その毛穴開き、乾燥が原因かも? 保湿に欠かせない「セラミド」とシンプルケアのすすめ
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
年代問わず多くの女性が、ゆで卵のようなつるんとした毛穴レスな肌に憧れるのではないでしょうか?
毛穴トラブルは、過剰な皮脂分泌や毛穴の汚れなどが原因と思われがちですが、実はそれだけではありません。
確かに10代や20代の若い世代の方が抱える毛穴トラブルは皮脂の過剰分泌が原因であることが多いのですが、年齢を重ねた肌の毛穴トラブルは、皮脂だけではなく乾燥による影響が大きいのです。
乾燥による毛穴トラブルの対策には、保湿が大切です。
そして、その保湿のカギを握るのが、みなさまもよくご存じの「セラミド」です。
セラミドが配合されたアイテムを使うのはもちろん、普段から肌への負担が少ないスキンケアをすることも、毛穴トラブルの解消には欠かせません。
今回は、年齢を重ねた肌に起こる毛穴トラブルの原因と肌のメカニズム、セラミドを使った毛穴トラブルの対処法についてご紹介します。
目次
1.乾燥による毛穴トラブルとは?
年齢を重ねた肌で起こる毛穴トラブルの多くは、肌の弾力の低下による「たるみ毛穴」と肌の乾燥によって起こる「黒ずみ毛穴」です。
たるみ毛穴は加齢によるものが大きいとされていますが、実は乾燥や過剰な皮脂分泌がその引き金になっている場合もあります。
どちらにしても肌の乾燥が大きくかかわっているといえます。
1-1.たるみ毛穴とは?
たるみ毛穴とは、加齢により肌の弾力やハリが低下し、肌にたるみが生じることで、もとは丸い形をしていた毛穴が下へ引き延ばされて、開いたように見える状態をいいます。
たるみ毛穴を近くで見ると、涙のような形に見えるため「涙形毛穴(るいけいけあな)」と呼ばれます。
たるみ毛穴の原因は、肌の弾力の低下以外に、水分不足でも起こります。
肌に十分な水分が行き届いていないと毛穴の周りがへこみ、影を作ってしまうのです。
この状態は、肌表面がしわのような状態になるので、たるみ毛穴ができてしまいます。
たるみ毛穴は、20代など若い世代に見られることは少なく、30代以降から多くなるのが特徴です。
1-2.黒ずみ毛穴
黒ずみ毛穴は、毛穴に角栓が詰まり、毛穴が開いた状態のことをいいます。
角栓というと余分な皮脂が詰まったものと思われる方も多いかもしれませんが、主な成分は古い角質細胞由来のたんぱく質です。
角栓が毛穴に詰まる原因は、乾燥によって肌のバリア機能が低下し、未成熟で形が不揃いな角質細胞が多く作られることです。
それらが積み重なることで、毛穴の中に入り込み、詰まるのです。
2.乾燥が起こる肌のメカニズムとは?
乾燥というと、肌のかさつきやかゆみなどをイメージするかもしれません。しかし、肌が乾燥した状態が続くと、毛穴が開いてしまう恐れもあります。
毛穴トラブルを解消するためには、まずは肌のメカニズムについて知ることが大切です。
2-1.肌のメカニズムを知ろう
人の肌は表面から順に表皮、真皮、皮下組織の三層構造になっています。表皮のもっとも外側に角層があり、角層は外界からの刺激や外敵から私たちの体を守っています。
角層の主な役割は2つあります。
ウイルスや細菌、アレルギー物質などの異物の侵入を防ぐ「防御作用」と、体の水分が外界に蒸発するのを防ぐ「保湿作用」です。
これら2つをバリア機能といいます。
バリア機能が低下すると肌は刺激を受けやすい状態となり、炎症や湿疹(しっしん)ができやすくなったり、肌内部の水分が蒸発しやくなったりします。
その結果、乾燥が進み、肌の新陳代謝であるターンオーバーの乱れを引き起こします。
2-2.正常なバリア機能を維持する三大保湿因子
肌のバリア機能が正常な場合、肌には潤いがあり、角層の細胞がきれいに整列しています。
一般的にいわれる「キメが整った状態」です。見た目だけではなく、外部の刺激から肌を守れる健康的な状態ともいえます。
このバリア機能を正常に保つのに大切な役割を果たしているのが「三大保湿因子」です。
1.天然保湿因子(NMF)
天然保湿因子は角質細胞内に存在し、角質層の水分を保持する役割があります。天然保湿因子の約半分がアミノ酸から構成されています。
2.細胞間脂質
細胞間脂質とは、角層細胞の間をつなぐ脂質のことです。
主にセラミドや脂肪酸、コレステロールで構成されており、肌内部の水分の蒸発を防ぐ役割があります。セラミドはこの細胞間脂質の約50%を占めています。
3.皮脂膜
皮脂膜は肌表面から水分が蒸発するのを防ぎ留めておき、肌表面をなめらかに整え、外部刺激から肌を保護する役割があります。
皮膚に共生する皮膚の常在細菌が皮脂と汗をミルキングして乳液のような皮脂膜ベールを作っています。
3.乾燥対策に欠かせないセラミドの役割とは?
セラミドには、細胞同士をつなぎ水分を保持し、バリア機能が正常に機能するようにサポートする役割があります。前章でお伝えしたとおり、セラミドは三大保湿因子である細胞間脂質の一つです。
一般的に水と脂質はなじみが良くないのですが、セラミドは脂質でありながら、水となじみやすい「親水性」という特徴があります。
また、セラミドに肌の保湿を維持する働きが期待できる理由には、肌の角層におけるラメラ構造が関係しています。
ラメラ構造とは、セラミドの層と水の層がミルフィーユのように何層にも重なった特殊な構造のことです。
このラメラ構造のおかげで、外気温が氷点下になっても肌内部の水分が簡単に蒸発せず、肌の潤いが保たれるのです。
肌に十分な量のセラミドがあると、バリア機能がしっかりと働くため、乾燥を防ぎやすくなります。また、肌をふっくらとした状態へと導くため、毛穴が目立ちにくくなります。
3-1.セラミド4つの種類
一括りにセラミドといわれていますが、セラミドには大きく分けて4つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
1.ヒト型セラミド
人の肌にあるセラミドと構造が似た成分で、保湿力や浸透力が高い。乾燥肌はもちろん、肌質問わずおすすめのセラミド。
2.天然セラミド
天然に存在する動物(馬)から抽出されるセラミドで、人の皮膚にあるセラミドと構造が似ており、皮膚への浸透性や保湿力が高い。
3.植物性セラミド
米ぬかなど植物由来のセラミドで、基本的には肌に優しいものですが、人の肌に存在するセラミドと構造が異なる部分があるため、アレルギーのある方は注意が必要。やや浸透力は低いが保湿力は高い。
4.疑似セラミド
化学的に合成して作られており価格は安い。
ヒト型セラミドに似せて作られているが、ヒト型セラミドと比較すると、浸透力や保湿力は低い。
3-2.セラミドが減少する原因は?
必要量のセラミドが常時肌にとどまっていてくれれば良いのですが、セラミドはさまざまな原因によって減少してしまいます。
その原因の一つに加齢が挙げられますが、それ以外にも間違ったスキンケアで乾燥を引き起こし、ケアをしているつもりがかえってセラミドの減少を促してしまっているケースもあるのです。
アトピー性皮膚炎がある場合、体質的にセラミドが元々少ない可能性があります。
4.毛穴トラブルに効果的なスキンケアのポイント
年齢肌に多く見られるたるみ毛穴や黒ずみ毛穴を防ぐためには、乾燥から肌を守るケアを心がけましょう。
ケアのポイントは3つあります。
4-1.保湿
乾燥による毛穴の開きには、保湿がとても大切です。
保湿アイテムは数多くありますが、セラミドが配合されたものを使うようにしましょう。
数ある保湿成分の中で、ターゲット層である角質でしっかり作用するのは、セラミドです。
▼医師の私がこれだけは手放せない!乾燥対策に本当に潤う成分とは?
https://wellmethod.jp/measures-against-dryness/
4-2.肌摩擦を減らす
洗顔、クレンジング、化粧水、美容液、クリーム、日焼け止め、メイク…。一日に私たちは何回、顔に触れるでしょうか。
肌を擦ったり触れるたびに起こる肌摩擦は、思った以上に肌に負担をかけてしまいます。
なるべく肌に触れる回数を減らすためにも、オールインワンゲルなどのシンプルケアを心がけましょう。
4-3.肌に合った洗顔料やクレンジング剤を選ぶ
健やかな肌をキープするには、肌の汚れやメイク・日焼け止めなどをしっかり落とすことが大切です。
しかし洗顔料やクレンジングの種類によっては、肌にとって必要な油分を過剰に落としてしまう恐れがあります。
洗顔料にはさまざまな種類がありますが、どのタイプにも共通していえることは、しっかりと泡立てることです。
たっぷりの濃密な泡で包み込むように優しく洗い、30~34℃のぬるま湯で洗い流しましょう。
クレンジング剤も洗顔料と同じくいくつか種類がありますが、それぞれに特徴があります。
保湿力が高いのはクリームタイプとミルクタイプです。
拭き取りタイプは手軽に使えますが、洗浄力が低く肌摩擦が多いため、肌質問わず毎日使うと肌への負担が大きくなります。
また、オイルタイプやリキッドタイプは洗浄力が高いのが魅力ですが、肌への刺激が強い界面活性剤が多く含まれています。
ジェルタイプは、肌摩擦は少ないものの洗浄力がやや劣るといった特徴があります。
クレンジング剤を選ぶときは、保湿成分などを確認し自分の肌に合ったクレンジングを使うようにしましょう。
▼日焼け止めの正しい落とし方は? 肌摩擦を抑えてオフするための9つのコツ
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5.シンプルケアで毛穴レス! おすすめのオールインワンゲル
健やかな肌を手に入れるために、高価な化粧品や数多くのアイテムが必要と思っていませんか? 毛穴が目立たず潤いのある肌に必要なのは、保湿です。
肌の保湿に必要なセラミドやその他の保湿成分、美容成分が一つのアイテムに配合されていれば、シンプルケアが叶います。
筆者は普段からしっかり保湿、肌摩擦を減らす、時短ケアを目指してシンプルケアを心がけています。毎回、クレンジング、洗顔、オールインワンゲルでお手入れ完了。
朝はこれに日焼け止めとメイクをします。
また、自分へのご褒美として週に1回、セラミドや美容液がたっぷり含まれているフェイスマスクを愛用しています。
どちらも併用して使うことで、肌がしっとりするのを実感しています。
オールインワンゲルは嫌なべたつきもなく、すーっと伸びるので肌に余計な力をかけなくても良いところが気に入っています。
フェイスマスクは、ひたひたの美容液がぜいたくな気分にさせてくれます。マスクをはずした後の肌は、手が吸いつくほどもっちもちです。袋の中の美容液はもったいないので、首につけています。
これまであれこれと化粧品探しの旅を続けてきた筆者が愛用しているのが、株式会社ダイセルが運営する大人の女性のためのブランド「WELLMETHOD®」から発売されている「WELLMETHOD®オールインワンゲル」と「WELLMETHOD®フェイスマスク」です。
この2つのアイテムのうれしいポイントは、しっかり保湿できて、肌質を選ばず使用できるところです。
オールインワンゲルに関しては、チューブタイプで持ち歩きもしやすく、衛生的なところも気に入っています。
▼WELLMETHOD(R) オールインワンゲル
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▼WELLMETHOD(R) フェイスマスク 3枚セット
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6.いまのスキンケアを見直すことが、毛穴トラブル解消の第一歩
年齢を重ねると、若いころとは違った肌悩みを抱えることが多くなり、毛穴トラブルと一括りにしても、乾燥や加齢による毛穴の開きなど、悩みの種類も異なります。
よく「年齢に応じたケア」と耳にしますが、どの年代でもあっても大切なのは保湿ではないでしょうか。
年齢を重ねたからには、より多くのスキンケア用品を購入し、より高級なものを使用しなければならないと思いがちですが、肌にとって大切なのは、「保湿とUVケア」です。
年々変化していく自分の肌や体に向き合うたびに、不安や焦りも出てくることもあるかと思いますが、大切なポイントは見失わないようにしたいところです。
もしまだ、満足のできるスキンケアアイテムに出会っていない方は、シンプルケアからはじめてみませんか?
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
- 桐村 里紗の記事一覧
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか