こんにちは。
医師で予防医療スペシャリストの桐村里紗です。

皆さん、美容のために何を習慣にしていますか?
外側からつける化粧品にお金をかけるだけというのは、ちょっぴり時代遅れ。
美容業界の最新トレンドは、「ニュートリコスメティクス」。略して「ニュートリコスメ」です。

1.最新美容トレンド「ニュートリコスメティクス」とは?

ニュートリコスメ

インナービューティーを意識している皆さんは、日々の食事に気を使ったり、美肌のための腸活などをすでに意識しているはず。

2.ニュートリコスメティクスとは?

「ニュートリコスメティックス」の語源は、「ニュートリション(栄養素)」と「コスメティックス(化粧・化粧品)」を合わせた造語です。
長いので、ここでは、略して「ニュートリコスメ」と呼びましょう。

皮膚、爪、髪の自然な美しさをケアする栄養補助食品として機能する製品および成分のことを意味しています。
内側から働き、内側からの美しさを促進します。

3.医食同源や栄養療法的観点

サプリメント

特に、東洋には、「医食同源」とし、食事こそが治療であるという考えも古来からあります。

西洋でも、サプリメントによって内側から美と健康を高めるという意識が生活者に拡まっており、栄養学的な観点からも「You are what you eat.」=「あなたはあなたの食べたものでできている」という考えの浸透、また東洋で歴史的に使われていたハーブ類などへの注目が高まっていたところでした。

その為、ニュートリコスメという考え方は、美と健康に意識の高い人たちにとてもしっくり来るものです。

腸活を含めた食生活を基本として、ニュートリコスメを加えることで、より効果的に内側から美しさを高めることができます。

4.外側と内側の相乗効果

ニュートリコスメ 美肌の女性

外用する化粧品と内服するニュートリコスメは、互いに補完的であり、相乗効果があると考えたほうがよいでしょう。

ニュートリコスメは、経口で吸収される栄養素であり、外用化粧品との主な違いは、皮膚の表層より深く、内側から作用することができるという点です。

外用化粧品は、なかなか肌のバリア機能を超えて、深層まで届けることが難しいものですが、皮膚の潤いを守るために必須の角質層に潤いを与え、水分の蒸発を防ぐことができます。

5.美しさを作る栄養を供給する

ニュートリコスメのコンセプトは、皮膚・爪・髪などの栄養を徹底的に改善することを目的とした、有効成分、栄養素を経口で吸収することです。

肌に必要な有効成分を与えることで、それを内側から、そして持続可能な方法で供給することができます。
ニュートリコスメの有効成分、栄養素は消化管を通り、腸において吸収され、血液を循環し、全身の細胞に届きます。
皮膚や爪・髪も人の細胞の一部ですから、当然、ターゲットの範囲内なのです。

それらは、一緒になって血液に吸収されるいくつかの分子 (ビタミン、アミノ酸など) の通過を可能にします。分子が血液を通過すると、栄養素は体全体を循環し、スマートでバランスの取れた分配を行います。ニュートリコスメは、皮膚や頭皮に助けが必要な場所で機能します。

ただし、栄養補助食品なので、効果はすぐには現れず、数日後に現れることに注意することが重要です。ニュートリコスメは、より長期間の効能があります。

ニュートリコスメ カレンダー

6.ニュートリコスメの働き

局所に使う外用の化粧品とは異なり、ニュートリコスメは経口摂取することで内側から働き、内側から健康な皮膚や爪、髪になることを促します。
つまり、少し辛抱強く。
皮膚がリニューアルする1ヶ月のサイクルを待つことはもちろん、数ヶ月経過を見ることで内側からの効果が実感できるでしょう。

皮膚: 水分補給を促進し、乾燥を防ぐ。真皮層を支え、肌のたるみを防ぐ。
透明感のある輝く肌へと導く。
爪:より速い成長を促進し、爪を強化する。
毛髪: 成長を促進し、修復する。毛髪を強化し、引き締める。

7.ニュートリコスメに使用される成分

 

ニュートリコスメには、皮膚の原料となる栄養素に加え、抗酸化作用があるファイトケミカル類など様々な成分があります。

よく研究されている成分としては、

7-1.必須栄養素

ニュートリコスメ 栄養素

ビタミン類:ビタミンA(カロテン)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群
ミネラル類:鉄、亜鉛、他、微量元素
タンパク質(アミノ酸)
脂質:オメガ3系脂肪酸

これらは、皮膚・爪・髪を含めた全身の構造と機能に必須の栄養素です。
体内で合成できないために、食事から摂取しなければならないために「必須」栄養素と呼ばれています。

1.ビタミンA

ビタミンAは、例外的に体内でカロテンから合成されます。
肌のターンオーバーを促進し、皮膚の機能を維持したり、乾燥を防いだりしてくれます。

2.ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンの合成に必須のビタミンであり、抗酸化力を発揮します。
ビタミンEと相互作用で抗酸化力を維持します。

3.ビタミンE

ビタミンEは、細胞の細胞膜に入り込み抗酸化力を発揮し、皮膚細胞の老化を防ぎ、過酸化脂質を抑制し、皮脂を良い状態に保ちます。

ビタミンA,C,Eは、ビタミンエースと呼ばれ、抗酸化力を発揮するビタミン群で、紫外線老化から皮膚を守るために必要です。

4.ビタミンB群

ビタミンB群は、総合力で肌を美しく保ちます。
ビタミンB1は皮膚や粘膜の健康を保ち、肌の老化に大敵の糖代謝を促し、糖化の予防にも役立ちます。
ビタミンB2は、皮脂のバランスを調整し、ビタミンB6は、ターンオーバーをサポートし細胞の再生を促し、皮膚や粘膜の健康を保ちます。
とともに、ブドウ糖をエネルギーに変換するのを助けてくれる作用があります。

5.ミネラル類

鉄や亜鉛は、体内の数百から数千とも言われる酵素の活性に不可欠です。
いずれも抗酸化酵素に必須です。
鉄はビタミンCと共にコーラーゲンの合成に必須であり、シミの予防にも必要です。

月経のある女性は鉄不足になりやすいですが、色が抜けるように白いのにシミだらけである場合、「隠れ貧血は大丈夫?」と疑いたくなります。

6.タンパク質

タンパク質は、コラーゲンや酵素の原料として、必須ですから、肌代謝や構造を維持するために欠かせません。

7.オメガ3系脂肪酸

オメガ3系脂肪酸は、細胞膜の原料として、膜の流動性を高めて細胞機能を改善するのに必須です。
細胞の炎症を抑える働きがありますので、意識して摂取したいところです。

7-2.その他の成分

必須栄養素以外にも、ニュートリコスメに使用される成分は色々あります。

1.ファイトケミカル類

植物が含む機能性成分・ファイトケミカル類は、いずれも抗酸化作用を発揮します。

レスベラトロール、ピクノジェノール、リコピン、カテキン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチンなど様々なファイトケミカル類があります。

みかん

βクリプトキサンチンは、みかんに含まれるカロテノイドの一種です。
みかんを大量に食べると手や顔が黄色くなるのは、これが蓄積しているからですが、経口摂取して肌に届いて、メラニンの生成を抑えたり、肌の潤いを保ったりする働きがあります。

2.コラーゲン

コラーゲンは、タンパク質の一種です。
従来、口から摂取しても、アミノ酸にまで分解されてしまい、体内でのコラーゲン合成には使われるかどうかわからないと考えられていました。
しかし最近では、コラーゲンペプチドの状態で、消化管から吸収されることがわかっていますから、効果がないという訳ではないと考えられています。

特に、コラーゲンは、表皮の下の真皮層にあるため、化粧品としてコラーゲンを塗っても、皮膚の中に届いてコラーゲンの原料になる訳ではありません。

コラーゲンを増やしたいと思えば、その合成に必要な、タンパク質とビタミンC、鉄を不足なく補給することがまず第一です。

3.セラミド

セラミドは、皮膚の潤いを守る角質層に存在する細胞間脂質です。
ラメラ構造という層状の構造を形成して、水分が皮膚から蒸発しないようにします。
セラミドは、皮膚から塗っても角質層に届いて潤いを保つことに役立ちます。

こんにゃく芋

植物から抽出できるグルコシルセラミドは、こんにゃく芋、米や小麦などの穀類、桃、温州みかんなどの果物からも抽出ができます。
加工過程で捨ててしまう部位から成分が抽出できるため、「アップサイクル」な素材としても注目されています。

経口摂取することで、「肌の保湿力を高める」「肌の潤いを守る」「肌のバリア機能を高める」など、保湿作用を表示できる機能性表示食品として認可を受けたサプリメントが販売されています。

ニュートリコスメ 美肌の女性

美容に意識の高い人は、「インナービューティー」のために食事に配慮していると思います。ニュートリコスメは、食事だけでは摂りきれない栄養素や成分をプラスし、さらに美しさを高めたい、自分らしく輝きたいという気持ちを後押ししてくれると思いますよ。

この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

続きを見る

著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか