすることが効果的です。

首元の乾燥を防ぐために重要なのは保湿。
顔のお手入れの際に、手に余った化粧水やクリームをやさしく塗りましょう。

2-5.首のシワ予防のために食べたい食物

バランスの取れた食事

首のシワの予防や改善するために、毎日の食事で積極的に取り入れたい食べ物をご紹介します。

食べ物を選ぶ際のポイントは2つ。

1つ目は紫外線からのダメージを防ぐ「抗酸化成分」です。
・ビタミンC(レモン・アセロラ・キウイなど)
・ビタミンE(ナッツ・モロヘイヤ・うなぎなど)
・ポリフェノール(緑茶・ウーロン茶・紅茶・ココア・ワインなど)
・βカロチン(みかん・かぼちゃなど)
・リコピン(トマト)
・ターメリック(スパイス・カレー)
・フラボノイド(ハーブ・豆腐類など)

2つ目のポイントは肌のもととなる「たんぱく質」です。
・動物性(肉類・魚介類・卵)
・植物性(大豆)

コラーゲンもタンパク質から得られるアミノ酸を原材料に作られることをお忘れなく。
コラーゲン合成のためには、ビタミンCや鉄の働きも欠かせません。

とくに大豆には「大豆イソフラボン」という女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする成分が含まれているため、更年期を迎えた女性は積極的に摂ることをおすすめします。

首のシワの予防にはこれらどちらかだけではなく、両方を摂り入れることが大切です。

2-6.枕の高さを見直す

オーダーメイド枕

人間は一生のうち約3分の1は寝ています。そのため、首にシワができる姿勢で毎日寝ることで、首にシワが定着してしまいます。とくに自分に合っていない高さのある枕を使っている人は要注意です。

枕の高さがあると、頭が上がり顎を引いた姿勢になるため、首にシワができてしまいます。

首にシワができるのが嫌だからといって、枕が低すぎたり枕をせずに寝るのは体に良くありません。

低すぎる枕で眠ると頭に血液が溜まるため、脳への刺激が増えて眠りが浅くなってしまいます。

しっかり睡眠をとれていないと疲れをとることができません。また、肌にとっても良くないといえます。

理想的な枕の高さは、仰向けに寝たときに枕と首がしっかり密着し、さらに頚椎のS字カーブを維持することができるものです。
鼻先から口先までの角度が5度、肩口から頭にかけての角度が10~15度が理想的な高さです。

自分で枕を探すことが難しい場合は、枕専門店に相談すると良いですよ。

▼スマホ首が引き起こす不調と適切な枕の高さ

https://wellmethod.jp/straightneck/

3.お手入れを行うことで、リラックスタイムをつくりましょう

リラックスタイムを設ける

毎日、仕事や家事、育児などで忙しく、自分のために時間を確保することが難しい40代の女性はたくさんいます。

家族がいたり、仕事が忙しいとついつい自分のことは後回しになってしまいますよね。

しかし、バスタイムや寝る前のちょっとした時間を有効活用して、体も心もリラックスできる時間を大切にしてみませんか?

何かと「忙しい」が口癖になりがちな年代ですが、いつも頑張っている自分にご褒美タイムをプレゼントしましょう。

筆者は寝る前の約10分をリラックスタイムと決めて体のケアを行うことで、心にゆとりが出てきたように思います。

心にゆとりができたことで「楽しい年齢の重ね方」について考えるようになりました。

女性は40歳を過ぎてから若いときとは異なる輝きを放つと思います。

その輝きこそが「自分らしさ」ではないでしょうか? これからもより輝きを増すことができるように、もっと“私”を好きになって、そして自分を大切にしてくださいね。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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