こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

40代、50代になると20代のときには気にならなかった体の悩みが増えてきたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は最近、とても気になる悩みがあるのです。

それは尿もれです。

くしゃみをしたとき、ちょっとした拍子に少しだけなんですが……。

20代や30代の頃は尿もれに関する商品がテレビコマーシャルで流れているのを見ても、「自分には関係ない」「無縁だわ」と思っていたのに、いまではその映像をじっと見ている私がいます。

尿もれは自分が不快になることはもちろん、周囲に臭いがしていないかなどとても気になります。

そのために外出ができなかったり、友達と会うのを控えたりするのは寂しい限りです。

尿もれを予防できる方法がないかいろいろ探してみたところ「骨盤底筋トレーニング」を知りました。

骨盤底筋トレーニングは、筋トレのようなつらいトレーニングではないため、毎日簡単に行うことができます。

また、何かをしながらでもできるトレーニングであることから、三日坊主の私でも継続することができています。

それでは一緒に骨盤底筋トレーニングの正しい方法を見ていきましょう。

1.骨盤底とは?

骨盤底は、内臓を支える最も底にある支持組織のことで、筋肉、靭帯、皮下組織で構成されています。

骨盤底筋はその名のとおり、骨盤の底にある筋肉のことで、左右の骨盤を繋ぎ、ハンモックのように骨盤の底で膀胱や子宮を支える役割があります。複数の筋肉から成り立っているため、骨盤底筋群とも呼ばれます。

骨盤底筋は、妊娠や出産の際に負担がかかります。よく出産後に尿漏れに悩む女性がいるのは、妊娠中の赤ちゃんの重みで骨盤底筋が弱くなってしまうのが原因の一つといわれています。

出産を経験していない女性でも、鍛えておかないと年齢と共に骨盤底筋が緩んでしまい、尿もれに悩むことになります。

1-1.骨盤底の位置を確認しましょう

骨盤底筋トレーニングを行うにあたり、骨盤底筋の位置を把握しておくことも大切です。

まずは骨盤底筋の位置を確認してみましょう。

①椅子に座ります。

②両方の手のひらを上向きにして両側のお尻の下に起きます。

③指で触れることができる両側の硬い骨のでっぱりを確認します。

この硬い骨のでっぱりは坐骨結節といわれる骨です。この坐骨結節の間に張っているのが「骨盤底筋」です。

骨盤底筋

2.骨盤底筋トレーニングが尿もれに効果的な理由とは?

骨盤底筋トレーニングは、尿もれの予防や改善に効果があるといわれています。

とくに腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁に効果的です。

尿漏れの原因としてあげられるのは、骨盤底筋の筋力低下です。

筋力が衰えた骨盤底筋を鍛えることで、筋力をつけることができます。筋力がつくと臓器が下がるのを予防できるため、尿失禁に効果があるのです。

骨盤底筋トレーニングは1回ですぐに効果が出るわけではないため、毎日続けることが大切です。

3.骨盤底筋トレーニング「基本編」

骨盤底筋トレーニングは、尿道を引き締める力をつけるトレーニングになります。

トレーニングは基本編と応用編にわけることができます。

基本編は家でくつろいでいるときに行うことができます。難しい動きもなく、体の負担も少ないのが特徴です。

骨盤底筋トレーニングが初めての方は、まずは基本編からしっかりマスターしていきましょう。

それでは、基本のトレーニング2種類をご紹介します。

3-1.仰向けの姿勢

①仰向けの姿勢になり、両膝を軽く曲げた状態で立て、肩幅に開きます。このとき、体を リラックスさせましょう。

②下腹部の上に片手を乗せ、10〜20秒程度を目安としてじわじわと肛門や膣をお腹の方に 引き上げるように締めます。きつく感じる方は、5秒程度から始めましょう。

③締めたあとは、力を抜いて40〜50秒程度、体をリラックスさせます。

④「締める」「ゆるめる」を、1分間のサイクルで10回繰り返しましょう。

合計10分を目安に行います。

On the back

3-2.床に座った姿勢

①壁に軽くもたれ、両膝を軽く開いて床に座ります。このとき、片手を下腹部にあて、体 をリラックスさせましょう。

②その姿勢で10〜20秒程度、肛門や膣をお腹の方にじわじわと引き上げるように締めていきます。きつく感じる方は、5秒程度から始めましょう。

③締めたあとは、力を抜いて40〜50秒程度、体をリラックスさせます。

④「締める」「ゆるめる」を、1分間のサイクルで10回繰り返しましょう。

合計10分を目安に行います。

sit

4.骨盤底筋トレーニング「応用編」

応用編の姿勢は、そのときの状況に応じて組み合わせていきましょう。この応用編をマスターすることで、日常の動作のなかでいつでもトレーニングすることができます。

4-1.椅子に座った姿勢

①椅子の背もたれに腰と背中がしっかりとあたるように深く腰掛けます。足を軽く開き、 片手を下腹部にあて、体をリラックスさせましょう。

②その姿勢をキープしたまま、10〜20秒程度、肛門や膣をお腹の方にじわじわと引き上げ るように締めていきます。きつく感じる方は、5秒程度から始めましょう。

③締めたあとは、力を抜いて40〜50秒程度、体をリラックスさせます。

④「締める」「ゆるめる」を、1分間のサイクルで10回繰り返しましょう。

合計10分を目安に行います。

Sit in a chair

4-2.立った姿勢

①腰の高さくらいのテーブルのそばに立ち、足を肩幅に開きます。

②両手も肩幅に開いた状態でテーブルにつき、軽く前に傾いた姿勢をとります。

③両手に上半身の重みをかけながら、10〜20秒程度、肛門や膣をお腹の方にじわじわと引き上げるように締めていきます。きつく感じる方は、5秒程度から始めましょう。

④締めたあとは、力を抜いて40〜50秒程度、体をリラックスさせます。

⑤「締める」「ゆるめる」を、1分間のサイクルで10回繰り返しましょう。

合計10分を目安に行います。

stand

 

5.トレーニングを行うときのポイント

骨盤底筋トレーニングは、体に大きな負荷をかけることなくいつでも行うことができます。

トレーニングはなんとなく行うのではなく、しっかりポイント押さえて行うことで効果が期待できます。

それではポイント見ていきましょう。

①動きはゆっくりと。

②お腹に力を入れるのではなく、肛門や膣を締めることを意識する。

③毎日トレーニングを行う。

3つのポイントを押さえトレーニングを続けることで、2~3週間で効果を感じることができるでしょう。

6.さらに強化! 追加のトレーニング

これまでご紹介した骨盤底筋トレーニングに慣れた方や、さらに骨盤底筋の強化を目指したい方におすすめのトレーニングをご紹介します。

骨盤底はある特定の動きをするときに、まわりの他の筋肉と連動して動きます。

その連動している筋肉を鍛えるためにも、挑戦してみてくださいね。

器具などを使用することなく、自宅で簡単に行うことができますよ。

6-1.スクワット

①足を肩幅に開きます。

②腹筋に力を入れます。このとき、骨盤底筋にも力を入れましょう。

③背中を丸めずピンと伸ばした状態で10秒程度でゆっくりと腰をおとし、スクワットの体勢をとります。

④10秒程度でゆっくりと①の体勢に戻ります。

⑤1セット20回程度、繰り返し行いましょう。 

怪我を予防するために重心に気をつけながら、行いましょう。

6-2.バードドッグ

①四つん這いの状態になり、手を肩幅、膝は腰幅に開きます。

②背骨がまっすぐ一直線になるようにして、顔は下に向けます。

③お腹に力を入れ、背中をピンと張り、骨盤底筋を締めましょう。

④右手と左足を同時に真っすぐな状態になるまで持ち上げてください。このとき、頭を持ち上げないようにして、5秒間そのままの体勢をキープします。

⑤手と足をゆっくりとおろし、体を安定させたまま①の四つん這いのポーズに戻ります。

⑥左手と右足で同じように③~⑤の動きを行います。

片側5回ずつ繰り返し行いましょう。

骨盤底筋を鍛えるトレーニングを継続して4~6週間続けても尿もれの症状が改善されない場合は、医師に相談してみましょう。

training

 

7.骨盤底筋トレーニングを習慣化する方法

骨盤底筋トレーニングは尿もれの改善が期待できます。しかし、改善するためには毎日継続して行うことが大切です。

しかし、毎日継続することが難しいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方のために、日常生活に骨盤底筋トレーニングを組み込む方法をご紹介します。

7-1.家事をしながら

家事をする女性

40代~50代の女性は仕事や家事に忙しく、なかなかトレーニングの時間を毎日確保することが難しいと思います。

毎日忙しい女性におすすめしたいのが「ながらトレーニング」です。

洗濯や掃除、食事の準備をしているときは、立っていることが多いですよね。

応用編の立った姿勢のトレーニングやスクワットなどがおすすめです。

7-2.リラックスタイムに

毎日のくつろぎの時間にテレビを見たり、読書をしたりとゆっくり過ごしているときでも、骨盤底筋トレーニングはできます。

また就寝前のベッドの上で行うのもおすすめですよ。

8.年齢を重ねても、自分らしく人生を楽しむために

サイクリングを楽しむ笑顔の女性

40代になると20代のときには悩みもしなかった体の不調や体力の衰えを感じることもありますよね。

「あのときはよかった」

「若いっていいよね」

なんて思いがちです。

とくに女性は年齢を重ねていくなかで、ため息をつきたくなることもあります。

しかし、年齢を重ねてきたと同時に様々な経験もしてきています。

それがわたしたちの財産になっているんだなと思うことも多くなってきました。

今回ご紹介した骨盤底筋トレーニングは、なかなか人には言いずらい、そしてちょっぴり相談するのが恥ずかしいと感じる方が多い「尿もれ」の改善に効果的です。

悩みを引きずって活動的になれないなんてもったいない!

効果を実感できることがまたひとつの喜びや楽しみに変わることもあります。

ぜひ、自分らしく過ごせる毎日を大切にしてみませんか?

女性は40代から美しくなれる!

この言葉を胸に今日も家事や仕事をしながら、こっそり骨盤底筋トレーニングをしていこうと思います!

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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