老け顔の原因にもなる「たるみ毛穴」。正しい対策と日頃からやるべきケア
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
ゆらぎ世代になるとさまざまなお肌の悩みが出てきますよね。
とくにお化粧をする際、自分の顔を鏡でしっかり見ると「なんだか毛穴が開いてたるんでいる」と思ったことはないでしょうか。
若い頃には肌にハリがあって、毛穴なんて気にならなかった人の方が多いでしょう。
しかし年齢を重ねるにつれ、多くの女性が毛穴の開きに悩んでいるようです。
とくに目と小鼻の間にある頬の辺りの毛穴が開き、涙状にたるんでしまうたるみ毛穴は厄介です。
今日はたるみ毛穴の原因や、その対策について詳しく紹介します。
目次
1.たるみ毛穴ってどんな状態?
たるみ毛穴とは、ハリや弾力を失った肌がたるむことで、その毛穴周辺が斜めに広がってしまう状態をいいます。
たるみ毛穴を近くで見ると、毛穴が涙状に広がっているため「涙形毛穴」と呼ばれることもあります。
たるみ毛穴は、ただ毛穴が開いた状態をいうのではなく、加齢によって肌がたるんだことが原因で起こります。
そのため、主に30代頃から気になる人が多く、20代以前の若い人の肌ではあまり見られません。
2.たるみ毛穴の主な原因
たるみ毛穴の主な原因は、加齢による肌の弾力低下です。
人は誰もが、年齢を重ねると肌のハリや弾力が失われてしまいます。
それにより、本来であれば丸い形をしている毛穴が肌のたるみにより引き延ばされ、目立つようになってしまうのです。
しかし、たるみ毛穴の原因は加齢だけでなく、生活習慣によるものも多いようです。ここからは、加齢以外のたるみ毛穴の原因についてみていきましょう。
2-1.過剰な皮脂分泌
そもそもたるみ毛穴は、毛穴が開いてしまうことにより、目立ってしまうことも多いです。
毛穴が開く原因は過剰な皮脂分泌が原因で起きるケースが多く、普段から脂っこいものや砂糖たっぷりの甘いものを多く食べていたり、メイク汚れが皮脂汚れになって毛穴に残っていたりすることが考えられます。
とくに、鼻を中心に丸型にポツポツと目立つ毛穴は、皮膚が過剰な皮脂分泌を起こし、毛穴が押し広げられている可能性が高いです。
脂っこい食事をした翌日に、鼻周りにある毛穴に白い吹き出物が現れることはないでしょうか。
それは毛穴に皮脂が詰まり、ポツポツと白く目立ってしまった状態です。
これらを防ぐためには、日頃から食生活に注意し、正しい洗顔方法で皮脂汚れをきちんと落とすことが大切です。
2-2.乾燥でも毛穴は広がる
たるみ毛穴は、乾燥によっても引き起こされます。
肌の乾燥は季節が原因で起こることもありますが、実はしっかりと水分をとっていないことでも起きます。
肌に充分な水分が行き届いていないと、角質が水分不足になり、毛穴の周りがへこんで影を作ります。これにより肌表面にしわのような状態をつくり、たるみ毛穴ができてしまうのです。
過剰な皮脂分泌も肌には悪いですが、水分を取らなかったり、保湿ケアを怠ったりする乾燥トラブルもたるみ毛穴の大きな原因です。
普段から水分をこまめに取り、保湿を意識した肌ケアを行うようにしましょう。
2-3.間違った洗顔・保湿対策
たるみ毛穴は、間違った洗顔やスキンケアによって悪化してしまうことも多いです。
例えば皮脂の分泌が盛んな脂性肌の人の場合、皮脂分泌を抑えるためにゴシゴシと顔を洗ってしまう人もいます。
しかし、過剰な摩擦が起こる間違った洗顔方法は、結果的に肌を乾燥させ、たるみ毛穴をさらに引き起こしてしまう要因にもなるのです。
また、乾燥を防ぐために保湿にこだわったスキンケア商品を選ぶことは大切なのですが、そもそも自分の肌に合わないものを選んでしまっては意味がありません。
スキンケアには保湿以外にも、低刺激で肌に負担をかけないものや、肌のバリア機能をサポートする製品を選ぶことが大切です。
3.たるみ毛穴に効果的な洗顔方法とは?
ここからは、たるみ毛穴を防ぐための正しい洗顔方法について解説していきましょう。
洗顔は高価な洗顔料さえ使っていれば、肌に良いと思うかもしれません。
しかしどれほど高価な洗顔料を使っていても、洗い方が間違っていれば、肌には負担がかかります。摩擦で肌にダメージを与えると、結果的にたるみ毛穴を引き起こしてしまいます。
洗顔は毎日欠かさず行うものです。だからこそ正しいやり方を覚え、今日からぜひ丁寧に行ってみましょう。
3-1.まずは予洗いし、洗顔料をしっかりと泡立てる
洗顔を始める前に、まずはぬるま湯で「予洗い」をすることが大切です。
朝の洗顔は入浴時とは違い、あまり予洗いをしないかもしれません。しかし、予洗いをすることにより、顔の汚れがさらに落ちやすくなるメリットがあります。
予洗いは35℃以下のお湯で、軽く肌にお湯をかけることが大切です。
お風呂での予洗いの場合、熱いシャワーのお湯をそのまま顔にかけてしまう人もいますが、それは肌に大きなダメージを与えてしまうためNGです。
予洗いができたら、洗顔料を手にとり、少量の水を足しながらしっかり泡立てます。
空気を含むように両手で洗顔料を泡立て、何度か水を足すことにより、細かな弾力のある泡を作ることができます。
時間がかかるからといってさほど泡立てないで洗顔してしまう人も多いのですが、それでは肌に洗顔料が残り、摩擦で肌を傷つけることにもなります。
泡立てネットを使えば、スピーディーにきめ細やかな泡ができるのでおすすめです。
3-2.皮脂の多い箇所から洗い、力は入れない!
両手をたっぷりと包む量の泡ができたら、いよいよ顔にのせていきます。
この際、泡は一番皮脂の分泌が多い「Tゾーン」からのせるようにしましょう。
泡をのせたら、くるくると円を描くように指の腹で優しく顔全体に伸ばしていきます。毛穴や小鼻など汚れが気になる部分は丁寧に洗うのがポイントです。
そしてもっともやってはいけないのが、汚れを落としたいからといってゴシゴシと力強く顔を洗うことです。
肌を手でゴシゴシ洗うと、摩擦が起こり、それを毎日繰り返すことでしわやたるみの原因にもなります。
あくまで顔を洗うときは泡をクッションにし、手と肌が直接触れないよう意識しましょう。
3-3.すすぎはぬるま湯で、やさしく拭く
洗顔後は泡を洗い流しますが、その際にも重要なポイントがあります。
それは「30〜34℃のぬるま湯ですすぐ」ということ。
このお湯は、ほんのり温かいと感じる程度の熱さです。
入浴中はつい40℃に近いお湯で顔を洗ってしまうこともありますが、それでは皮脂を落とし過ぎてしまうため、肌に負担がかかり、毛穴を広げる要因にもなります。
泡を落とすときだけはシャワーのお湯をぬるくして、手に力を入れずやさしく泡を溶かすイメージですすぎましょう。
また、すすぎ残しは肌トラブルの元になります。
フェイスラインや髪の生え際など、泡が残りやすい場所もやさしく洗い流し、最後にすすぎ残しがないかどうか確認します。
そしてタオルで顔を拭く際も、ゴシゴシとこするのはNGです。なるべく新しい清潔なタオルで顔全体を押さえるようにし、摩擦が起きないようやさしく拭き取ることが大切です。
▼さらに詳しい美肌をつくる洗顔についての解説はこちら[タイプ別・洗顔料種類付き]
https://wellmethod.jp/facewash/
4.正しいスキンケアとは
たるみ毛穴を予防するためには、日頃から正しいスキンケアを行うことが大切です。基本的なスキンケアとして次の3つを覚えておきましょう。
・上記で紹介した、正しい洗顔を行うこと
・きちんと保湿をすること
・朝はしっかりとUVケアを行うこと
スキンケアは化粧品によって多くの工程があります。化粧水のあと乳液をつけて美容液を塗ってクリームをつけて…。
スキンケアの工程が多いほど肌に良いイメージもありますが、そもそも「正しい洗顔」と「紫外線予防」ができていなければ、どれほど高価な基礎化粧品を使ってもあまり意味はないのです。
4-1.朝のスキンケアで注意したいこと
朝に行うスキンケアでは、次の2つを注意しましょう。
・紫外線対策をきちんとする
・夜用のアイテムを使わない
メイクをしない日でも、紫外線対策だけは必ず行いましょう。
紫外線は天気にかかわらず常に降り注いでおり、部屋の中にいても窓越しから紫外線を浴びています。
シミやしわの原因になる紫外線は、もちろんたるみ毛穴の原因にもなるので、UVケアは毎朝行うようにしましょう。
また、夜用のアイテムは、紫外線にあたることで肌に悪影響を及ぼすものもあります。ナイトクリームなどは夜だけ使うよう意識し、朝はUVケアを中心にスキンケアを行いましょう。
4-2.夜のスキンケアの注意点
夜に行うスキンケアは、次の2つが重要です。
・丁寧に洗顔し、メイクなどの汚れを残さない
・内外からしっかりと水分を取ることを意識する
夜は昼間に受けた肌のダメージを修復する時間です。
肌は眠っている間に修復しますが、メイクや皮脂汚れなどがしっかり落ちていないと、化粧水もしっかりと肌には浸透しません。
また、寝ている間に体内や肌への水分が足りないと、乾燥肌を引き起こすことにもなります。
化粧水は手のひらで温め、ゆっくりと押して肌に浸透させることがおすすめです。お風呂上りには意識して水分を取り、寝ている間に水分不足とならないようにしましょう。
5.たるみ肌を予防する生活とは?
たるみ肌を予防するには、正しい洗顔や、保湿を重視したスキンケアなどが欠かせません。
しかし、たるみ毛穴対策には日頃の食生活も大切です。とくに「コラーゲン」は肌のハリや弾力をサポートします。
コラーゲンを食事から摂取する場合は、一部がコラーゲンとして体内で利用されることもわかっていますが、体内でコラーゲン合成をサポートする栄養素をしっかり摂ることも大切です。
コラーゲンをサポートしてくれる成分として「ビタミンC」「鉄分」があります。ここからは、たるみ肌改善に期待できる、コラーゲンと栄養素について詳しく説明していきましょう。
https://wellmethod.jp/kansouhada/
5-1.コラーゲンを摂取するための心がけ
コラーゲンは、肌の真皮層に存在し、肌のハリや弾力をサポートしてくれるものです。
化粧水のなかには「コラーゲン配合」といった商品も多いのですが、通常、化粧品では真皮層までは作用されないため、コラーゲンが配合されたスキンケアを使っても、真皮層のコラーゲンにはなかなか作用しません。
ならば、体内のコラーゲンを増やすためにコラーゲンを多く含む食材を摂取しようと思われるかもしれませんが、そもそもコラーゲンはタンパク質なので、消化酵素の働きにより胃でペプチドになり、腸でアミノ酸にまで分解されます。
そのため、コラーゲンが含まれる動物や魚の皮やコラーゲン鍋などを食べても、全てが体のコラーゲンにはなりません。
しかし以前は、コラーゲンはアミノ酸まで分解されてしまうため、摂取をしてもタンパク質補給にしかならないとされていましたが、コラーゲンの一部はアミノ酸に分解されず、「コラーゲンペプチド」の状態で腸から吸収されることわかってきました。
この、腸で吸収された「コラーゲンペプチド」は、骨や皮膚、血管など、全身で活用されます。
「コラーゲンペプチド」の表示があるサプリメントを選ぶと、コラーゲンを効率良く摂取できますね。
▼【医師解説】更年期骨粗しょう症問題 “カルシウム”だけじゃダメ!? 骨を育む必須栄養素と運動法
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5-2.体内でコラーゲン合成に関わるビタミンCと鉄
肌の弾力をサポートするにはコラーゲンの存在が欠かせませんが、ビタミンCと鉄はそのコラーゲンの合成酵素の作用にかかわっています。
摂取するビタミンCや鉄の量が足りないとコラーゲンの生成も減ることになり、結果的にたるみ毛穴を悪化させてしまいます。
また、コラーゲン自体は、タンパク質でできているため、タンパク質の不足があるとうまく合成できません。
肉や魚、卵、豆製品などのタンパク質も不足なく摂りましょう。
ビタミンCが豊富な食材は、レモンなどの柑橘類、大根やキャベツなどの野菜です。日頃から、これらを意識して食べるようにしましょう。
鉄分に関しては、閉経前の女性に多いとされる「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」は、体内のコラーゲン合成の低下を招く大きな要因となります。
ぶつけた覚えがないのに足に青痣ができるのは、毛細血管のコラーゲンが低下している状態で、鉄欠乏のサインです。
鉄欠乏についての詳しい解説はこちらをご参照ください。
▼もしかして「隠れ貧血」?医師が教えるセルフチェックで不調の意味を考えよう
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また、スキンケアに「ビタミンC誘導体」を取り入れることもおすすめです。
通常、ビタミンCは空気に触れると酸化し、肌へ吸収がされにくいという性質があります。
しかしビタミンC誘導体は、肌の角質層への透過も優れており、肌に吸収されたあとにはビタミンCに変化するという性質があります。
またビタミンCのほか、表皮の一番上の層である「角質層」にあり、水分を蓄えて肌を保湿する役割のあるセラミドも年齢とともに減少していくため、スキンケアなどで補う必要があります。
6.たるみ毛穴対策には日頃から丁寧なスキンケアを
たるみ毛穴の大きな原因は加齢によるものであり、これを100%防ぐことは難しいです。
自分の顔にたるみ毛穴があると、他人に見られないよう、ついファンデーションなどを厚塗りしてしまうこともあるでしょう。
しかしメイクでたるみ毛穴を無理やり隠すと、かえって毛穴に汚れが詰まり、毛穴の状態がさらに悪化することになります。
たるみ毛穴対策は、日頃から正しい洗顔とスキンケアを行い、そしてコラーゲンを合成できるようなバランスの良い食生活を意識することが大切です。
1日だけで改善することはないものの、肌に良い生活習慣を意識することで美しく生まれ変わるでしょう。
今日からたるみ毛穴を改善すべく、まずは正しい洗顔とスキンケアから挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか