こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

乾燥が気になる季節が近づいてきました。
みなさまはどのような乾燥対策をされていますか?

筆者は以前、毎年乾燥に悩まされ、対策をしているのに「これだ!」といった方法がなかなか見つからず、体調を崩したり肌荒れすることも少なくありませんでした。

さらに今年の冬は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されているため、より乾燥対策は必要になってくると思っています。

冬の乾燥はお肌の大敵であることはみなさまもよくご存じだと思いますが、乾燥が引き起こすトラブルは肌だけではありません。

筆者はこれまで「乾燥=肌トラブル」と思っていたのですが、乾燥は健康面にも影響を与える可能性があります。

今年の冬は、いつも以上に体調管理のためにも乾燥対策をしっかり行いたいと思い、すでに我が家では部屋の乾燥対策を始めました。

今回は、筆者が毎日行ってるいますぐできる簡単で効果的な部屋の乾燥対策をご紹介します。

1.なぜ冬になると乾燥するの?

乾燥肌を気にする女性

そもそもなぜ冬になると乾燥するのかご存じでしょうか?

冬になると「シベリア気団」というとても冷たい空気を持った高気圧が発達します。
シベリア気団が日本海を通過すると冷たい空気が湿った空気へと変わります。

この湿った空気が青森県から栃木県まで連なる奥羽山脈や本州の中部地方にまたがる日本アルプスなどの山々を通る際に、日本海側に雪を降らせます。

このとき空気中の水分の多くが雪となるため、雪を降らせた後の空気は水分量が減り、乾いた空気となります。

それが太平洋側に流れていくため日本海側と比べてとくに、冬の太平洋側は空気が乾燥するのです。

2.乾燥を感じるのは「気温と湿度の関係性」のため

湿度計

冬場はなぜ乾燥するのでしょうか?
それには、気温と湿度の関係性が要因しています。

まず、空気中に存在できる最大の水分量のことを、「飽和水蒸気量」といいます。

空気が含むことのできる水分の量(飽和水蒸気量)は、空気の温度によって異なり、温度が高いほど多くの水分を含むことができます(=飽和水蒸気量が増える)。
逆に、温度が低くなるにつれて存在できる水分量は減っていきます(=飽和水蒸気量が減る)。

では、「気温が上がると飽和水蒸気量も増えるのであれば、部屋の温度を上げれば水分量も増える(=乾燥しない)のでは?」と感じるかもしれませんね。

しかし、加湿機能のないエアコンの暖房は、空気を直接温めることで温度を上げるため、水蒸気は発生しません。
つまり、空気中の水分量は増えないのに温度だけが上昇するため、「湿度」が低下して乾燥を引き起こしてしまうのです。

2-1.湿度とは?

次に、「湿度」とはどのようなものでしょうか?

一般的に「湿度」いわれているのは「相対湿度」のことで、「湿度(相対湿度)」とは空気中に存在できる水分量(飽和水蒸気量)に対する実際の水分量の割合を指します。

冬は気温が低くなるので飽和水蒸気量も少なくなり、夏と同じ湿度であっても空気中の水分の割合は少なくなります。

・「飽和水蒸気量」=空気中に存在できる最大の水分量
・「湿度(相対湿度)」=飽和水蒸気量に対する水分量の割合

たとえば、空気を「座席数が決まっている部屋」と考えます。

6席 4席
▲「部屋=空気」「座席=空気が含むことのできる水分の量(飽和水蒸気量)」
(左)【夏場の空気30℃】座席数:6  (右)【冬場の空気10℃】座席数:4

例)
①【夏場の空気30℃】座席数:6
②【冬場の空気10℃】座席数:4

この時、湿度は、座席数に対してどれだけの席が埋まっているかという「割合」になります。

1.湿度50%の場合

湿度50% 湿度50%
▲「部屋=空気」「座席=空気が含むことのできる水分の量(飽和水蒸気量)」「人=湿度」

(左)【夏場の空気30℃】座席数:6に対して3人 (右)【冬場の空気10℃】座席数4に対して2人

例)湿度50%の場合

①【夏場の空気30℃】座席数:6に対して3人
②【冬場の空気10℃】座席数:4に対して2人

なので、同じ湿度50%であっても、②【冬場の空気10℃】の方が埋まっている席が少ないため(そもそも最大の席数が少ないため、同じ湿度50%であっても埋まっている席数は少なくなります)、「乾燥している」と感じます。

2.多湿になる場合

逆に、多湿になる場合は、上の図でいうと、人が座席数を上回る状態を指します。

そのため、結露ができやすかったり、寝苦しい状況をつくる可能性があります。

温度が低いと(飽和水蒸気量が少ないと)、肌が乾燥しやすい状況になりますが、温度と湿度が釣り合っていると、肌からの蒸散はあまり起こりにくいです。
(冬場は、基本的に、肌も空気も乾燥傾向であることは変わりません)

エアコンなどで温度を上げると、飽和水蒸気量が多くなりますが、この状況で湿度が低いと、肌と空気を平衡にしようとして、肌からの蒸散が起こりやすく、乾燥しやすくなります。

2-2.部屋の湿度を保つことが大切

そこで乾燥を引き起こさずに部屋の暖かさを保つために必要なのが、「湿度を保つ」ということです。

たとえば、エアコンをつける時には、加湿器をつける。
または、加湿器がない場合には濡れたバスタオルを部屋に干すなどして、部屋の湿度を上げましょう。
(加湿器以外の湿度を上げる方法は6章で後述します)

部屋の最適な湿度は、50%〜60%が適切とされています。

逆にそれ以上を超えてしまうとカビや結露などの原因になってしまうため、温湿度計を見ながら管理しておくと良いでしょう。

3.部屋の乾燥が引き起こすトラブルとリスク

空気が乾燥すると部屋の中も乾燥します。

また冬になると寒さをしのぐために暖房器具を使用する方も多いと思いますが、暖房器具の熱によって余計に乾燥してしまいます。

では、空気が乾燥するとどんなトラブルが起こるのかみていきましょう。

3-1.風邪などの体調不良

風邪

空気が乾燥すると風邪を引きやすくなると聞いたことはないでしょうか?
風邪をひくのは気温が低くなることだけが原因ではありません。

1.鼻や喉・気管などの粘膜の働きが悪くなる

空気が乾燥すると鼻や喉、気管など空気の通り道となる粘膜や粘膜に生えている線毛も乾燥しやすくなります。

粘膜や線毛は、外部から侵入するウイルスや細菌、ホコリなどの異物の体内への侵入を防ぎ、体外へ出そうとするホウキのような働きがあるのですが、乾燥することでその働きが悪くなってしまいます。

その結果、鼻や喉、気管に炎症が起こり風邪などの体調不良を引き起こしてしまうのです。

2.空気中にウイルスが拡散しやすくなる

部屋の空気が乾燥するとウイルスの動きが活発になり、拡散しやすい状態になってしまいます。

湿度が適度にあれば、咳やくしゃみで飛んだウイルスを含む飛沫や微粒子は空気中の水分とともに地面に落下します。

しかし湿度が40%以下の場合、飛沫が地面に落ちる速度が緩やかになり長時間空気中に漂ってしまうのです。

その結果、ウイルスが空気中を浮遊し、拡散されてしまいます。

ウイルスの飛散

新型コロナウイルスについては、 これまで空気感染をしないとされていましたが、2020年9月18日に、米疾病対策センター(CDC)が、「新型コロナウイルスは一般的に、呼吸などによって空気中に漂う飛沫(ひまつ)や微粒子を通じて拡散し得る」と指摘し、ガイダンスを改訂したことが発表されています。

「新型コロナウイルスを含む空気を浮遊するウイルスは特に感染力が強く、簡単に拡散する」と報告していますので、乾燥する冬季は特に注意したいところです。

3-2.脱水症状

空気が乾燥すると脱水症状を引き起こす可能性があります。

空気が乾燥する上に暖房器具を使うことで部屋の乾燥がより加速し、皮膚や粘膜、呼吸によって水分が奪われてしまうことで脱水症状(不感蒸泄)になってしまう可能性があります。

冬は汗をかきにくいため、睡眠中や無自覚のまま体内の水分が減少し脱水症状を引き起こしてしまうのです。

3-3.肌荒れ

脱水症状でもお伝えしましたが空気が乾燥すると、体内の水分が蒸発しやすくなります。

体内の水分が減少すると皮膚のターンオーバーに必要な水分がなくなるため、肌が荒れてしまいます。

3-4.火災

火事

空気が乾燥するということは、空気中の水分が少なくなるということです。

万が一出火してしまった場合に空気中の水分が少ないと、すぐに燃え広がるリスクが高くなってしまいます。

とくに冬は暖房器具も使用するため、火災が起きやすい条件が満たされているといえます。

4.最適な部屋の湿度は?

部屋が乾燥するとどんなトラブルやリスクがあるかご紹介してきました。

では部屋の乾燥を防ぐためには、湿度をどれくらいに保っておけば良いのか気になりますよね。

湿度は高ければ高いほどいいという訳ではありません。

最適な部屋の湿度は40~60%です。

部屋の湿度が40%を下回ると、粘膜が乾燥しやすくなりウイルスの活動も活発になります。
湿度が60%以上になると結露やカビ、ダニが繁殖しやすくなってしまいます。

結露する窓

また、冬に流行するインフルエンザウイルスは湿度が50%を超えると生存率が下がるため、50~60%くらいを保つようにすることが大切です。

5.部屋の乾燥対策に効果的な加湿器の使い方

加湿器

部屋の乾燥対策といえば加湿器をイメージする方も多いと思います。

加湿器は部屋の乾燥対策としてとても優秀ですが、使い方によってはかえって健康に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。

以下の3つのポイントに注意して、加湿器を上手に使いましょう。

5-1.部屋の真ん中に置く

部屋全体を加湿する場合は、部屋の真ん中に加湿器を置くのがもっとも効果的です。
家具や窓の近くに置くと、家具が痛んだり結露が起きる可能性があります。

エアコンを稼働させているときは、エアコンの真下に置くと良いでしょう。エアコンの風に乗って部屋全体が加湿されます。

5-2.タンクの水は毎日換える

加湿器のタンクの水を変えずに入れっぱなしにしておくと、カビや細菌が繁殖してしまいます。

汚れた水で加湿器を稼働させると部屋全体にカビなどを拡散させることになりかねません。
カビは、マイコトキシンと言う猛毒を発生させ、慢性疲労や精神的な不調、記憶障害、発疹など様々な症状の気づかない原因になります。

加湿器を使う場合は、フィルターなどのお手入れも定期的に行うことが大切です。

5-3.就寝時は止める

2章でもお伝えした通り、夜は温度が低くなるのにともない、部屋の空気の飽和水蒸気量も低くなっていきます。

就寝時に加湿器をつけたままにしておくと、必要以上に湿度が高くなってしまうことがあります。
結露やカビの心配もありますが、睡眠の質を下げてしまう可能性もあります。

次章でご説明する加湿器以外の湿度を上げるための対策は、加湿器のように強制的に湿度を上げるものではありません。
そのため、空気中の飽和水蒸気量が満たされていなければ、室内の湿度が極端に上がることはまずありませんので、結露などの原因になる可能性は低いでしょう。

6.加湿器がなくても大丈夫! いますぐできる部屋の乾燥対策

部屋の乾燥対策は、加湿器がなくても身近なもので十分対策することができます。
ここでは、いますぐできる手軽でおすすめの部屋の乾燥対策をご紹介します。

6-1.洗濯物を室内で干す

部屋干し

エアコンを使って部屋を温めると、加湿されないまま温度が上がるため湿度は下がってしまいます。

そこでおすすめしたいのは、エアコンをつけた状態で洗濯物を干すことです。
暖まった部屋で洗濯物を干すことで適度に加湿され、さらに洗濯物も乾くので一石二鳥です。

洗濯物が大量にある場合は湿度が上がり過ぎる可能性もあるため、室内の窓を開けるなど適度に換気しましょう。

また、リビングや寝室などに洗濯物を干すスペースがない場合には、例えば洗濯のみして乾燥していないバスタオル1枚を窓際に干しておくだけでも加湿効果が期待できます。

6-2.水やお湯が入ったコップを部屋に置く

コップに水

部屋全体ではなく狭い場所をピンポイントで加湿したい場合は、水が入ったコップを置く方法がおすすめです。

コップの水が蒸発することで、加湿できます。

また、お湯にすれば、さらなる加湿効果が期待できます。

コップ以外にも洗面器のような受け口の広い容器に水を張ると、水分を効率良く蒸発させることができるためおすすめです。

乾燥した室内ではすぐに水分は蒸発してしまいますが、容器に残った水やお湯は捨てて毎日張りかえるようにしましょう。

6-3.部屋に霧吹きで水を吹きかける

乾燥している部屋に直接水を吹きかけることで湿度を上げます。湿度を長時間キープすることは難しいため、一定の間隔で霧吹きをしていく必要があります。

6-4.入浴後に浴室のドアを開けっ放しにしておく

入浴後の浴室のドアを開けっ放しにしておくことで、浴室の水分が部屋全体に行き渡り加湿することができます。

広い部屋の場合は、浴槽にお湯を張ったままにしておくことで効果的に加湿できますが、湿度が上がり過ぎてしまいカビや結露の原因となる可能性もあるため、換気扇をつけたり窓を開けたりしながら調整するなどして工夫しましょう。

6-5.床を水拭きする

濡れた雑巾で床を水拭きすることで、床に残った水分が蒸発して部屋全体を加湿することができます。

この方法はフローリングの部屋に有効です。
畳の部屋で行うと、畳にカビが生える可能性もあるので控えましょう。

6-6.暖房器具を変える

石油ファンヒーター

エアコンや電気ストーブを使用している方は多いと思いますが、これらは部屋の温度を上げることを目的としており、構造上部屋の湿度を下げてしまいます。

暖房器具でも加湿をしながら部屋の温度を上げることができるものがあります。その代表的なものは、石油ファンヒーターやガスファンヒーターなどです。

石油やガスは燃焼すると熱の他にも水を発生させるため、排気するときに加湿効果が期待できるのです。

7.部屋の乾燥対策で、体も心も潤いましょう!

潤い

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念される今年の冬。
私たちの生活様式も大きく変化してきています。

これまでとは異なる状況に対して不安を感じている方も少なくないのではないでしょうか。

健康面で不安を感じると、心も沈んでしまいますよね。

そんな時には、できるだけ自分をリラックスさせる時間を、1日のうちに少しでも良いのでとってみていただきたいなと思います。

部屋の乾燥対策をしっかり行いながら、部屋はもちろん、体や心にも潤いを与えましょう。

今年の冬は、特別な冬。

みなさまも特別な冬だからこそ、これまで以上にしっかりとお部屋の乾燥対策をして健康的な毎日を過ごしましょう。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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